私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ   作:伽華 竜魅

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第47話 インターン先と情報。

 

 

 

 

「一年生のヒーローインターンですが、昨日協議した結果校長をはじめ多くの先生が"やめとけ"という意見でした」

 

ホームルームで相澤先生がインターンの説明を始めたが、その最初がいきなり否定的な内容だった。

 

「えーあんな説明会までして!?」

 

「でも全寮制になった経緯から考えたらそうなるか……」

 

「ざまァ!!」

 

「(かっちゃん、参加できないからってさすがにそれは……)」

 

仮免許を取れていない爆豪は嬉しそうにしてる。そんなに一番じゃなきゃ嫌なのか……。

 

「が、今の保護下方針では強いヒーローは育たないと言う意見もあり、方針として"インターン受け入れ実績が多い事務所に限り、一年生の実施を許可する"という結論に至りました」

 

「なっ…!? クソがっ……! クソがぁぁぁぁぁ!!!」

 

「(かっちゃん……)」

 

"インターン受け入れ実績が多い事務所に限り"か……となると、行く場所は限られてるってことか…。

どうしようかな……職場体験でもお世話になったエンデヴァー……は、可能性は十分あるけど……う~ん。

 

「キアナちゃんはどうするの? 職場体験と同じでエンデヴァー?」

 

「う~ん……受け入れはたぶんしてくれると思うんだけど……」

 

他にも行ってみたいと言えば本当である。炎以外も扱えるようにはなりたいし。

すると、私の携帯の振動がポケットから伝わってきた。私はそれを取り出す。

メイ博士からの連絡だった。メールでの連絡だったけど、何だろうと思いながら、その内容を見る。

 

「……えっ」

 

その内容には多少、いや、普通に驚いた。

 

 

 

【第二律者の正確な居場所を特定した。工房の奥にある特別室で待つ】

 

 

 

その後、私は急いで工房へ向かった。

 

 

――

―――

 

 

工房に入ってみれば、パワーローダーとかはおらず、てかもぬけの殻って感じで誰もいなかった。

奥にある特別室って言ってたけど……あ、あれかな?

 

「えっと……どう入れば――」

 

普通に開けようにも、開かない。って思ってたら、扉が勝手に開いた。

メイ博士、雄英の工房をちょっと改造してるの……しかも地下だし……。

とりあえず階段を下りて、奥に、まあ前世とかでよくあった近代的扉があった。

そしてプシューッて音と同時に扉が開いて、私が通れば閉じた。為にしに外に出ようともう一回扉の前に立てば、また開いた。

ここはどうやら認証とかっていうより、自動扉って感じみたいだ。

 

「何をしてるの?」

 

「あ、ちょっとこういう感じの扉が懐かしくて……」

 

振り返れば、いつもの白衣を羽織ったメイ博士がコーヒーを入れて待っていた。

 

「そうね。こう言った感じの扉とか施設は、この世界ではあまりに少なすぎる。それよりも、メールの内容見た?」

 

「見たから急いできたの。あの内容は本当なの?」

 

私たちはソファに座って向かい合う。

 

「ハッカーバニーからの情報と、前に共有した律者の大真中位置情報を事細かく尽くした結果、第二律者の正確な居場所を特定できたの。他三人の律者はいまだ不明だけど」

 

「確か、一つは海だよね」

 

「えぇ、けど海ってだけで、その海のどこにいるかまではわからない。これでも結構苦労したって感じね」

 

確かに、共有してもらった位置情報も、世界地図での位置情報ってだけで、具体的な位置まではわからなかったから、これは大きな一歩ってことだ。

 

「そこで、インターンが始まるわよね」

 

「うん。受け入れの実績が多い事務所に限りって言われてたけど……」

 

「だけど、このインターンの間に第二律者と接触はしたい。戦争とかは避けたいけど、野放しもできない」

 

だからこのタイミング……いや、偶然かどうかわからないけど。確かにインターンを利用すれば、私も第二律者と接触はできるけど……。

 

「受け入れの実績が多い場所しかダメなんだよ? どうするのそこら辺は」

 

「公安を含めた内容を話せば、うまくいくかもしれないわ。ミルコとかも職場体験の指名はできたんですもの、ハッカーバニーのところも行けるはずよ」

 

「じゃあ、私はハッカーバニーのところでインターンをすればいいの?」

 

「許可が下りればね。イレイザーヘッドや校長の説得は私が何とかするわ」

 

「うん、わかった」

 

コーヒーを飲む。うん、ブラックはやっぱり苦い……。

第二律者か……死柄木とは別の、どんな律者なんだろう……。

 

 

――

―――

 

 

夜。とある工場現場。

 

ヴィラン連合の一人、トゥワイスは、ある男を一人連れてきていた。

 

「ゴホッ、ゴホッ……勘弁してくれよ。随分埃っぽいな、病気になりそうだ……」

 

「安心しろ。中の奴らはとっくに病気だ」

 

トゥワイスは、工場の扉を開ける。その中には、ヴィラン連合、トガヒミコ、Mr.コンプレス、マグネ、ベルナ、死柄木弔がいた。

 

「……とんだ大物連れて来たな、トゥワイス」

 

「大物とは、皮肉が効いてるな。ヴィラン連合…」

 

「何? 大物って有名人?」

 

「先生に写真を見せてもらったことがる。いわゆる筋者さ」

 

「彼は"死穢八斎會"の若頭。確か名前は…"オーバーホール"でしたか?」

 

死柄木とベルナの言葉に、マグネ興奮し、トガヒミコはその意味が分からず、はてな状態でいた。

 

「私たちとは何が違うんです?」

 

「よぉし教えてあげよう!」

 

Mr.コンプレスがトガヒミコに、極道について説明を始めた。

 

「ヒーローの隆盛によりヤクザ組織は次々と摘発・解体され、オールマイトの登場で完全に時代を終えた。現在では昔気質の極道など、まあはっきり言って、時代遅れの天然記念物ってことだね」

 

「天然記念物か…あながち間違っちゃいない」

 

「それで、その細々ライフの極道君が、なぜうちに? あなたもオールマイトが引退してハイになっちゃったタイプ?」

 

「いや、オールマイトよりも、オール・フォー・ワンの消失のほうが大きい」

 

オーバーホールのその言葉に死柄木は黙りながらも、その目はジッとオーバーホールを睨んでいた。

オーバーホールは語った。裏社会の支配者であり帝王。オール・フォー・ワンのことを。そして、オールマイトとオール・フォー・ワン、光と影の支配者がいないことを。誰が次の支配者になるかを。

 

「……うちの先生が誰か知ってて言ってんなら、挑発でもしてんのか?」

 

「次の支配者は、我らが王、死柄木弔です」

 

死柄木の瞳は赤く光り、ベルナはいつでも先手と反撃をできるよう、力を集中していた。

 

「勢力は多少あるが足りない。だから今もかき集めてる。すぐに拡大していく。そしてこのヒーロー社会をドタマからぶっ潰す」

 

「計画はあるのか?」

 

「計画? お前さっきからなんだよ、仲間になりに来たんじゃねぇのか」

 

空気がおかしくなっていくのに気づいたのか、トゥワイスは慌てだした。

 

「計画のない目標は妄想という。妄想をプレゼンされてもこっちが困る。勢力を増やしてどうする? どう操っていく? どういう組織図を目指している? ヒーろ殺しステインを始め、マスキュラ―、ムーンフィッシュ。どれも駒として一級品だが、すぐに落としてるな」

 

「……」

 

「使い方が分からなかったか? イカれた人間十人余りもまともに操れないのに勢力拡大? コントロールできない力を集めて何になる? お前がコントロールできるのは、お前に従順なあの謎の化け物どもだけだ。それも知能が低い」

 

「ッ、貴様――ッ!?」

 

ベルナが手を出そうとして、それを死柄木が手を上げて止めた。。

 

「目標を達成するには計画がいる。そして俺には計画がある。今日は別に仲間に入れてほしくて来たんじゃない」

 

「……トゥワイス、ちゃんと意志確認してから連れてこい」

 

「いっ……」

 

「計画の遂行に莫大な金がいる。時代遅れの小さなヤクザ者に投資しようなんて物好きはなかなかいなくてな。ただ、名の膨れ上がったお前たちがいれば話は別だ。俺の傘下に入れ。お前たちを使って見せよう。そして俺が次の支配者になる」

 

オーバーホールの長い説明に、全員が静まり返った。そしてマグネが動いた。

 

「ごめんね極道君! 私たち誰かの下につくために集まってんじゃないの!!」

 

マグネがアイテムを使用し、オーバーホールを個性「磁力」を使って引っ張る。

そして、マグネの攻撃がオーバーホールの頭部に当たろうとした瞬間、地面が凍り付いた。

 

「なっ!? ベルナちゃん!?」

 

「極道とはいえ、個性まではわかりません。うかつに手を出すのはダメです!」

 

「……懸命だな」

 

オーバーホールは、取ろうとしたゴム手袋を元に戻した。

 

「それに陛下、気づいておりますか?」

 

「あぁ、はなからそうしてりゃ、幾分わかりやすかったぜ? 死穢八斎會」

 

死柄木がそう言いながら、律者の手を二つだし、壁を破壊した。

その破壊された壁から、同じペストマスクをした者たちが数人出て来た。

 

「気づいていたとは、ちゃんと個性で気配を消してたはずだが……」

 

「甘く見ないでもらいたいですね。ここら周辺は、姿を消していますが、崩壊獣が警戒と監視をしておられましたので」

 

すると、死穢八斎會を囲むように崩壊獣が次々と現れた。

 

「崩壊獣は知能が低いと言ったな? 悪いが、脳無よりかは優秀なんだよ。なぁ死穢八斎會、傘下になれと言ったが、そんなこと言いながら、お前らは今包囲されてる。それでまだ傘下になれって言えるのか?」

 

死柄木は、律者形態へと姿を変えた。

 

「なぁ?」

 

死柄木の殺意は、死穢八斎會にも伝わった。そのうちの、フードを被った一人が拳銃を構えるが、オーバーホールはそれを止めた。

 

「確かに、訂正しよう。こいつらは知能が低くない。そして、コントロールできるのもな」

 

「お前にとっちゃその後ろのやつらは、捨てることもできる駒だろうが、俺にとっちゃ、連合のメンバーは簡単に捨てることはできないし、しない。わかるか? "対価"が違うんだよ。お前らが何もせず、帰るなら俺たちも手を出さないでやる」

 

「懸命だな、手だらけの化け物男」

 

「何で言われてる側のお前がそれを言うんだよ」

 

大男の上に乗った、小さな男が指を指しながらそれを言い、Mrはそれをツッコんだ。

 

「……そうだな。お前の言う通り、戦力を削り合うのも不毛だし、まだ互いに死体も出ていない。キリはいい。頭を冷やして、後日また話そうじゃないか」

 

オーバーホールは、壊された場所から外へ出ようと動き出した。

 

「よろしいのですか? 陛下」

 

「……」

 

「すぐにとは言わないが、なるべく早めがいい。よく考えてくれ、自分たちの組織とかいろいろ」

 

オーバーホールは名刺を死柄木の足元へ投げる。そして死穢八斎會はその場を後にした。

 

「……とりあえずまぁ、どうするよ?」

 

「クッソあの野郎……!!!」

 

「落ち着いてくださいトゥワイスさん。犠牲は出なかったのですから、そこまで責任を取ることはありません」

 

「けどほぼ俺のせいじゃねぇか!!」

 

トゥワイスは怒りをあらわにし、それをベルナが抑えていた。マグネはアイテムを布で覆いはじめ、トガはナイフを出した。

 

「弔くん、私アイツ嫌いです。刺すね」

 

「……ダメだ。それよりも先に、ここを離れるぞ。ヒーローどもに感づかれちゃ面倒だ」

 

死柄木は律者形態を解除した。だが、その瞳は律者のままだった

 

 

 

 





マグネ生存。コンプレスの左腕も無事です。
まぁ、このまま生存させるかどうかは、考えます。
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