私は「キアナ・カスラナ」ヒーローを目指すものだ   作:伽華 竜魅

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「完璧じゃない世界を、私(達)の望み通り変えて見せる」を「完璧じゃない世界を、完璧な世界に変える」に変えたのは、ヒロアカ世界では現段階ではキアナ以外の崩壊キャラがいないっていう単純な理由ですね。はい。







第8話 USJ襲撃事件(下)、「天穹の流星」再び。

 

 

 

 

USJの出入り口の扉が轟音と共に吹き飛んだ。交戦中だったあキアナと脳無以外の全員が、振り返る。土煙の中から現れた一人のヒーローに視線を向けた。

 

「もう大丈夫」

 

平和の象徴。No.1ヒーロー。ナチュラルボーンヒーロー。

 

「私が来た」

 

誰もが待ち望んだヒーロー。オールマイトが、普段の笑みではなく、悪への怒りの顔で現れた。生徒全員が彼の名前を叫んだ。来てくれたことで笑顔になる生徒、涙を流す生徒もいる。ヴィランもまた、その堂々たる姿に動揺を隠せないでいた。だが、死柄木だけは憎しみの籠もった目でオールマイトを睨んでいた。

 

「あれが…! 生で見るの初めてだぜ…! 迫力すげえ…」

 

「バカヤロウ!! 尻込みするなよ! アレを殺って俺たちが…」

 

ヴィラン達が攻撃しようと、オールマイトが動いた。周囲のヴィランを一瞬で叩き伏せ、そして緑谷達を助けだし、死柄木にも一撃入れた。

 

「え、あれ!? 速ぇ!」

 

「来る途中で飯田少年とすれ違って何が起きているかあらましを聞いた。皆、もう大丈夫だ」

 

「オールマイト! キアナさんはまだあの脳みそヴィランと戦って……すごい重症で!! それにキアナさんの攻撃や、僕のワン…腕が、折れないくらいの力だけど、ビクともしなかった! 何度食らってもビクともしなくて……」

 

「緑谷少年、大丈夫! それに必ずカスラナ少女を助けるさ!!」

 

オールマイトはそう言い、脳無とキアナの方向へ動こうとした瞬間、紫に輝く光がUSJを突風と共に包み始めた。

 

「ッ!? なんだ!!」

 

「この光、さっきも…」

 

「おい、あそこにいたのって確か……」

 

「キアナちゃんと黒いヴィランね。さっきも光ってたけど、今度は色が違うわ。」

 

「まさ……か……カスラナ! やめろ!!」

 

相澤先生がそう叫んだ。そしてオールマイト達の目に映ったのは、脳無に力を振り絞り、ツインテールの三つ編みにしていた髪がほどけるキアナの姿だ。その時にはオールマイトも、キアナが何をしようとしているのか少なからず察した。キアナは、自分の身を犠牲にしてでも、脳無を倒そうとしていることに。オールマイトは急いでキアナと脳無を引きはがそうと向かうが、時すでに遅し。

 

「く…ぅ…!! う…ぅぅ…!!!」

 

キアナの力を振り絞る声が微かに聞こえた直後、虚数空間が紫に光だし輪っかとなった。紫の稲妻を走らせ、紫の光は、脳無ごと、はるかに強い突風と共に、USJの天井に巨大な穴をあけながら、天へ向けて飛び去った。

 

 

 

 

 

あの時と同じだ。でも、ただ刺して壊すだけとは違う!こいつは簡単にはやられない!

 

「キイィィィィィヤアァァァァァァァ!!!」

 

私は空の律者に姿を変えた。右目の視界がないのと、体中が、主に左足と右目が痛いけど、虚数空間をキューブ型の輪っかにして二重で、脳無を押し続ける。脳無は奇声を発しながら押されている。あの頃は、まだ律者人格を抑えながらやってたっけ?でも今は違う。それに、この世界では私しかいなくても…………。

 

「私の記憶が、私の心が!!! 芽衣先輩を! ブローニャを!! みんなを覚えてる!!!」

 

まだだ!!雲よりも高く!そう、大気圏外まで!!更に………向こうへ!!!

 

「……Plus(プルス)……Ultra(ウルトラ)!!!!」

 

今までで、一番の速度と勢いで、より彼方へ、天穹へ!!!!!もう、周りが青空しかない。空の律者の四つの長いスカートが光に包まれて消えた。けど、ここでなら行ける!!!

 

「技にだけ、薪炎を!!!」

 

キューブで脳無を動けなくしてから……。姿は空の律者のままだけど、両手で薪炎を、薪炎の律者の炎を集中する!!!どこからともなく黄色、水色、赤、オレンジのクリスタルが光らせながら現れ、炎となり、大剣へと形を変えた。

 

火炎・抜剣(かえん ばっけん)!!!

 

大剣の大技を脳無に全力で放った。空が炎で包まれる。もうコイツをほっとくのはダメだ。炭になるまで燃やし尽くせ!!!!

 

「ぬうぅおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」

 

「キィエェェェェ!!?」

 

炎が圧縮され、強大な爆炎となった。脳無は、炭となり原型を失った。

 

「やった………。勝てた……んだ。」

 

でも……化け物といえど、殺めたんだ。除籍処分だろうな……。

 

「あ、それ以前に……力が……入らない…や。」

 

私は、重力に従い落ちていった。大気圏外から落ちているせいで、勢いが増していく。姿はいつの間にか元のコスチュームに戻っていた。

ダメだ。意識が……保て……ない。 私は落下している途中で、意識を失った。

 

 

 

 

 

「キアナくんは……どう、なったんだ?」

 

「わからねぇ……」

 

USJにいた緑谷達はキアナが脳無と天へ飛び去った後、死柄木と黒霧と交戦しようとするも、脳無がいないと勝てないとわかっているため、速攻に撤退した。オールマイトと、加勢に来た爆豪、切島、轟が止めに入るも、黒霧のワープによって逃げられた。その後、飯田がプロヒーローたちを連れて戻ってきたことにより、他のUSJに残されたヴィランたちを捕らえることに成功し、全員がUSJの入り口に集められた。だが、そこまでやってまだ、キアナは帰ってきていない。生徒の皆は全員心配して、USJの屋上に空いた大穴を見ていた。

 

「デクくん……キアナちゃんは、ずっと戦ってたん?」

 

「うん…。僕が助けに行った時には、もう左足と、右目が……」

 

「そんな……」

 

緑谷が麗日にキアナの状態を教えた。それは他の皆にも聞こえたらしく、中には青ざめている生徒もいた。

 

「ッ! おい! アレ!」

 

「「「ッ!?」」」

 

切島が何かに気づき、大穴に指を指した。全員がまたそこを見れば、紫に輝く粒を発しがら落下しているキアナがいた。

 

「あ、あのままだと!!」

 

「先生!!」

 

皆がマズいと思った時には、既にオールマイトが動いていた。オールマイトは空中でキアナを受け止め、地面に着地した。

 

「カスラナ少女! 大丈夫か!?」

 

「」

 

「(気絶している! それに、体中に無数の傷と、右目と左足の重症!)。急いで救急車を!!!」

 

 

 

 

 

とある地方都市、歓楽街で良く見かけるビル。その隠れ家的バーの空間に黒いモヤが現れた。

 

「あぁ、クソ。苛々する。……完敗だ。手下共は瞬殺。脳無も戦う前にやられた。平和の象徴が健在がどうかもわからなかった!」

 

モヤから現れた死柄木は苛立ちを抑えられず、首を掻き続けていた。

 

『生徒の見通しが甘かったね』

 

『うむ、舐めすぎたな。(ヴィラン)連合なんちうチープな団体名で良かったわい。ところで、ワシと先生の共作脳無は回収してないのかい?』

 

二人の男性、一人は中年くらいの声。もう一人は年老いた声をしていた。その二人の声はテレビモニターから聞こえており、年老いた声に対し、黒霧は余裕がなかったと面目なさそうに応えた。

 

『せっかく「超再生」の個性をつけて、オールマイト並みのパワーにしたのに…まぁ、仕方ないか、残念』

 

中年の声の男性は残念と言いつつも、その声からはまるで執着心が感じられない。しかし一方で、死柄木はその一つのワードにピクリと反応した。

 

「パワー…。そうだ、オールマイト並の速さを持つ子どもがいた……。それに、ずっと感じて苛々していた奴もわかった。」

 

『……、へぇ』

 

「あの地味なガキがいなければ、オールマイトはともかく、女は殺せたはずだ…!! それにあの女、"存在しちゃいけない奴"だ!!」

 

『"存在しちゃいけない奴"? どういうことだい?』

 

中年の男性は死柄木のワードに反応していた。

 

「あの女の個性、……俺の個性と何かしら近いものを感じた。そうだ……存在しちゃいけない存在を一言で表すなら……」

 

 

"神"だ

 

 

『神……か。まあ、悔やんでも仕方ない! その情報を得られただけでも今回の襲撃は無駄では無かった。死柄木弔! 次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!』

 

死柄木は怒りのあまり首だけに飽き足らず、床に爪をたてて引っ掻き始めた。爪が割れて血が滲むも、その苛立ちは一向に治まらないでいた。

 

「"神"か……その子を優先的に、僕の方で調べてみるか」

 

闇に潜む謎の男。口元を楽しそうに歪めて、そう呟いた。

 

 

 

 

 

「……15、16、17、18……二名の生徒を除いて、他の生徒たちは無事か」

 

ベージュのコートと帽子を身に付けた、ザ・刑事の見た目を刑事。「塚内直正」は、施設の入り口で改めてキアナと緑谷以外のA組生徒全員を集め、数を数えていた。

 

「刑事さん、あの……」

 

蛙吹は塚内に話しかけてきた。塚内は蛙吹の表情、そして他の生徒たちの暗い表情を見て、すぐに察した。

 

「……怪我人たちの、容態かい?」

 

生徒たちの大半が頷いたので、塚内はひとまず自身が把握している限りを話し始めた。

 

「……まず、指を骨折した少年は保健室で対応可能な範囲だそうだ。今頃はリカバリーガールの下で治癒していると思うから、心配しなくていい」

 

「デクくん……よかった」

 

塚内は麗日をちらりと見つつ、つづけた。

 

「救急搬送されたのは13号とイレイザーヘッド、そして白い髪の少女だな。13号は背中から上腕にかけての裂傷がひどいが、命に別状はなしとのことだ。イレイザーヘッドと少女のほうは……」

 

塚内は、搬送先の病院へと電話をかけ、端末をスピーカーにし、それを生徒たちに聞こえるよう差し向けた。

 

『両腕の粉砕骨折、顔面粉砕骨折……幸いにして脳系の損傷は見られません。ただ、眼窩底骨が粉々になってまして、目に何かしらの後遺症も残る可能性があります。』

 

「ケロ…」

 

「そんな…」

 

塚内は、今一度皆を静かにさせ、再度、救急隊の声を聴き始めた。

 

『キアナ・カスラナさんは、現在も緊急手術をしております。左足の複雑骨折に右目の負傷。右目はもしかしら損傷の可能性もあります。それと全体の無数の傷もあり、かなりの重症だったので……万が一のことがあり得るかもしれません。』

 

その言葉に全員の表情が強ばった。クラスメイトが死ぬかもしれないと聞かされて冷静でいられるはずもない。特に最近仲良くしていた麗日と飯田は動揺が激しかった。

このまま生徒全員を演習場に留めておくわけにもいかないので、教室に戻ってもらい落ち着いてから、事情聴取を行うこととなった。

 

 

 

 

ヒロアカの映画編書くか悩んでます

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