Fate/destruction   作:ニーガタの英霊

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 おそらく作中で使われないであろうタロスの能力値

【マスター】エウロペ
【身長・体重】18m・4t
【ステータス】筋力A 耐久A 敏捷A 魔力A 幸運C 宝具A++

【固有スキル】
無我:A+
 自我・精神を持たないため、あらゆる精神干渉を無条件で無効化する。

守護機兵:A+
 他者を守る時、一時的に全ステータスをワンランク上昇させる。

魔力放出(熱):A
 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、
 瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。
 内側に流れる霊血により、常に灼熱を帯びている。
 また、限定的な熱線放射を行う

投擲:A
 掴んだものを弾丸のように投げることが出来る。
 タロスの場合、その威力は大砲に例えられ、熱の属性を帯び追加ダメージ与える。



第32話

「むっ・・・・・・」

 

 夜の柊市の遺跡に一人佇む一人の男の姿があった。

 そして、その傍らには水に濡れた少女が倒れこみ、意識なく横たわっていた。

 

「キャスターめ、まさか宝具を使ったか。やれやれ、切り札は取っておくものだろうに、これだから低能は好かんのだ」

 

 毒づきながらヨーゼフは少女―――結香を抱えると、ゆっくりと遺跡から離れ、己が陣地へと帰還する。

 

「とにかく、陽動は成功か。さて、これで三騎、陽動でまた一騎落ちれば儲けものというものだ。バーサーカーもすり潰した、後は期待して待とうではないか」

 

 湿った地面に足を取られることなく、軽快に歩みを進めるヨーゼフ。

 来るときは下水管を通り、素早い移動が出来ていたが、結香を運ぶ以上そんなことも難しく、徒歩での帰還を余儀なくされた。

 この時ばかりは才能豊かな魔術師をよく羨んだと思考するのだった。

 

 ヨーゼフは結香の手を見て、落胆する

 

「嗚呼、令呪も削れてしまったか。流用も不可能とは、やれやれ、どうにもうまくいかないものだ」

 

 自分ならうまくやれると思いながらもこの結果。

 大勢を見れば有利なのはこちらではあるが、それでも多くの参加者を敵に回したうえで、バーサーカー陣営という内憂を抱えている状況は素直に褒められたものではない。

 

「未使用令呪は一画のみとすれば、まだ十分に対応はできるが・・・・・・、とは言え、ランサーが落ちた現状では、最大の懸念はアーチャーか。あのレイヴ・ロザンと巨兵のコンビは中々に危険だが、何せあのアーチャーだ。隠し玉の一つや二つ隠し持っていても不思議ではあるまい。うむ、中々にさえているな俺様!」

 

 あの出会いからヨーゼフはスパルタ式に組織から教育を詰め込まされた。

 特に今のような体になってからもその教育は続けさせられ、大変な苦労をしたものだと回想する。

 まあ、そのおかげでこれ程までに死にがたい体を手に入れられたので、そこそこ満足しているが、完全な不死の方には程遠い。

 

「あぁ、やはり目標は先生・・・・・・もとい『賢者』か『大佐』か。『翁』は俺様的には問題外だし『伯爵』はそもそも次元が違う」

 

 何せ、ヨーゼフは組織の中でも中堅か下位、幹部とは皆顔見知りであるが、そもそも組織自体が小さなものであるため仕方ない面もある。

 

「まぁ、すべてはこの戦いが終わってからのこと。すべては新生する世界の為である―――」

 

 

 

 

 

 

 

 吹き上がる熱風、あるいは熱気。

 体の余すところから蒸気を巻き上げ、青銅の巨人は守るべき主の盾となる。

 

 対し、狂戦士はまさしく矛。

 二十八対の腕には禍々しい毒槍が握られ、青銅に巨人に対し果敢に挑む。

 

 そして、戦うのは何も彼らだけではない。

 

「『Behold,(見性せよ、)This flame that took from heaven!(天より奪いしこの焔を!) Puromedeusu(叡智の神火)』」

 

 轟々と燃えつく炎の壁、陽炎が周囲の世界を揺らめかせ彼我の境界を曖昧にする。

 速く、速く、ただ速く、疾走するレイヴか留まることなく強化した肉体を無理やり動かし、己が敵と相対する。

 

「―――シッ!」

 

 一閃。

 まさしくその一閃により、炎の壁を切り裂きホムンクルスは迫りくる。

 

 その手に持つは銀の短剣。

 魔を打ち払う浄化の剣を片手にレイヴの魔術をいとも簡単に切り裂く。

 

 そして、驚くべきはその身体能力。

 単純な身体能力を底上げしたほか、反射神経、各種感覚器官の強化、こと肉弾戦においては今次マスターの中では最強と言える能力を八号は有していた。

 

 それもそのはず、五号が魔力供給に特化したホムンクルスならば、彼は戦闘と呼ばれるもののすべてに特化したホムンクルス。

 あの自然公園の乱戦の最中逃げることができたことから、極めて高い判断力を有していることは想像に難くない。

 

 そう、この戦場、こと戦術のみに注視すればこれほど厄介な手合いはないことをレイヴはわずかな戦いの中から分析していた。

 

「―――ガント!!」

 

 敵に向かい放たれる五指、その一指一指より放たれる呪いの弾丸はまさしく散弾銃のように吐き出され、面での攻撃を可能とする。

 一発でも触れれば昏睡は免れないそれを、八号は見極め躱し、あるいは短剣を以て切り裂く。

 

 まさしく絶技、三年という年月、その少ない生涯の中から何度も反復した武術の冴え。

 これこそ、つくられた人間のみ可能とした調整の力。

 さぞ、彼を創った錬金術師に対し、レイヴは驚嘆する。

 

 そして、極め付けはその短剣。

 スキルでいうところのおよそDランク程度の対魔力が宿っているといいことに加え、それはレイヴの魔術では打ち破ることができないことを意味していた。

 

 例え大魔術を発動したといえその前に短剣を以て切り殺されて終わる。

 接近戦は圧倒的にこちらが不利な状況であり、接近を許した場合のことなど考えたくもない。

 

「・・・・・・全く、こういった手合いはあの馬鹿の性分だろうに」

 

 アサシンならば、逆にこういった手合いはむしろ得意分野である。

 確かに八号に光るものを感じているレイヴだが、それもアサシンの数々の絶技の前では児戯に等しい。

 

 また、レイヴにとっての予想外があった。

 

「まさかバーサーカーが完全にタロスを封殺するとは」

 

 二十八対、腕が欠けることなく、タロスの相対するクラン・カラティン。

 何かしらの方法をとったのであろう、分裂時にあれほど各個撃破したというに今こうして立ち向かっているバーサーカーは何一つ戦力が欠けることなく此処にいる。

 すべて計算の上であれば成る程、いくら徘徊するバーサーカーが死せども平気であったわけだとレイヴは察すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【CLASS】バーサーカー

【マスター】八号、五号

【真名】クラン・カラティン

【性別】男性

【身長・体重】225cm・100kg

【属性】混沌・狂

【ステータス】筋力A+ 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運D 宝具B

 

 

【クラス別スキル】

狂化:B

 全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。

 

 

【固有スキル】

自己改造:A

 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。

 このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。

 己の一族に接触することで、その肉体を吸収し、

 その肉体の手足などの部位を我が身として十全に同時運用できる。

 

 

怪力:A

 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。

 使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。

 

【宝具】

二十八の怪物(クラン・カラティン)

 ランク:B 種別対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―

 バーサーカーの持つ二十八の息子と融合した逸話より、自身を二十八体のサーヴァントに分裂させることを可能とする。

 バーサーカーは血を媒介とし、毒槍を作り出すことを可能とする。

 この毒槍は傷つけた相手を九日以内に殺すもので、非常に強力。

 この宝具を使うためには令呪を一角必要とする。

 

 

 

 

 

 

 あの青銅の巨人にとって毒は恐ろしくはない、むしろ危険なのはレイヴであり、まずもって巨人のすることはバーサーカーとレイヴの距離をできるだけ離すことであった。

 

 それはレイヴもわかっていたことであり、タロスもいつでも駆けつけるように一定の距離は保っている。

 それだけならばまだしも完全状態のバーサーカーの筋力値がタロスを上回っていたために、タロスは防戦へと追い込まれることになる。

 

 負けることはない、しかし、タロスでは勝利することもまた難しい。

 彼に与えられた命令は守ること、それは逆説的に攻勢に打って出ることが難しいことを意味していた。

 

 加え、バーサーカーは並のサーヴァント以上に大柄ではあるが、タロスと比べればいくらか小ぶりなのは事実。

 浅瀬の決闘、その決闘の間のみ、コノート軍は軍を進めることができたというならば、むしろ足止め、長期戦はバーサーカーの得意分野と言えた。

 そしてそれは理性を失おうと、体に染みついた彼自身の技量は衰えずタロスを阻むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・さて、ひどく滑稽な状況だ。ホラーゲームも真っ青だな、まさにクソゲーだ。例えるならプレイヤーの二人が某ブルーベリー色をした全裸の巨人×ウン百人に追いかけられているようなものだな。ウン」

 

 流石に某巨人よりかは可愛らしい存在ではあるが、真っ向から立ち向かうなどアサシンには不可能だ。

 一人で勝手な納得をしているアサシンを怪訝な目で見ながらも、七海は作業に移る。

 

「詰み半歩手前だな、これなら逆に捕まって脱走した方が遥かに勝率がいい」

 

「戯けたことは止しなさい、捕まる前に殺されてお仕舞いよ」

 

 聖オルレアン学院、校内を駆けながらアサシンと七海は時には身を顰め、あるいは追う魑魅魍魎の群れを避けつつ対処していた。

 

「で、これからどうするのかしら。このまま隠れるのだけはごめんよ」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

 一番いい作戦を頼むと返してくれないのが七海だ。

 現に元ネタが分かっておらず、現状もアサシンから命じられた作業を行うだけだった七海は怪訝な目でアサシンを見つめていた。

 

「ん゛ん゛ッ・・・・・・・兎も角、情報が必要だ。教えて貰えるかな、女史」

 

 アサシンはのどを鳴らすと、まずは状況を把握するために、七海に再度向き合うのだった。

 

 

 

 

 

 

 悠々と浮遊する霜の精霊。

 姿かたちはこれと言ってなく、まさしく浮遊系と称するのにふさわしいそれはゆっくりと校舎を徘徊し、アサシンと七海を探す。

 彼らを生み出した創造主の命令は絶対、たとえそれが創造主自身の命令でなくとも、代理人の命令は遵守せねばならない。

 それが彼らの存在意義、逆に言えばそれ以外の行動はとらないことの絶対であった。

 

 そもそもキャスターはナニかを創り出す英雄ではない。

 そうであれば彼女の願いはとうに叶っていた筈だからだ。

 彼女が求めたのは至上の杯、名匠たるセッポ・イルマリネンが創りあげたサンポに勝るとも劣らない逸品の為である。

 故に彼女が創り上げた物は確かに彼の名匠に劣るのは当たり前であり、数少ない付け入る隙となる。

 

 突如として燃え盛る霜の精霊、悲鳴をあげることもなく炎に包まれ瞬く間に消え去る。

 

「全くもってとんでもないな・・・・・・」

 

 霜の精霊を倒した下手人であるアサシンはノートを片手にまたページを破り札を手にする。

 

「余りこういったものは専門外だが、確かルーンと符術の会わせ技と言ったか。成る程、これなら私にも限定的に魔術を使えると言うわけだ」

 

 材料は簡単、ノートと筆記用具。

 校内では比較簡単に用意が可能であり、ちゃんとした道具を使っていないためにそれなりに効果は落ちるがそれでも単独ならば容易に撃破が可能だ。

 

「表は安全だ、では行こうか女史」

 

「えぇ、こちらも準備は完了したわ。エスコートをお願いできるかしら」

 

 教室からは七海が顔を出し、アサシンに手をひかれて進み出る。

 

「勿論、では始めようか作戦名はオペレーションフィッシュトラップだ!」

 




事実上、バーサーカーの筋力値はA++、完全状態セイバーと同レベル

賢者、大佐、翁、伯爵・・・・・・皆、やり方は違えど不老不死を実現している人。ノヴァの愉快な仲間たち
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