今年の目標はFate/destruction完結を目指します。以上、よろしくお願いします!
【小ネタ】もしサーヴァントが別クラスで召喚されたら
円卓成立以前最強セイバー ベイリン
今次最弱のランサー クラン・カラティン
槍が宝具化するアーチャー エウロペ
攻勢特化のライダー ロウヒ
ナルト一似合わないアサシン バトラズ
マントラの達人キャスター ラーマ
絶対にやばいバーサーカー 無銘・殺人鬼(ハンニバルの人格消滅)
「
発動した固有結界。
自らの心象風景を具現化する魔法に最も近き魔術の一つとされる秘術をヨーゼフ・ウッド・アルビオンは繰り出した。
「!?」
変わる世界、揺れる世界。
とたんに息苦しくなり、呼吸が覚束なくなる。
そして、アサシンは認識する、これこそがヨーゼフ・ウッド・アルビオンの心象風景。
「(これは、そうかそういうことか・・・・・・)」
息を止め、視界を世界に馴染ませる。
そう、そこはまさしく水の中、四方八方、上下左右すべてに至るまで水で浸された空間、世界こそがヨーゼフ・ウッド・アルビオンの心象風景、『
どちらが上か、どちらか下かの感覚すらなく、ただわかることは、自身の肉体が徐々に落ちていくという感覚のみだった。
『さあ、行こう。我らが生命の源へ、老いること無き常若へ』
「(うるさい、せっかく新調したスーツが台無しではないか、この無礼者が!)」
そして、この世界そのものがヨーゼフ・ウッド・アルビオン。
すべての水が、ヨーゼフという男と別離、或いは同化している。
そして、途端に訪れる、胸が破裂するかのような痛みを感じる。
「ゴガッ・・・・・・ゴボボッ!?」
それは急激な水圧の上昇、肺から喉元に際し空気が無理やり吐き出され、それと同時に多量の水を肺の中に取り込んでしまう。
それは受肉しているアサシンも同じことだ。
迫りくる窒息死という恐怖。
そう、これこそがランサーを追い詰めた所以。
零体化が可能なサーヴァントとは違い、マスターは呼吸ができなければ死んでしまう。
逆説的にこの固有結界に取り込まれればそれだけで十分な人質としての効果がある。
ランサーは気高いが故にランサーはヨーゼフの言われるがままに貫かれた霊核を何度も突き刺し、死を迎えた。
それがマスターである結香が唯一生き残る方法であったが故に。
勿論、ヨーゼフを仕留めようと思えば仕留めることが出来ただろう。
しかし、それは己のマスターすら飲み込む文字通りの自爆技。
しかも、時間が経過するごとに肉体にかかる水圧の負荷は増し続ける。
「ガボッ・・・・・・ガボボッ!?」
「(レイヴ・ロザン・・・・・・!)」
もがき、苦しみ、そしてパニック状態に置かれているレイヴ・ロザン。
それはそうだ、どれ程口を閉じようと、外部から受ける水圧により肺に溜まった空気が無理やり吐き出されるのだ。
その恐怖はパニックとなり、またそれをどうにかしようともがけばもがくほど、肉体から体力は失われていく。
アサシンのように超然的な精神、そして窒息による障害などの医学的知識を持ち得ていないからこその判断でもあった。
「(世話の焼ける・・・・・・!)」
アサシンはレイヴの肩を無理やりつかむと、どてっ腹に痛烈な一撃を食らわせる。
空気が余分に漏れて逆に水を飲み込まないように口元と鼻を抑え、意識を刈り取る。
「(全くもってえげつない能力だ。この状況で酸素を取り入れる方法はない。味も塩気があるなら海水、肺に入れるわけにはいかん。そもそもどこが上なのかもわからん、そもそもない可能性もある。そして、寒い・・・・・・!)」
溺死による窒息、そして水圧が上がるとともに、水温が下がり続けることによる低体温症すら引き起こす。
勿論、低体温症は窒息するまで生きていればの話だが、このまま何とか生き残っても、時間をかければ自身のほか、レイヴにも障害が残る。
逆算してタイムリミットは十分以内、勝ち筋を見出すならもっと少ないだろう、動ける時間を考えれば五分で決着をつけねばならない。
「(・・・・・・無理だな、勝てん)」
『どうした、足掻かないのかアサシン? レイヴ・ロザンの寿命を少々伸ばそうとしたらしいが、それでも精々二、三分程度。憐れよな。貴様など受肉化すればあるいはこの空間を生き延びられたやも知れなかったというのにだ』
声は四方八方、或いは耳の中から聞こえる。
この世界こそヨーゼフ・ウッド・アルビオン。
アサシンには人を殺すことは出来ても、世界を殺すことは出来ない。
「(全くもって性格が悪いな、嗚呼、貴様は生きれるだろうなヨーゼフ・ウッド・アルビオン。自身に有利な世界、戦況、この世界のすべてが相手の有利に運ぶ。成る程これが固有結界か。
―――勝てんな、確かにこれでは勝てまい。私の負けだ、貴様の勝利だよ)」
アサシンは肺の中の空気を出し切り、息を止め静かに静止する。
それは諦め、絶望の淵で苦しんで死んでいくという選択であるとヨーゼフは信じて疑わなかった。
この能力は無敵だ、最強だと。
そう信じて疑わず、事実この能力を以て仕留められなかった相手は彼にはいなかった。
いかなる死徒であろうと、悠久と言える水の中では無力であり、最終的には自身の飢餓衝動によって狂い自壊していった。
面を上げればそこには絶望に歪んたアサシンの顔があると信じ、そして気づく。
こいつはいったいなんで笑っているんだと。
「(―――だが、勝負には勝ったぞ)」
鈍く、響き渡る亀裂音。
それは洞穴の一部が水ばかりの世界に対し鮮明に穴をあけ、亀裂はさらに大きくなっていく。
『これは・・・・・・、まさか・・・・・・!?』
崩壊する固有結界、それは更なる固有結界による重ね掛けによって塗りつぶされる現象であった。
「そうだ、アンタの敗北だよ。馬鹿マスター」
「キャス、タァァァァアアアアア!!」
固有結界の崩壊、塗り替え。
基本的に固有結界は後に出した方が空間の主導権を握りやすい、それはまさしく、ヨーゼフ・ウッド・アルビオンを所定の位置にヨーゼフという存在を確実に置けるということであった。
固有結界の解除、ここから動いたのは四人。
一人はキャスター、一人はヨーゼフ・ウッド・アルビオン、一人はアサシン、そして最後の一人はキャスターの瞬間移動によって連れてこられたアーチャーだった。
ここから先は、まさしく刹那の判断が活路を見出す生死の淵。
初手、まず動いたのは、ヨーゼフ。
「『自害しろォォォォォオオオオ!』」
彼がやったのは、裏切り者の始末。
その判断は実に正しい、だからこそ、彼は間に合わなかった。
ここはまさしく彼女の城。
この世界でなら空間移動すら容易に成し遂げる魔術のポテンシャルを持ち相手ならば、自害する一瞬のうちにヨーゼフを一気に凍りつかせることは容易である。
「ガッ・・・・・・」
令呪による自害によって、キャスターは肉体内部から魔力を破裂され霊核を潰す。
その姿は誰も見ることもなく、振り向くことなく、状況は次手へと変化する。
走馬燈のようにゆっくりと情景が動くヨーゼフの視界はキャスターと同時にアーチャーを捉える。
その姿はなんと雄々しく恐ろしきや。
瞬間、ヨーゼフは理解するその一矢は自身を死に至らしめるには十分な脅威を放っていると。
だが、しかし彼は動けない。
キャスターによって凍てつかされた肉体は確実にヨーゼフの行動を阻害していた。
しかし、固体状態から液体状態に変化すれば肉体を分離して生存は可能だ、あとは気体状態になって逃げればいいだけの話、例え肉体が一ミクロンでもあればヨーゼフは死なない、文字通り何度でもよみがえるのだから。
だからこそ、気づかない。
目の前の恐怖の大きさが大きすぎるために、背後から忍び寄る暗殺者の姿に。
背後に見えるはなりふり構わずにこちらに接近に成功した暗殺者。
大口を開け、一飲みでヨーゼフの肉体すべてを胃に入れ込んだ。
「なッ・・・・・・!?」
ヨーゼフが感じたのは、困惑、恐怖、そして理解だった。
「(そうか! 令呪の力か・・・・・・!)」
赤く輝く手の甲には一画の令呪が、意識を他へと向けているときに、一飲みでヨーゼフはアサシンによって嚥下させられる。
人並みの氷を一飲みで嚥下するなど、常識で言ってありえない。
しかしそのありえないをあり得ることにするのが令呪という奇跡の結晶である。
「(ふざけるな、この程度腹から突き破って・・・・・・)」
そして気づく、そうこれこそが彼らの選択。
ヨーゼフ・ウッド・アルビオンを死に至らしめる策。
肉体を氷と化すことで行動を制限、アサシンという英霊の肉の牢獄。
「『
「やめろ・・・・・・、やめろォォォォオオオオオ!!!!」
肉体の液体化一部成功、されどこの牢獄をぶち抜くには量が足りない。
刻一刻と迫る、死の恐怖に、ヨーゼフは何も出来ない。
ここまでするかと彼は思う、否ここまでしなければ、殺し切れないのだ。
「
射抜かれる灼熱の一撃、全てを滅ぼす必滅の宝具。
その攻撃は、アサシンの腹部を穿ちぬいた―――。
「さらばだ、ヨーゼフ・ウッド・アルビオン」
「―――!?」
ドロリと、アサシンの腹部から、液体が漏れだす。
しかし、その量は徐々にその体積を失われていき、文字通り消滅間近であった。
「―――嫌だ・・・・・・」
それでも液体は進む、まるで何かから逃れるように。
「死にたくない・・・・・・、死にたく、ない・・・・・・! 俺様は・・・・・・、俺はッ・・・・・・!」
彼は、生を望む。
誰よりも死にたくないと願い続けた男が、持ち続けた渇望は今ここにすべてを失うと知っているからだ。
「憐れな男だよ・・・・・・」
消滅寸前の状態で、キャスターはその男の末路を見ていた。
既に半身は失われ、この身は大聖杯に捧げられると知って、それでも最期まで男を見ていた。
「感謝するよ、アーチャー。あんな馬鹿でもアタシのマスターだ、殺してくれたこと、感謝する」
「なに、僕も、僕としてやるべきことをやっただけだよ」
消えゆく雪の女王はただ一言感謝を述べる。
瞳には煌めく理想の英雄を見ながら、その輝きを羨み、自身の矮小さに自嘲した。
「アンタにも感謝するよ、葛西晴彦。よく決断してくれたね」
「・・・・・・」
晴彦は目を瞑り、今にも苦しみに耐えながらも、それでも彼は口を開いた。
「・・・・・・初めてだよ、自分の意思で人を殺したのは」
強くその行為を強く受け止めつつも、晴彦は折れることはない、既に決めたことだから、多くを救うためには、何かを犠牲にしなければならない。
「―――実際に殺したのはアーチャーだ。どのような敵だろうと打ち倒し、弓に矢を番え殺し、実際に戦ったのはアーチャーだ。
―――けど、殺したのは、俺の意思だ。だからこそ、俺はこの死を背負っていく。妹を殺したように、俺が一生背負っていく罪だ」
覚悟はしていた、それなりにショックではあったが、全ては覚悟の上。
大切な人の死を乗り越えたから、次は逃げることなく、それを一生背負っていこう。
「大丈夫だよ、キャスター。俺はこれからも頑張っていける。たとえこれが俺の独善だとしても、後悔だけはしないさ」
「・・・・・・そうかい、そいつは良かった」
意志を示した、ならば大丈夫、この子はきっと乗り越えられる。
キャスターはすべてをこの青年に賭けた、ならば敗北者はただ去るのみだ。
「誰か、誰か・・・・・・、助けてくれぇ・・・・・・、誰かぁ・・・・・・マ―――」
助けを呼ぶ声はどこか切なく惨めに。
されど、その声に応えるものは誰もいない。
「あばよ、馬鹿マスター。出来ることなら、まともなアンタに会いたかったよ・・・・・・」
力尽き、自身の痕跡を一切残さずヨーゼフとキャスターはこの瞬間、消滅した。
そしてこの男も、最期の瞬間が差し迫っていた。
「フゥ―――、先に行くといいアーチャー、葛西晴彦」
「あぁ、言われずとも」
焔が身を包み、その場でゆっくりと倒れ伏す殺人鬼。
その姿を横目でちらりと見つめ、アーチャーと晴彦は先へと駆けてゆく。
そんな姿をアサシンは背が見えなくなるまで見ていた。
そしてそのそばに一人の少女がいた。
「馬鹿ね、貴方は」
「何を言う、私は天才だぞ・・・・・・」
アサシンは仰向けになりながら、息を浅くしてひっそりと最後の令呪を使った。
「まったく、私に・・・・・・、仕事を、させるなど・・・・・・いい、度胸の・・・・・・青年がいたものだ・・・・・・。最近の、若者って、のは・・・・・・あんな奴、ばかり・・・・・・なのかな・・・・・・」
「・・・・・・アサシン」
この男は、明確なる悪であることは違いない。
それでもなお、自身の人生における美学を持っていた。
「・・・・・・ひどい人ね、好き勝手やって、狙った獲物は逃さないくせに。私には一度も殴らせることなく、勝手に動き回って、勝手に死んで、本当にむかつくったらありゃしない」
まるで台風、周りを勝手に巻き込んで、そして勝手にいなくなる、風のように自由な悪意。
周りの人間からしたら堪ったものじゃない。
「そうだな、レイヴ・ロザンにも・・・・・・。怒られそうだ・・・・・・。そうだ、あの・・・・・・、男だ・・・・・・、人工呼吸、法を・・・・・・しなければ・・・・・・、嗚呼、だが・・・・・・時間が、ないな・・・・・・」
「その位、やってあげるわよ。全く、最後までピエロね。こんなことに参加できないで、知らなかったなんてね」
七海は事の顛末に関しては知らなかった。
自身が関与した裏でこんなことが起きているなどわからなかったのだから。
詳しいことを聞いたのはアーチャー、晴彦、キャスター、そしてアサシン。
キャスターの内通を聞いていたレイヴですら最後まで話を聞いてなかった。
徐々に肉体が消えていくアサシン、されどその顔に悔いはなく、安堵の表情であった。
「―――嗚呼、まったく。殴り損ねたな、早瀬七海」
自然な笑みを浮かべながら、その衣服のみを残して、アサシンは消えていった。
「そうね、まったく馬鹿な男・・・・・・」
散って行って愚かな殺人鬼の消えた場所から目を逸らし、七海はレイヴの下へと駆け寄って行った。
固有結界が発動した瞬間、ハメ技完成。ヨーゼフさんはすでに敗北は確定していたという罠。てかこの人のキルスコアサーヴァント計三騎というやばさ。聖杯戦争に参加するマスターでまともな奴はいないと身をもって証明した男。
なので新年で最初に死んでもらう。アサシンもキャスターもついでに新年初死にです。(この時間に投稿する人多いだろうからこの人が初死にとは言えない可能性もあるだろうけど・・・・・・)