私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ   作:伽華 竜魅

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UA50.000突破ありがとうございます!
これからもマイペースですが、頑張らせていただきます。

そして装甲ではなく機甲だと指摘していただきありがとうございます。
マジで気づきませんでしたw




第44話 結果発表。

 

 

 

 

試験終了後、私たちは制服に着替えて会場に戻ってきていた。

 

「うぅ、受かってるかなあ……」

 

「心配だよ~…怖いよ~…」

 

「お気持ちはわかりますが、人事を尽くしたのですから、きっと大丈夫ですわ。自信を持ちましょう」

 

「それでもやっぱり怖いよ~……」

 

待機時間。どんな試験でも、結果が来るまでの時間が一番番緊張する。

実は落ちてましたっていうことだってあってもおかしくないんだ。私の場合、座学があったらほぼ詰みだったけど……。

 

「あ、公安委員会の人来た!」

 

「つ、ついに……」

 

奥のほうを見れば、目良さんが立っていた。本当に結果発表が始まるんだ。

 

『えー皆さん、長いことお疲れさまでした。これより発表を行いますが……その前に一言。採点方式についてです。我々ヒーロー公安委員会とHUCの皆さんによる二重の減点方式であなた方を見させてもらいました。つまり……危機的状況でどれだけ間違いのない行動を取れたかを審査しています。とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています。今の言葉を踏まえた上で、ご確認ください……』

 

試験結果をモニターに映し出され、合格者一覧が一気に表示された。

私の名前は、私の名前……!

 

「あ……!」

 

 

"キアナ・カスラナ"

 

 

私の名前が、そこにあった。

あった……あった……!!

 

「やったー!!!」

「ウチのもあった!」

「ほっ……」

「おっしゃー!」

「あったぜー!!!」

 

他のみんなも、ほとんどが受かっているみたいだった。

 

「やったー! やったよー! キアナちゃあーん!」

 

「やったね麗日!!」

 

麗日が寄ってきて、二人で手を取り合って喜び合う。いや本当にうれしいもん。誰だって友達とかが一緒にいたら喜びを分かち合うよ。

 

「轟!!」

 

突然の大きな声に多少驚きながらも、大声がしたほうに視線を向ける。そこには夜嵐と轟がいた。

轟に対して夜嵐が向き合っていて、そのまま地面に打ち付ける程の勢いで頭を下げた。

 

「ごめん!! あんたが合格を逃したのは、俺のせいだ! 俺の心の狭さの! ごめん!!」

 

「元々俺が蒔いた種だし……よせよ」

 

「けどっ!!」

 

「お前が直球でぶつけてきて、気付けたこともあるから」

 

轟がそう言って、夜嵐はゆっくりと頭を上げた。

まあでも、確かにあのような結果での合格は、ありえないってのは目に見えていた。もう、自業自得としか言えない。

 

「轟……落ちたの?」

 

「うちのスリートップのうち、二人が落ちるなんて……」

 

「言葉って大事よ? 暴言改めよ?」

 

「黙れやァ……!!!」

 

爆豪のほうは、まあ……あれで合格出来たら逆になんで?って思っちゃうよなあ……。

 

「おい三つ編み! 今失礼なこと思っただろ!!!!」

 

「えっ!? な、ナンデモナイヨ?」

 

「目ェ逸らすなァ!!!」

 

八つ当たりのように私に来るのやめて!?

 

『えー、全員ご確認いただけましたでしょうか? 続きましてプリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されてますので、しっかり目を通しておいてください』

 

目良さんのそのアナウンスとともに、公安委員会の人がプリントを配り始めた。

 

『ボーダーラインは50点。減点方式で採点しております。どの行動で何点引かれたかなど、下記にズラーっと並んでいます』

 

「切島くん」

 

「あざす!」

 

「寄越せや……!」

 

「そういうのじゃねぇってこれ」

 

合格者しかもらえないものじゃないから、みんながもらういわばテスト用紙だから……。

 

「カスラナくん」

 

「あ、はい」

 

渡された紙を受け取って目を通していく。

点数は……っ!?

 

「キアナちゃん点数何だった?」

 

「9、95点……」

 

「え、95点!?」

 

「う、うん。減点部分は、救助をあまりしなかったところかな? 警備や防衛も確かに大事だけど、救助活動も活発にしないといけないって書いてる……てか私、こんな高得点初めてかも……!!」

 

思わず声が震えちゃう。本当にこんな高得点は初めてなんだ。手も震えちゃってよ……。

けど、しっかり見てるんだなあ~……確かに、結構警備や防衛に護衛しかあまりしてなかった気がすから、この減点はしっかり受け取って、次に生かさないといけないな。

ちなみに八百万は100点だったらしい。やっぱり八百万すごすぎ。

 

『合格した皆さんはこれから緊急時に限りヒーローと同等の権利を行使できる立場となります』

 

目良さんからの話が始まった。全員が目良さんへと顔を向ける。

 

『すなわち、ヴィランとの戦闘、事件、事故からの救助など……ヒーローの指示がなくとも、君たちの判断で動けるようになります』

 

これで、セミプロと言える立場になったってことだよね。

 

『しかしそれは君たちの行動一つ一つにより大きな社会的責任が生じるということでもあります。皆さんご存じの通り、オールマイトという偉大なヒーローが力尽きました。彼の存在は犯罪の抑制になるほど大きなモノでした。心のブレーキが消え去り増長する者はこれから必ず現れる。均衡が崩れ世の中が大きく変化していく中、いずれ皆さん若者が社会の中心となっていきます。次は皆さんがヒーローとして、規範となり抑制できるような存在とならねばなりません。今回はあくまで仮のヒーロー活動。半人前程度に考え、各々学舎で更なる精進に励んでいただきたい!』

 

社会的責任……オールマイトという偉大なヒーローの存在で犯罪の抑制……か…。

 

 

――

―――

 

 

こうして仮免試験は終わり、合格者には仮免許証が発行された。仮免許所、うん。いい感じに顔が取れててよかった。

早くパパやメイ博士に報告しないと!っと、その前に……。

 

「えっと、あ、ゼーレ!」

 

「ん?」

 

士傑高校を見つけて、そこにいるゼーレを見つけて、近づいた。

 

「よかったらさ、連絡先交換しない?」

 

「あら、いいの?」

 

「うん。ほとんどゼーレと一緒に乗り越えた感じだったからね!」

 

「そうね。わかったわ」

 

私とゼーレはスマホでお互いの連絡先を交換した。

 

「なっ!? ずるいぞ霊淵!!」

 

「あら、肉倉先輩」

 

ん、同じ士傑生だけど、控室にはいなかったなこの人。ゼーレは肉倉先輩って言ってたけど、誰だろ?

 

「なぜどさくさに紛れて神秘の象徴と交流を!!」

 

「いや、彼女から頼まれただけなんだけど……」

 

「だが!」

 

「いいのいいの! 私が交換したいってお願いしたから!」

 

私が止めると、ぐぬぬって感じで引き下がった。

 

「あ、あの!!」

 

「ん?」

 

「あ、緑谷」

 

緑谷がなんかノートとペンをもって近づいてきた。本とどこでもノートとペン持ってるね。しかもすっごい真剣な表情。

 

「気配を消す訓練って、どんなことされてるんですか!?」

 

「え、そんなのしてないわよ?」

 

「え、でも唇ぷるっとした人がそう言って……」

 

く、唇ぷる?

 

「唇ぷる……? あぁ、現見先輩ね。彼女ならさっき毛原先輩からの報告で、体調不良で先にタクシーで帰ったらしいのよ」

 

「そ、そうなんですか? 悪いことしちゃったなぁ……」

 

「なんかあったの?」

 

「あ、その、試験の時、ずっと話がしたいって言ってきていて……」

 

そうなんだ。確かに試験が終わった今なら話せるチャンスは結構あるし、緑谷からしたら申し訳なくてしょうがないか。

すると、飯田からの呼びかけが聞こえた。

 

「じゃあ私たち行くね。またいつか会おうね!」

 

「えぇ、緑谷……だっけ? 現見先輩にあったら伝えておくわ」

 

「あ、はい! ありがとうございます!!」

 

私たちはバスへと向かった。

 

「(現見先輩、ここ最近ずっと違和感を感じていた。それに、現見先輩はそういった技術を持っていないはず。それにあまり喋ったりもしていないし)…胸騒ぎがするわね……」

 

「霊淵! 行くぞ!!」

 

「はい!!」

 

 

――

―――

 

 

とある倉庫。

そこには、ヴィラン連合が隠れ家として使用していた。現在倉庫にいるのは死柄木弔、Mr.コンプレス、ベルナだった。

 

『……もしもし?』

 

「やっと出やがった! どこで何してる、"トガ"!」

 

『素敵な遊びをしてきました!』

 

連合の一人、Mr.コンプレスは、同じく連合の一人、トガヒミコへ連絡をしていた。

 

「定期連絡は怠るなよ? 一人が捕まれば全員が危ないんだ」

 

『大丈夫です。私は今まで見つからずに生きて来たので。それに有益でした! 弔くん喜ぶよ?』

 

「はぁ?」

 

『出久くんの血を手に入れました!』

 

「出久くんって誰だよ……」

 

「コンプレスさん。お電話変わってよろしいでしょうか?」

 

「ん? あ、あぁ……」

 

Mrから電話を受け取り、代わりにベルナが電話に出た。

 

「トガさん。そちらの場所はわかりますか? わかるのであれば迎えに参ります。その有益というのが本当か直接確かめたいので」

 

『えっとですね~場所は多古場の○○駅近くの路地裏です!』

 

「わかりました。そちらに向かいます。陛下、よろしいでしょうか?」

 

ベルナは、倉庫に置かれた荷物の上に座っている死柄木へと問いかける。

 

「あぁ。ただし、ちゃんとバレずに戻ってこい。ヘマするなよ」

 

「はっ!」

 

ベルナは死柄木へ敬礼をし、Mrへ携帯を返すと、外へ行き、翼をはやしてトガのいる場所へと向かった。

 

「(……この力が完全に扱えるようになってから、色々とできるようにはなった。だが、キアナ・カスラナ……アイツは俺以上の力を持っていて、それをすべて扱えている。ムカつくなぁ……それに、微かに感じる。アイツとは別の、"新しい気配が二つ"も……)」

 

死柄木の瞳は、赤く光り続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕焼けに照らされてた城。

 

「今夜は満月かしらね~それも赤い満月……なんてね。それよりも、肌にこびりつくほどの気配…いったい誰でしょうね~ウフフフフフ」

 

赤よりのピンクの瞳をし、双剣を腰にぶら下げているミニドレス姿をした女性。

 

 

 

 

 

未発見の海底。

 

「憎悪、滅亡、殺意。悪そのものともいえる気配か」

 

濃い青い色の瞳をし、赤いトライデントを持ち、ドレス姿をした女性。

 

 

 

 

 

海外、ビルの屋上。

 

「はあ、海外でもヴィランと裏で繋がってるヒーローはいるんだな……叩き潰すとしましょうかね」

 

灰色の瞳をし、羽のついたジェットパックと両手にライフルと、身体の一部を重装備している少女。

 

 

 

 

 

微かに月明かりが入っている覆われた森。

 

「パパ……ママ……捨てっ、ないで……一人は…嫌だよ……」

 

黄緑色の瞳をし、へたり込みながら涙を流す、ボロボロの服を着た幼女。

 

 

 

 

 

彼女たちの瞳はキアナと死柄木同様、光を、輝きを放っており、"個性"にしては異常すぎる力を持っていた。

 

そのうちの二人は、死柄木と互いに気配を感じ合っている。

 

そしていつか、彼女たちは必ず出会い、衝突するだろう。

 

運命の歯車は、ゆっくりと確実に動き続ける。

 

 

 

 





タグにオリキャラとオリジナル律者も追加しときました。
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