私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ   作:伽華 竜魅

16 / 59
キアナのヒーロー名は、律者に決まりました!アンケートにお答えしてくださった皆様ありがとうございます!!






第15話 最終種目3

 

 

 

 

ついに、準決勝に出る四人が決まった。第一試合は、私と轟のため、緑谷と別れてから控室に向かっている。轟は、緑谷戦で炎を使った。けど、だからと言って、この先炎を普通に使うとは思えない。多分、迷っているかもしれないから…。緑谷は轟に思いをぶつけた。だったら私も……。

 

「おぉ、いたいた」

 

「ん?」

 

後ろから、ほんの少しだけ聞き覚えのある声が聞こえた。後ろを振り向くと、巨大な人がいた。

 

「エ、エンデヴァー!?」

 

「キアナ・カスラナくん、まずは準決勝進出おめでとう。活躍も、すべて見させてもらったよ。とても素晴らしい個性だ」

 

エンデヴァーの体格、オールマイトとほぼ互角だな~…。髭や目の周りの炎どうなってるの?そして、轟のパパでもある人…。

 

「君の個性、素晴らしい個性だが、焦凍と同じ個性を二つ、いや、複数持っているのか?」

 

「……炎や創造は全部、一つの個性だよ。」

 

「っな!? そんなわけがない! あれらがすべて一つの個性だというのか!?」

 

ほんっとに、私の個性は説明が難しい。もう聞かれるたびに話すの大変だから、詳細の書かれた紙でも作って渡そうかな……。

 

「本当だよ。これから準決勝だから、説明はできないけど、相澤先生…イレイザーヘッドとかに個性登録とか見せてもらったほうが早いと思いますよ?」

 

「…ふむ、そうか。ならば個性名だけでも教えてくれないか?」

 

「個性名は、「薪炎」です。」

 

私は、エンデヴァーに二つのうち、一つの個性の名前を教えて、振り返り、控室に向かい始めた。

 

「もう一つだけ聞かせてくれ」

 

「…?」

 

エンデヴァーが、また質問をしてきた。一応顔を見とこうと思って、もう一度振り返る。

 

「君の炎は、熱がこもる…デメリットなどはないのか?」

 

「熱がこもったりはしないよ。デメリットは…ない…かな?」

 

「デメリットはない……だと!?」

 

エンデヴァーの顔、すっごい顔になってる。ちょっと怖い……。

 

「それじゃあ私は、控室に行くので」

 

今度こそ私は、控室に向かった。

 

 

 

 

 

キアナが控室へと立ち去って数分が立った。キアナの個性のことをしったエンデヴァーの体は震えだした。

 

「…くくく」

 

震えと同時に、エンデヴァーは、ニヤけながら、喋りだした。

 

「あの娘も、また焦凍とは別の、いや…もしかしたら俺と焦凍以上の上位互換だ…。あの娘と焦凍が合わされば! 最強の個性が生まれる!!」

 

エンデヴァーは、轟焦凍を個性婚で作りだした。自身の上位互換である焦凍と、デメリットを持たないキアナ。この二人の間から生まれた子の"個性"は、エンデヴァーの言う通り、最強だ。エンデヴァーは、小さなその声から、徐々に大きく笑い声に変わり、廊下に響いた。その笑い声はエンデヴァー自身以外に聞こえることはなかった。

 

 

――

―――

 

 

『さぁ!! トーナメントもとうとう準決勝まで来たぜ!! ヒーロー家出身の超エリート! ヒーロー科、轟焦凍! バーサス! 未だ個性の全容が見えなさすぎる! 同じくヒーロー科、キアナ・カスラナ!!』

 

私と轟の戦いがついに始まる。

 

『準決勝第一試合!!』

 

私は、口を動かし、喋りだした。

 

「ねぇ、轟」

 

私の声に気づいたのか、先生の声も静かになった。

 

「……なんだ」

 

「左の炎も使ってね。その炎は、紛れもなく"あんた自身の炎"なんだから…、そして、それを灯してくれた緑谷の期待にも応えるためにも…ね?」

 

「……」

 

言いたいことは言った。あとは、轟次第だ。

 

『えー…っと…、ス、スタート!!!』

 

開始したと同時に、氷結を放ってきた。私は、既に右手に溜めていた薪炎で迎え撃った。

 

熱炎粉塵 ・ 劫炎!!

 

私は、熱炎粉塵・劫炎で氷結を一気に砕き爆破させた。そのまま一気に浮遊で轟との距離を詰める。轟は再び氷結で攻撃してくる。

 

熱炎の矛!

 

熱炎の矛で氷結を壊していき、進み続ける。氷結を抜けて、轟と距離が近づいた。私はネコチャームで轟を蹴り飛ばす。轟は、飛ばされるも氷結を器用に使い、体勢を立て直した。私はそれを既に予測していた。事前に創造していた真理の境を発射して、妨害する。けど轟もしぶとく氷結を出して防いだ。

 

「……いい加減に…してよ。なんで、炎を使わないの?」

 

「…黙れ!」

 

轟の表情が複雑な表情になる。やっぱり、緑谷の戦いから、何か調子が悪くなってる。まぁ、理由はわかるけどさ…。

 

「緑谷があんなことを言ったのは、あんたが私と緑谷に、炎を使わない理由を教えてくれたからでしょ!? 緑谷はあんたに過去に囚われていないで、向き合って、前を見て進んで欲しいから! そういったんだ!! もう一度言うよ!? その炎も氷も! エンデヴァーやあんたのママの個性じゃない! その個性はあんた自身の個性だ!! ヒーローになるんでしょ!? 轟焦凍!!!!」

 

「……ーっ!?」

 

私の周りに、炎が渦のように回転して、ゆっくりと燃え上がってきた。

 

「お前は……!」

 

私は、右目の眼帯に手をかけ、引っ張るように外し捨て、両目を轟にまっすぐ向けて、大声で叫んだ。

 

「私はキアナ・カスラナ! この世界を私の望む完璧な世界に! それでいて美しい世界を守るために! 完璧じゃない物語を、完璧な物語にするために!! ヒーローになる者だ!! そしてあんたは轟焦凍!! 私と同じ、ヒーローをになる者!! ヒーローを目指すなら…全力で! すべてをぶつけてこい!!」

 

膨大な炎の渦巻きが火柱となって、巻き上がった。それは轟も同様、左から炎を、私に負けないほどの炎を出した。

 

『これは…ッ! 両者ともに猛烈な炎を出して、包まれたぁ! 実況席からでも感じるほどの、猛烈な熱が会場を包む!! てかほんとうに熱いな!?』

 

『緑谷戦の時も、少なからず熱は感じた。だが、カスラナの熱も加わったことで、とんでもない熱が生まれたんだろう。それと、カスラナをよく見ろ』

 

『え? ッ!? うぉい!! カスラナの姿が変わってるぞ!?』

 

炎の渦巻きから、4つの光が現れ、薪炎の律者に姿を変えた私が、大剣を構えて、その姿を現した。

 

『いつの間にコスチュームに着替えたんだ!?』

 

『事前に聞かされたが、自身の個性をコスチュームとして着用できるみたいだ。あれはその言っていた姿なんだろ。一応、申請はしといたそうだがな』

 

『マジかよ!?』

 

「私は、この姿で! この力で! 全力をあんたにぶつける!! あんたはどうするの!?」

 

轟の炎の中から、轟が姿を見せる。その顔は、"笑っていた"

 

「…悪かった。緑谷とお前の言う通りだ……! だからこそ、今はただ、お前に勝ちたい……! 俺だってヒーローに……!」

 

轟の笑顔に、私もニヤけた。私は、光翼展開を応用するように、炎をすべて背中に集中した。そして、翼と尻尾のイメージを強くして、放出した。

 

炎翼展開!!!

 

薪炎の律者の姿の背中に、不死鳥をモチーフにした、永遠に燃え上がる炎が翼と尻尾の形となって、現れた。幻聴なのか、不死鳥の鳴き声のようなものが聞こえた気がする。

 

「行くよ……焦凍!!

 

大剣を構えて、私は笑顔で叫ぶ。

 

「あぁ……来い! キアナ!!

 

轟も笑顔で、答えた。私は、炎翼を羽ばたかせて、大剣から炎を出しながら轟に向かった。轟も、瀬呂戦の時の超規模氷結を放ってきた。私は大剣を振るい、すべてを断ち切った。それでも、氷結は迫ってくるが、炎翼の熱によって、全て溶けていく。左手に、氷結を断ち切ったときに溜めていた炎を圧縮、球体にして…

 

熱炎粉塵 ・ 劫炎!!

 

熱炎粉塵・劫炎を投げ飛ばす。轟は氷結をそれを防いだ。煙幕で視界が塞がった。目の前が徐々に赤くなって、轟の炎が迫ってきた。私は炎翼を羽ばたかせて、横に回避。そのまま場外に出ないようにしながら旋回する。

 

『すげぇバトルだ! 幻想的! 氷結と冷気が散り、そのフィールドをキアナが炎の翼で舞い踊る!! 轟も炎で攻撃する!! 本当に子供かよ!!??』

 

『カスラナの奴、まだ実力を隠していたのか。それに、飛んでいるとはいえ場外に出たらアウト。そこもちゃんとわかっている。見ろ。飛びながら旋回しているが、場外には出ていない』

 

『ほんとだ!! 凄すぎ!!!』

 

散々冷やされた空気が加熱により一気に膨張、緑谷戦の時と同じ爆発が起こった。その爆発で生まれた煙幕を利用して、全員にバレないよう、はるか上空へ上昇する。

 

「(あんだけ炎を出して、ノーリスクでいられるわけがねぇ。俺の個性と同じ、熱がこもってもおかしくないはずだ)…? どこに行った…」

 

『ありゃ!? 煙幕は晴れたが、轟しかいねぇぞ!?』

 

『場外にもいない。となると、場外にならず、ステージにいるには、透明になるか、あるいは…』

 

「……影? ッ!? 上か!?」

 

轟は上を見た。その姿をみた観客全員も、上に顔を向ける。そこには、大きく炎翼を羽ばたかせて、大剣から4つの光を輝かせて、炎を出し続けながら、急降下している薪炎の律者が、キアナがいた。

 

『カスラナ! 煙幕で視界が塞がってるのを利用して上空へ上昇していたぁー!! そして今、急降下して轟に接近しようとしているぅー!!』

 

浮遊+炎の噴出力+炎翼。この烈火で、断ち切る!轟を見れば、轟の周りから氷結が大量に出てくる。そして、私に向かってくる。私の熱炎は、その氷結を一気に溶かしながら、詰めていく。轟は左手を突き出し、私は大剣を大きく振り、互いに最大火力の炎で、攻撃した。

 

薪炎王剣!!

 

「喰らえ……!」

 

互いの炎が、ぶつかり合い、今までで、一番の爆発が起きた。その衝撃が襲ってくる。

 

『……緑谷戦を遥かに上回る爆発…ヤバすぎだろ…。イレイザー、これ止めなくて良かったん?』

 

『……アイツらに言っても聞こえてねえよ。それに、カスラナが上空にいたんだ。距離と俺の視界的に片方しか消せないからな……ったく……』

 

煙幕が薄れていき、晴れる。

 

『こ、これは…っ!?』

 

私と轟は、場外には出なかったものの、互いに倒れていた。けど、私はかろうじて意識がまだあった。

 

『両者ともにダウンか!?』

 

『よく見ろ。カスラナはまだ意識がある』

 

「…っく、う、う…ぅ……はぁ…はぁ…

 

私は、力を振り絞って、大剣を杖替わりにして、頑張って立ち上がった。ミッドナイト先生は、轟に駆け寄って、状態を確認する。

 

「……轟くん、行動不能。カスラナさんの勝利! カスラナさん、決勝戦進出!!」

 

結果は、私の勝ちだ。私は、ロボットに運ばれていく轟を、いなくなるまでその場で見届けていた。見届けが終わると、私は静かに退場した。ちなみに、炎で着ていた体操着は燃えてしまったから、新しいのを渡されるまで、薪炎の律者の姿のままでいた。

 

 

――

―――

 

 

「あ、キアナおかえり! すごかったよ!!」

 

新しい体操着に着替えてたから観戦席へ戻ると、皆がいた。あ、いや、飯田と爆豪はいなかったけど。

 

「お前のあの姿! どうやってんだ!?」

 

「めっちゃ露出でよかっ――」

 

「最低よ、峰田ちゃん」

 

うん、そういう反応になるのはもう予想していた。峰田なんて多分、肌が出ている部分に目が行っていたのもわかるもん。

 

「ありがとう」

 

「目は大丈夫なん!?」

 

「大丈夫だよ。体育祭が終わった後って言ってたけど、本気でやるなら、外したほうがいいと思ったから」

 

リカバリーガールには怒られたけどね。

 

「男心をくすぐるやり方、いいなぁ!!」

 

私は、とりあえず席に座り、二回戦目の飯田と爆豪の試合を見るために待機した。

ステージの復旧が終えると、飯田と爆豪の試合が始まった。飯田の速度に対して、爆豪は爆破で器用に空中に避けたりして、遠距離攻撃などで飯田の動きを制限させる。だけど飯田は負けじとレシプロで爆豪に急接近。爆豪に重い蹴りを入れるが、爆豪は食らったにもかかわらずカウンターの爆破をする。飯田はその勢いで、後ろに軽く吹き飛び、爆豪はその後を追い、そのまま飯田の腹に更に爆破を食らわせて、場外に一気に吹き飛ばした。

 

「飯田くん、場外! 爆豪くんの勝ち! 爆豪くん、決勝戦進出!!」

 

『これで決勝は! カスラナ対爆豪に決定だ! 決勝戦は15分後くらいに始めっから絶対見逃すなよ!』

 

結果は、爆豪の勝利。やっぱり、爆豪とは絶対戦うってのは、何となく感じていた。爆豪は、こっちに目を向けて、睨んできた。必ず倒すって目で。けど、私も負けるつもりは毛頭ない。その目に応えるように、私も目を合わせた。絶対に、負けない!!

 

 

決勝戦。

 

キアナ・カスラナ ― 爆豪勝己

 

 

 

 





「炎翼展開(えんよくてんかい)」
背中に薪炎を集中させて、不死鳥をモチーフにした翼と尻尾を出す技。永遠に燃え上がる炎でもあるため、キアナ自身が解除、もしくは気絶するまで燃え尽きないし、消えることはない。普段でも出せることはできるが、薪炎の律者の姿で出したほうがより強い翼と尻尾を出せる。一番の理由は、服が燃えないから。

「薪炎王剣(しんえんおうけん)」
火炎抜剣とほぼ同じだが、火炎抜剣の上位互換の技。威力は、前世で支配の律者に放った火力とほぼ同じ。
強さで言うなら熱炎粉塵の上が火炎抜剣、火炎抜剣より上が薪炎王剣になっている。


薪炎の律者は、律者形態が効果発動中にHPを徐々に減少させますが、ヒロアカ世界に転生したキアナはそのデメリットを持っておりません。ヒロアカ世界のキアナは、前世よりも強くなっている証拠の一つです。証拠の一つです!(大事なことは二回言う。大事。)


良かったら、評価、感想の方よろしくお願いします。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。