私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ 作:伽華 竜魅
ちゃんと出しますので、もう少しだけ、おまちくださあぁぁぁい!!!
夏休みに突入すれば、誰もが部活とか以外や補習以外で学校に行くことは必ずない。まあ私は補習があるから来るんだけどさ……。んで、今日もいつも通り補習をしていたら、A組の女子がみんなして学校に来たから何事かと思ったけど、学校にプールの使用を申請した日みたいなの。それで、補習をしている私も一緒にどうかって誘ってきてくれたから、一緒に入ることにした。まあ、相澤先生が来て、今日の補習を先に終わらせろって言われたから、私は後からの参加になったけどね。でも、先生も先生で気遣ってくれて、いつもよりも早めに午後の補習をして、すぐに終わった。先生にお礼を言って、私は更衣室で水着に着替える。学校だから、学校指定のスク水着しか着れないのは残念だ……水着姿の芽衣先輩をまたこの目で見たい……あ、髪どうしようかな。三つ編みでもいいけど結びなおすの面倒だし、ポニーテールにしよっと。
髪をほどいて、スク水着に着替えて、髪を結びなおしてから私はプールサイドへと向かった。だけど、女性とは思えない声も複数聞こえて来た。プールサイドに着くと、男子もいた。それも全員。
「む、久しぶりだな! キアナくん! 補習はもう終わったのか!」
ゴーグルと水泳帽子を身に着けた男……声からして……。
「……飯田?」
「む? あぁすまない! ゴーグルと水泳帽子でわからなかったか!」
「あいや、うん。飯田だね」
その癖のある動きは飯田だ。うん。間違いない。
「キアナくんも、今日は三つ編みじゃないんだな!」
「うん。たまにわね。ところで、男子も許可取ったんだね」
「あぁ! プールの使用許可は上鳴くんと峰田くんが取ってくれていたんだ。夏休み中の訓練にと、本当に二人には感心したよ! そしてそれを、緑谷くんが男子の皆に連絡をくれたのさ!」
あの二人が使用許可をねぇ……まだ他の男子も一緒に取ったなら分かるけど、二人だけだと絶対それじゃない目的で使用許可を取ったって。
「お…おぉーー!!! すげぇぞ上鳴! 普段の三つ編みもいいが、今回はポニーテールだ!! それでいて外国人がスク水ってのもパネェ!!!」
「確かに…! 来てよかったなあ!!」
もう隠す気ないじゃん。感想をそのまま私にも聞こえるほどの声で言っちゃってるじゃん。蹴ってやろうか。
「キアナちゃーん! こっちこっち~!!」
麗日の声が聞こえて、そっちに視線を向ければ、女子がビーチバレーで遊んでいてた。
「んじゃ、私はあっちで遊んでくるから、頑張ってね!」
「あぁ! ってキアナくん! 危険だからプールサイドを走ってはダメだぞ!!」
飯田の注意を無視して、私は女子のほうへ向かった。
「キアナちゃん補習終わったんだね!」
「相澤先生が気を使ってくれたの」
「てかポニーテールなんだ。三つ編みのまま来ると思ってた」
「また結びなおすの面倒だし、こっちのほうが楽だからね~!」
プールに入ると冷たくて気持ちいい。なんか昔を思い出すな~みんなでビーチに行って、ブローニャと勝負して、芽衣先輩の水着姿が可愛すぎて、
「キアナ、どうしたの?」
「え?」
耳郎が話しかけてきて私はハッとした。
「いや、なんかずっと目を閉じて、微笑んでだから…」
「あ、な、なんでもないよ! ただ気持ちよくて…」
「確かに、ずっと暑い中補習だけするために学校に来るのはしんどいもんね」
「ほんとだよ~!!」
「(ていうか、上鳴や峰田じゃないけど…キアナ本当にいい体してる…やっぱ海外は体が良いのかな…)」
なんか、耳郎が私の体を隅々とみてるんだけど、え、なに?もしかして耳郎もそっち系なのかな?って思ってると、男子の方で久々の聞き慣れた怒鳴り声が聞こえた。そっちに視線を向けると、その怒鳴り声の正体がいた。
「常に怒鳴ってないと落ち着かないタイプなのかな? 爆豪って」
「まあ、いつも怒鳴ってるとこ見れば、そう思うよね」
怒鳴り声正体は爆豪。そしてその怒りの行き先はやっぱり緑谷だった。なんか勝負とか吹っ掛けてるみたいだ。そして飯田が、水泳競争を提案した。だけど爆豪は緑谷から急にこっちに視線を向けてきた。
「てめぇもだ! てめぇもここでぶちのめしたらァ!! 三つ編…み…」
爆豪は私に怒鳴ったと思ったら、急に声が消えてった。……あぁ、そういうことか!
「今日の私は三つ編みじゃなくてポニーテールだよー!」
「うっせぇ!! 三つ編みは三つ編みだ!! とにかくてめぇもここでぶちのめすからなぁ!!」
「え、男子だけじゃないの?」
「そんなの関係ねぇ!!」
「飯田さん、私たちも参加してよろしいでしょうか?」
「む? もちろんだとも!」
―
――
―――
水泳競争に女子も参加でやることになり、先に男子で3グループで行ってから、女子全員で競争。それでそれぞれ一位になった合計4人が決勝戦を行うことになった。
「さて、それじゃあ男子第1グループのみんな、位置についてくれ!」
1グループは、上鳴、爆豪、口田、常闇、峰田の五人。
「キアナちゃんキアナちゃん! 誰が一位になるかな?」
「機動性を持つ爆豪か常闇かな? 口田はともかく、上鳴と峰田はプールとかだと個性が活かせないと思うし」
「皆の個性ちゃんと見てるんだね! でも、口田くんもまだ活かせれるほうなの?」
「だって、虫にも命令できるんでしょ? だったら魚とかも活けるかもしれないじゃん」
「あぁ! 確かにー!! って、プールに魚はいないよ!」
そう話してる間に、八百万がスタート合図を出し、競争が始まった。
「爆速ターボ!!!」
あれ?水泳って泳ぐってことじゃないの?あれ泳ぐというより爆破でゴールまで吹き飛んでるって感じじゃん。
「どォだこのモブども!!」
「どうだじゃねぇ!!!」
「泳いでねぇじゃねぇか!!!」
「自由形っつっただろーがァ!」
さすがのこれは、瀬呂と切島もツッコミを入れた。この流れは……。
続く第2グループは切島、砂藤、轟、瀬呂の四人だ。これは切島と砂糖が不利かもしれない。砂糖は糖分を取って強くする個性だから、今はないこの状況だと不利。切島も自身の体を硬貨する個性だから、肘のテープを遠くまで飛ばして巻いて移動する瀬呂と、水をも凍らせて移動できる轟が有利だ。てかさっきの爆豪のやつ見てから、みんな泳がなくなるかもしれないけど。んで始まったら案の定、半分が泳いでない。ほぼ轟と瀬呂の対決で、轟が勝った。
「「だから泳げってぇ!!」」
上鳴と峰田のツッコミも入る。
「これだと、女子はほぼ誰が行くか決まったんじゃない?」
「そうね。私も行けるかもって思ったけど、皆が泳ぎなしで一位になってるなら、私たちは決まったも当然ね」
なんか耳郎と蛙吹が話してるけど、女子は決まったってどういうことだろう?まだやってもいないのに。
第3グループは、障子、尾白、緑谷、飯田の四人。飯田は普通の競争ならまだしも、水の中だったらエンストする可能性もある。障子とか尾白とかは、微妙なラインだな~。障子はどうやるのかちょっと考えてもあんまり思い浮かばないけど、尾白は尻尾を活用すればワンチャンって感じだけど。やっぱこの中なら緑谷が有利かな。単純な身体能力アップの個性だし。で、始まったらちゃんと全員プールにダイブ……って思ったけど、真面目な飯田がまさかの泳がないというね。だけど、第3グループが一番いい勝負だった。ちなみに結果は緑谷の勝利。
さて、男子が全員終わり私たち女子七人の番だ。普通に個性なしだったらいい勝負かもしれなかったけど、前半の男子がほとんど泳いでないなら、やっていいってことだよね?
飛び込み台にそれぞれ立つときには、みんな真剣なのか会話を一切していなかった。この距離だったら一瞬で出していけるね。
「女子の諸君! 準備はいいか?」
八百万に変わり、飯田がスタート合図を引き継いだ。右手でホイッスルをもって、綺麗に左腕上げてる。
「よーい……」
全員が飛び込み台の前を手で掴んで構える。そして、ピッ、というホイッスルの音が聞こえた瞬間、私は飛び出したと同時に虚数空間を使って、50mを一瞬で終わらせた。
「「お前も泳がねぇのかよ!!」」
「何となくわかってた展開だな…」
あれ?なんかみんなもう結果は分かってたって感じなんだけど……そう思ってる間に、蛙吹と八百万がゴールして、上がって来た。
「さすがねキアナちゃん。結果はもう見えてたけど、やっぱり悔しいわ」
「やはり、キアナさんのワープはとてもお強いですわね」
「へっへ~ん! ま、男子組が全員ちゃんと泳いでたら、私も泳いでたけどね~。ところで八百万、それはなんなの?」
「これは水中スクーターですわ。急いで作ったので、かなり簡易的なものですが」
簡易的だったとはいえ、それでもすぐにそう言うのを創るのはすごいと思うけど。そんなやり取りをしているうちに他の四人もゴールしてきた。
「んあー! やっぱり負けたー!」
「悔しいー! それとヤオモモ! 後でそれ貸して!」
「ええ、いいですとも」
「キアナの個性ってホント何でもありだよね」
「未だに個性は一つってことは信じられんよ」
四人もプールサイドに上がって来て、みんなそろって男子のいるスタート地点へ戻った。
「各予選の勝者。爆豪くん、轟くん、緑谷くん、そしてキアナくんで優勝を決める! それでいいか?」
「うん!」
「あぁ」
「わかった!」
「ハッ、全員まとめてぶっ殺してやるよ!」
「うむ! では四人とも、位置に着いてくれ!」
休憩なしで、私たちは再び飛び込み台についた。第1レーンから爆豪、私、緑谷、轟の順だ。
「それでは、50m自由形の決勝を始める!」
「いったれ爆豪!」
「相手殺すなよ!」
「轟も負けんなよ!」
「デク君頑張れー!」
「キアナちゃんもー!」
「皆さんファイトー!」
「位置に着いて……」
飯田の開始前の合図で、それぞれが体制を変えた。
「(一気に駆け抜ける!)」
爆豪は両手を後ろに。
「(滑り抜く)」
轟は右手を氷結で凍らせる。
「(全力で泳ぎ切る!)」
緑谷は飛び込みの前に手を付けた。そして私は、跳躍の構えをして、いつでも虚数空間を出せるようにする。
「よーい……!」
ホイッスルが鳴った瞬間、跳躍した。そして個性を……あれ?
「えっ!?」
個性が使えず、そのままプールに落ちた。まさかこのタイミングでまた個性が……そう思ったけど、なんか少し違う。
「ぷはっ! なんで……あっ」
水面に上がって、顔をみんなのほうに向けると、そこには相澤先生がいた。目が赤く光り、髪の毛が逆立っている……先生が個性を使っているという証拠だ。
「17時。プールの使用時間はたった今終わった。早く家に帰れ」
「そんな先生!」
「せっかくいいところなのに!」
相澤先生の無慈悲な宣告に、上鳴と瀬呂が言い返すが、
「なんか言ったか?」
「「「なんでもありません!!!」」」
相澤先生の一言により、プールはお開きになった。
プールもお開きになって帰ろうとしたとき、八百万から話があるみたいで、女子全員で公園に寄っていた。
「実は父がI・エキスポのスポンサー企業の株を持っていまして、その伝手でプレオープンの招待状を頂きましたの。三枚あるので、どなたかお二人、一緒にどうかと思いまして」
「ブルジョワや……!!」
I・エキスポって、えっと……なんだっけ?麗日はいつも通り倒れるけど、視線は招待状にしっかり向けられていた。
「マジ!?」
「連れてってくれるってこと!?」
「行きたい行きたーい!!」
「ケロ。私も行きたいわ」
「私もー!」
私たちは、ざわめきだした。麗日も復帰して手を上げて、行きたいって言ってる。
「なら、じゃんけんで決めよう!」
葉隠が提案して、じゃんけんで決めることにした。私達六人の間に、電流が走ってる。いざじゃんけんしようと思った時だった。
「お、キアナ」
「えっ」
急に私の名前を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえて、そっちに視線を向けたら…。
「パパ!?」
「えっ!? キアナちゃんのお父さん!?」
「めっちゃイケメンじゃん!!」
乱れたスーツ姿のパパがいた。
「な、なんでここに…?」
「仕事の帰りだ。それで、君たちはキアナの友達かな?」
「あ、ハイ! 友達です!」
「そうか! キアナが世話になってるな! これからもキアナをよろしく!」
「ちょっ、その言い方何よ!」
「(美女の父親はイケメンって…やっぱ外国人と日本人で違いすぎるでしょ…)」
てか本当に何でパパがここに?私が困惑していると、パパが私の前に封筒を渡してきた。
「え、これ何?」
「I・エキスポの招待状だ」
「……え、えぇ!? わ、私宛に!!?」
「あぁそうだ」
マジで!?マジで!!?それを受けとって、封筒の中を見ると、本当に招待状だった。
「今何やってたんだ?」
「八百万の招待状が二枚余ってるから、それをだれが貰うか決めてて…」
「ならそれは友達にやれよ。お前宛てもう一枚あるんだから」
「……は?」
え、私宛がもう一枚……?どういうこと?
「あ、あのキアナさんのお父様。キアナさんへの招待状がもう一枚あるというのは……」
「昨日、キアナ宛てに届いたんだよ。体育祭優勝者宛らしい。んで今渡したのは、俺の知り合いからだ」
「知り合いって、I・エキスポにいる人ってこと?」
「あぁ。あれ? 言ってなかったか?」
「言ってないし今初めて知ったよ!!」
「それじゃあ…ヤオモモの合わせて、三人が同行できるってこと?」
「そうだね……!」
皆のほうに視線を向けると、残りの五人が再び電流が走らせていた。
「「「「「うーらみっこなしよ! じゃんけんポン!」」」」」
全員が一斉に手を出した。パパも面白そうと、ニヤニヤしながら見てる。念のため左わき腹に軽くパンチ入れておいた。勝ったのは、グーを出した麗日、耳郎、そして葉隠だった。
「やっちまったあぁぁぁぁぁーーー!!!!」
そして負けた芦戸はそのセリフを絶叫して、公園に響かせていた。
―
――
―――
「それじゃ、私たちこっちだから」
「バイバーイ!」
「悔しいぃ……」
「じゃあねー!」
皆と別れて、パパと一緒に帰り始めた。パパはこのままスーパーによって晩御飯の食材を買う予定だったみたいで、今日は私もいるから、好きなの作ってあげると言ってくれた。
「そう言えばパパ」
「ん、どうした?」
「体育祭は優勝者にって言ってからわかったけど、パパのお知り合いさんは、なんで私に招待状送ったの?」
「それは、前に言っていた個性の弱体化を、直接調べたいと言ったんだよ。それで招待状を送ってきたんだ」
それって私の個性のことを直接調べて弱体化の理由を調べるってことだね。こんなに早く来るなんて思わなかった。
「あ、それと。I・エキスポに行くんだから、正装とコスチュームの二つを持って行けよ?」
「は~い!」