オリ主が慧音先生と呑み行って、
膝枕とデススター、第二デススターと葛藤する話です。
紅魔異変が終わり、しばらくは暇な日が続いた。
「そうそう!それでね〜!絶対、柿本さん家の旦那、浮気してるわよ!」
「私、見たわよ。その旦那が誰かと細い路地に入る所。」
「本当に!?」
「怪しかったものねぇ〜」
玄関から入ってすぐの机に座り、ゴシップ系の会話をする3人。
彼女らは、カヨさん、チヨさん、トヨさん、と言う名前の三つ子で、
ここを再開してから、ここを談笑する場所として使い始めた。
ゴシップ系の話が多いので、心の中で『ゴシップ三銃士』と呼んでいる。
ここを使うのは、3人とももう年で、そんなに歩いて茶を飲みに行く元気がないから。らしい。
喋る元気はあるのに。
だからといってここは茶屋では無いのだが、静かなのも嫌なので容認しているのである。
「ねぇ!羽葉さん!絶対そうよ!絶対あそこ浮気してるわ!ちょっと調べて来てくれないかしら!」
この大きな声の人がカヨさん。
「そうね。少し調べても良いんじゃないかしら。」
それで冷静そうな物言いの彼女がチヨさん。
「そうですよ〜調べてみても良いんじゃないの〜?」
ゆったりした喋り方をしているのがトヨさん。
「調べませんよ。大体ここは異変解決屋なんですから。浮気を暴く場所じゃありません。」
「ちぇ。釣れないわねー。」
「それより、そろそろ帰らないとお孫さんたちに心配されるんじゃないですか?」
「ん。それもそうね。カヨ、トヨ。帰りましょう。」
「そうね〜」
「また面白い話があったら来るわね!」
そう言って3人は店から出て行った。
店内は静まり返った。あの3人が来るのは毎週水曜日なので、その日以外はいつもこんな感じである。
レミ嬢(この呼び方気に入った)から貰ったお金で生活には困らないが、
いかんせん暇である。
異変が起こらないかな〜、なんて物騒な事を考えていると、扉が開き、誰か入って来た。
「異変ですか?それとも事件ですか?って…慧音さんじゃないですか。」
「ああ、少しお願いがあってな…」
「お願いとは?」
「そうだな…」
「突然なんだが…飲みに行かないか?」
「行きます。」(即決)
「おお!いつも一人か友達としか行ってなくてな…今まで一緒に飲んだ事がないだろう?
だから一回飲みに行きたかったんだ!もし断られたら…とも思ったが杞憂に終わって良かったよ!」
「僕が慧音さんからのお誘いを断るわけがないでしょう。
慧音さんはここで生活する基盤を提供してくれた人ですし、
それに、まだここに来てから一回も飲みに行ってなかったですしね。誰か誘って行こうかと僕も考えてたんですよ。」
「そうだったのか…じゃあ、すぐ行こう!」
「ちょっと待ってくださいね。準備して来ます。」
◇◆◇◆
連れて行かれたのは、良さげな居酒屋だった。
古き良き日本の居酒屋って感じがする。
「慧音さんはここが行きつけなんですか?」
「ん?いや、違うぞ。ここは前から気になっていてな、
初めて来るんだ。」
「そうなんですね。取り敢えず、何か頼みますか。
じゃあ、僕は焼酎のお湯割りで。」
「私は…芋焼酎にしようかな…」
そこからしばらく他愛のない話をしながらお酒を呑んでいたが、
しばらく経ってから、慧音さんの様子が少しおかしくなってきた事に気づいた。
「羽葉〜もう一杯〜」
「そんなに呑んで…大丈夫ですか?」
そう言いながらも自分が酔っているからなのか慧音さんのお猪口に酒を注いでしまう。
あっちょっと溢れた…
そこから40分程、ずっと慧音さんは呑み続け、遂には呂律が回らなくなって来た。
ちなみに僕は危機感を覚え、呑むのをやめた。
流石にこれ以上は危険だから、もう帰ろう。
「もう帰りますよ、慧音さん。」
「立てない〜おんぶ〜」
普段の慧音さんとは思えない態度だ。
だからといって置いて帰る訳にはいかない。
「しょうがないですね…ほら、おぶってあげますよ。」
「へへ〜はぁばぁ〜」
おぶりながら家まで帰るが、道中暴れたせいで何回か落ちそうになった。
家に着き、取り敢えず居間まで持っていく。
帰ろうとしたが、何故か引き止められる。
「膝枕して〜はぁばぁ〜」
正直言おう。かわゆい。
だが、良心が葛藤する。
このまま膝枕してしまえば、翌朝大変な事になるのは分かり切っている。
駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。
「はぁーばぁー」
◇◆◇◆
向こうから朝日が見える。
僕は、勝てなかった。膝枕に、
彼女の、デススターと、第二デススターに。
◇◆◇◆
この後、人里で二人の間柄が話題になるのはそう遠くない未来である。
如何だったでしょうか。
次回は第3話、次回からは少し更新速度が下がるかもしれませぬ。