私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ 作:伽華 竜魅
神奈川県。私は公欠扱いでここに来ていた。
そして指定された場所にて合流する。
「ハッカーヒーローで姿を一切見せないから事務所を持たない……だから合流場所とか活動場所も日によって変わるって、めんどうだな~」
私は神奈川県に来て、プロヒーロー「ハッカーバニー」と合流し、インターンをする。
メイ博士ガ校長と相澤先生を説得し、私も参加しての話もしたおかげで、無事ハッカーバニーのところでインターンをすることになったのだ。
そしてそのハッカーバニーなのだが、事務所を持っておらず、基本的に表に姿を出さない、まさにハッカーヒーロー。
「にしても、まさか"サー・ナイトアイ"からも直々にインターンのお誘いが来てるのは、さすがに驚いたな」
「サー・ナイトアイ」。オールマイトの元
けどメイ博士は、おそらく神野事件とかでの関係があるんじゃないかって言ってたし、なによりそっちに行ったら第二律者との接触が出来なくなる。
「っと、ここだね」
街のはずれにある人の手が届いていないボロボロのビル。
本当にここで合流なのかな……とりあえず入ろう。
「本当に、ボロボロのビルだな……」
「待っていましたよ。キアナ・カスラナさん」
「ッ!?」
前方から声が聞こえた。そっちに視線を向ければ、私より身長の引くい、ウサ耳のフードを被った女性が……。
「……ぇ」
"ブローニャと瓜二つの顔"をした女性がいた。
「ブ、ブローニャ……!?」
「確かにブローニャですけど、あなたの知るブローニャとは"別人"ですよ?」
「えっ、そ、そうなの…?」
「そうです。まぁメイ博士からある程度聞いていますが、律者のことも知っているので」
本当に、私の知るブローニャじゃないんだ……ちょっぴり残念。
だけど、別人でも同じ顔を見れてちょっと嬉しいかも。
「それと、後ほどメイ博士も合流するらしいですから」
「まあ、インターンだけど、私たちの場合この世界の律者との接触が目的だもんね」
「そうです。今回接触する予定の第二律者は、どんな力まではわかりません。というか場所は把握できましたが、そこに入ることができないんです。たとえプロでも」
「なんで?」
私とハッカーバニーは地べたに座って向かい合う。ハッカーバニーはホログラムを出して説明をしていた。
「実は、第二律者のいる場所が、最近立ち入り禁止にされたんですよ」
「最近?」
「そうです。もともとここは森に囲まれた自然豊かな公園があったんですよ。ですがある日、ここの森に異常事態が起こったんです」
「異常事態?」
「そう異常事態です。なんでも森が異常なほどに増え、それを切ろうとした人がいたんですが、突然森そのものが襲ってきたんです。そしてその人が言うには、"幼い少女のすすり泣く声"が響くように聞こえて、森だけでなく、土や木以外の植物も襲ってきたらしいんですよ」
それって、個性ではないのは確定だよね。
それに、周りの環境に影響を与えられる個性は私の知る限り、少ない。
そして、"幼い少女のすすり泣く声"。
「ただ、超人社会の個性による影響で受けた植物だと、研究者や公安は言っています。確かにそれらが妥当でしょう。ですが、この世界にも"律者は存在している"。そしてキアナと死柄木が共鳴したことで死柄木は律者へ覚醒。それにさらに共鳴するよう、四つも律者に酷似する反応が出ました。そして大体な位置から、細かく調べ上げて、やっと一人正確な位置が特定できた。それがこの異常現象による森の中。ただそれだけですけど、その森の中まではわからないんです。おそらく律者に力によって森の中までの位置はわからない。と言ったところです」
めっちゃ長い説め~い。
「まぁ要するに、異常な森に律者がいる。だから私たちはインターンとしてそこに行く。って感じですね。もちろん、他言無用」
「じゃぁ今日からそこに突入するって感じ?」
「メイ博士が来てからですね。それまで今一度待機です。先ほど神奈川にもうすぐ着くと連絡があったので、今日中には、目的である森には行けると思います。ですからそれまでは……」
「おっと…コントローラー?」
ハッカーバニーが私にコントローラーを投げてきて、私はそれをキャッチした。
するとホログラムがさっきまでの説明とか用から、ゲームっぽいのに変わった。
「暇つぶしをしましょう」
「……いいよ! 負けないから!」
「ふっふっふっ! ハッカーの腕前を見せてあげますよ!」
私たちは、メイ博士が付くまでの間、暇つぶしのゲームを始めた。
―
――
―――
「そんなものですか?」
「くっ! まだまだ……あっ!!」
GAMEOVER……また負けた。
「これで私の連続十勝目。まだまだ甘いですね~」
「うぐぐぐっ!!」
悔しい!ブローニャも強かったけど、ブローニャの顔をした人はみんなプレイスキルが高すぎるスキルでもついてるの!?
「もう一回だ!!」
「いいですよ。っと言いたいところですが、お開きです」
「えっ!? なんでぇ!?」
ハッカーバニーはコントローラーをポチポチといじり、ホログラムが消した。
「メイ博士が来たからですよ。入り口で待っているらしいので、さっさと行きましょう」
「なんでこんなスッキリしない気分で行かないといけないのよ!!」
「文句はゲームが弱い自分に言うんですねw」
「ムカー!!!」
そんな言い合いをしながら、私たちはビルの入口へ向かった。
入口に着けば、メイ博士が車を止めて待っていた。
車は海外製の高級車。服装はいつものだけど、違いがあると言えば、白衣を着ていないところだった。
「またせてごめんなさ……どうしたの? イライラして」
「メイ博士が来るまでゲームをしていただけです。後はお察しの通り」
「あぁ……ブローニャ、あまりいじめちゃ駄目よ?」
「わかってますよ~」
ちょっと、何勝手に話を進んで私がちょっといい気分じゃないの察してるの!
「ふふふっ……それじゃぁ行きましょう。時間は有限よ。乗って頂戴」
メイ博士はそう言いながら、運転席に座り、助手席にハッカーバニー、私が後部座席に乗った。
てか、こうしてみてみると、別人とはいえ昔に戻った感じがするな……別人でも顔は同じ……。
ここだけ見ると……。
「あの頃に戻った感じがするなぁ」
「何か言った?」
「うんうんなんでも」
「そう…ブローニャ、目的地の周辺にヒーローはいる?」
運転をしながらメイ博士は、助手席で小さくホログラムを出してそれをいじるハッカーバニーへ聞いていた。
「いえいません。この時間帯は森周辺のパトロールはおろそかになるので、行くなら今がチャンスです」
「わかったわ。二人とも、ちょっと荒くなるから……気を付けてね?」
「え? メイ博士それどういうぅぅあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
メイ博士がクラッチ操作をして、アクセルをベタ踏みして加速した。急なことと、後部座席だったからシートベルトをしていなかった私は、椅子にベタって感じだった。
「アハハ! 相変わらずの運転ですねメイ博士!!」
「
「それはいいけど、一回止まってえぇぇぇぇぇ!!!!」
目が、目が回るぅぅぅぅ~!!!!
「もう少しスピードアップしましょう!」
「えぇ、もちろん…よっ!!」
「イィィィィヤァァァァァ~!!!!」
―
――
―――
「着いたわ」
「着きましたね」
「そ、そうだね……ウプッ…」
な、なんとか森の入口付近につくことができたけど、メイ博士の運転に私は酔ってしまい、とても気持ち悪い状態だ。
「ヴィランとの実戦であの運転以上のめちゃくちゃな動きをしておいて、なんで酔うんですか……」
「じ、自分でやるのと、他の人がやってるのに同乗するのは、別なの……ウッ!」
あ、やばい……もう……。
「え、ちょっ!? せめてどこか遠くか、袋に!!!」
「(こんなに弱かったかしらこの子……)」
なんとかハッカーバニーからもらった水で口とかをゆすいで……よし。
「もう大丈夫……」
「ほんとですか?」
「うん」
「なら行きましょう。時間は有限よ」
そして私たちは森へ入っていった。
「………"声"?……"敵が、いる"……?」
「■■の律者」は、森を通じて、そしてささやき声によってキアナたちの存在に気づき、その瞳は、黄緑色に光りだしていた。