私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ   作:伽華 竜魅

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第43話 第二次試験。

 

 

 

 

『えぇ一次試験通過者の皆様、こちらをご覧ください』

 

控室で待機してると、モニターから会場の映像が映った。あ、ちなみに私たちA組は全員通過した。

んで、映像に戻ると、会場が爆破していって、崩れていった。

 

「「「(なぜっ!?)」」」

 

なんで用意した会場をわざわざ壊すの……?お金とかどうするの?

 

『二次試験で試験はラストになります。皆さんにはこれからこの被災現場で、バイスタンダーとして救助演習を行ってもらいます』

 

「「パイスライダー……?」」

 

「えっと、なんだっけそれ?」

 

「バイスタンダー。現場で居合わせた人のことだよ授業で習ったでしょ」

 

あーまったく記憶にない。

 

「一般市民を指す意味でも使われたりしますが……」

 

『ここでは一般市民としてではなく仮免許を取得した者として、どれだけ適切な救助を行えるか試させていただきます』

 

え、それって救助をしろってこと?

 

映像にはフィールドにボロボロの人たちがいる。あれが救助する対象の人たちってこと?

 

『彼らはあらゆる訓練において今引っ張りだこの要救助者のプロ!! HELP・US・COMPANY、略してHUCの皆さんです。色んな傷病者に扮したHUCがフィールド全域にスタンバイ中。皆さんにはこれから彼らの救出を行ってもらいます。尚、今回は皆さんの救助活動をポイントで採点していき、演習終了時に基準値を超えていれば合格とします。HUCの準備時間を考え、試験開始は10分後になります』

 

そ、そんな人たちもいるんだ……世界って広いな……。

 

『ヴィランによる大規模破壊(テロ)が発生!』

 

「演習のシナリオね」

 

「え!? じゃあ……」

 

『規模は〇〇市全域。建物倒壊により傷病者多数! 道路の損壊が激しく救急先着隊の到着に著しい遅れ!』

 

控室の周囲の壁がまた崩れ始めた。なんでまた……。

 

『到着するまでの救助活動はその場にいるヒーローたちが指揮を執り行う。一人でも多くの命を救い出すこと!!!』

 

スタート合図とともに、一斉にヒーローの大半が救助へ走り出した。ごくわずかだけど、一部のヒーローは残っている。その中には、私とゼーレもいる。

 

「救護所はここにする! そこの士傑と雄英の! 行かないならこっち手伝ってくれ!」

 

「……どうする? キアナ」

 

「放送ではヴィランによるテロって言ってた。つまり、どこかにヴィランがいるかもしれない」

 

「そうね。テロならどこかに役とはいえ、ヴィランが潜んでいるかもしれないわね」

 

「うん……だから!!」

 

右手を地面に叩きつけるようにおいて、「理」を発動する。私の周りにタイタン装甲やミサイル装甲が次々と創造されて行く。

 

「ごめんなさいね、私たちはここの防衛と警戒に集中するわ」

 

「え、警戒って……」

 

「(やっぱり、救助とかに気を取られて、内容はあまり覚えてないわね)」

 

「タイタン機甲は救護所の防衛を! ミサイル機甲はいつでも迎撃ができるよう射撃準備を!!」

 

私の指示にしがたい、タイタン機甲は救護所を守るように背を向けて囲い、ミサイル機甲はさらに前方で、いつでも迎撃できるように動き出す。

 

「凄まじいわね、あなたの個性」

 

「ありがと。救護所や救助に手を貸せるところは貸しながら、警戒をするよ!」

 

「えぇ!」

 

私とゼーレは二手に分かれて、行動を始めた。

 

 

 

 

 

『調子は?』

 

「初動はまあ、至らない者も多いですが……それでもフックの皆さんが下す減点判断は、想定していたより少ないです。それに、今回の演習のシナリオをしっかり理解し、あなた方への対策をとってる者も二名だけいますしね。おおむね、いいんじゃないですかね」

 

『そうか……市井の人々を守るため、ヒーローには複合的な動きが求められる。すなわち……』

 

 

 

 

 

周りを警戒しながら、負傷者を救助している人たちを、救護所の方向を案内していると、会場がまた爆破しはじめた。

 

「爆発……てことはっ!」

 

「キアナ、あれ!」

 

ゼーレが差したほうを見れば、そこには……。

 

 

 

「"救護と対敵"。全てを平行処理……出来るかな?」

 

 

 

「ギャングオルカ……!」

 

ギャングオルカとサイドキックらしき人達がいた。

 

『ヴィランが姿を現し追撃を開始! 現場のヒーロー候補生はヴィランを制圧しつつ、救助を続行してください!』

 

そんなアナウンスがなった。やっぱり、神野事件のような感じなのかな……とりあえず!!

 

「さあ……どう動く!? ヒーロー!!」

 

そんなの、決まってる!!

 

「タイタン機甲! 救護所から避難させてるヒーローと救助者の護衛を最優先! ミサイル機甲は迎撃開始! 照準をヴィランへ向けて!!」

 

私の指示でタイタン機甲たちは一斉に救護所の護衛へと動き出し、ミサイル機甲は照準をギャングオルカたちへと変えた。

 

「私たちで何とか食い止める! あなた達は避難を! できるだけ距離を稼ぎなさい!!」

 

「あ、はい!!」

 

「全弾、撃てー!!!」

 

ミサイル機甲が攻撃を始めた。その攻撃に合わせてゼーレも前戦へと走り出し、迎撃を始めた。

 

「なるほど、神野事件を乗り越えただけあるな。すでに対策を準備をしていたとは」

 

「そりゃどう――」

 

空の律者に姿を変えて……。

 

「ッ!?」

 

「も!!!!」

 

一気にギャングオルカの間合いに入って、蹴りを入れる。ギャングオルカは咄嗟に腕をクロスしてガードしたようだけど、勢いに負けて結構後ろに下がっていった。

 

「(一撃で高速用プロテクターに罅が入るとは……これは次受ければ、完全に壊れて、そのまま腕も持ってかれるかもしれないな。それに……)」

 

ギャングオルカは、サイドキックと交戦しているゼーレのほうに視線を向けた。

 

「どわっ!?」

「クッソ当たらない!!」

 

「変なの飛ばしてこないで頂戴!!」

 

「(もう一人の士傑のほうも手ごわい。さらに、救護所を護衛している兵器と、我々に攻撃してる兵器)……神秘の象徴…やはり強敵だな」

 

虚数空間を展開しようとしたとき、横から氷が攻めて来た。

 

「てことは……轟!?」

 

「加勢に来た。広範囲の制圧なら俺もでき――」

 

「ふぅぅぅきぃぃぃ飛おぉぉぉべぇぇぇ!!」

 

更に強力な風が吹いてきた。上を見れば、士傑高校の夜嵐がいた。

 

「ヴィラン乱入とか! なかなか熱い展開にしてくれるじゃないっスか! 加勢に来ましたよ! 霊淵さん!!」

 

「夜嵐……キアナ! 私たちも休まずやるわよ!!」

 

「うん……!!」

 

ゼーレが私の隣に飛んできてそう言ってきたから、その通りに行動を始めた。ゼーレは再度動けるヴィランの迎撃。

私は新しくタイタン機甲を創造し、流れ弾とかが救護所に行かないよう、防壁指示を出す。

 

「次は……」

 

「あんたが手柄渡さないように合わせたんだ!」

 

「……は?」

 

夜嵐の怒りの声が聞こえた。そっちに視線を向ければ、夜嵐と轟が喧嘩していた。

 

「誰がそんなことするかよ…!」

 

「するね! だってあんたはあの……"エンデヴァーの息子"だ!」

 

「さっきから何なんだよおまえ……親父は関係ねえだ――っ!?」

 

何をしているんだあの二人は……これが本当の現場だったらどう言い訳を、いや、ヒーローとしては論外すぎる行為だ。

しかも、二人は風と炎を同時に出したけど、うまく組み合わず、炎はあらぬ方向、私のほうへ飛んできた。

 

「見てられない……」

 

右手を突き出して轟の炎を操り、上へと軌道を変えて、火球へと変えていく。

 

「マズい! 炎を使ってくるぞ!」

「止めろ!!」

 

サイドキックたちが弾を撃ってくる。

 

「………ゼーレ!!!」

 

「はあっ!!!」

 

ゼーレが私の前に移動してきて、全ての弾を素早く切り刻んだ。

 

「なっ!? セメントガンを切り刻みやがった!?」

 

「本当に……同じ生徒として、恥ずかしいわ」

 

ゼーレは夜嵐を睨んでいた。

二人のほうを見れば、二人はギャングオルカの音波のせいで、体が麻痺しているようだった。

 

「キアナさん! 」

 

「加勢する!」

 

「非難はある程度済んだよ!」

 

いいタイミングで緑谷と常闇、芦戸が来た。これで攻撃に集中できる。

 

「緑谷、ゼーレと一緒に轟と夜嵐の救助をお願い。芦戸と常闇は周りのヴィランを。私がギャングオルカを抑える」

 

緑谷とゼーレは二人のほうへ向かい。芦戸と常闇は周りのヴィランの迎撃を始めた。

さて……。

 

終焉発動。

 

操った轟の炎に「風」を乗せて、威力を上げる。浮遊して、上空からギャングオルカに向けて放つ。

 

炎の大渦!!

 

炎の渦で、ギャングオルカを閉じ込めた。

そこに、さらに風にすい上げられた炎が上乗せするようにやって来た。

 

「あの二人……」

 

後方を見れば、麻痺して動けない二人が、振り絞った顔で個性を行使していた。

 

「あのバリアの突破は無理だ!」

「炎と風、バリアの発動者を狙え!!」

 

サイドキックたちが私に向けて弾を撃ってくる。私はそれを虚数空間で回収して、サイドキックたちの後ろにもう一つ出して、お返ししていく。

このまま時間まで閉じ込めることもできるけど……。

 

「で……次は!?」

 

ギャングオルカが超音波で炎の渦を消し飛ばした。そしてそのまま私に放とうとしてくる。

だけどね……既にそっちに向かってるやつが一人いるよ。

 

「スマッシュ!!」

 

緑谷が新しい技、シュートスタイルでギャングオルカへ蹴りを入れた。ギャングオルカはその蹴りを片腕で防いだ。

私も加勢に行こうとしたとき、会場全体にブザー音が鳴り響いた。

 

『えー、只今を持ちまして、配置された全てのフックが危険区域より救助されました。まことに勝手ではございますが、これにて仮免試験全行程、終了となります』

 

「……本当に、終わったの?」

 

地上に降りるけど、律者形態は解除はしない。万が一のためだ。

なんかギャングオルカがジッと私を見てるけど……なに?

 

「ふん、終了アナウンスの後も油断無し…か。ヴィラン戦において残心は重要だからな、さすがというしかない。だが、試験は本当に終了だ」

 

あ、本当に終わりなんだ。なんかそう言われた一瞬で緊張感が消えた。あ、律者形態を解除っと……。

 

『集計の後、この場で合否の発表を行います。怪我をされた方は医務室へ。他の方々は着替えてしばし待機でお願いします』

 

はあ、とりあえず更衣室へ行って着替えよっと。

 

 

 

 

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