セイバーを強くしすぎた感が・・・・・・。
でも、逸話的にぶっ飛んでるし、大丈夫かな!
・・・・・・大丈夫かなぁ?
聖杯戦争、それは、過去、現在、未来の英雄を使役し戦いあう、魔術師の闘争。
英雄はあらゆる時代、あらゆる国において信仰を得た歴史、神話、伝説に登場する者たち。
「―――それが、僕たちだ。マスター」
「なるほど。つまり、アーチャーというのは偽名で真名を隠しているのか」
「そう、真名はその英雄の弱点を示すものでもあるからね」
「確かに、相手の名前がわかれば、その英雄の戦法や、能力も分かってしまうか・・・・・・」
「そう、それゆえに、僕ら(英霊)は真名を隠す。そして、召喚されるクラスは7つに分けられる」
「セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、アサシン、キャスター、バーサーカー、そしてそのどれにも当てはまらないエクストラクラスか・・・・・・」
「アーチャーは遠距離攻撃に特化したクラス。三騎士の一角であり、強力な宝具を持つことも多い。僕もそれなりの宝具をもっていると自負しているよ」
「世界を滅ぼしかける武器のどれがそれなりだよ」
「大丈夫、マスターの能力なら、それを開放することすら難しいからね」
ラーマ。
インド二大叙事詩の一つである『ラーマーヤナ』の主人公であり、彼のヴィシュヌの化身の一人といわれるインド屈指の大英雄である。
神代の英雄であり、インド、東南アジアでは最高位の信仰を得ているラーマはまさしく当たりの英雄だった。
また、神がかった弓術と古式ムエタイの創始者としての顔を持ち、インドの理想的な王としての人格を持つ。
「やっぱり、俺の未熟が原因だな」
「そうだね、マスターは魔術師としては素人もいいところ。単独行動のスキルがなかったら維持も難しかっただろうね」
晴彦は気恥ずかしそうにこめかみを掻く。
オカルトはそれなりに詳しいが、魔術といったものは初めてのことだ。
普通に生きていて、そういった黒歴史を経験している晴彦だが、今までそういったものは眉唾ものと思っていた。
アーチャーに出会っていなかったらそんなことを知らないままに生きていただろう、
そも、魔術にかかわることすら無かった男だ。
「これでも、そういった術を齧ってる身だ。それなりにアドバイスは出来るけど、何しろ体系が違うからね・・・・・・。
やらないよりかはマシといったレベルだけど、それでも良いなら教えてあげるよ」
「魔術か・・・・・・なんていうか、凄い興味をそそられるな。そんなもの、異世界にしかないと思ってたのに」
「ははは、奇跡も魔術もあるんだよ。この世界には」
「・・・・・・そうか」
能力的にアーチャー陣営は最弱である。
アーチャーは全力を出せず、加えてマスターは巻き込まれの一般人。
しかも、性格も甘いときた。聖杯戦争を勝ち残るのは非常に厳しい。
「・・・・・・それにしても、いいのかい」
「何が?」
「大学にいかなくても」
「・・・・・・いうな、・・・・・・いうな」
いえない、起きたら午後二時を回っていたなんていえない。
普通に考えて遅刻であり、ちょうど晴彦の出席する講義など終わっている。
「ゼミもサボっちまったし、どうしようも無いなこりゃ」
「ご愁傷様」
「・・・・・・まぁ、与太話はこのぐらいにして、方針を決めよう」
「そうだね、あのバーサーカーのような手合いがいる以上、魂喰いをする輩も少なくないだろう。・・・・・・それに、どうもあのバーサーカーには違和感がある」
アーチャーは真剣な面持ちで考え込む。
どうも、納得がいかないと。そんな表情だ。
「・・・・・・手ごたえがね、無かった。聖杯戦争に参加した以上、あのバーサーカーも一廉の英雄のはずだ。
理性というものを失っている以上それなりに高い狂化スキルを持っているはずだ。・・・・・・マスターはあれのステータスを見たんだろう? どうだった」
「そうだな、総合評価ならアーチャーの方が強かった。でも、それはお前が大英雄であるからで、それと比べるものじゃないんじゃ無いのか」
「ふむ・・・・・・僕の勘違いなのか」
「でも、いつでも最悪の状況を想定することも悪くないんじゃないのか。そうだな、バーサーカーの宝具について話し合うとか、俺的にはあの槍かと思うんだが・・・・・・」
深い思考にはまったアーチャーをフォローすべく、晴彦は話を変える。
アーチャーもそれが分かったようで、早々に思考を切り替える。
「それもそうだね、含まれている神秘の量からしてその可能性は高い。詳しく見たわけじゃないけど、おそらくは・・・・・・」
「槍を持つ英雄・・・・・・と、言うより怪物か? アーチャーの地域てそんな英雄とか聞いたことは?」
「そうだね、見た目はアスラ族に似た奇形だけど、若干違う。おそらくは別の英雄だろう」
「大口にずらりと並んだ尖った歯、角は無かったが、形は人間に近い・・・・・・」
そこで、彼らの思考はどん詰まりになってしまった。
「足りないな、情報が」
「そうだね、毒槍をもつ怪物が古今東西どれだけいると」
「まぁ、此処までそろっただけで十分だろう・・・・・・。スタンスの確認は昨日のうちに済ませたし、何かすることは?」
「うん、まずはこの町の立地に狙撃位置の確認かな。自分達の戦力の把握もしておかないと戦略すらたてられないからね」
「ごもっともで。じゃ、早速外に出るか・・・・・・お前、その格好で大丈夫か」
「外に出るときは霊体化しておくさ。だからマスターは心配しなくてもいい」
「・・・・・・そのマスターってのもやめてくれないか」
「そうか、ならどう呼んだらいい」
「葛西晴彦。それが俺の名前だ」
「じゃあ、晴彦。これでいいかな」
「おう・・・・・・」
大学に入ってからというもの、名前で呼ばれたことに対し、多少気恥ずかしさを抱えながら、彼らは昼の町に繰り出した。
「あ、あいつに連絡入れてねぇ・・・・・・」
暗い夜の公園。
向き合う二人の男。
一人は鉛色の肌を偉丈夫の姿。
一人は黒の鎧を身にまとう騎士。
傍らにはマスターたる少女達。
「―――よォ。やっと来たか」
「あれほどの魔力を垂れ流しにしていたら誰にでも分かる」
「そうか・・・・・・。で、テメェの得物は剣かい? この俺に対して剣で挑むとはな、クラスは何だ」
偉丈夫は半ば挑発するように語りかける
「ランサー」
「槍は出さねェのか」
「あんなもの、抜かないほうがよっぽどいいさ。そういう貴方はセイバーか」
そう、ランサーは眉をひそめ、偉丈夫をにらみつける。
「おう、俺が最優のセイバーだ。まぁテメェがそういうならかまわねェがよ。
―――言い訳は別に用意しとけ!」
セイバーは肩に背負う大剣を抜きながらランサーに猛進する。
巨体に見合わないスピードでセイバーはランサーに肉薄するが、相手は最速と名高いランサーのクラス。
「―――はぁ!」
「―――オラァ!」
けたたましく鳴り響く剣戟の音。
ランサーは双剣を手に取り、セイバーは大剣を巧みに操る。
常人には目に追えないほどのその攻防の中、その戦いの中にいた彼らは笑みを浮かべていた。
「やるじゃねェか! ランサー!」
「そちらも、中々の腕だ! セイバー!」
剣戟を交わしつつ談笑する二騎の英霊達。
圧倒的体格差と能力に恵まれたセイバー。
反して、圧倒的技量とそれを支える能力を持つランサー。
戦闘スタイルも生まれも全く違う二人ではあるが、根っからの『戦闘狂』という共通点を持つ二人の戦いは続くこととなる。
☆
打ち合うこと数合。
勝負は徐々に傾くこととなる。
「―――はっ!」
「うお・・・・・・!」
ランサーの一撃はセイバーの懐へと入り込み、甲高い音を響かせる。
「・・・・・・これで六発。無傷か・・・・・・」
「やれやれ、こっちはまだ四発しか入っちゃいねェのにな。しかも、浅いときた」
ランサーの攻撃は確かに入っている。
しかし、ランサーの攻撃に対し、セイバーは未だ無傷であった。
「・・・・・・君に弱点はないのかい」
「ハッ! それを言っちゃあ面白くないだろ」
「それも、そうだな・・・・・・!」
セイバーはそういって大剣を構える。
ランサーは軽快な足運びでセイバーの隙をうかがう。
(マスター)
(何、ランサー)
(最悪、宝具を開放する)
宝具。それは英雄の持つ必殺の兵器。
人類史に名前を刻んだ英雄達の持つ『ラスト・ファンタズム』である、英雄の矜持そのものである。
当然、英雄との関係の深いものであり、真名に繋がることも十分にありえる劇薬でもある。
(分かりました・・・・・・)
ランサーは立ち向かう。
マスターからの宝具の開帳の言質があれば、まだ、何とかなろう。
【CLASS】セイバー
【マスター】■■■■
【性別】男性
【身長・体重】250cm・500kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力A+ 耐久A+ 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具??
【固有スキル】
天性の肉体:A
生まれながらに生物として完全な肉体を持つ。
このスキルの所有者は、常に筋力と耐久がランクアップしているものとして扱われる。
セイバーは生まれながらにして鋼鉄の肉体を持っている
セイバーの専売特許はその膂力と頑強さを前面に出した荒々しい攻撃であり、それに卓越した技量も兼ね備えている。非常に強力な英雄である。
セイバーの一撃はまさしく必殺と呼べるほどの威力。
加え、セイバーの持つ大剣。
刀身が赤く染まるほどの熱量は斬りつけられただけでも大ダメージを負いかねないほどである。
対して、ランサーの技量はそれこそ無双の域にいるものなれど、急所という急所をすべて弾かれてはどうしようもない。
(本当に厄介な手合いだ)
対し、セイバーもこの英雄に対し、未だ有効打を与えられない。
持久戦となればこちらが優位なはずであるのに、ランサーの集中力は一向に切れず、それどころかこちらと同等・・・・・・いや、それ以上の技量を持って渡りあっている。
それどころか、こちらに対し、未だに闘志をむき出しにし、あきらめの意思なくその武を振るい続ける。
【CLASS】ランサー
【マスター】近衛結香
【性別】男性
【身長・体重】185cm・77kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力A 耐久A 敏捷A 魔力B 幸運E 宝具??
【固有スキル】
無窮の武練:A+
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。
心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
(最高だ・・・・・・! 最高だぜランサー! テメェのような奴に会えるなんざ、考えもしなかった。やはり、この戦いに参加したのは正解だった・・・・・・!)
セイバーは奮える。
生前にこれほどの勇士がどれほどいただろうか。
これほどの心技を兼ね備える勇猛果敢な騎士が自分を戦うなど、まさに夢の様であった。
しかし、この甘美な時間にも終わりはある。
「―――セイバー」
「・・・・・・あァ、どうやら邪魔が入ったようだ」
セイバーは顔をしかめ、不機嫌そうに己のマスターの下へ駆け寄る。
「敵よ。それも同じサーヴァント」
「戦いを邪魔するたァ・・・・・・なっちゃねェな」
「それは、どうもすまないことをした」
セイバーの言葉に反応したのは一人の男性であった。
紺を基調とした色に落ち着いた装いの服を着た金糸の髪の男。
「私は今次聖杯戦争でライダーを召喚せし者。名をレイヴ・ロザンと申します。以後お見知りおきを」
「ふん、それ相応の礼儀はわきまえているようだな。まぁいい、マスター」
「えぇ、此処から先は私の仕事」
そういって、セイバーのマスターたる少女は前に出る。
着ている服は此処柊市内の高校の服装であろう、サイドテールに結った髪が特徴の少女が出てくる。
「私は柊市のセカンドオーナー、早瀬七海と申します。時計塔の貴族(ロード)よ、こちらにいらっしゃったのなら何か用件がお
有りのはずでは?」
そういって、早瀬七海は言う。
若いながら毅然とした態度は見事であり、どこか気品も漂う。
しかし、それは貴族とて同じだ。
双方とも一流の魔術師であり、教養も才能も、それを磨き上げた努力もある、生粋の貴人。
「えぇ、お美しい姫君よ。いかにも、このレイヴ・ロザンお二方の戦いを中断する訳がございました」
ロザンは両手を広げ、声高らかに話す。
「近頃、狂犬がこのあたりを荒らしまわるということで、随分と僻易しているのではと思いましてね」
「確かに、あのバーサーカーは厄介ね。けど、それが貴方と何の関係が」
「―――気づきませぬか? 囲まれているのですよ。我々は」
そういった瞬間、周りより幾多の狂戦士が出現した。
「「「■■■■―――!」」」
「―――群体型! いや、それより、貴族、貴方バーサーカーと―――」
手を組んだのか。
そう、思った。
事実、ライダーに気をとられ、ここまでの接近を許してしまった。
「―――そう、君らならそう来ると思ったよバーサーカー」
ロザンはほくそ笑む。
まんまと釣りだされたバーサーカーに。
この混戦となれば、バーサーカー陣営にとってチャンス他ならない。
混戦となった場合、圧倒的量を持つバーサーカーは有利である。
バーサーカーの持つ毒槍もさながら、他のサーヴァントにとって自身と同等の英雄の動向を気を使わなければならないのだから。
無論、ロザンにも勝算がある。
故に、この一手において、ロザンは戦いの主導権を握ったも同然なのだ。
(ランサーとセイバーは手を組まない、いいや、組ませない! 混戦に持ち込めばライダーの能力もそれなりに使える。何よりあのセイバーは危険だ。ライダーの宝具と同等かそれ以上の能力なら、此処で倒れると良い。最低、令呪を切らせればなおよし!)
この戦いにおけるライダー陣営の目的は敵の戦力を削ぐこと、相手が倒せにくければそれなりに方法はある。
ライダー陣営は情報戦においては他の追随を許さない。
「我が親愛なる女王よ」
「ここにいるわ」
ロザンのその言葉と共に霊体化を解いた一人の女性。
その女性はなんとも美しく、まさしく絶世の美女の名にふさわしい。
その彼女の能力は他陣営の度肝を抜いた。
【CLASS】ライダー
【マスター】レイヴ・ロザン
【性別】女性
【身長・体重】168cm・50kg
【属性】中立・中庸
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具??
オールE。此処までくると逆にすがすがしいものである。
「魅せてやろう我々の力を」
「貴方の仰せのままに」
不意に周囲の魔力が満ちる。
いけない!
そう思い、動いた英雄が一体。
「■■■■―――!」
バーサーカーである。
本能で行動する彼らは、まさしく、そのいやな予感を感じ取り動いた。
しかし、それは悪手だった。
振り上げる狂戦士の腕に噛み付く一匹の獣。
犬である。
「ほぉ・・・・・・」
誰かが驚嘆する。
ただの犬と恐れるなかれ、身に添えられた神秘は何よりも多い。
「素晴らしい。よくやった猟犬」
所謂神獣であるその犬は戦闘に特化せずとも、英雄一体足止めするには十分―――!
「来たれ、我が青銅の守護者よ―――!」
吼えるほどの轟音を纏い出現する18メートルはあろうかとする巨人。
身にまとう熱はその身を紅く染め上げる。
軋む関節、感情のないその巨人は我らが女王を守るかのように佇んでいる。
「さぁ、はじめよう。聖杯戦争を・・・・・・」
こちらが持ちうるは最強の手札。
対し、相手も有するは最強の手札。
ここに、神話が再現される。
【元ネタ】史実
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】ハサン・サッバーハ
【性別】男性
【身長・体重】173cm・66kg
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷A 魔力C 幸運A 宝具C
【クラス別スキル】
気配遮断:A+
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【固有スキル】
仕切り直し:B
窮地から離脱する能力。
不利な状況から脱出する方法を瞬時に思い付くことができる。
加えて逃走に専念する場合、相手の追跡判定にペナルティを与える。
陣地作成:D
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
”結界”の形成が可能。
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
直感:C+
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。
敵の攻撃を初見でもある程度は予見することができる。
アサシンの場合、危険回避の場合に対し特化している。
【宝具】
『回想退避(ザバーニーヤ)』
ランク:C 種別:対人(撤退)宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:5人
如何なる場所であろうと必ずといっていいほど生存してきたアサシンの技量が宝具として昇華されたもの。
あらかじめ基点を決めておくことで、真名開放と同時に撤退を開始する。
退却時、妨害宝具を持たない限り、安全に撤退が可能。
最高位の魔術、空間転移に順ずる能力である。
【没理由】
キャラを増やしたくなかったから。もとい、このハサン先生がマスターを殺すとは思えなくなってしまったから。
コンセプトは生存特化ハサン。
嫌がらせと持久戦に特化。
令呪の補助があれば、固有結界からも逃げることが出来る。
元が弱いから下手に包囲網も組めない。