最強騎士に憧れて体現しようとしてるTS転生主人公君︎︎ ♀はお嫌いですか 作:H-13
元男だからか 、恋愛対象外のベル・クラネルの前だからか。水が滴る髪を乾かし、ある程度身体から水気を拭き取ってもシグリーヴァは肌着を身に付けただけの状態で涼し気な風に身を委ねていた。
この階層位なら護身用の武具すら要らない。
普段から、かちカチっと肌を晒さず常時長袖長ズボン手袋姿の最強の一角のレアな姿。
「リューさん、シグリーヴァさんのあの姿見たことありますか?」
「昔から彼女のことを知っては居ましたが、あれ程肌を晒している姿は見たことがありません。眼鏡無しで大丈夫なのでしょうか」
聞こえてますわよ()
そりゃほぼファミリア内でしか脱いでないけど!汗一つ浮かべず涼しい姿で鏖殺するのがシグルドだ。そのイメージをそこら辺で壊したい訳じゃない。
漸く満足したか、靱やかな四肢を服の中に納めてゆけばいつも通りの伊達メガネシグリーヴァさんだよ。
リューに伊達メガネを意地悪したいが為に掛けてみる。あら、意外と似合ってる。あー、ヘディンに雰囲気が似てる気がする。リューとしても似合ってるんだけどね、あの師匠ヅラが浮かぶのはちょっと宜しくない。
目が悪い訳じゃないんだよ?ほら、こっちの方が似合ってないかい?まぁ返事を聞いてるわけじゃないんだ、私はこうで在るべきだからね。
「どっちのシグリーヴァさんもかっこいいですよ!」
ノータイムでそんな事が言える兎くんには100点満点をあげちゃおう。他の子には可愛いと言ってあげな?私にはカッコイイで良いからね?
さてリュー、墓参りに行くんじゃないのかい?
「そうですね…」
私は行けないからさ、兎くん連れて行けば?折角の縁だし、ね?
原作ぶち壊す訳にもいかんし。丁度いいから一緒に行きな?ってとんとん、2人の肩を叩けばその場を後にした。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
18階層が揺れる。森の端でうたた寝をしていたシグリーヴァを叩き起こす。
元日本人故に地震耐性は付いているのだが、冒険者になってから害に対して敏感になった自信もある。
知っていたからこそ、不思議では無い。ヘルメスが兜を渡し、ベルにちょっかいを掛けたのだろう。
知っている。だけど、折角だからその目で見たい。17層への道が閉ざされる。自分ならば吹き飛ばせる可能性はあるが…余波でジャガーノートが出て来てしまっては元も子もない。
地面が、二度揺れる。
「は?」
ダンジョンの天蓋からは既に黒いゴライアスが生み出されている。想定レベル5。下層で無い場所に出て来れるギリギリのイレギュラー。
……ビシリ
蜘蛛の巣の様にシグリーヴァの足元に亀裂が入る。
黒いゴライアスは18層で産み落とされた。この階層内に居る者を殺し切るとなればゴライアスだけでは不可能と、ダンジョンの本能はそう吠えた。
最低19層。最高で…35層か。流石にウダイオスの領域よりは上だろうが……私が居るからダンジョンもなりふり構って居られなかったか。
ダンジョンは気紛れで、物語的には美味しいだろうがそれなりにルールってもんがゆるゆるだ。
こんな所に閉じ込めて蓋をした神の眷属。忌々しい神の力。逃してなるものかと。
シグリーヴァが飛んで退いた瞬間に階層を無視して文字通り昇ってきたモンスターを感覚で捉えて…一気に顔が引き締まる。
バロールと同等。なんなら竜の壺の方がまだマシな可能性がある。
見晴らしの良く無い森の一角。既に至近距離といって良いこの距離。そして此奴をゴライアスに合流させてはならぬ事。
鈍く銀が押し出された黒。その色を、姿をシグリーヴァは知っている。
色は今世で。既に抜刀して右手に収まるグラムと同じ輝き。ヘファイストスの業が加わったと云う絶対的な違いはあれど本質的には変わらない。
荒く削り出された様なソレは十分にシグリーヴァを冥府へ突き落とす性能をしている。
見た目は前世にて。細部は流石に異なり全身がアダマンタイトとミスリルの純合金に包まれ、両前腕には武器となり得る刃を持ったソイツ。
後に何か分類を付けるとするならば「禁忌種」か。記憶の中のソレは中ボスで意外と顔が柔らかかった記憶があるのだけれども。今では硬い外皮に覆われてしまっている。
怒り状態なんてゲームの数値は無い。初っ端からフルスロットルなのだろう。
赫く輝く両眼で此方を捉えながら、森を引き裂く様な咆哮が放たれた。
雑なモンハンコラボ。次回からがっつり戦います。いつ更新できるだろうか。