私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ 作:伽華 竜魅
二日目。時刻は既に夕方、正確には夜になりかけてる夕方って感じかな?
轟は炎をうまく扱えるようになるための温度操作などの調整の訓練。私は、新たな技を編み出そうとしていた。どうせなら、創造とかも炎や虚数空間と合成させた技を作りたいな。
「もう夜か、今日はここまでにしよう。二人とも、着替えてから夜食を取り体を休め」
「は~い」
「……」
轟は相変わらず返事しない。てか今日は二日目だから、明日は三日目……保須市に向かう日だ。
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――
―――
翌日、三日目。起床し歯を磨いて、髪を整えて、コスチューム着替えてエンデヴァーのいる広い部屋へ向かった。
「来たか、今日から我々は保須市に向かい、ヒーロー殺しを捕らえる。そしてショートと律者には、ヒーローとはどんなものかを実地で見せてやる」
「パトロール見学って感じですか?」
「あぁ、初日にも言った通り、お前たちは避難誘導や後方支援をしてもらう。いいな?」
「…あぁ」
「はい!」
「よし、では行くぞ」
私たちは保須市に向かった。
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―――
保須市へはお昼頃に着いた。さすがNo.2って感じの黒い高級車だったなぁ、お腹すいたし…。
「ここからは二手に分かれる。ショートと律者は俺と、キドウとオニマーは二人で行動しろ」
「「はい!」」
私たちは、エンデヴァーと行動するらしい。保須市だから、飯田もいると思うけど……会えるかな?
市内のパトロール、特に事件とかヴィランに遭遇することもなく、ヒーロー殺しも未だ見つけてない状態でもう夜になっていた。飯田にも会えなかったし、三日目もあっけなく終わったと思った。その瞬間、爆発が起きた。既にエンデヴァーは走っていて、私たちもそれに反応して走り出した。
「エンデヴァー! 今のって…!」
「何かはわからん! だが事件なのには変わらない!」
向かっている先には、黒い煙が上がっていた。かなりの範囲で被害が出てるんだ!
「よく見ていろショート、律者! ヒーローというものを見せてやる!」
エンデヴァーの後を追っていると、ジャケットのポケットに入れてるスマホが振動した。
「こんな時に……って、轟も?」
「緑谷からだ。クラスのグループに……位置情報だけ」
「緑谷が位置情報を?」
「ショート! 律者! 携帯じゃない俺を見ろ! おい、聞いているのか!」
エンデヴァーも多分立ち止まって私たちに声をかけてるけど、今は無視だ。緑谷が急にこんなのをするわけがない。多分これは……
「キアナ、確証はねぇがこれは……」
「うん。轟! 私の手を取って! 虚数空間で一瞬で向かう!」
「行けんのか!?」
「位置情報があるんだよ? それがあれば行ける!」
そう言って、私は轟の手を取った。
「何をしている!? ショート! 律者!」
「江向通り4-2-10の細道。そっちが済むか、手の空いたプロがいたらそこに応援頼む。そっちの事件は任せた。おまえならすぐ解決できんだろ」
「はっ」
「ごめんなさいエンデヴァー! 友達がピンチかもしれないの! 行くよ!」
「あぁ、頼む!」
私は轟も含めて虚数空間を開き、虚数空間に入った。
「焦凍……行くぞ! サイドキック!」
「「は、はい!」」
江向通り4-2-10の細道。
そこには、ヒーロー殺しの個性で動けなくなっており、負傷して倒れているプロと飯田、かすり傷だが動けない緑谷がいた。
「パワーが足りない」
身動きのとれない緑谷の前を素通りし、ヒーロー殺しは飯田との距離を縮めていく。
「俺の動きを見切ったんじゃない。視界から外れ……確実に仕留められるよう画策した……そういう動きだった。口先だけの人間はいくらでもいるが……お前は生かす価値がある。"こいつらとは違う"」
「ちくしょう…やめろ!」
ヒーロー殺しが頭上に刀を振り上げ、飯田に斬りかかろうとする。
「やめろー!!」
瞬間、ヒーロー殺しが吹き飛んだ。そのままヒーロー殺しに炎が迫ってくるが、体制を立て直し、避けた。
「ッ!」
ヒーロー殺しと変わり、飯田のそばにいたのは、キアナと轟だった。
「お待たせ!」
「キアナさん…! それに轟くんまで! 何で君たちが…!? それに轟くん…左を使って…!?」
「何でって……こっちの台詞だ」
結構重いの入れたと思ったんだけど、さすがヒーロー殺し…今の攻撃を何とか防いだか…。
「数秒意味を考えたよ。一括送信で位置情報だけ送ってきたから、意味もなくそういうことする奴じゃねえからなお前は…"ピンチだから応援呼べ"ってことだろ」
「亜空の矛・布状!」
亜空の矛で緑谷とプロヒーローを回収!
「大丈夫だよ! 数分もすれば、プロも原着する」
轟が炎でヒーロー殺しに攻撃する。だけどヒーロー殺しはそれを回避する。すごい回避能力だ。とりあえず二人を飯田と同じ、後ろに置いて…。
「情報通りの格好だね」
「あぁ……こいつらは殺させねえぞ。ヒーロー殺し」
回避能力がすごいなら、きっと速度も相当…仮に虚数空間で逃げるとしても、その隙に攻撃が来るかもしれない。亜空の矛で防ぎながら…いや!まず虚数空間は私しか認識できない!他の人と一緒に虚数空間を通って移動するには、私に触れていないといけない!体育祭の騎馬戦の時もそうだった。あの時は、私が騎馬だったから三人を連れて移動出来た。けど三人とも今動けない状況…それに…ヒーロー殺しがそう簡単に逃がしてくれるとも思えない!
「轟くん、キアナさん! そいつに血ィ見せちゃ駄目だ! 多分血の経口摂取で相手の自由を奪う! 皆やられた!」
「血を吸って動きを止める…それで刃物か。俺とキアナなら距離を保ったまま…」
「ッ轟!」
ナイフが飛んできた!私はナイフを虚数空間にいれ、壁のほうに放出。ナイフは壁に当たり、そのまま地面に落ちた。
「良い友人を持ったじゃないか、インゲニウム!」
速い!?ナイフに気を取られて、距離を詰められた!!ヒーロー殺しがナイフで攻撃してくるが、それを轟が氷結で防いだ。その瞬間に私が熱炎で攻撃。けど跳躍して回避された。
「轟! 大丈夫!?」
「あぁ、お前も大丈夫なようだな?」
「なんとかね…私が前で戦うから、轟はサポートお願い!」
「あぁ」
一気に距離を詰めてネコチャームで攻撃する。けどそれも避けられて、私に斬りかかる。すぐに亜空の矛でガードし、そのまま反撃する。けどヒーロー殺しも刀で亜空の矛を弾き飛ばして攻撃を回避していく。轟の炎や氷をも回避していく。脳無とは違って単純じゃない……だから手ごわい!隙を見せたら殺される…だから、攻撃を緩めるな!
「何故…三人とも…何故だ…やめてくれよ…」
後ろから飯田の声が聞こえた。ッ!?やば、距離詰めてきた!
「避けろ!」
「ッ! っく!!」
轟が炎を放ってきた。私は跳躍して回避する。けどヒーロー殺しも炎を避けていた。
「兄さんの名を継いだんだ…! 僕がやらなきゃ…! そいつは僕が…!」
飯田から恨みある声が聞こえた。飯田……。
「継いだのか、おかしいな……」
轟は飯田の言葉に返すのと同時に、大氷結を繰り出した。ヒーロー殺しは素早い身のこなしで避けていき、距離を置かせた。
「俺が見たことあるインゲニウムは、そんな顔してなかったぞ。おまえん家も裏じゃいろいろあるんだな……」
今のうちに熱炎を左に!!けどヒーロー殺しは、轟の生み出した大氷結を切り刻み、破片にした。
「己より素早い相手を前に、自らの視界を遮る……愚策だ」
「そりゃどうかな?」
「熱炎――」
私が左手に溜めていた熱炎を放とうとしたら、ナイフが二本、腕に刺さった。轟にも一本腕に刺さっていた。
「っぐ!」
「おまえらも良い…!」
「ッ! キアナ、上だ!」
「っ!?」
刀を突きたてながら、上空から攻めてくるヒーロー殺し。左腕が痛いけど、まだ右手が使えるから、キューブシールドで…!そう構えようとしたら、視界の端から緑色の雷と共に光る何かが飛び出してきた。
「「緑谷!」」
緑谷だ。そのままヒーロー殺しを掴んで引きはがした。私はその隙にナイフを引き抜いく。結構、いやマジで痛い!!
「なんか普通に動けるようになった!」
「時間制限か」
「いや、あの子は一番最後にやられたはずだ! でも俺はまだ動けない!」
プロが最初で緑谷が最後なのに、緑谷が一番最初に解除された…。何か条件があるの?空中でヒーロー殺しに殴られた緑谷が地面に転がる。そのまま緑谷に襲いかかろうとするヒーロー殺しを轟が氷結で妨害して、私が亜空の矛・布状でこっちに引き戻した。
「……血を摂り入れて動きを奪う。僕だけ先に解けたってことは考えられるのは3パターン」
緑谷が言うには、人数が多くなる程効果が薄くなるか。摂取量によって効果時間が左右されるか。又は血液型によって効果に差異が生じるか。それを静かに聞いていたヒーロー殺しは凶悪にニヤけた。
「血液型…ハァ…正解だ」
正解…けど、わかったところでどうしようもない。ってことをわからせるためにあっさりそう言ったんだろう。
「…キアナ、お前のゲートで逃げれるか? それかあの布で」
「出来るかできないかで言えば、出来るよ。けど、それをする隙が無い。それに、背を向けるのは危険すぎる」
「なら、プロが来るまで近接を避けつつ粘るのが最善だな」
「轟くんとキアナさんは血を流しすぎてる。僕が奴の気を引きつけるから、二人は後方支援を!」
「相当危ねえ橋だが……そうだな。守るぞ! 三人で!」
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