私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ 作:伽華 竜魅
暑い……やっぱこの季節は暑くてしょうがない…。はあ~前世みたいにみんなとビーチに行って、芽衣先輩や委員長のバーベキューが食べたいな~…。
私は今、パパに買い物を頼まれついでに新しく発売したゲームソフトを買い、帰る途中だった。
来年には本格的に進路を考えなきゃいけないけど、とっくに決まっている。ヒーロー志望だ。と言っても、この世界の人たちはみんながみんな同じ志望だけど、私は雄英を受けるつもりだ。そのためにも、嫌な勉強をしなきゃいけないんだけどね……。
「はぁ~…勉強せずに受かればな~…」
試験に軽い愚痴を言いつつ、私は家に向かって歩き続けた。個人用で買ったアイス食べよっと…。
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「ただいま~パパ~? 頼まれた物買ってきたよ~?」
家について、玄関で靴を脱ぎ捨てて私はリビングに向かった。リビングに行くと誰もいなくて、机に一つの紙が乗っていた。
【キアナへ
急な仕事の呼び出して出ることになった。多分遅くなると思うから、ご飯は作っておいたぞ! 冷蔵庫にしまっておいたから、腹すいたら食べろよ? パパの頼んだものは、パパの部屋に置いといてくれ。あ、冷蔵庫に入ってるプリンは食うなよ? パパのだからな!?】
パパ、また急に仕事に呼ばれたんだ。最近多いんだよね…まぁいいや、パパの物を部屋に置いてから買ったゲームでもやろっと!
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夜。
「ただいま~!」
「あ、おかえり。遅くなるんじゃなかったの?」
「いや、上司が熱中症を出しちまってな。家に送るついでにもう上がっていいって言われて、まぁそういうことだ!」
「説明があんまりできてない気がするんだけど……」
私が夜食を食べ終えた時に、パパが帰ってきた。パパの名前は「ジークフリート」。前世のパパと同じだった。でも、前世の記憶は持っていない。それでも私は嬉しかった。ママは、私が物心着く前に、交通事故で亡くなっている。でも写真はあるから外見はしっている。名前は「セシリア」だ。ちなみにパパの仕事はヒーローのサポートアイテムを作る会社だ。
「そういえばキアナ、進路はヒーロー志望だろ?」
「ん? そうだよ! 私はヒーローになるって決めてるんだ!」
「いい意気込みだぞ! 確か希望校は雄英だったな? あそこはヒーロー最難関だからな~」
「うぅ…パパ、勉強教えて…」
「真面目に受けてたらまだマシなのに、キアナはバカだからな~…」
「うぅ…う、うるさい!」
「イテェ! 普通にイテェから殴るのやめろぉ!!」
時は流れ、私はもう中学三生!今年から本格的に進路を考える時期だ。だ・け・ど!今私は数量限定のお菓子を買い、家に向かっている最中だ。だがその途中で何処か遠くで火災が発生していることに気づいた。近くまで行って近隣住民の話を聞く限りは、ヴィランが人質を取って暴れていて、集まったヒーローも迂闊に手出しができない状況らしい。何が起きているかは確認してないので何とも言えない。けどヒーローが集まっているなら大丈夫だと思う。隙間を通って前に歩く。するとそこにはヘドロのヴィランに捕まっている、おそらく同年代の男の子がいた。
何をやっているのヒーローは…あのままじゃ完全に取り込まれちゃうじゃん…。
呆れていると、一人の学ランの、緑色のもじゃもじゃ頭の子が駆け出した。その姿に、一般人が、ヒーローが、私が、その場で動けずに彼に目を奪われた。
「馬鹿やろー!! 止まれええ! 止まれええええええ!!!!」
もじゃもじゃ頭の子は、鞄の中身を鞄ごと投げつけた。ヴィランは怯み、取り込まれつつある人質の子を助けようと、泣きながら必死に手を差し伸べていた。
「何で! デクがぁ!」
「何でって! 足が勝手に!」
もしかして友達--
「君が! 助けを求める顔してた!」
ッ!?
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『キアナ。 何を待っているの?』
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姫子先生…。
「…ッ!」
「ッ!? おい! 君も待ちなさい!!」
気が付いた時には、私は地面を蹴り、跳躍して、ヴィランに突っ込んでいた。
だけど先にヴィランが触手を振り上げ、もじゃもじゃ頭の子に攻撃しようとした。
「光・翼・展・開!!」
私は二つの個性のうち、「薪炎」を発動させる。一瞬、体全体が光に包まれ、姿を変えた。
"神殺し装甲"。前世にて存在していた"試作型第四代戦乙女装甲"。けれどどういう理屈かわからないが、薪炎を発動させるとその姿になれるんだ。
「いっけえええ!!!」
背中の光翼が射出され、一気にヴィランに飛んで行き、命中していく。
「がっ!」
よし!人質には当たってない!!そのまま私はヴィランの顔面に蹴りを入れた。
「ハァ!!!」
「ゴホっ!」
蹴りを入れ、そのまま人質を掴んで引きはがした。
「ゴホッ! テ、テメェは…」
「あ、あなたは…」
「邪魔を! するなあ! 返せええええ!!」
ヴィランが攻撃してくる。それを避けて、カウンターで蹴りを入れる。
「ぐふっ!!」
ドロドロなだけあって、あまり効いているかどうかもわからない。・・・なら!!
「一気に決める!!」
私は跳躍して、虚数空間から重砲を取り出す。さらに虚数空間をブロック状に変えて、さらにキューブにして自分とヴィランを囲んだ。
「調子に乗ってんじゃねえ!!!」
「グングニール・エグゼフュージョン!!!」
重砲をヴィランに放つ。威力は結構高いけど、キューブで囲ってるから被害はゼロ!なはず!!
「があああああああ!!!!」
爆発がなくなると同時に、キューブを消した。爆煙でどうなってるかわからないけど、とりあえず倒したってことでいいのかな?すると爆煙からヴィランが伸びてきて、私は捕まってしまった。
「ング!!?」
「ハァ…ハァ…お前…さっきの隠れ蓑より…いいなあ!!! そのまま体を乗っ取ってやるよぉ!!!」
「ッ!?」
まずい!取り込まれちゃう!!ヴィランのもう片方の手が襲ってきたが、それは突然現れた巨体の何かによって防がれた。
「本当に! 情けない!」
テレビなどでよく聞く有名な声。No.1ヒーローの声、オールマイトだった。
「キミに諭しておいて! 己が実践しないなんて!」
そう言ってオールマイトが拳を強く握りしめる音を感じ取った。
「プロはいつだって! 命がけえええ!」
私は、抜け出そうとするが、オールマイトに手を掴まれた。
「デトロイト! スマッアァァシューッ!!!」
ヴィランに向けて超パワーの拳が叩きつけられた。とんでもない突風が発生して吹き荒れる中、オールマイトは私をヴィランから引きずりだして、そのまま飛んで行かないように強く掴んでいてくれた。
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――
―――
事件は無事解決した。周囲のヒーローや市民は流石はオールマイトだと称賛の嵐だった。上昇気流で雨が降って火災も消えた。オールマイトはすごいな…。
だけど、私たちは今……。
「まったく! むちゃにもほどがある!」
「君が危険を冒す必要な全然なかったんだ!」
もじゃもじゃ頭の子はヒーローに怒られ、逆にヴィランに捕まっていた子と私は賞賛されていた
「すごいタフネスだ! それにその個性! プロになったら是非うちの事務所に来てくれ! そっちの女の子も、すごい個性にさらに被害を出さないほどの実力! すごいよ!!」
…先に無事かどうかの確認とかじゃないの?それに私からすればあのもじゃもじゃ頭の子のほうが勇敢でヒーローっぽかったよ…帰ったら多分ニュースとかでパパにバレて怒られるんだろうな~…
辺りももうすっかりオレンジに染まり、夕方になっていた。私は今家に帰っているのだが、どうやらもじゃもじゃ頭の子も同じ方向だったらしく、何かの縁という理由で一緒に帰ることにした。
「あ、あの…」
「ん? あ、そういえば自己紹介まだだったね。私はキアナ・カスラナ!」
「へ!? あ、ぼ、ぼぼぼぼぼくは み、みみみみみ緑谷、い、いいいい、出久! です!」
「緊張しすぎだよw! 緑谷出久だね? よろしく!!」
「は、はい!!」
「じゃあ、私はここかはこっちだから、また会える機会があったら会おうね~!」
「は、はい!! またどこかで…」
私は、緑谷出久くんと別れ、家に帰っていった。その後、今回のことがもうニュースに流れており、パパに叱られた。でも、その実力なら実技試験はおそらく大丈夫だろうって言われた。まあ…怒られたのには変わらないけどね…。
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――
―――
「そういえばキアナ、ゲームしているが勉強は進んでるのか?」
「ギクッ」
「…やってないな。その反応は…」
「あ、あとでちゃんとやるからいいの! って、あ!?」
パパにゲーム機取られた!
「ちょっと!! いいところなんだから返してよ!」
「雄英を合格するまではお預けだ!!」
「ブ~!! このケチ! クソパパ!!」
「だったらちゃんと勉強して合格しなさい!」
「うぅ~…」
ぜっっっっったい!合格してやるんだから!!!!