最強騎士に憧れて体現しようとしてるTS転生主人公君︎︎ ♀はお嫌いですか 作:H-13
18層で無事神ヘスティアとベル君は再会出来た。良かった良かった。安心したよ(棒読み)
ゴライアスを真正面から討伐した証である大きな魔石とゴライアスの硬皮。剣は既に背中に戻し、両手にそれ等を抱えたシグリーヴァは人目も気にせずにベル君に抱き着く神ヘスティアを保護者の様な目線で見ていた。
それにロキ・ファミリアに保護されてるのは分かっていた。どうしようかなぁ。最後に会ったのが豊穣の女主人なんだよなぁ。元日本人としては気まずいというかなんというか。
「シグリーヴァ・へリア」
おろ、なんですかヘルメス。
「ちょっと、時間作って貰えるかい?」
良いですよ。まぁ、予想はしてますけどね。無事に兎君と神ヘスティアも会えたし、ロキ・ファミリアが陣取ってるし。時間潰しには調度良いかなと。
「いやいや、助かるよ。」
「さて。…君の手助けは正直予想の外側だった。でも言わせて欲しい。ありがとう。こうして無事に僕やヘスティアが安全にここまで来れたんだ。」
うんうん、そりゃね。神ヘスティアが助けを求めてこなかったらこのイベントに関与する気無かったし。
連れてこられたのはリヴィラのバーみたいなところ。裏路地も裏路地の隠れた名店?みたいな立ち位置だろう。秘密の話にはもってこいだ。
「俺からお願い…というよりも懇願したいのはベル・クラネルについてだ。…随分と彼を可愛がっているみたいだけど…あの子の可能性が見たいんだ。一度だけ見逃して欲しい。」
頭を下げるヘルメスのちょうど右後ろに目をやれば、空気が動く。
デモンストレーションのつもりでしたか、アスフィ?まぁ、…そうだね。邪魔はしません。…が、それに伴って起こる何かしらについても私は傍観します。良いですね?
「……?いや、助かるよ。でも、ヤバかったら助けてくれよ?」
神ヘスティア位神望あれば助けるんだけどなぁ。気まぐれだと思ってください、私は本来ここに居ないんですから。
ヘルメスの返事を聞くより先に席を立つ。私からしてみれば「偽・ハデスの兜」である。高位の冒険者になればなるほど五感は良くなるものだ。神の名前を入れるにはまだまだ拙いとシグリーヴァは思います。
さてさて、野郎と話す為に着いてきたわけじゃないんじゃよほんと。
というわけで!
リューちゃん一緒に水浴びしようZe!!!
「は?」
あ、いや、その冷たい目は辛いっす。ほら、私フレイヤ・ファミリア。あちらはロキ・ファミリア。ね?1人で水浴びはつまんないだろうからほら…お願いします一緒に行きましょうよね?
「良いでしょう。然し…偶に欲を含んだ視線を感じます。それだけは辞めて欲しい。」
………ッ~~~………ちょっと、む、無理…かな?
「何故ですか?」
いや、ほら、ね?私の恋愛対象女性だから……はい。
「…それは本当なのですね?」
YES。そうですガチです話したのはフレイヤと貴女にだけだけど。ごめんね、こんな所でカミングアウトして。一人で水浴びしてくるから許してお願い。
「────はぁ。…ならば、一つだけ。水浴びが終わったら私の家族である者の墓参りへ着いてきてください。貴女ならば、喜ぶはずだ。」
……了解。リューちゃんが寛大なエルフで助かったよ。一人で静かに水浴びなんて何時もやってるから寂しかったんだよね。
擬似的な太陽が18階層を照らす。武器を地面に。肌を晒し、湧き水に浸す。こうしたなんとも言えぬさっぱりとする感覚は、男であった頃よりも女である今の方が感じが良い。
本当に他愛もないことをぽつりぽつりと向き合いながら話す。互いに裸。裸体。方やエルフ、方や英霊の現身擬き。容姿端麗で知らぬ者が見れば精霊の泉の如き光景であろう。
うーん眼福。えっちいと云うよりも綺麗が先に来るわコレ。だからか、欲を含んだモノが表に現れることは無かった。なんであんなにカミングアウトしといてなんにも無いんだろうか。
細っこい手脚に控えめな体付きながら痩せている印象は一切与えない黄金美の彫刻の如き流動的な身体。
ぼんやりとリューの括れが綺麗なお腹辺りに目線をやっているシグリーヴァであったが、リューも、シグリーヴァを同じ様に目を向けていた。
4歳年上、最強の一角であり───自分の復讐を否定も肯定もせず制止した。最初の印象は掴みどころがなくよく分からない人物であったが、豊穣の女主人で関わってからは少しずつシグリーヴァとしての形が見えて来たようにリューは感じていた。
何処か、男らしさを感じながらもその無垢な笑顔は年齢相応の少女らしさもあって。それで居て、あのフレイヤファミリア特有の洗礼を積極的に朝から晩まで嬉々として参加していた者でもあったのは確か。だからこそ、裏付けられた対人技術と圧倒的なアビリティを持っている。
まぁ、つらつらと並べ書いたがそんな事はどうでも良いのだ。共にこう肌が触れ合うような距離に居て嫌では無い数少ない人物。そう、本能がシグリーヴァを認めていた。
「──────誰だ!!!」
おや、兎君じゃないか。一緒に入るかい?