私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ 作:伽華 竜魅
「ここらへんかな…」
平地に山、水場に森、さらに繁華街、高層ビル、工場地帯など、いろんなエリアがあった。そのうちの一つ、高層ビルが並ぶたつ場所に来ていた。
理由としては、前世ではよくこう言った街とかでの戦闘が多かったからかな?しっかし、周りに人はがいない。いや、バレないようにあえて隠れてる可能性があるなこれ。
「終焉…」
一度瞬きをして、個性を開始と同時に瞬時に発動させるための準備をしておく。多分瞳の模様も変わったと思う。
『それでは試験開始のカウントダウンを始めます。10、9、8、7、6……』
試験開始のカウントダウンが流れ始めた。同時に虚数空間から、
太刀「
片手はボールのほうがいいかもしれないけど、先に攻撃してきた人たちへの対処のほうがいい気がする。
『5、4、3、2、1、試験……』
来る!!
『スタート!』
試験開始の合図と同時に、さっきまでいなかった他校の生徒たちが一斉にビルの隙間とかから出て来て、ボールを振りかざしたり、個性で必殺技を出そうとしたりする人たちがいた。
私は迎撃する為、自身を回転するように動いて、二本を構えた。
「はあっ!!」
「空」と「薪炎」を一本ずつ付与させて、放ってきた敵の技とボールをかき消していく。
「なっ、嘘だろ!?」
「全部、一瞬で消しやがった……」
「で、でたらめすぎるわよ……!!」
よし、なんとか初手は防げた。さてと……。
「ここからは、キアナのターンだよ」
浄罪七雷・鳴雷見と凝澄の境・自性の純一を構える。
「いや、アイツは炎を使っていたのを知ってるぞ! 水系の個性持ち、何とかしてくれ!!」
「た、確かに! よし、行くぞ!!」
「くらいなさい!!」
水系の個性持ちがまた攻撃してきた。キアナのターンって言ったのに……。
「浄罪七雷・鳴雷見、「薪炎」再度付与」
浄罪七雷・鳴雷見から薪炎が湧き上がる。
「熱炎粉塵!!!」
縦にまっすぐ振り下げる。薪炎の斬撃が出てきて、地面や周りを溶かしながら前進していく。
攻めてきていた水は、全て蒸発して消えたいった。
「今だっ!!」
「今度こそっ……!!」
「ッ!」
後ろをチラッと見れば、既に回り込んでいた他の人達が、またボールを投げていた。的自体は前のほうにつけてるから問題ないけど、念のため、防がないと――。
「……は?」
鎖につながれた大きい爪のようなものによって防がれた。
「まったく、いくら有名人を倒そうだって、そのやり方はどうかと思うわ」
「ッ!?」
その鎖と繋がっている女子、士傑の生徒が私に背を向けて現れた。帽子を被ってるからわからなかったけど、その声を聞いた瞬間、私は、ある一人の姿が脳裏に現れた。
「……"ゼーレ"?」
ゼーレ・フェレライ。前世でも一緒に戦った大切な仲間の一人だった人。私が知ってるゼーレでもあるけど、正確には、"黒"のほうのゼーレの雰囲気だ。
「お前は、士傑校か!?」
「なんで士傑が雄英の味方を!?」
「あら、他校と共闘してまで勝とうとするあなたたちが言えるのかしら?」
「くっ…! それを言われると…」
話の感じ、ゼーレは私の味方なの?
「あ、あんたは……」
「自己紹介は後。今はここを突破しましょう、神秘の象徴さん?」
「ッ!? ……信用、していいんだね?」
「信用できないなら、逆に利用するとでも思いなさい」
そういうのは……ちょっと……だけど!
「背中……預けるね!」
「えぇ、同じく預けるわ」
後ろを向いて、彼女と背中を合わせる。私は二本の太刀を、とりあえず今はゼーレと呼ぶことにして、ゼーレは爪を構える。
「行くよ!!」
「えぇ!!!」
私たちは、交戦を再開した。
「クソッ! やるしかねぇ!!」
「俺たちは士傑のほうをやる! お前らは神秘の象徴を!!」
共闘していた他校たちのうち、半分がゼーレのほうへ行った。
私は「終焉」を通して、凝澄の境・自性の純一に「風」を付与させる。
「吹き飛べえぇ!!」
大振りをすることで大きい風が発生し、相手を吹き飛ばしていく。
そして浄罪七雷・鳴雷見に、「終焉」を通して、「雷」を付与させる。
「そのまま痺れちゃえ!!」
浄罪七雷・鳴雷見を地面に突き刺して、雷を拡散させる。
「そして、亜空の矛・布状!!」
動けなくなった私が相手していた生徒、全員を縛り上げた。
「これだったら、最初っからやってもよかったかもなあ……」
今更こういうやり方をすればよかったと軽い後悔をしたけど、すぐに消えた。
「さっきまでの威勢はどうしたのかしら!!?」
一方、キアナの後を追っていた、ゼーレ・フェレライと瓜二つの顔にして、士傑の生徒もまた、他校と交戦をしていた。
「なんだよこいつ!」
「あの爪、生きてるような動きしてやがる!!」
「はあっ!!」
鎖を自分の身体の一部のように操り、鋭く赤い爪で個性とボールを斬り裂いていく。
「なんで雄英の味方なんかする!」
「それ、さっきも言わなかったかし……らっ!!」
「うわっ!!」
生徒自身の身体は斬りつけず、身体を掴み押さえつける。
もう片方は、鎖の長さを伸ばし、残りの生徒たちを一気に巻き付けた。
「口とは裏腹に、弱いわね?」
「クッソ、なんだよこれ!!」
「か、固い……」
「何よ! 化け物側について、強がって!!」
「あら、私はただ、あなたたちが数の暴力をしようとしていたから、彼女側に着いただけよ? 本当は勝負を挑もうと思ったけど、この状況じゃあ、やる前に通過されちゃうのは目に見えてるし」
冷静な判断力が、士傑生徒は高かった。
「丁度向こうも終わったようね」
縛り上げた他校を連れて、ゼーレのほうへ向かえば、ゼーレが相手していた生徒たちが全員鎖で縛られていた。
「さすが、神野事件を乗り越え、神秘の象徴と語られた存在は別格ね。強さが」
「そっちだって、半分を相手してたのにあっという間に終わらせてるじゃん」
「まあね」
『早くも通過者が一人出ました。え~と……うぉ!? だ、脱落者120!? 一人で120人を脱落させての通過者が出ました! え~驚きすぎて目が覚めてしまいましたが、ドンドンいきましょう』
え、一人で120人……!?ど、どんなやつなんだその合格者は……。
「……はあ、たぶん夜嵐ね。まあた勝手に突っ走って、それで通過しなかったら怒ってたわ」
「え、夜嵐って……」
「こっちの話よ。さ、さっさとボールを当てちゃいましょ」
そう言いながら、ゼーレはボールを生徒の的に当てていった。確かに、ここで話してる暇はないし、私も早いところ当てて通過しとかないと。
―
――
―――
「そういえば、なんで私の所に来たの?」
「ん?」
私とゼーレは、通過者用の控室へ歩いて向かっていた。通過者の的は青く光るため、狙われることはないらしい。
「簡単な話、神野事件でのあなたのあの戦いを見て、実際はどれほどの物なのかこの身で試してみたかったってところかしら」
「そ、そうなんだ……あ、そういえば名前!」
「あら、そういえば言ってなかったわね」
ゼーレは一度足を止めて、私のほうに体を向けた。
「改めて、私は「
ゼーレ、ゼーレって名前はそのまんまなんだ。違いは姓だけ。
「んじゃ、改めて。知ってると思うけど私はキアナ・カスラナ。よろしくねゼーレ」
「えぇ、神秘の象徴と仲良くなれるのはうれしいわ。よろしくキアナ」
自己紹介を終えて、私たちは控室へ急いだ。
―
――
―――
控室につけば、そこはゼーレと同じ士傑の生徒がいた。てか士傑は同じ帽子かぶってるけど、学校のルールかな?
「あ、霊淵さん! 霊淵さんも通過したんすね!」
「やっぱり最初の120名を脱落させたのはあなただったのね、夜嵐」
「うっス! って、その隣にいるのはもしかして、神秘の象徴っスか!?」
「えぇ、彼女と協力して通過したって感じよ」
「マジっスか!? 俺も共闘したかったっス!」
おぉ、夜嵐のあの勢いを華麗に対応してる。
「あ、初めましてっス! 自分夜嵐イナサって言います! あえて光栄ですキアナ・カスラナさん!!」
「ど、どうも。知ってると思うけど、キアナ・カスラナだよ」
「それにしてもキアナさん! 熱くて強くて、最高っス!!」
「え?」
なんか、いきなり熱いとか言いながら語りだすような喋りになったぞ?
「夜嵐はなんでも気に入っちゃうところがあるのよ。体育祭や神野事件のあなたの姿を見た時の話をした時も、ものすごく熱く語ってたわ」
「えぇ……」
そんな子なんだ。ある意味緑谷にどこかしら似たような感じかな?
「あの体育祭での姿、そして神野事件で活躍をしてなお、ここで仮免を受けに来るなんて、ものすっごく熱いっス! 俺、好きっス!!!」
勢いすごい。てか顔近い。チラッと扉のほうを見れば、他の通過者たちがやってきていた。
「あ、他の通過者が来たみたいっス! 俺、挨拶してきます!!」
「あまり迷惑かけるんじゃないわよ。それとボリュームも」
「うっス!!!」
夜嵐は他の通過者に挨拶していった。
「……そういえば、相澤先生が夜嵐は雄英の推薦トップでありながら蹴ったって言ってたけど…」
「あぁ、あれ。私も詳しい理由はわからないわ。ただ、"気に入らない奴がいる"って言ってたわね」
「そうなんだ……でも、だからって蹴る? 普通」
「それは……夜嵐本人しか知らないことだと思うわ」
まあ、そうだよね~……。
前世記憶なしの、ヒロアカ世界のゼーレ参戦。