やっとエージェントらしい戦いが出来ますね。
ぐだぐだですが、読んでくれると幸いです。
今日、異変解決屋『隠れ人』が再開店した。
この店は、昔腕に自信のあったある者が開き、
自主的に異変を解決したり、依頼されて様々な雑事をこなしたりしていたらしい。
その人は、数か月前の吸血鬼異変という吸血鬼が大量に攻めて来た異変に自ら動き、
数人の吸血鬼を下したあと、返り討ちに遭って死んでしまったらしい。
ここの店内に入り、その奥にある応接室には、その人が使っていた刀が鎮座している。
それは俗に言う軍刀という物で、そんな物を拾うとしたら無縁塚らしいと、慧音さんに教えてもらった。
そして今僕が気になっている事は、その『隠れ人』を開いたのは誰か、と言う事である。
少し情報を集めてみたが、性別はおろか、どんな活動をしていたのかすら分からなかった。
今わかっているのは軍刀を使っていた事だけだ。
だがこれではエージェントの名が廃る。必ず前任が何をしていたか突き止めてやる。
と思っていた時期が僕にもありました。マジで情報がない。
集まった情報も、
女性かもしれない、男性かもしれない。
身長が高かったかもしれない、低かったかもしれない。
まだ生きているかも知れない。
さっきから思っていると思うが、
そんな不確定な話ばっかりだ。
そんな感じで行き詰まっていると、ある異変が起きた。
空が紅い霧に覆われた。
里の人達は紅魔館の仕業では無いかと噂している。
紅魔館といえば、吸血鬼が主人だった筈だ。
前任が亡くなったのも原因は吸血鬼。
関係があるようにしか見えない。
早速初仕事だ。異変解決のついでに情報を聞き出してみよう。
まずは場所を聞き出さないとな…『困った時は慧音さん』だ。
聞きに行こう。今日は寺子屋は休みの筈だ。
◇◆◇◆
「紅魔館に行く?」
「そうです。」
「不死身だから大丈夫だとは思うが、あそこは危険だぞ。」
「どういう風にですかね?」
「紅魔館には手練が数人いるらしい。お前の戦闘能力は知らんが、対応できるのか?」
「大丈夫です。伊達に修羅場を潜ってませんからね。」
「ま、まぁ、気をつけておくんだぞ。」
「分かりました。気をつけておきます。」
そして、紅魔館の場所を教えて貰った。
どうやら霧の湖という名前の湖の近くにあるみたいだ。
装備を整えて早速行ってみよう。
いざ来てみると、意外と大きかった。
洋風の外観と、真っ赤っかの外壁が特徴的だった。
「紅い悪魔が居る館、で紅魔館って事か…」
門まで周りの木々に隠れながら行っていると、門の前に門番が居た。
チャイナドレスを着ている女性だ。
すごい中国拳法使いそうな格好をしている。
戦うのは避けたいので迂回してから
塀を乗り越えて侵入していこう。
別に住居侵入じゃないし。異変解決だし。
そして迂回する為にそこから離れようとすると、
声が聞こえた。
「そこに誰かいるのは分かっています。大人しく出て来て下さい。」
自分は隠密行動は得意だった。
まさかバレてしまうとは…
「何で分かった?」
「私は相手の気が分かるんですよ。あなたからはそれが漏れ漏れでした。」
そんなのが分かるのか。
「ここに入りたいなら正面から私を破って行く事ですね。」
「そうだな、じゃあ正面から入ってあげようか。」
そしてハンドガンを門番に向けて構える。
「!拳銃…飛び道具を持っていたのでしたか。」
「違う違う。足元、見てみ?」
門番さんが足元をチラッと見ると、そこにはペンが落ちている
「え?何ですか?このぺン。」
刹那、ドンッという衝撃が門番を吹き飛ばした。
今回使ったのはペン型のインパルスグレネードだ。
これは衝撃を起こして相手を一時的に麻痺させることが出来る。
「ごめんね、門番さん。僕、拳法とかそういうの得意じゃ無いんだ。
刀も持って来てないし。」
「うぅ、こんなの卑怯ですぅ〜」
そういうとぐったり地面に突っ伏してしまった。
まあ、第一関門突破、っていう事だろうか。
館の中に入ってみると、割と豪華な内装である事が分かった。
というかこの館、入った瞬間からの大体の物が病的なぐらいに真っ赤なのだ。
今は広間のような場所にいて、奥に階段がある。
そして登ろうと階段に足をかけた瞬間、大量のナイフが階段の上から降って来た。
すぐに横にズレてナイフを避ける。
階段の上にはメイドさんがいた、少女の。
「こんにちは、侵入者さん。無断侵入は犯罪です。それとも異変解決にでもいらっしゃいましたか?
どうやらそんなに強くは見えませんが。」
すごい舐められている。ちょっとプチッと来た。
「人は見かけによらない物だよ。例えば、僕とか。」
「余程自信があるとお見受けしますが、どちら様で?見たところ博麗の巫女でも無いようですし。」
「僕は自主的に異変を解決する異変解決屋だ。さあ、そこ。通してもらおうか。」
「残念ながらそれはできませんわ。」
「じゃあ…大人しく気絶して貰おうか。」
その言葉が皮切りとなり、戦闘が始まった。
メイドさんからは大量のナイフが
場所を変えながら弾幕のように降ってくる。対して僕はそれをスーツを盾にする事でそれを防ぐ。
流石防弾スーツ。全く傷付かない。
メイドさんが瞬間移動したりして至る所からナイフが降ってくるがどれも耐えられる。
だがこのまま耐えているだけでは勝てない。
自分から言ったのだから、勝たなければ。
今ある道具は、ハンドガン、ペン、ペン、ペン、ペン…
あった。麻酔ペン。
これの使い方は簡単。ペン先を相手に向けてノックするだけ。
ノックするとペンの芯が射出される。そして刺さると、
人間一人が確実に眠る量の麻酔薬が注入される。
大切なのはタイミングだ。どこでこれを射つか。
ナイフが飛んでくる間隔は非常に短い。
だが、少しだが間がある。
時間は、1秒無いぐらいだ。
確率は、非常に低い。だが出来る。
ナイフが飛んできて、それをスーツで弾くように防ぎ、スーツの中でペンを構える。
そして場所が変わり、ナイフが飛んでくる。今だ。
ペンをノックする。
麻酔が射出され、ナイフの間を通り抜けて、メイドさんの首筋に刺さり、麻酔が注入される。
「なっ…」
「ごめんね〜眠ってもらうよ。」
「そんな…」
メイドが倒れる。
これから1時間ほどは眠ったままだろう。
端に寄せておいて、先に進む。
しばらく探していると、他の扉より特に大きく、豪華な扉を見つけた。
ここに主人がいるのだろうか。
扉を開ける。
すると、その先には王座のような椅子に座ったルーミアちゃんぐらいの背丈の小さな子がいた。
あの子がここの主人なのか?ルーミアちゃんも見かけに騙されたし、慧音さんも見かけによらず頭突きがめっちゃ痛い。
そのように、この子も見かけにはよらないものを持っているのかも知れない。
更に、人を束ねる主人は大体が何らかのカリスマ性を持っている。
そういう場合は丁寧に接するのが普通だが、今回は事情が違う。
目的は異変解決と前任の話を聞く事だ。
とすれば、する事は一つ。
相手をフルボッコにする事だ。
口を開く。
「僕の名前は羽葉伏見。自主的に異変解決に来た。大人しくボコられろ。」
◇◆◇◆
私は今紅魔館の門の前にいる。
今から中に入ろうとしているのだが、一つ不思議な事が起きている。
門番が地面に突っ伏して気絶しているのだ。
「どうしたのかしら…これ。」
考えていると、そこに白黒の魔法使い、霧雨魔理沙がやって来た。
「おっ、霊夢じゃないか!そこで突っ立って、どうしたんだぜ?」
「いや、これ、私が来た時から気絶しているのよね。」
「もう倒されてるって事は、他の誰かが異変解決に来てるって事なのか?」
「そうかも知れないわね…まあ、先に進むわよ。」
「おっ、そうだな!」
何かがある気がする…直感だけど。
◇◆◇◆
「ボコられるのは貴方よ。人間。」
「私の名前はレミリア・スカーレット。こんなにも月が紅いから本気で殺すわよ。」
戦いが始まる。今ある武器はハンドガンとペン(攻撃力あり)だけだ。
だが勝ってみせる。
「天罰『スターオブダビデ』」
何だそれ。一瞬戸惑ったが、すぐ回避行動を取る。
どうやら光線や光の球などが打ち出されているらしい。
見たところエネルギーの塊のように見える。
そういえばあのメイドもそんなことを言っていたような気がする。
大量に展開されるエネルギーの塊の弾幕を回避し、時にスーツで防いで反撃の時を伺う。
きっといつかボロが出る筈だ。
「防いでばっかりじゃあ反撃できないわね。一体どうするのかしら?」
今だ。少しレミリアに余裕が出た。ハンドガンを構え、両足、両腕、両翼に向かって放つ。
するとバランスを崩し、落ちていった。
「なにっ!?」
今がチャンス!
一本のペンを取り出す。これは門番を倒す時に使ったペン型のインパルスグレネードだ。
実はストックが10本ほどあり、3本ほど持って来た。
ノックし、レミリアに向かって投げる。
それをレミリアはキャッチした。怪訝そうに見たのも束の間、即時衝撃波が放たれた。
しばらく経った後、衝撃波によって生まれた煙が晴れる。
どうだ…?
絶望した。気絶もしていなければ、ダメージを受けてもいない。
だが、一番絶望したのは、、めちゃキレている事である。
「そんな弱い攻撃とは…!舐めているのか…人間!
もう良い。片をつけてやる。神槍『スピア・ザ・グンニグル』」
直感的に腕が動いた。ハンドガンの標準を頭に定め、弾をマガジンにある分全てを撃つ。
数発レミリアの頭に当たったが、気にすることも無く、
それと同時に爆速で槍が飛んでくる。スーツで防ごうとしたが、間に合わない。
せめてもの足掻きで横にズレる。すると、槍は腕を貫通し、後ろの壁に衝突、壁が“爆ぜた”。
腕を見て、回復可能な事を確認する。横の柱に隠れ、
攻撃が止んでいる今のうちに右足のマガジン入れからマガジンを取り出し、交換、装填する。
このままやり過ごせないだろうか。そう思った途端、
「そんな所にいてバレないとでも思ったか?終わりだ。人間。」
もう一回槍が生成され始める。もうこれは“あれ”を使うしか無い。
レミリアのところに走り出す。スーツから一本のペンを取り出し、スーツを投げ捨てる。
「何だ?悪足掻きか、人間。無様だな。」
煽り文句を言いながら槍が投げられる。身体を捻って回避しようとしたが、腹が抉られる。
そんな事はもうどうだって良い。走り続ける。そして、
「オラァアアアア!」
ペンを振りかぶって、レミリアの首筋に突き刺そうとする。手は直前で止められたが、
これには射出機能がある。ペンの芯は、見事にレミリアの首筋に刺さっていた。
「何よ…これ!」
レミリアは急いで首からペンの芯を抜くが、もう注入済みだ。
今回これは使う気が無かったが、仕方がなかった。
これは神経毒だ。打ち込まれると、身体中が痺れ、脳が麻痺する。
大抵の人は気絶するが、どうだろうか。
「チェックメイトだ。レミリア・スカーレット。」
僕がそう言うと、レミリアは膝から崩れ落ちるように倒れた。
どうやらしっかり効いた見たいだ。
僕の被害は、片腕の半分がなくなり、
もう片腕は毒を打つ時に止められたお陰で骨が粉々になっているが、どれも治るものだ。
治るのには1時間ほどかかるだろう。
そうして、僕はレミリアに勝利した。
なんか下の方から爆音が聞こえて来る。
もう疲れたので気にする暇は無い。
少し寝て、それから情報を聞き出そう。
倒れているレミリアを柱に立て掛け、
僕は床に横になり眠りについた。
◇◆◇◆
しばらくすると、誰かに起こされた。
「…た、…んた」
「んぅ?」
「あんたこんな所で何やってんのよ。」
「異変解決。」
「何で幻想郷に来て一週間で異変解決してるのよ…」
「人里にそんな仕事があって、それを引き継いだんだよ。それと、
あの子に聞きたい事があってね。」
倒れているレミリアに向かって指差す。
「そんな感じで今回仕事は無くなりました。残念でしたね。」
「はぁ…いい!?これ私の唯一の仕事なの!これ以上ライバル増やされたら…!」
「ええ…」
「今回はまあ良いわ。別にここで何をするかはあんたの自由だけど、それで命を落としても知らないわよ。」
「大丈夫ですよ。もうさっきそれ終わりましたし。」
そんな会話をしていると、レミリアが目を覚ました。
「う〜ん…」
「おっ、目が覚めたぞ。」
「お前、まだいたのか…」
「まず、その霧消して貰おうか。話はそれからだ。」
「分かったわよ。どっちにしろ負けたのは負けたんだし。」
そうしてレミリアが呪文のような事を唱えると、外の景色が段々晴れていった。
「じゃあもう一つ、僕はいま異変解決屋の『隠れ人』って言う所に働いてるんだけど、
そこの前任について知っている事は?」
「誰?それ。私は全く知らないわよ。」
「知らない?軍刀を持っている人なんだけど…
君、吸血鬼異変の主犯だったんだろ?」
「私は指示しただけでほぼ何もしてないわ。
情報も余り無いし。」
「そうか、じゃあ帰ろうかな…」
「あ、ちょっと待ちなさい。」
そう言ってレミリアが指パッチンする。
すると、さっき戦ったメイドさんが瞬間移動して出てきた。
そして、こっちに寄ってきて、
「これ、お嬢様から。」
手渡されたのはお金の入った袋。
それに思わず、
「天使ですか?」
「悪魔よ。」
もうこの恩は忘れられない気がする。
それで帰ろうと思ったが、どうやら巫女さんの視線がが袋に釘付けになっている。
欲しいのかな?
袋から半分取り出して巫女さんに渡してみる。
すると、
「ありがとう!貴方いい人ね!この恩は必ず返すわ!」
「それはどうも。」
どうやらお金が欲しかったらしい。
「じゃあ、僕はこれで帰るよ。これからはお客さんとしてご贔屓して下さると嬉しいな。」
「出来たらしてあげるわよ。」
帰り、紅魔館の廊下で金髪の魔法使いと金髪の吸血鬼に出会った。
名前は、魔法使いの方は魔理沙さんと言って、巫女さんと一緒に来ていたらしく、
巫女さんの名前を教えてくれた。『博麗霊夢』と言うらしい。吸血鬼の方はフランドールさんと言うらしい。
どうやらフランドールさんはレミリアの妹で、今まで495年間閉じ込められていたらしく、
『お姉様に怒りにいく!』と言っていた。
良い方向に関係が進むと良いな。
その後は特に問題も無く異変は終わりを迎えたらしい。
この異変は、霊夢さんが『紅魔異変』と名付けたらしい。
何とも安直だが、それが一番良いだろう。
今度慧音さんに異変解決したのを自慢しよう。
見ていて気づいた方もいるかもしれませんが、
羽葉は霊力も妖力も、スペルカードルールも知りません。
次回は羽葉君強化回になりそうですね。