最強騎士に憧れて体現しようとしてるTS転生主人公君︎︎ ♀はお嫌いですか 作:H-13
見た目と特性のベースはナルガクルガです。バルグ何某さんに関しては存じておりませぬ。何分最終歴が3rdなものですから。
シグリーヴァを殺せるまでに勝手に強化して喋れないギリギリの知性まで備えさせてるのでほぼ別物です。ガバガバ当たり判定も兼ね備えてます()
ダンジョンも本気って事ですね。大怪獣バトル…ふぁい!!
ゴライアスが。リヴィラの住人が。風のエルフが、主人公が、神が。圧倒的な威圧感に同じ方向を向いた。
漆黒の殺意。その意図をある程度察せたのはヘルメスだけであった。
「─────ッ゛!ダンジョンもなりふり構ってないってことかい?」
今までに感じた事の無い明確なダンジョンの意思。ブチ切れたのだろう。勝手に入って来た神を殺そうとしたら偶然居合わせた場違いのシグリーヴァに。
だからこそ怒りに任せてルールを無視した。どんな代償を世界に支払ったのかは神としてのヘルメスには分からない。だけれども、あの圧は決してLv7に劣る様なモノでは無かった。
数秒の澄み切った静寂。次いで湧き上がる闘気の余波。太陽の様に熱いソレは冒険者モンスター問わず震え上がり、膨大な熱量として口から吐き出された。
「君の神話を見られなくて残念だよ。」
英雄譚というには、もうシグリーヴァは強くなり過ぎた。傍観者が居てこその英雄譚、本人では無く周囲が見定め、押し上げてこその勇者、英雄。その枠組みには入り切らない。
ベル・クラネルの物語が紡がれるのをハットを抑えながら後方で観ながらも、勿体ないと口に出てしまう。
「帰ってきたら聞かせてほしいな、君のヴォルスング・サガを。」
二つ名にもルビ付けされているその呼び名。神話の物語。多くは神が試練として降すのが大部分だとするならば、この戦いは異端である。
ダンジョンの尖兵。適正階層だけで言えば61よりも下。特殊な外装を含めれば70階層でも通用するだろう。
美の神の戦乙女。自由で、魂だけは異質で。それで居ても根本は善である。何者にも不可侵の矜恃、その背中は正しく英傑である。
本能のあるが儘に突っ込んで来ない初見のモンスターを真正面に置きながら、シグリーヴァは舌打ちを1つ。
強化種は確定。カタログスペックだけで見ても攻撃が通るかは未確定。
靱やかな体、尻尾、四肢、本来なら弱点に成りうる頭部、顔。その全てに動きを邪魔しない様に鱗や硬い外皮が覆ってしまっている。
斬撃△。やってみないと分からない。予想通りなら効果は薄いだろう。
刺突○。関節や目等、必要最低限の部分は露出している。露出する瞬間を狙ってフロッディーズを打ち込み杭にすれば動きを阻害することは出来るだろう。
殴打○。といっても内部破壊の一撃では無いと斬撃以下に成り下がり自身の拳を逆に傷付けるだけだろう。
魔石の破壊、頭部の欠損、四肢と尻尾の切断。確実な方法を探る為には、手を出すしかないか。
宙に浮かせる刃の煌めき。神が本気で鍛えた芸術の如き量産品。壁を殴る様な腹に響く音に加えて亜音速で射出された短剣達。
「様子見とは言えど加減は無しだ。」
両目、口、前腕の関節。抜け目無しの本気。逃げるであろう先に追加で数本弾き出してから、自らもグラム片手にソレを追う。
相手の全体像を瞳に頼らず俯瞰する。狙うは首筋、射出した短剣が効果を発揮したしてない関わらず隙にはなっているのは確かだろうから。
尻尾がしなる。咆哮の時にビタン、ビタンと地面を斬り裂いていた鋭利なソレをモンスターは腰をあげることにより頭の前まで振り下ろしが届く様になっていた。
狙われたのは頭部。今からグラムを引き戻すのも無理がある。反射的に【魔装】に魔力を注ぎ込む。引き上げるのは力、器用と敏捷。
スウェーの様に身体を逸らし捻ることにより尻尾を透かし、レベル7の力によって強引に首筋にグラムを叩き込む。
不意に肩口が裂ける。尻尾は完全に躱していたから衝撃が来ることも無く突然に。
血が吹き出す様な傷では無い。1文字に皮が裂けるように切れてじくじくとした痛みが走るだけである。
対するモンスターも同じような傷を首筋に追っていた。弾かれる事は無かったが異様に硬い外皮に無理やり刃を引いたからか、薄い一本線が刻まれているだけであった。
あー痛い。いや、耐性あるしアドレナリンとばどば出てるから厳密には痛くないんだけど。あの傷とこの傷は釣り合ってないだろどう考えても。
────フゥゥゥ!
空が唸る。そんな音と共に尻尾の先から鱗らしきモノが射出されること計二回。軽いステップで躱した1度目は頬に浅く傷を。2回目には大きく避けたが為にダメージはなかったが…。
目の前の持つモンスターの特性か、現状尻尾だけは大きめに躱さねばダメージを食らうことがほぼ確定した。裂けるような風、空間。何れかに干渉している筈である。
もっと攻撃力を上げる手段は幾らでもあるが…如何せん魔力を使うものばかりである。短期戦闘で勝てる程柔いモンスターでは無い。
原作を見届けたかったなんて雑念は既にシグリーヴァの中から消え去っていた。そんなことよりも『シグルド』を示す為に、ポーチにポーション達と共に入れていた丸薬を取り出せば包み紙ごと噛み砕く。
37層で30時間以上戦い続ける時だけ服用するモノ。例えるならエナドリとカロリーメイトと依存性の低い大麻を混ぜた様なソレ。
「『蒼天よ、堕ちろ。黄昏よ、来たれ。』【グラム】…往くぞ。」
グラムから噴き出すように付与された黄昏がシグリーヴァの身体に纏わり着く。『魔装』で強化するのは力、器用。
今までの攻防にて敏捷はそこまで必要無いと分かる。必要に応じて強化はすれど、グラムとの併用では先に此方が潰れかねない。
既に防御を貫通して来るのは分かっている。だからそこに回す魔力が勿体ない。
真面目に魔力切れのタイムリミットを計算に入れながら、それでも限界を超える時がまた来たのかと云う直感を持つ。
ゴライアスが討伐されても、コレを倒さねば神は死ぬ。主人公も死ぬ。リューも、ボールズも例外は無い。
レベル7になって初めての死闘が始まる。
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