最強騎士に憧れて体現しようとしてるTS転生主人公君︎︎ ♀はお嫌いですか 作:H-13
レベル7。そのレベルに見合う経験値を得る為には生半可な階層では役不足。
然し一々モンスターを探して戦闘をする煩わしさもある。40階層より下でも、当然暇な時間は存在している。
その癖に緊張の糸途切れさせると丁度モンスターが不意打ちして来て死ぬ。そう。ソロはあっさり死ぬのだ。だからこそそんな非効率は嫌だとシグリーヴァが編み出したのがこれである。
37階層無限闘争。
レベル4の時にサポーターとしてオッタルの遠征に付き合った時に思いついたソレはレベル6の時から毎週行っているものでもあった。
49階層。フォモール、バロールをちゃんと立ち回れば壊滅させられるシグリーヴァならば楽だろうと思うだろうが、それは違う。
フォモールには発生の上限値がしっかりと定められており、それを討伐仕切れば終わりなのだ。
それに比べ前述の通り、37階層のココは無限リポップである。それに加えてしっかりと駆け引きを行う高い戦闘知性を兼ね備えたレベル4相当が24時間永久機関の様に襲いかかって来るのだ。
副団長の猫に阿呆と言わしめたこの荒行。その為2度目からはしっかりとサポーター二人の同行が義務付けられた。
今回のサポーター兼荷物持ちの一人目、ラーガ君。レベル4の狼人。足がしっかり速いから沢山ドロップアイテム持っても大丈夫だね!
2人目、シールズちゃん!こっちはサポーター兼非常事態時のヒーラーだよ!レベルは3の満たす煤者達の一員!後衛支援ポジの癖に得物は魔法補助付き仕込み杖だって。え、私に憧れて?…うーんそう言われたらなんにも言えない!
二人にはアスフィちゃんにお願いと言う名前の脅しをしてから買った隠密、消臭アイテムを手渡して、闘技場のすぐ外で待機してもらってます。沢山のドロップアイテムやら荷物を持つ2人を守りながらはちょっと危険かな。
長剣に、対魔属性。そこに領域魔法まで合わさったシグリーヴァは、単独でこそ力を発揮する。
一騎当千の魔法無効化ウーマン。言い換えれば味方の魔法すら妨害するウーマン。味方に合わせようとすればする程に手加減が必要になる難儀な性能は遊撃兵こそ相応しい。
ウダイオス。階層主がロキ・ファミリアに討伐されてからもうすぐで3ヶ月。
アイズ何某君のレベル6上げを妨害する訳にはいかんしなぁ。でも2回連続でロキ・ファミリアに持ってかれるのは気に食わないしなぁ。
そんな事を考えながら永遠に湧くスパルトイやらリザードマン・エリートを殲滅し続けるシグリーヴァは、見守る二人にしっかりと見える速度で動いていた。
これがシグリーヴァが37層という浅めな階層で周回をしている理由。自分に縛りを設けながらサポーターの見取り稽古をさせる。
無論、耐久が上がるように受けて大丈夫な場所への打撃はわざと躱さずに受ける事も忘れない。
一太刀一殺。魔石を切らないように。然し一撃で瀕死になる様な強さで目の前の奴らを殺す。
はっきり言ってホームルームで戦ってるだけじゃ本当に強くなれない。自分が通った道だ。
極論死なないし、だからこそ果敢に格上にも我武者羅に挑めるという理由にも繋がっては来るけれど。それではダメなのだ。
ずっとそれをしていれば上質な経験値は溜まる。基礎アビリティは上がる。格上に勝てればランクアップする。だけれど、そこに目的が無ければ発展アビリティも、スキルの発現も無い。ただランクが上がるだけの結果に繋がってしまう。
正直何度も死から蘇ることにより持っていた目標も削ぎ落とされ、頭も回らなくなる。…少しで良いのだ。その環境から外に目を向けた方が良い。
だから、折角だからと毎回違う人を連れ出してはこうして見せている。何が欲しいのか、何を目標にしているかは人それぞれだけど。…レベル6.7になった者として、一つの到達点は見せられる。
結構好き勝手やってるけど、それなりに考えて後進を育成してたりするシグリーヴァであった。