私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ 作:伽華 竜魅
キアナの個性の火力が高くない=緑谷や爆豪が近くにいたから、巻き込まれない為です
誤字報告もありがとうございます。
職場体験当日。
「全員コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」
「はーい!」
「伸ばすな。"はい"だ芦戸」
「はい…」
私たちは職場体験に向かうためにコスチュームを持って駅に集合していた。
「くれぐれも、職場体験先にのヒーローに失礼のないようにな。じゃ行け」
そして解散の合図とともに、私達A組はそれぞれの職場体験先へと足を向けた。
「轟、私たちも行こっか」
「……あぁ」
私と轟の職場体験先はエンデヴァー事務所。同じ場所なため一緒に行くことになってる。
「……轟?」
「……」
轟の見ている方を見ると、飯田と緑谷、麗日の三人がいた。確か飯田のお兄さん…インゲニウムは"ヒーロー殺し"にやられたとニュースで知った。きっと二人はそのことで心配なんだろう。
かく言う私も心配だ。
「轟も飯田の事、心配?」
「あぁ……あいつ、保須の事務所に行くらしい」
「保須って、インゲニウムがやられた場所…」
保須にヒーロー殺し…うん、偶然とは言えない。恐らく、いや、確実に憎いんでいて、復讐として向かっているんだろう。ああいう顔は、私も見てきた。
「恨みつらみで動く人間の顔はよく知ってる。あいつは…そういう顔をしてた」
轟も気づいていたみたいだ。そうだよね。轟も体育祭ではそういう顔をしてたから…わかるんだろう。そうして私たちは、改めてエンデヴァー事務所に向かった。
―
――
―――
で……
「デカすぎでしょ……!」
私と轟はエンデヴァー事務所に着いた。だけど、エンデヴァー事務所の立派な建物、ビルに私は思わず立ちすくんでデカいと口に出してしまった。No.2なだけあってすごいと実感する。とりあえず私たちはビルの中に入ると、受付にいた女性がすぐにこっちに来た。
「轟焦凍様、キアナ・カスラナ様。お待ちしておりました。社長が到着次第、社長室へ来るようにと申し付けられております。更ご案内しますので、こちらにお越し下さい」
「どうも、行くぞ」
「あ、うん!」
私たちは受付の女性に案内してもらって、エンデヴァーのいる部屋についた。中に入るととんでもない広さでまた驚いた。そんな広い部屋に立っているエンデヴァー。
相変わらず体格すっごい……どう育ったらそうなるの?
「よく来たな焦凍。そして、キアナ・カスラナくん。歓迎するぞ」
「えっと…雄英高校一年、キアナ・カスラナです! よろしくお願いします!」
「……」
エンデヴァーの言葉に轟は一切反応しない。めっちゃ気まずい……
「早速だが、お前たちのヒーロー名を教えてもらおう。職場体験とはいえ、これから先コスチュームを身に着ければ、お前たちも一端のヒーローだ。これからはヒーロー名で呼び合うことを心懸けよ」
確かに、オールマイトとかはコスチューム着ている着ていないどっちにも関わらずヒーロー名で呼んでる…ならこれは当たり前のことか。
「……ショートだ」
「ほう! 悪くないな!」
エンデヴァー、ニヤけ顔がわかりやすく出てるよ。名前なだけあって嬉しいんだろうなぁ。
「私は律者です!」
「そうか、悪くない。自己紹介は終わったな。では次に、お前たちの職場体験の予定を伝える。今日はまずお前たちの個性の確認。明日は訓練に時間を割り、三日目からは朝から移動し、東京都の"保須市"に向かう」
保須市という言葉に、私も轟も反応し、お互いに顔を見合わせた。なにせあそこは飯田が職場体験に行っていて、ヒーロー殺しがいる場所だ。
「前例通りなら保須にヒーロー殺しが再び現れる可能性が高い。だがショートと律者、お前たちは手を出さずに、俺やサイドキックの元で避難誘導や後方支援をしてもらう。理由は言うまでもないな?」
「あぁ…」
「はい!」
「ならばいい、ここからは個性の確認だ。まずショート、お前の問題はやはりというべきか、左の調整がまだまだ甘い。右ばかり使っていたからだ」
「……わかってる」
「そして律者、お前は問題事態はない。それとイレイザーヘッドから個性登録を見せてもらったが、確かにお前の個性は一つで間違いなかったな」
「うん、わかってもらえてよかったです」
あの後本当に先生に個性登録みせてもらったんだ…。
「そこで一つ思ったんだが、「薪炎」の能力の一つに「意識の操作」というものがあった。あれは洗脳系の個性にあたるものなのか?」
「意識の操作」…識の律者の能力だよね…。確かにあんまり使ってはこなかった。
「「意識の操作」は、エンデヴァーの言う通り洗脳ができます。やり方は、"対象に幸せな夢を体験させている内に死に追いやる"ことです」
「死に追いやるだと!?」
「はい。けど、ただ洗脳して操ることも一応できますので」
隣りにいる轟も、以外にも驚いてた。それもそうか。なんせ律者の力は"崩壊"だから。
「…そうか。(キアナ・カスラナ。彼女の個性「薪炎」の能力は主に四つ。「炎・熱の操作・生成・放出」、「物体の解析と解析・物体や武装の創造」、「意識の操作」、「虚数空間の生成・浮遊」と書いてあった。これから先二人に共通の課題を出し、学校の放課後などで二人きりにさせる! それだけでも密接な時間が取れる! すれば必ず芽生える! そう…恋心が!!)」
なんか、エンデヴァーがまたニヤついてる。何考えてるの?
「おい、今日は個性確認って言ってたが、その後はどうすんだ?」
「それは…むっ」
エンデヴァーがポケットから自分の携帯と取りながら叫んだ。
「サイドキックから緊急援護要請か、仕方ない。ショートと律者は先ほどの受付の者に宿泊施設まで案内してもらえ」
そう言って、エンデヴァーは部屋を後にした。
「えっと、宿泊施設に行って休んで一日目終了って感じですか?」
「そのようですね。では案内いたします」
「…あぁ」
個性確認だけで終わった…。
―
――
―――
夜。
エンデヴァー事務所の宿泊施設に来て、中に入ればもはやホテルと同じだった。私の住んでるマンションよりも広いし……
「すごいなぁ、事務所がこれだとお家のほうはどうんだけすごいんだろ」
気になっちゃう。とりあえず荷物はベットの上に置くとして、どうしよっかな…。外はもう夜だから外出はダメだし…。ぁ?
「緑谷から電話?」
どうしたんだろ?とりあえず出るか。
「もしもし?」
『も、もももも、もしもしキアナさん!? ちょちょちょ、ちょっと教えてもらいたいことがあるんだけど!!』
「とりあえず落ち着いて? 教えてもらいたいことって何?」
『う、うん。キアナさんって戦闘とかの時よく跳躍してるでしょ? 跳躍の際の体の動かし方とかってなんかコツとかある? 僕の個性、骨折しない程度に発動はできるようになったから、上手く行けばかっちゃんやキアナさんのような動きも可能だと思って…』
なるほど、確かに緑谷の個性は"身体能力を自害してしまう程の個性"だから、その超パワーを調整できればってことだね。
「私の場合、個性というより素の身体能力だからあまり参考にはならないけど?」
『参考があるとないとじゃ全然違うよ!』
「わかった! えっとね……」
それから、私は緑谷に跳躍とかのやり方を教えて、一日目を終えた。
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