今回はしっかりギャグ路線で行きたいですね。
お楽しみください。
突然だが僕、羽葉伏見は不老不死だ。
誕生年は西暦で言うと1853年だ。細かい曜日や月は忘れてしまったので、他人に誕生日を聞かれた時は2月4日と答えている。
そんな僕の不老不死は完全では無い。
不老の方は問題がないのだ。実際見た目は18歳ぐらいで止まっている。
問題は不死である。自分は何度か死地を駆け巡ったが
重症を負った時、治るのに3分ほど掛かった。
心臓などを刺されたり撃ち抜かれたりしたら治る前に
血の製造が追いつかずに失血で死んでしまうだろう。
感覚としては、デッ◯プールの不死が弱体化されて
回復しにくくなった感じである。
そんな僕は今、とある組織で働いている。
Sで始まってCとPがついている所ではない。確かに存在しているが。
僕が所属しているのは完全に独立した国に属していない
日本版キング◯マンみたいなシークレットサービス、
『The Secret Service』略してTSSである。
安直過ぎると思うが、何気にこの組織は明治時代からある由緒ある組織なのだ。
名前を付けたのは実は日本人で、組織を作ったきっかけは
『なんか外国風の諜報機関を創りたかったから』
である。ふざけてるのかな?
少々話が脱線してしまった。
僕がこの組織に入ったきっかけはまた今度にしよう。
そして今僕は、大量の敵と一人で戦っている。
マシンガンを乱射して角から流れ込んでくる敵を排除するが、それでも敵の数は減らない。
既に雇用主は退避しているが、なぜか僕だけしんがりを任されたのだ。僕だけ。
追手に弾を乱射する。数人排除できたが、まだ追ってくる。
そして弾が切れたので、マガジンを変えようとし、腰のマガジン入れに手を回す。
が、マガジンはハンドガン用しか残ってない。
さっきので全て使い果たしたらしい。
もう武器は近接用の武器とハンドガンしか無い
ハンドガンは距離的に届かない。どうする?
直感的に足が動いた。
全速力で逃げる。
通路を全力で走り、ドアを開けると、
そこには大量の敵。
敵共はこちらを見て銃を構え、発砲する。
避けようの無い量の弾が迫って来る。
神様はここで僕を殺す気なのか。
僕の人生はこれで終わりなのか。
永く生きた人生で何度か死にたいとは思った事はあったが、
その後はそれを上回る良いことがあった。
そして、生きたいと思った。
だが、これで終わりなのか。
敵に撃たれて終わりなのか。
まだ生きたい。
ああ、自分が完全な不老不死だったらーーーー
こんな無様に死ぬ事は無かったのに。
その時、床に大きな目玉が蠢く、“スキマ”が現れたのだ。
◇◆◇◆
失礼かもしれないが、我が主、幻想郷の賢者である八雲紫は体が弱い。
その理由は、紫様がまだ妖怪として生を受けて間もない時、
その頃まだ数が少なかった陰陽師に実験台にされ体が弱体化されたのだ。
紫様は、
『あの男は私の能力を弱体化させようとしたが、術式を間違えて私の体を弱体化させたのよ。』
と言っていた。
そして弱体化されたおかげで体が弱ってしまい、風邪をよく引く様になってしまったのである。
しかもその男が謎に腕が良かったせいで、
紫様は術を未だ解く事が出来ていないのだ。
そのせいでくしゃみをしたら“スキマを思わず開いてしまったり”、
だいぶ苦労しているそうである。
それでも紫様はこの幻想郷を完成させた。
本当に尊敬できるお方だと思う。
「藍〜ちり紙無くなったちゃった〜ヘクシッ ズズッ 持って来て〜ヘクシュッ」
風邪をよく引く所以外は。
◇◆◇◆
謎の目玉が蠢くスキマから吐き出されると、
僕は山の中にいた。
ここは一体何処だろうか。
いつでも対応できる様に装備を確認しておこう。
まず、スーツ。これは防弾性能があってハンドガン程度なら十発ほど耐えられる。
次にメガネ。本部や支部と交信できる便利なメガネである。
さっき使ってみたが電波が届かなかったので正直言ってただのメガネである。
ちなみにレンズの下にボタンがあるが押すとサングラスに早変わりする。
次にハンドガン。至って普通のハンドガンである。
マガジンは10個、右足のマガジン入れとスーツの中にある。
最後に…ペン型秘密道具各種(税込一兆円以上)
なぜか開発部の部長から100本以上送られたペン型秘密道具だ。
少し見てみよう。
火炎放射器になるやつ、
ナイフになるやつ、
グレネード代わりになるやつ…
他にももっとあるが、一番やばいのはこの
『ミサイルになるやつ』だ。
これは一番技術が使われていて、一番危険なやつだ。
これの使い方は、ペンをノックして、まっすぐ投げる。
そしてそれだけで半径10kmが消滅する。
何でも新しく発見した白核と黒核という物質の反応で何にも撒き散らさず破壊だけをもたらすらしい。
こんなにペン類が充実しているエージェントは僕以外いないだろう。
役立つと良いんだが…
しばらく歩いていると、黒い球を見つけた。遠くから見ていると、フラフラ動いていて、時々木にぶつかっている。
面白い動きをしている。危険性は少なそうだ。
少し近づいてみても良いかもしれない。
そーっと近づいてみる。
距離が目測5mぐらいになると
球が溶ける様に消えていって中から女の子が…女の子?
そうか、超能力者か。どっかで聞いたことがある。
だけどこんな山の中でフラフラ歩いているのか?
取り敢えず話しかけてみよう。子供に悪い奴はいない。
「すいませーん」
「何なのだー?おまえは食べても良い人間なのかー?」
「人間は食べるもんじゃないよ」
「そうなのかー?」
「そうなのだー」
「わはー」
『わはー』って何なんだ…?
ていうかノリいいなこの子…
「あなたの名前は?」
「私のなまえはルーミアなのだー」
「そうか、じゃあルーミアちゃん、人がいる所に行きたいんだけど、
教えてくれるかな?それと何であなたのようなお子さんがこんな山の中にいるのかい?」
「そうだなー私から逃れられたら教えてあげるのだー」
そういうとルーミアちゃんは大きく口を開けて僕の手にガブっと噛み付いた。
「イダダダダダダ!痛いって!噛んでる!手ェ噛んでる!」
無理やり引き抜くと、ブチっという嫌な音がした。
恐る恐る手を見てみると、中指が手から消滅していた。
ルーミアちゃんはなんか咀嚼している。
これが本当の肉食系女子…恐ろしい子ッ
そして僕の指を飲み込み、
「まずいのだー」
あ、そすか。
ちょっと傷ついた。
「まずいおまえに免じて人がいる所に連れていってあげるのだー」
そういうとトタトタと歩き始めた。
どうやら自分が不味かったお陰で許してくれたそうだ。
ありがとう中指、お前の犠牲は忘れない。5分経ったら治るけど。
◇◆◇◆
そして連れて来られたのは神社だった。
だいぶボロいが、周りは意外と整えてられていることから
しっかり手入れはされているのだろう。
「ありがとう、ルーミアちゃん。」
「どういたしましてなのだー」
「私は帰るのだー。じゃあなーまずい人類〜」
どうやら帰るらしい。一体あの子は何だったんだろうな…
「すいませーん。誰かいらっしゃいますかー?」
「はーい、ってお客さん?素敵な賽銭箱はあちらよ。」
なんだか巫女さんらしき人が出て来た。
だいぶ若い様だ。
「いや、お参りに来たんじゃなくてですね。実はここに迷い込んでしまって、
ルーミアちゃんって子にここに連れて来てもらったんですよ。」
「よく食べられなかったわね?」
「ああ、中指だけ食べられましたよ。もう治ってますけどね。
まずいって言われましたね。」
「そうなのね…もしかしてあなた不老不死?」
なんで分かったんだ?
「何で分かったんですか?」
「そうね…」
「ここにはそんな奴らが沢山いるのよ、
さっきあんたが一緒にいたルーミアってやつも人喰い妖怪なのよ。」
「まぁ実際は直感だけど」
「へぇ〜」
だから食べられそうになったのか。
ん?直感?…まあいっか。
「それで、一体ここは何処なんですか?」
「ここは幻想郷、妖怪たちの最後の楽園、ね。」
「ちなみに帰れたりは?」
「出来るわ。帰らない選択も出来るけどね。」
「そうですか…」
折角ここに来たんだし、しばらく過ごすのもいいかな…
どうせ本部では死亡ってことになってるだろうし。
「どうするの?帰るのか帰らないのか。」
「帰らないことにします。どうせ戻ってもいい事無いですし…」
「そう、幻想郷は全てを受け入れるわ。ようこそ幻想郷へ。
ちなみにお名前は?」
「僕の名前は羽葉伏見。職業はエージェントです。」
「そう…あ、伏見って不死身と掛けているのね?」
「そうですね。まあ実際は完全な不死身ではないんですけどね。」
「ふーん…」
怪訝な顔をしてこちらを見て来る。
「まぁいいわ。取り敢えず人里に連れていってあげる。」
「ありがとうございます。」
「ちなみにあなた、空飛べる?」
「飛べないですね。」
「そう…じゃあ歩くしかないわね…」
◇◆◇◆
しばらく歩いたあと、村らしき場所に着いた。
「ここが人里よ、それじゃあ私は帰るわね。」
「ありがとうございましたー。」
あ、名前聞くの忘れた。
取り敢えず、あの巫女さんに教えてもらった場所へ行こう。
その場所は、一軒家だった。但し昔の。
表札には、『上白沢』と書かれている。
「すいませーん。ごめんくださーい。」
扉が開き、女性が出て来る。
「はーい、どちら様で?」
「さっき此方に遭難して来て、ここに行くといいって神社の巫女さんに教えて貰ったんですよ。」
「そうか…まぁ、取り敢えず中に入ってくれ。」
家の中に入る。だいぶ広い様だが、一人暮らしかな?
居間に行って、話を始める。
「私の名前は上白沢慧音。人里で教師をしている。」
「僕の名前は羽葉伏見。エージェントをしています。」
「えーじぇんと?一体どんなものなんだ?」
「そうですね…基本的に依頼されてそれを遂行する、特殊任務専用の何でも屋って感じですね。」
「そうか…さっぱり分からん。」
そうでしょうな、多分ここそんな特殊任務無いだろうし。
それより、さっきから気になっているのは彼女の容姿だ。
「そうだな…多分お前が普通の人間ならここから出られないだろうな。」
なんか四角い建物みたいな帽子、銀髪と青髪が混ざった感じの髪、
「そうだな…仕事なら私が紹介してやろう。」
それに…その腕を組んでいる事で強調されている…
「基本的に人里から出たらどえらいことになるから辞めておいた方がいいぞ。
…って話聞いてるか?」
「……え?どえろい事になる?」
めっちゃ高速で頭突きされた。めっちゃ痛い。何で頭突き?
「…コホン。取り敢えず仕事は紹介してやるが…どんな仕事がいい?」
「…何でも屋ってありますかね?」
「ああ。あるにはあるが、もう無くなっているぞ。
何でも、特殊な事に首を突っ込んでそれで店の主が死んでしまったらしい。」
「そのお店、店舗はまだありますかね。」
「ああ、まだあるぞ。」
「じゃあそれやります。」
「本当か?多分稼ぐのは難しいぞ?それにあの店の行動範囲は人里の外だったし。
活動するのは相当難しいぞ。」
「その事なら大丈夫です。僕は人里の外でも活動できる自信があるんで。」
「それはどういう事だ?」
「…ただの人間じゃないって事ですよ。僕…不死身なんです。」
「そうか…」
「あなたを見た時から考えていましたが、あなたも只の人間じゃ無いですよね?」
「そうだな。私は半人半妖で、白澤の力がある。」
「そうなんですね。」
どうやらここには妖怪と言われるものが沢山いるのか?
「まあそんな訳で、大丈夫です。ちなみにそのお店の名前は?」
「ああ、店の名前は…」
「異変解決屋『隠れ人』だ。」
◇◆◇◆
彼が早速店に向かった。
まさか“あの二人”以外に不死の人間がいるとは驚きだった。
今度教えてみよう。あいつなら何か知っていることがあるかもしれない。
どえらい事とどえろい事、よく聞き間違えますよね。
次回、お店開店です。