私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ   作:伽華 竜魅

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第36話 激突、第一次崩壊戦争。

 

 

 

 

「これは、とんだ予想外ですね……」

 

神野。その中にある一つのビルの屋上。

その上の屋上にて、様々手が施された双眼鏡で、事件現場を観察している一人の少女、否、ヒーローがいた。そのヒーロー足元には、ノートパソコンが置かれており、スマホには事件現場の生中継が映っていた。

 

「しかし……ここまで予想するとは、メイ博士は恐れ多いですね」

 

そのヒーローの正体は、ハッカーヒーロー「ハッカーバニー」。本名「ブローニャ」だった。ハッカーバニーには、I・アイランドの事件後、メイ博士からの依頼を受け、現在までキアナの観察をしていたのだ。ハッカーバニーにはヒーローだが、基本依頼を受ける際は必ず報酬を求める。今回は、依頼金を前払いでもらっているため、受けていたのだ。

 

「それにしても、これは……」

 

ハッカーバニーは上を見上げる。先ほどまで曇り一つない夜空だったのが、今では雷雨ともいえる黒い雲に覆われ、雷を発生させている。そして、二つのとんでもない規模の光柱が立っていた。

 

「オール・フォー・ワンが表に出て、オールマイトと交戦したのも異常事態なのに、死柄木弔の律者としての覚醒が本格的に始まった…止めたいところですが、加勢したところで足手まとい。ただ、私も私でやれることはある」

 

ハッカーバニーは、ホログラムのキーボードなどを出し、器用に素早く打ち込みむ。するとホログラムが出現する。その映像には、キアナと死柄木の現在の身体や個性などの状況がわかる数値が出ていた。

 

「(メイ博士の考えがあってるなら、この戦いで少なくとも、死柄木弔は大きく影響を受けるはず……)」

 

 

 

 

 

死柄木の禍々しい赤黒の強大なオーラ。キアナの空の律者と薪炎の律者の強大なオーラ。その二つの衝撃は凄まじく、ヴィラン連合ら飛ばされそうになるも耐えている。コンプレスは気絶している荼毘を圧縮して回収。オールマイトはキアナに、爆豪とともに逃げるよう叫ぶがキアナは無視していた。否、無視はしていないが、死柄木をほおっておけないのだ。瞬間、キアナは止まった時の中を動いたかのようなほどの、異常すぎる速度で爆豪の傍に移動した。

 

「なっ、てめ……」

 

「あんたは緑谷達と逃げて」

 

「は? なんでデクが…」

 

キアナは爆豪の腕をつかむとまた先ほどの速度で、今度は緑谷たちのほうへ移動した。

 

「ッ!? キ、キアナさん!?」

 

「みんな、爆豪をお願い」

 

「な、何を言っているんだ!? 俺たちは君たちを助けに来たんだ! 今ここにいるんなら、キアナくんも一緒に……」

 

「出来ない。アイツを……死柄木をほおっておけないから」

 

「ま、まさか戦う気ですか!?」

 

キアナは爆豪を緑谷達に預けて、死柄木のもとへ向かおうとする。それを八百万と飯田が止めに入った。自分たちは戦うことを許されていない。それはキアナも例外ではないのだ。

 

「……ごめん。これは単に戦いたいとか、オールマイトに加勢したいとかじゃないの」

 

キアナのその決意と覚悟、全てを受け入れた顔。全員がそんな顔を始めてみたため、謎の緊張が走った。

 

「ッ!」

 

その瞬間、白い物体が飛んできていた。キアナは振り返りそれを王剣で受け止める。断ち切ることもできたが、今は後ろに緑谷達がいるため、受け止めるほうを優先したのだ。

 

「キ、キアナさん?」

 

キアナは顔を横に向けて、視線を後ろに向けて。

 

「"信じて"」

 

そう言った。

 

「ッ! ……行こう! みんな!!」

 

「なっ!? 正気か緑谷くん!?」

 

「うん! キアナさんを信じよう!!」

 

緑谷は、再度キアナを見つめる。キアナは微笑み、顔を前に向ける。

 

「…ありがとう」

 

キアナはお礼を言うと、白い物体を断ち切り、そのまま死柄木の元へ向かった。

 

「…行こう!」

 

「くっ……!」

 

「急ぐぞ! 今ならまだここを離れられる!!」

 

緑谷たち六人は、その場を急ぎ離脱した。

 

 

 

 

 

そして、キアナは死柄木に接近していく。死柄木は白い物体を出して、迎え撃とうと構えるが、キアナのあまりの異常な速度を上乗せした足の飛び蹴りを完全には防げなかった。

 

「ぐっ……!! (なんだ、この異常すぎる力!!)」

 

まだ完全に覚醒していない死柄木は、もがくような声を漏らした。キアナの攻撃した右足に「空」と「薪炎」のエネルギーが溜まっていき光りだした。その瞬間、地面が大きく割れると同時に、死柄木は遠くまで蹴り飛ばされた。その際の風圧は、周りのビルを崩し飛ばすほどだった。

 

「カスラナ少女! なぜ逃げなかった!!?」

 

オールマイトは、爆豪と救けにきた緑谷たちだけを逃がし、自分だけ死柄木と戦闘に入ったキアナに対し驚いていた。

 

「死柄木は私を狙ってる。そして今アイツを相手できるのは私だけ。それにオールマイトはオール・フォー・ワンを倒さなきゃいけないでしょ?」

 

「しかし!」

 

キアナとオールマイトがそう話してる間に、オール・フォー・ワンは攻撃してきた。キアナは左手を突き出しキューブシールドを展開。オール・フォー・ワンの攻撃を簡単に防いだ。

 

「空気を押し出す+筋骨発条化+瞬発力×4+膂力状況×3。オールマイトを吹き飛ばしたこの組み合わせをこうもあっさり防ぐとは……」

 

「人の力を受け継ぐとか、預けられて使うならまだいい。だけど、奪った力で戦うなんて、そんなの他人の力を奪えないと弱いって言ってるようなものだよ。そんな奴に私の力は奪わえないし、負けないから!!」

 

だがキアナは、キューブシールドを解除する気配がなかった。その直後、オール・フォー・ワンの背後に、一瞬だけ赤い何かが光った。それにはオールマイトも気づいていた。

 

「今のは…」

 

「オールマイト、衝撃は伝わると思うから身構えて」

 

「何を言って……」

 

瞬間、オール・フォー・ワンは浮遊するように浮かんだ。すると、赤黒の規模の大きすぎるレーザーのようなエネルギーがキアナたちのほうにまっすぐ放ってきた。そのレーザーは、キューブシールドで囲っているキアナとオールマイトを包み込むように通過した。外部からは、二人は全く見えない。

 

「な、なんだこれは…衝撃が強すぎる…!?」

 

「オールマイト、この攻撃を弾いたら私は死柄木の相手をする」

 

キアナは、オールマイトに顔を向けた。

 

「オールマイトも勝ってね? "後継者"(緑谷)を残して死んだら駄目だよ?」

 

「ッ!? カスラナ少女! 今なんと……!?」

 

キアナはキューブシールドを一気にはじけさせて、レーザーをかき消した。そして一気に跳躍して、死柄木のほうへ向かった。その際、キアナの足元の地面が大きく割れた。

 

「(本当は弔も含めて逃がす予定だったが、仕方ない)黒霧、皆を逃がせ!」

 

オール・フォー・ワンは黒い爪を伸ばし、黒霧を突き刺した。そして黒霧の個性を強制的に発動させて、ワープゲートを出した。

 

「君たちはここから逃げなさい。コマも失った今、ここにいるのは危険だ」

 

「だが死柄木は!?」

 

直後、核爆弾による爆発でも起きたかのような大爆発が離れたところで起こった。

 

「今の弔は僕でも逃がすことは至難の業だろう。さぁ、行きなさい!」

 

「…行くぞお前ら! 移動した後黒霧叩き起こして、隙を狙って回収すればいい!!」

 

コンプレスがそう言った。一人や二人は少々心配などもしたが、黒霧のワープへ入っていく。

 

「逃がさんぞー!! ぐおっ!!」

 

オールマイトがそれを止めようとするが、オール・フォー・ワンに妨害されてしまい、死柄木以外の連合全員が撤退していった。

 

「さて、僕らは僕らで始めようじゃないか、オールマイト……!」

 

手を広げながらオール・フォー・ワンはそう言った。

 

 

 

 

 

オールマイトとオール・フォー・ワンから離れた場所。そこもまた、否、オールマイトとオール・フォー・ワン以上の災害になっていた。その中心では、キアナと死柄木が死闘を繰り広げていた。キアナはそんな中でも、被害者を出さないようにもしていた。

 

「助けてえ!!」

 

「ッ!」

 

助けを求める声が聞こえれば、創造でタイタン機甲などを創り、救助に向かわせている。死柄木は、白い物体を不器用ながら操り、崩れたビルなどを持ち上げてキアナに投擲する。キアナはそれを簡単に断ち切り、死柄木に攻撃を仕掛ける。そんな二人の上は雷雨のごとく規模のデカすぎる黒い雲が夜空を覆っており、雷と雨が降り注いでいた。

 

「ス、スタジオ! ご覧になっていますでしょうか!? 神野区で巨大な大爆発が次々と起こっており、激しい雷雨の嵐が起きております! 警察はつい先ほど神野区中心部に対して緊急避難警報を出しましたが、原因は未だに……あ、あちらをご覧ください!! あれはヒーローとヴィランでしょうか? 交戦しておりま……ん? あ、あれは…え、嘘でしょ!? ちょ、カメラ早く撮影して!!!」

 

その場に撮影来て、状況を生中継で映していたアナウンサーたち。その顔は驚愕に染まっていた。

 

「キ、キアナ・カスラナ!? 間違いありません!! ヴィラン連合に拉致されたと思われていたキアナ・カスラナさんがヴィランと交戦しております!!! 凄まじいほどの勢いで、彼女とヴィランの周りは次々と崩壊しております!! あ!? 見えたと思ったら見えなくなった!? 目で追えません!!!」

 

「カ、カメラにも映せねぇ!!!」

 

アナウンサーが目で追えないと言った。当然だ。素人やそこらのヒーローでは、風圧や爆発がどこからともなく起ってるようにしか見えない。オールマイトやオール・フォー・ワンなどでも目でとらえれるかわからないのだ。

 

 

 

 

 

「ガッ!!!」

 

虚界衝撃を。

 

「ゴホッ!!」

 

熱炎粉塵・劫炎を。

 

「ぐっ!!」

 

時空震蕩を。

 

技を、また技を死柄木に休む暇もなく放ち続ける。死柄木と対面した時すぐにわかった。死柄木は律者として覚醒するのも時間の問題だと。すでに瞳は律者の瞳になってた。問題は能力と姿。たまに白い物体が襲ってくるけど、すぐに壊せる。だけど、私の本気を食らって体と意識を保っていること自体が、すでに律者として覚醒するという予知になっているんだ。

 

熱炎・紅蓮の断烈!!!

 

虚数空間から大剣「天火大剣」を取り出して、王剣と合わせて技をまた放つ。死柄木はそれを白い物体で防ごうとするが、それすらも断ち切り、地面すらも燃え上がるように割れた。

 

「か…ぁ…」

 

死柄木の体の一部は焦げている。切断などはされていないものも、相当のダメージを食らっていた。顔は手のひらで覆われていて、うまく見えないけど、声で何となくわかる。このまま死柄木を……瞬間、死柄木の眼球が動いて私を強く捉えた。

 

「ッ!?」

 

何かの本能だろうか?体が勝手に動いていて、死柄木から離れていた。そして死柄木が光りだして、赤黒のエネルギーがあふれ出した。

 

「……」

 

それは、これまで以上の規模と莫大なエネルギーだった。

 

「何…あれ…?」

 

死柄木の周りに、端が赤のラインで引かれた黒い布のような触手のようなものが現れた。赤黒の柱は勢いを薄れていき、赤黒の布が球体のように死柄木を覆った。そして、雷の勢いが増して来てる。すると、死柄木を中心として、周りの瓦礫などが一瞬で塵になったりして、泥のような液体が溢れてきてる。あの泥のような液体は何なんだ?すると、死柄木を覆っていた赤黒の布が解けていった。そこから、白い物体が四つ、花が開くように動いて、死柄木が姿を現した。

 

下半身は、太ももから足先まで黒い鎧が身に着けられていて、上半身は、おそらく死柄木の持つ律者の模様が描かれたであろうコートを羽織っている。そしてあの白い物体は靄がなくなり、その姿を現していた。その物体の姿は、「支配の律者」の操ってた"手"と全く同じ形をしていた。違うと言えば、黒だったところは白。ゴールドだった部分は赤で、血でも入っているかのように、動けば液体のように仲が動いていた。顔につけていた血が抜けて白くなっているような手は、逆に黒くなっていて、赤い亀裂が入っているようなデザインになっている。その手のひらの奥から、赤い瞳の光が見えてくる。

 

あの姿が、死柄木の……。

 

「律者形態……」

 

「ここからが……本番だ…!!!」

 

「よく言うよ。ずっと防戦一方で、反撃もまともにできてないのに」

 

死柄木の律者は「支配の律者」の同じ機能持ちなの?いや、だったらあの赤黒の布と泥のような液体は何なんだ?全くどんな力なのか想像できない。死柄木は一体何の律者なんだ?それが分からない以上……。

 

「余計に油断できないね!」

 

天火大剣をしまってタイタン装甲を何体も創造する。タイタンたちには周辺にいる民間人やアナウンサーの人たちを安全な場所まで逃がすよう指示する。そして左手を持ち手のように構える。すると、熱炎と共に形が形成されて行って「炎空の境:不滅の劫炎」が生まれる。右手は薪炎王剣が握ってあるから一丁だけだ。

 

「死ね!」

 

死柄木が一瞬で私との距離を詰めて来た。周りからは、赤黒の布が襲い掛かり、死柄木は律者の手で攻撃してくる。私は不滅の劫炎を下に向けて、熱炎と虚界を同時に付与して放つ。

 

(きょ)(えん)震蕩(しんとう)劫破(ごくは)!!!

 

時空震蕩と熱炎粉塵・劫炎を掛け合わせた技を放ち、死柄木と周りの攻撃をすべて消し飛ばす。死柄木は吹き飛んでいき、ビルに激突した。私はすぐに死柄木の元へ飛んでいく。

 

「クソ……!」

 

死柄木の目の前について、王剣に熱炎を溜め込む。

 

火炎…抜けっ!?

 

技を放とうとした瞬間、赤黒の布が私の右手と王剣を縛りつけて来た。死柄木が付いている地面には、泥のような液体が出てきている。死柄木の瞳が光った。まずい!!!

 

虚界衝撃!!

 

足で虚界衝撃を放って、その衝撃波で周辺の赤黒の布や泥を払って、その場から一度離れた。

 

「……」

 

死柄木が右手を掲げると、赤黒の布が右手に集まっていき、一つに固まっていってる。そして、それはある武器へと形を変えた。あれは……。

 

「劫滅・無限!?」

 

大剣「劫滅・無限」だった。ベルナから奪われたのは覚えてたけど、まさか死柄木の手に既にわたっていて、死柄木の色に染められてたなんて……劫滅・無限はほとんどが黒に染まっていて、黒剣のようになってる。二つのまる部分や、文字っぽいのが書かれてた場所は赤色だった。刃の部分は、黒よりの紫になってる。そして何より、死柄木の武器になったのか、五指が触れていながら崩壊が起こっていない……!!

 

「…許さない!!」

 

不滅の劫炎をしまって一気に降下。死柄木に王剣を振るう。死柄木はそれを劫滅・無限で防いだ。その衝撃で、足元の地面がえぐれていってる。すると死柄木の四つの律者の手、その五指を地面に触れて、地面を崩壊させていった。それによって地面がさらにえぐれて、陥没穴ほどの穴ができた。私たちは瓦礫と一緒にそこに落下していく。

 

その隙に私たちは一度互いの剣で弾き合い、離れた。そして瓦礫の一つに着地して、私は十字架「誓約の十字架」を取り出す。死柄木もまた瓦礫の一つに着地して、律者の手と劫滅・無限を構えていた。私は誓約の十字架の中から鎖を出す。同時に「理」を付与させて認識されないよう鎖を透明(ステルスモード)にした。互いに落下しながらも、目を離さないよう睨み合っている。私は足に「空」を付与させて、一気に足元の瓦礫を使かって跳躍。その際に瓦礫は崩壊した。そして死柄木に接近して攻撃。死柄木は律者の手でギリギリで防いだけど、勢いに押されて、足物との瓦礫は崩壊。そのまま押し切り、別の瓦礫に着地して、そのまま私は攻撃を続ける。死柄木は劫滅・無限で防御しながら、何とか反撃しようとするけど、私はそれよりも早く攻撃して、そのまま畳みかけて攻撃する。死柄木は押されてしまい、足を付けてる瓦礫がまた崩れていってる

 

「(クソッ!! 攻撃どころか反撃する隙すら出来ねぇ!!! 防御するのでやっとだ……!!)」

 

死柄木は防戦一方だった。私は死柄木の律者の手と劫滅・無限をはじく。そして死柄木のお腹に虚界衝撃を付与させた蹴りをかます。死柄木はそれで吹き飛んでいく。だが死柄木は負けじと、新しく律者の手を四つ出した。それを使ってこれ以上吹き飛ばないよう耐える。そして劫滅・無限から赤黒のオーラを放ちながら振り、私に攻撃してきた。私は一度瓦礫の一つに着地して、それを回避する。浮遊と跳躍を駆使して、瓦礫を足場にして、あちこち飛び回る。

 

「だったら!! 全部壊してやる!!!」

 

死柄木が再び劫滅・無限にエネルギーを溜めいき、全方位に振りまくって放とうとしていた。だけど、その瞬間を私は狙っていた。

 

「誓約の十字架!!!!!」

 

誓約の十字架を振るう。すると透明(ステルス)で見えなかった鎖たちが現れて、死柄木の、劫滅・無限を掴んでいる右手に絡まった。

 

「ッ!!?」

 

私はもう一回、誓約の十字架を振るった。すると、鎖がいくつもの大きな瓦礫を集めて、死柄木を中心に固めてガチガチに縛り上げた。

 

「テメェ!!!!」

 

亜空の矛・布状を使って、誓約の十字架の鎖を縛り、亜空の矛・布状で鎖を、私は誓約の十字架そのものを持って、思いっきり振りまくって壁にぶつけまくる。

 

「とりゃあぁァァァァ!!!!!」

 

最後の一回、壁にぶつけて誓約の十字架を離して……王剣に薪炎を一気に付与させる。

 

火炎抜剣!!!

 

王剣を振るい、死柄木に火炎抜剣を放つ。大爆発が起こり、上の地上まで熱炎が昇っていった。だけど倒しとは思ってない。律者はそう安々とやられる存在じゃないんだ。そう思ってる間に、ボロボロの死柄木が赤黒のオーラを出しながらが飛んできた。死柄木が左手を突き出してきて、私がそれを亜空の矛で防ぐ。亜空の矛が段々と罅が入って塵になり始めてる。そしてそのままの勢いによって、私たちは地上に出た。

 

 

 

外は激しい雷雨になっており、雨が降ってるにもかかわらず、街の一部は燃えていた。だけど幸い、救助や避難はタイタンたちがやっていてくれたおかげで、犠牲者や被害者はいないようだった。すると、遠くの方で大きな衝撃による街の被害が起きていた。あっちは……。

 

「オールマイトとオール・フォー・ワンがいたところ……」

 

オール・フォー・ワン……確か、「他者の個性を奪う個性」……。

 

「よそ見してんじゃねぇ!!!」

 

死柄木が一気に近づいて、律者の手で攻撃してきた。私はそれを避けて、回し蹴りをかます。死柄木はそれで地面に激突した。

 

「してないよ。むしろあんたに集中して戦ってる。あんた、まだその"力を完全に扱えてない"でしょ? 動きに無駄があるし」

 

「うるせぇ……! 崩壊獣ども!!!!」

 

死柄木が崩壊獣たちを呼んだ。ゲートが現れて、戦車型、突撃型、聖殿型、騎士型など、前世でみた種類が次々と出てきてる。そして、雄たけびのような鳴き声とともに、審判型崩壊獣も飛んで現れた。

 

「―――!!」

 

多数対一……いや、こっちも数を増やせばなんとかなるね。それに……こんな雷雨の中、ヘリに乗って状況を映そうとしている。彼らも守らないといけない。

 

「すぅ…フゥー…創造!!!

 

私は一度呼吸を整えると、王剣を私の正面に突き刺してから、両手を合わせる。カッと開いて、創造を使った。両手を離して後ろにだらけるように振るう。すると、私の後ろに青白い電が走り、タイタン機甲やミサイル機甲を創造していく。そして、半端無理やりだけど、"RPC-6626"を数機を創造した。

 

「みんな、お願い!!!」

 

「蹂躙しろ!! お前ら!!」

 

崩壊獣とタイタン機甲たちが戦いだした。騎士型崩壊獣やRPC-6626などは、嵐の中空中戦を始める。死柄木は審判型崩壊獣の背に乗って飛んだ。私も浮遊で一気に空中を駆け抜ける。そのまま雷雨の中に入っていった。

 

 

 

雷雨の中は、文字通り全体が雲で雷と雨しかない。そんな中に、私たちは空中戦を繰り広げていた。

 

「殺れ!! ベルラス!!」

 

「―――!!」

 

死柄木の命令で、ベルラスは氷系の技を放ってくる。私はそれを避けて、虚界降臨を放つ。ベルラスはそれを避けるため飛び回る。死柄木が劫滅・無限で虚界降臨の崩壊エネルギーをすべて斬り落とした。そのまま斬撃を飛ばしてくる。私はそれらを跳ね返して、交わしていく。だけど、そろそろ終わらせないと、被害がさらに広くなる……。

 

「ベルラス!!!」

 

「―――!!!!!」

 

死柄木とベルラスが一度上昇してから旋回して、私に突っ込んでくる。その際、二人は光に身を包んだ。さらに、赤黒の光の斬撃が出ている。私も対抗するため、薪炎王剣に力を集中させる。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

薪炎王剣!!!

 

死柄木とベルラスの技が、私の技がぶつかり合った。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

二つの強大なエネルギーが押し合い始めた。

 

押しきれ!力を振り絞れ!!そして力を溜めろ!!開放するんだ……もう出し惜しみなんかしてられない!!そうでしょ!?(キアナ・カスラナ)!!!!

 

キアナは、決意と覚悟を決めた顔になった。

 

 

――

―――

 

 

同時刻。ビルの屋上。

 

「これは…やばすぎるんじゃないんですか…!?」

 

ハッカーバニーは、キアナと死柄木の個性数値を見て、雷雨の雨で分からないが、冷や汗を出していた。キアナと死柄木の個性数値は、異常なほどに上昇しており、その二人の数値メーターは重なっていた。それは共鳴ともいえる状態だった。だが、ハッカーバニーは違和感に気づいた。

 

「? キアナの数値が…それに…ッ!? "月"が軸を超えて勝手に移動している!?」

 

衛星カメラに切り替えると、月がゆっくりと動き出しており、まるで何かをしようと、否、何かを待っているように動いていた。

 

 

 

 

 

さらに同時刻。神野市。

雷雨の大雨と雷の中、トゥルーフォームかつ、右腕だけがマッスルフォームのボロボロのオールマイトと、浮遊しているオール・フォー・ワン。さらに、駆けつけてきたプロヒーローたちがいた。

 

「応援に来ただけなら、観客らしく大人しくしててくれ」

 

オール・フォー・ワンはヒーローたちを吹き払おうとし、それをエッジショットはエンデヴァーは攻撃して防いだりしている。さらに駆け付けたシンリンカムイが「樹木」で、ベストジーニストとMt.レディ、ギャングオルカを絡め取って救出した。

 

「頑張ったんだな…!! Mt.レディ」

 

「我々…には、これくらいしか出来ぬ…貴方の背負うものを、少しでも…」

 

「虎…!」

 

「あの邪悪な輩を…止めてくれ、オールマイト…!! 皆、あなたの勝利を願っている…!! どんな姿でも、あなたは皆のNo.1ヒーローなのだ!」

 

オールマイトの目の前では、エンデヴァーとエッジショットがAFOと交戦を繰り広げていた。

 

「煩わしい」

 

オール・フォー・ワンのその言葉に合わせたかのように、真上か雷が降り注いだ。そしてオール・フォー・ワンの個性による計り知れない程の衝撃破で、周りにいるプロヒーローたちを吹き飛ばした。

 

「精神の話はよして、現実の話をしよう。向こうを見てみたまえ」

 

オール・フォー・ワンは雷雨の中で光り続ける二つの光を指した。そこは、キアナと死柄木が交戦している雷雨だった。

 

「向こうも決着をつける気みたいだ。だから僕たちも終わらせようじゃないか、オールマイト!」

 

すると、オール・フォー・ワンの右腕が変化していった。

 

「「筋骨発条化」「瞬発力」×4「膂力増強」×3「増殖」「肥大化」「鋲」「エアウォーク」「槍骨」。今までのような衝撃波では体力を削るだけで確実性がない。確実に殺す為に、今の僕が掛け合わせられる最高最適の個性たちで……」

 

オール・フォー・ワンの右腕は、尋常じゃないほど肥大化し、凶悪な形になった。

 

「君を殴る」

 

そしてオール・フォー・ワンはオールマイトへと向かい、距離を詰めていった。

 

「緑谷出久!」

 

「ッ!?」

 

「"ワン・フォー・オールの譲渡先"は彼だろう?」

 

オール・フォー・ワンのその言葉に、オールマイトは驚いていた。

 

「資格も無しに来てしまって……まるで制御できてないじゃないか。存分に悔いて死ぬといいよ、オールマイト。先生としても、君の負けだ!」

 

そしてオール・フォー・ワンの右腕とオールマイトの右腕が、互いの拳がぶつかり合った。その衝撃でまたしても周囲に大きな衝撃が巻き起こった。

 

「「衝撃反転」!」

 

オール・フォー・ワンは「衝撃反転」を使用し、オールマイトの攻撃を、オールマイト自身へと与えた。その影響により、痛々しいほどに出血が起こる。その衝撃により、オールマイトは力が一瞬弱まり、オール・フォー・ワンに押されていった。だが、オールマイトは笑っていた。

 

「そうだよ……!」

 

「!?」

 

「先生として…叱らなきゃ……いかんのだよ! 私がっ! 叱らなきゃいかんのだよ!!!」

 

「……成る程(吹かずとも消え行く……弱々しい残り火。抗っているのか。役目を全うするまで絶えぬよう、必死で抗っているのか……)醜い!」

 

さらにオール・フォー・ワンは力を入れる。オールマイトはさらに出血が起こり、吐血も大量に出た。同時に、雷雨の中でも光がより強くなり、雷が大量に発生している。地上と空中、二つの戦場。地上では悪の帝王と平和の象徴が、空中では二人の律者がぶつかり合っていた。

 

「(象徴としてだけではない…!! お師匠が私にしてくれたように…私も彼を育てるまでは……)」

 

オールマイトはボロボロの右腕を緩めて、オール・フォー・ワンの右腕を紙一重で回避し、そのまま左腕で殴った。

 

「(まだ死ねんのだあぁぁぁぁ!!!!)」

 

だが、その攻撃は浅かった。

 

「らしくない小細工だ。誰の影響かな。浅い!」

 

オール・フォー・ワンは左腕を肥大化させた。

 

「そりゃあ……」

 

「ッ!」

 

「腰が入ってなかったからなあ!!!」

 

吐血しながらも青くなり、ひどくなった右腕を思い切り振りかぶるオールマイト。そして、何かをつかむように握り、マッスルフォームへと変えた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

オールマイトは足を踏み込み、腰を入れて、右腕をオール・フォー・ワンの顔面へ……。

 

「(さらばだ! オール・フォー・ワン!!)」

 

振り落とした。

 

「UNITED STATES OF SMASH!!!!」

 

全身全霊を込めたワン・フォー・オールの残り火による渾身の一撃。その威力はすさまじく広大な衝撃と渦を巻くような煙が上がり、雷雨すらも呑み込んでいった。そして、全員が息を呑み、その行方を見ていた。煙が晴れると、重傷を負いながらも、オールマイトはマッスルフォームで左の拳を掲げて仁王立ちをしており、オール・フォー・ワンはその場に倒れてピクリとも動かなかった。それを見た、誰もが、大歓声を上げる市民たち。中には号泣してる者も多くいた。

 

だが、戦いは終わっていない。

 

遠くの方の雷雨にて、大爆発が起こった。全員が上空の雷雨に視線を向けた。すると、その雷雨から何かがオールマイト達の元へ吹き飛んでいき、地面に激突した。

 

「あれは……」

 

「…ぁ…が…」

 

「」

 

「死柄木!?」

 

死柄木弔と、人型になっているベルナだった。上空の雷雨内で起こっていたキアナと死柄木の押し合いは、キアナが勝ったようだ。ベルナは気絶しており、死柄木は辛うじてまだ意識があった。ボロボロの身体を無理やり起こし、上空を睨みつける。

 

「てめぇ…の……その異常な力……その差は……何なんだあァァァァァ!!!!」

 

死柄木は怒りの雄たけびを上げる。すると死柄木を中心に泥のような液体が溢れかえり、赤黒の布がウネウネと出てきた。

 

「エンデヴァー! アイツを捉えるぞ!!」

 

「言われなくともわかっている!!」

 

エッジショットとエンデヴァーが死柄木を捉えようと動こうとした。その瞬間、大きな雷雨が渦のように動き出した。

 

 

 

 

     「決戦の時は来た」

 

 

 

 

どこからともなく、キアナの声が洞窟にいるかのように反響して響いた。その声は、全員の耳に入り、動きを止めた。そして渦は逆回転していき散っていく。雷雨が消え、星々が輝く夜空が姿を現した。その夜空の中、キアナは浮ていた。夜の風に吹かれ、キアナの髪はなびいている。そしてキアナは目を閉じ、武器をしまい、両腕をクロスするように胸に当て、何かを溜めるような態勢に入った。すると、星々が流れ星かの如く動き出した。

 

「なんだ…あれは…」

 

「綺麗……」

 

星々がキアナへと向かい、キアナの中へ入っていく。そして満月がキアナに重なるように移動してきた。キアナは目を開き、叫ぶのではなく、優しく、落ち着いた声で言った。

 

 

 

 

       光翼展開

 

 

 

 

キアナは、白と紫に星のように光輝いた。

 

 

 

 





虚炎・震蕩劫破(きょえん・しんとうごくは)
虚界衝撃と熱炎粉塵・劫炎を掛け合わせた技。炎空の境:不滅の劫炎を使うことで照準や命中率をカバーすることで、周囲を気にせず安全に使えることも可能。


死柄木の律者機能。
白い物体の正体は、外見のデザインは「支配の律者」と同様。カラーデザインは白と赤をメインとしたもの。死柄木の個性の発動することができ、同じく五指さえ触れれば崩壊が起こる。基本四つがだ、数は100個までなら出すことが可能。それ以上は死柄木の成長次第。
赤黒の布や泥のような液体は()に。

赤黒の布。
死柄木の意志で動き、触手のようにウネウネと動く。劫滅・無限をも取り込んでおり、死柄木が求め場、その形に変えて、死柄木の武器となることもできる。
※こちらの赤黒の布は支配の律者の糸と触手などを参考に考えました。※


泥のような液体。
死柄木が崩壊させたり、死柄木自身からあふれ出る液体。本人が求めなければ出てくることはない。
赤黒の布を大量に出すには液体は必須。その液体に足を踏み入れて、死柄木が敵と認識した者は赤黒の布で襲い掛かり、逆に味方と認識した者は襲わず、時に手助けしたりとする。
※津波などもまた、町などを崩壊させることができる。それを参考に「崩壊」と「侵食」、「津波」を掛け合わせて提案したものです。※

劫滅・無限。死柄木Ver。
形事態は変わっていない。カラーリングは基本全体が黒。刃の所は黒よりの紫に変更し、なんか文字っぽい感じの部分は赤色。中央の二つのマル部分はも同様赤色。死柄木の律者エネルギーなどがこれでもかという程に染まっている。そのため死柄木が扱える唯一の崩壊武器。死柄木Verになっているため、五指が触れていても崩壊はしない。基本は赤黒の布に取り込まれている為、死柄木の中にあるような感じになっている。

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