私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ 作:伽華 竜魅
「個性を伸ばす?」
「A組はもうやってる。早く行くぞ」
A組より遅れて起床したB組は、ブラドキングの後に続いて動き出した。
「前期はA組が目立ってたが、後期は我々B組の番だ。いいか? A組ではなく我々だ!」
「(先生…! ふがいない教え子ですまねぇ……!)」
ブラドキングの熱い言葉に、B組の数名は心の中で謝罪をしていた。
「突然個性を伸ばすと言っても…20名20通りの個性があるし…何をどう伸ばすのか分かんないスけど…」
「具体性が欲しいな」
二人の生徒がブラドキングに質問をした。ブラドキングは、その質問を説明で答えた。
「筋繊維は酷使することにより壊れ…強く太くなる。個性も同じだ。使い続ければ強くなり、でなければ衰える! すなわち、やるべき事は一つ! 限界突破!!」
「「「「なっ!?」」」」
ブラドキングが案内したその先には、1年A組の面子20人が死に物狂いで猛特訓及び、個性伸ばしに勤しんでいた。その光景は……。
「クソがあぁぁぁぁ!!!!」
【爆豪勝己。熱湯に両手を入れ、汗腺の拡大。及び、爆破を繰り返すことで、規模を大きくする特訓】
「はぁ…はぁ…くっ…!」
【轟焦凍。氷結と炎を交互に出すことで、お風呂の温度を一定に保たせて、氷結に体を慣らさせるのと同時に、炎の温度調節を試みることで、二つの個性を同時に出せるようにする特訓】
「うあぁぁぁぁぁ!!!!」
【瀬呂範太。テープを出し続けることで容量の拡大とテープの強度、射出速度を上げる特訓】
「うっ!! まだまだぁ! 来い!!」
「はぁ!!」
【切島鋭児郎、尾白猿夫。硬化した切島を、尾白が尻尾で殴り、お互いの個性強度を高める特訓】
「いやあぁぁぁ!!!」
【上鳴電気。大容量バッテリーと通電し、より大きな電力にも耐えれるよう体を鍛える特訓】
「あ~!!!」
【口田甲司。生き物を操る声を、遠くまで届くように、声帯を鍛える発声をし、同時に内気な性格を直す特訓】
「うあぁぁぁぁ!!!
【常闇踏陰。暗闇で暴走する黒影ダークシャドウを制御する特訓】
「~! ~!!」
【麗日お茶子。無重力で回転を続けることで、三半規管の鍛錬と酔いの軽減。そして、限界重量を増やす特訓】
「うおぉぉぉ!!!」
【飯田天哉。脚力と持久力を高めために、走り込みの特訓】
「ケロ、ケロ」
【蛙吹梅雨。全身の筋肉と長い舌を鍛える特訓】
「はぐっ! んぐっ!!」
【砂藤力道。個性発動に必要な糖分を摂取し続けながらの筋トレをすることで、パワーアップをする特訓】
「はむっ! ん…!」
【八百万百。同じく、食事をしながら個性を発動させて、創造物の拡大、そして、創造時間の短縮を目指す特訓】
「うあぁぁぁ!!!」
【耳郎響香。ピンジャックを鍛えることで、音質を高める特訓】
「うぅぅぅ…!!」
【芦戸三奈。断続的に酸を出し続けることで、皮膚の耐久度を高める特訓】
「うぅぅぅ…痛ぇ、痛ぇよぉ……」
【峰田実。もぎもぎボールをもぎり続けて、血が出ないよう皮膚を強くする特訓】
「……」
「……」
【葉隠透、障子目蔵。気配を消す葉隠を、障子が複製腕を素早く同時に変化させて捜すことで、互いの個性を強化する特訓】
「これはこうして……こう!」
【キアナ・カスラナ。個性事態は特に特訓する必要がない。よって、扱い慣れていないいくつかのサポートアイテムを、扱い慣れるようにする特訓】
「ひーっ!」
【緑谷出久。プロヒーロー「虎」の指示のもと、我ーズブートキャンプを行う特訓】
「なんだ…この地獄絵図…」
言葉通りまさに、地獄絵図と言える状態だった。そんな場面を見たB組は、唖然としていて、中には魂が抜けてる生徒もいた。
「うわっ! とっとっと……やっぱ大鎌は扱いづらいな~…」
リタとかゼーレとか鎌を使ってたけど、これをあんな綺麗に扱えてるなんてすごいって実感しちゃった。私は今、大鎌「群青のストーム」を両手で持って、そこら辺の木を切り裂いて行ってる。でも、扱い慣れてないから、まだそこまで素早く動けない。というか動きずらい。大剣とはまた別の扱いづらさがある。
「とりあえず鎌は練習あるのみっと。次は……」
群青のストームを虚数空間にしまって、今度はチャクラムを取り出した。名前は、チャクラム「双刃の環」を取り出す。チャクラムって、前世でも使ってる人あんま見たことないから、正直一番扱いがむずいかもしれない。
「ほっ!!」
森へ駆け寄って、そのままチャクラムで斬っていく。斬撃も飛ばして、それを逆に自身のチャクラムに当てて、跳ね返して再度攻撃できるの強いかもこれ…!
「ん~…でもまだうまく扱えてるって言われたら、扱えてないな~……」
今更だけど、私はどのサポートアイテムが扱え慣れてなくて、どれが扱い慣れてるかの確認をしてるよ。チャクラムをしまって、今度は重砲「07式単極子砲」を取り出す。
「てかこれって、どう使うんだろ?」
他のと同じように持って扱うには、結構大変かもだけど、個性で浮かしたりとかできるかな。試しに「創造」を通して、07式単極子砲を操作してみると、あっという間に動いた。ならこういった重砲系は個性で使えばいいかな。被害のない空に向けて発射すると四つのミサイルが飛んでいった。そしてそのまま上空で爆破。
「花火みたい……じゃなくて。重砲は真理の境と同じように使っていけるからよし。次は……ランスかな」
重砲をしまって、ランス「騎士の槍」を取り出す。デュランダルお姉ちゃんがランスを使ってたよな。私もお姉ちゃんのようにできるかな……あ、でも亜空の矛と少し似てるから、案外いけるかも!
「確か、一気に突進して貫くように…!!」
騎士の槍を突き出すように構えて、木に向かって一気に駆け出す。そして少し跳躍して、木の真ん中へ騎士の槍を貫かせた。綺麗に入って、貫通してる。また力を入れて一気に引き抜くと、木は綺麗に切れて倒れた。
「うん……まだ練習が必要だなこれも。んじゃ、次は~……これ!」
次に取り出したのは、十字架「誓約の十字架」。テレサとかが使ってた武器だ。でもこれってどうやるんだろ?なんか中から鎖とかが出てたのは憶えてるけど。
「何気にこれが使いずらいかも……」
確か……こうやって地面に思いっきり突き刺して…!!
「うわぁ!?」
誓約の十字架を地面に突き刺すと、誓約の十字架の間が開いて、そこから鎖が出てきた。私を中心に囲うように結界のような形で張り廻られて行ってる。
「すっご……これを使ってたテレサって、やっぱ実力者なんだ」
こうしてみると、前世と現世じゃ世界観がいろいろと違うってのが分かる。現代でこういった武器は見たことないもん。チラッと周りを見れば、何人かは初めて見たような顔で私のほうを見てた。というか気を取られたんだろうね。待って。これどうやってしまうの!?
「えっと、こう? あ、もしかしてこう? あ、あれ~…??」
私があたふたしながらいろいろと試していると、何とか鎖をしまうことに成功した。じゅ、十字架が一番扱いずらい……。
「うぅ…次はまだ扱いやすいのがいいな…」
虚数空間にしまって次を取り出す。ていうか本当に私はサポートアイテムの扱いに慣れるようになるだけってのが、周りを見ればみんなが個性をやってるのに……。
「カスラナ。動きが止まってるぞ」
「あ、すいません……」
相澤先生に言われて、私は特訓を再開した。
―
――
―――
夕方。
この時間まで私たちはひたすら訓練をやっていた。そのせいで疲れに疲れ果てて、ほぼ全員が色が落ちて、真っ白に染まってる。
「さぁ昨日言ったね"世話を焼くのは今日だけ"って!」
「己で食う飯くらい己でつくれ! カレー!!」
疲れ果てている私たちの前で、調理前のカレーに使う具材が大量に置かれたテーブルでピクシーボブと、ラグドールがそう叫んでいた。お料理か…芽衣先輩のカレー食べたい。
「「「イエッサ……」」」
「アハハハハ全員全身ブッチブチ! だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!」
ラグドールのその一言に、飯田がいち早く反応して、色を取り戻した。
「確かに……災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも、救助の一環……流石雄英無駄がない! 世界一うまいカレーを作ろう! 皆!!」
「「「おぉ~……」」」
「(飯田、便利)」
そんなこんなで私たちは、全員で役割分担をしながらカレーを作り始めた。のだが……。
「ギャー!!」
「ちょ! キアナちゃん何やってるの!?」
「え? カレーってこう作るんじゃないの?」
「何をどうしたら鍋の中が燃えがるのー!!!?」
私が担当していたカレー。その鍋の仲が燃え上がっていた。確かルーとか入れて、具材を入れて、強火で混ぜながらしていた気がするけど。
「テメェ三つ編みゴラァ!! 食いもん無駄にしてんじゃねぇ!!!」
「無駄にしてないよ! ちゃんとレシピ通り作ったよ!!」
「じゃあなんでこんな闇鍋のような見た目になってんじゃあぁぁ!!!!」
「闇鍋…」
爆豪に怒鳴られたけど、私は至って真面目にカレーを作ったのだ。み、見た目はあれだけど…味はちゃんとカレーのはず!!!
「そこまで言うなら味見してみてよ!! ちゃんとカレーのはずなんだから!」
「誰がこんなの食えるかァ!!!」
「じゃあオイラが!」
「俺も!」
峰田と上鳴がスプーンで軽くすくって口に入れた。だけど次の瞬間二人はぶっ倒れた。
「峰田くん! 上鳴くん! 何をして……ッ!? い、息がない!?」
「し、死人が出たぞー!!」
飯田がすぐに二人に駆け寄り、注意をしようとしたみたいだけど、すぐに二人が息をしていないことに気づいた。そして瀬呂が叫んだ。
「そ、そんなに……マズかった?」
「「「「………」」」」
この時、キアナ以外のA組並びにB組。そして教師とプロヒーローも含めた全員が、キアナに料理をさせるのはマズいと悟った。
「あー……じゃあキアナさんはこっちで皿出しをしてくれる?」
「え!? 私ちゃんと料理できるよ!?」
「(そんな本当に闇鍋のようなもので、しかも気絶するほどの物だと説得力がないわよ…)」
「カスラナ」
「相澤先生! 私ちゃんと――」
「皿出しをやれ。いいな?」
「でも「いいな?」…ハイ」
相澤先生が個性で目を赤く光らせて睨んできた。私は素直に従うしかなかったけど、ピザトーストとかちゃんと作れるんだよ…?私は、B組の人たちと、皿出しの作業に移った。
「「「いただきまーす!」」」
無事にカレーは完成して、食べ始める。ちなみに私の作ったあのカレーは処理された。
「店とかで出たら微妙かもしれないけど、この状況も相まってうめぇ!!」
「言うな言うなヤボだな!!」
私もだけど、みんなが一気にカレーをかきこんで食べてる。やっぱこういう所とかでのカレーって美味しんだよね~!
「ヤオモモがっつくねー!」
「えぇ、私の個性は脂質を様々な原子に変換して創造するので、沢山蓄える程沢山出せるのです」
それって、簡単に言えば太らないってこと?結構女子からは羨ましい個性だ。
「う〇こみてぇ」
瀬呂のその一言に、八百万は轟沈した。
「謝れー!!」
「すみません!!」
耳郎は見事なストレートを瀬呂に放った。まあ今のは普通に最低だから当然のことだ。あ、なくなったからお代わりしようっと。
「明日からキアナさんの料理の配置は皿出しと皿洗いに固定しましょう」
「カレーだけって可能性もありましたが、誰でも案外作れるカレーをあそこまでやらかすとなると、確かにその方がいいですね」
なんかマンダレイと相澤先生から、ちょっと失礼なこと言われた気がするんだけど……。
森を一望できる崖。
「ていうかこれ嫌! 可愛くないです」
「裏のデザイナー・開発者が設計したんでしょ。見た目はともかく理には適ってるハズだよ」
「そんなこと聞いてないです。可愛くないって話です!」
そこには、死柄木の指示と作戦により来ていたヴィラン連合が四人いた。
「おまた~」
「仕事……仕事……」
「…フッ」
そこに、ステインと似た格好をしたヤモリ男。口を固定された囚人のような恰好をした男。サングラスをかけたオネェの男がやってくる。
「どうでもいいから早くやらせろ。ワクワクが止まんねえよ!」
「黙ってろイカレ野郎共、まだだ決行は……10人揃ってからだ」
リーダー各である皮膚が焦げた黒髪の男は、不気味な事を言いながら見下ろしていた。
「ところで、弔くんの言ってたしもべさんはどこでしょう?」
「さあな。俺らが行動を始めて、俺が森を燃やした時が、そのしもべ共の動く合図になってるようだが、まあいい……威勢だけのチンピラをいくら集めたところでリスクが増えるだけだ。やるなら経験豊富な少数精鋭。まずは思い知らせろ……てめェらの平穏は、俺たちの手のひらの上だという事を」
焦げた皮膚の男は、施設を見つめてそう呟いた。
キアナが崩壊武器を使う時、どれかはテンパると思うんですよ。そして安定のキアナの料理スキルのやばさ(危険差)。
ホントはもっと料理とか書きたかったけど、難しすぎて断念。だけどキアナの料理のヤバさは書きたかった。
え?女子会?品切れでございます。