最強騎士に憧れて体現しようとしてるTS転生主人公君︎︎ ♀はお嫌いですか 作:H-13
投稿が途絶えていたのでちょっとおさらいです。シグリーヴァの簡単な現在ステータスです。武器とかは変わってないので割愛。
シグリーヴァ・ヘリア
種族:ヒューマン
年齢:25
身長:172
レベル:7
所属:フレイヤ・ファミリア
二つ名:戦士の王
基本アビリティ
ランクアップに伴い全てI0へ。
発展アビリティ
魔剣:C 剣士:D 拳打:E 治癒:H 破砕I
魔法
【グラム】
・付与魔法
・対魔属性
・詠唱式【蒼天よ、堕ちろ。黄昏よ、来たれ】
【クル・パキア】
・領域魔法
・領域内の空間掌握権
・魔力消費は領域の広さと継続時間に依存
・詠唱式【空を超え、今を駆ける燈よ。潰えることは赦されぬ。抗い歯向きその威を示さんとするならば、高らかに我がサガを詠いあげよ。我が煌めき、剣の瞬き尽きる事無し】
スキル
【魔装】
・任意発動
・魔力消費に応じた該当ステータス上昇
・純魔力操作権
【戦王渇望】
・大成する
・渇望の続く限り効果継続
・理想を体現した時スキル消滅
【?位??】
・神の虚偽看破無効
・状態異常無効
・神への当スキル隠蔽
私、要る?
気合いを入れて「グラム」も「フロッディーズ」も装備して完全装備で来たというのに。片手でフロッディーズの一本をくるくると回しながら最前線で木刀を風のように振るう妖精を見れば、そんな感想が口から零れ落ちた。
『疾風』が切り刻み、打ち漏らしや湧いて出てきたモンスターを『万能者』が仕留める。
無論、シグリーヴァも何もしていない訳では無い。役割は完全なる保険。1番後ろを歩きながら死角からの襲撃を一人で受け持ち偶に短剣を投げる事により前線の補助も熟す最強の個。
現在15層。正規ルートでダンジョンに潜って数時間。レベル4が複数人いるにしても些か早すぎる。
何も出来ないお荷物神が2人、自分の身は守れるレベル2が数人。レベル1も居るというのに、こんな駆け足レベルのスピードで攻略出来ている要因は明らかに『戦士の王』であるシグリーヴァがいるおかげであった。
リオンも、アンドロメダも。前線に出張っていられるのはシグリーヴァが後衛として居るから。
では何故シグリーヴァが前線に立たないのか。そっちの方が明らかに早いだろう。
それは今の神様達の様子を見れば分かるだろう。
「は、ッ、はっ。ふっ、…ベル君、ベル君どこだい?」
「ちょ、アスフィ、もうちょっとゆっくり…ッ。脚、足が吊りそうだから、、!」
これである。中層の暗い圧迫感と強行的な駆け足での進行は、一般人とも変わらぬ神様の身体能力や精神力の限界値をもうすぐ突破しそうな程に疲労が溜まってきているのだ。レベル4の速度でギリギリなのにレベル7の速度に付いてこれるわけがない。
「少し、休みましょうか。」
ある程度の大きな場所へ出れば、そうリオンが提案する。軽く壁に傷を付ければ少なくともこれが直るまではモンスターは生まれない。
持ってきていた多めな水分と甘味。神達だけでは無く未だになれる事の無いレベル2のタケミカヅチ・ファミリアの眷属達にも渡して行く。
未だ、ベル達は見つからない。ここまで来て居ないのだから18階層を目指して突き進んだと考えても良いのだろうと結論付けるのも早かった。
「賛成5つか。良し、決まりですね。18階層に向かいます。」
当然私も18階層を目指す案に賛同する。
「彼等の中には肝が据わってる参謀が居るようですね。」
ゴライアスが居たら私がちょいちょいっとぶっ倒しますのでご安心を!まだ役に立って無いしねぇ。
「貴女が居るからここまで早く来れている。卑下することは無いというのは上からですが…。」
まぁ、まぁ。でも鈍ってないみたいだね、その業。
返答は沈黙。それも致し方ないだろう。あの時、私は彼女を選ばなかった。
「正義」に縛られ、また「復讐」に取り憑かれた彼女を救えるのは彼女自身であったから。
まぁ、復讐をしてもしなくとも死した者が帰ることは無い。ならば盛大に復讐すれば良いというのがシグリーヴァの考えであるから止めもしなかったのだが。
16層。当たり前ながら苦戦する様なことも無くサクサクと正規ルートを攻略して行く。特に特筆すべき部分も無く、休憩をしっかり挟んだ為か神達の小走りもスムーズに進んでいた。
17層。18層の安全地帯へ繋がる唯一の場所にして門番が君臨する『嘆きの大壁』。
長方体の広間への入口。そこに到達すれば、その門番がしっかりと通り道を塞いでいるのが分かるだろう。
「ゴライアス」
推定レベル4相当の階層主。灰褐色の肌を持つ7m相応の背丈を持つ「迷宮の孤王」
本来リヴィラのならず者達の総力を以って討伐されるソレは、背後の『嘆きの大壁』が崩壊している事から産まれたばかりであることが伺える。
「オオオオオオオッ!!!!…ッ!?オオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
本能が儘に咆哮する。絶対的な『存在』として、侵入者にその鉄槌を振り下ろす為に。
されど────それ以上の『絶対的』が存在すればどうだ。
シグリーヴァが圧倒的な威圧感を放った瞬間に、ゴライアスが怯む。
先程までは力の誇示であった咆哮が、今ではゴライアス自身を鼓舞する様なそんな声音になっているのは聞き間違いでは無いだろう。
レベルが1つでも離れていれば力の差は歴然とした世界での「ゴライアス」と「シグリーヴァ・へリア」。コレはシグリーヴァに経験値すら入らない一方的なモノ。
さて、さて、さて、さて。皆さんは待っててくださいねぇ。ヤって来ますから♪
今まで後ろでちまちまとサポートに徹していたシグリーヴァはヤル気満々だ。フラストレーションが溜まったとも言えるだろうか。
それもそうだが。神ヘスティアに初めて自分の業を見せるのだ。ヌルッとじゃ無くてド派手なのが良いだろうか。
あ!ヘルメス!お前が楽しみに舐め回すように見るんじゃない。後でアスフィに折檻して貰おう。
ゴライアスを倒す手段としてはっきり言って徒手でも良いのだ。でもせっかくド派手にヤると決めたならそうするのだ。
散歩に行くよりも、「豊穣の女主人」に行くより気軽に。ここがダンジョンである事すら忘れた様な軽い足取りで。
片手には「グラム」威圧も、魔力の補助も無い。魔法なんてもってのほか。
「……オオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
そら来た。
先程の威圧。本能を捩じ伏せるレベルが3つ上からの殺意。それを刻み付けられたゴライアスが我慢出来ないとばかりに自ら死地に飛び込んで来たのだ。
────一つ。
伸ばされ叩き潰そうと振り下ろしたゴライアスの右腕を縦に裂けるように切断。ズルりと滑り落ちるまで切られたことにゴライアスが気が付かない絶技。
────二つ。
攻撃一辺倒で防御は皮膚の強さに任せ切りなゴライアスを嘲笑うように両足が膝上から切り捨てられる。
────三つ。
左手を地面について足掻こうとするゴライアスの首を綺麗に切り飛ばし、終とする。
足掻くことも、再生も、咆哮も許さない。
「グラム」の刀身が長いのは本家リスペクトもあるがそれだけでは無いのだ。
対階層主。ソレを想定した場合こうなった、という側面も含んでいるのだ。
______ざふッ。ゴライアスだったモノが塵へと還る。
残ったのは魔石と皮。しっかりとドロップ品にも心を配った「狩り」をしていたシグリーヴァであった。
神ヘスティア!どうでしたか!これが私ですよ!───────ぇ、見えなかった?そんなぁ………
次回、多分ご褒美回