胡蝶の夢ではありませんように   作:ルーム

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あーいーしーてーるーー。


よろしくね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ……、?」

 

 

 

 

ガタンッ

 

 

 

 

眩しい。

 

 

まだ光に慣れていない目を何度も閉じたり開いたりする。

 

少し慣れてきたようで、最後に一度瞼を深く閉じてからゆっくりと開いた。

 

 

ーーなんだ、朝日か。

 

 

眩しい光の正体に気付いたら、少しだけ抱いていた不安なんてどこかへ消え去っていった。

 

不安どころか、むしろ嬉しくてたまらない。また日の光を浴びることができたのだ。これ以上の喜びはきっとない。

 

 

ゆっくりと体を起こす。

 

 

 

「…」

 

 

 

上半身を上げたまま、しばらくぼーっと窓の外を眺める。

 

 

少しずつハッキリとしていく意識の中、部屋の外からバタバタとした足音が響いてきた。

 

 

そういえば、“ガタンッ”って音がさっき聞こえたような…。

 

誰か来てくれたのかな…。しのぶ様だったらいいな。

 

 

のんびりとそんな事を考えていると、部屋と襖が勢いよく開く。

 

 

 

「藤ノ宮さんッ!!」

 

 

綺麗な紫色の蝶の髪留めで夜会巻きにし、髪の先を紫に染まっているのが特徴的な少女。

 

私から見ても小柄で可愛らしい推しが、必死な顔をして私の名前を呼んだ。

 

 

……。

 

 

さっき、これ以上の喜びはないと言ったな?あれは嘘だ。

 

 

やはり、彼女に名前を呼んでもらえて、見つめてもらえる事が一番嬉しい。

 

 

 

「目を…覚ましたのですね。よかったっ…、本当に。どこか痛むところはありませんか?もしあるなら隠さないで。完全に…、は無理ですが……出来る限り私が治しますので。」

 

 

そう言って、私の片手を両手でギュッと握る彼女。

 

 

不安そうに心配そうに潤んだ瞳で私を見つめてくる。

 

 

……ああ、そんな可愛い顔で見つめないで。

 

 

尊過ぎてどうにかなってしまいそうです……。

 

 

すき……っ。

 

 

心配してくれているところ本当に申し訳ないけれど、推しが目の前にいて落ち着けない…。胸がドキドキと鼓動してどうにかなりそう…。

 

 

本当ならこの場で飛び跳ねてゴロンゴロンしたいくらいだが、それでは事が進まないので頑張って推しへの衝動を抑え込む。

 

 

 

「大丈夫です。あの…あなたは?」

 

 

 

一応は初対面。

 

 

知らない人に急に名前で呼ばれたら、気持ち悪いからね。きちんと初対面のふりをしなくては。

 

 

少し姿勢を正して、身体を彼女に向ける。

 

そんな私を見たしのぶ様は、握ってくれていた手を離して私と目を合わせてから名乗ってくれた。

 

 

 

「私は、…胡蝶しのぶ。」

 

 

 

……ああ、本当に…。

 

どうしよう。やっぱり泣いてしまいそう。

 

胸がキュッと切なく動く。思わず手を胸のあたりへ添えてしまう。

それでも彼女から目を離すことはなかった。

 

 

 

「胡蝶様ですね、覚えました。」

 

 

「しのぶ」

 

 

「え?」

 

 

 

どこか照れくさそうに、顔を逸しながらチラチラとこちらを見るしのぶ様。

 

 

 

「しのぶって呼んで。敬語も、使わなくていいから。年も近いし、…その。貴女と親しくなりたい…というか…。」

 

 

 

さらには髪まで弄り始め、目も思いっきり逸している。こころなしか、顔も赤い。

 

 

 

「いッ、嫌なら…べつに………。」

 

 

 

今度は落ち込んで、悲しそうに顔を伏せる。髪を弄っていた手も、力なく落ちて…。

 

 

 

ーーえ?可愛すぎない??

 

 

え??…夢?これは夢?夢なの??

目が覚めたらしのぶ様はいなくて一人で気持ち悪くニヤニヤしてしまうオチなの??泣くよ?そんなの。やっと会えたのに…、視線を合わせて、言葉を交わして、手と手を触れ合わせて…。いやだいやだ。夢で終わらないで…お願い。……お願い。

 

 

あまりにも幸せ過ぎて…嫌な想像をしてしまう。

 

溢れ出しそうになった涙を抑え込むために一度深く目を閉じた。

 

そして目を開けると、何故か彼女まで泣きそうな顔を浮かべていた。

 

 

 

「…どうして泣きそうな顔するの?…そ、そんなに嫌?」

 

 

若干泣きそうなしのぶ様。両手は空中でどうしようどうしようと動き回って忙しない。

 

 

「…ふふ。」

 

 

前世では見たこともない仕草に、不覚にも少し笑ってしまった。

 

そんな私を見て、遊ばれたと思ったのか少し拗ねたような顔でじーっと見つめてくる。

 

 

 

「……。どうして今度は笑うのよ…」

 

 

「貴女が可愛くて仕方ないから。」

 

 

「……は?」

 

 

「私のせいって事もあるだろうけど、どうしようって顔であわあわとするしのぶさんが愛おしいって思ったの。そうしたら…、いつの間にか笑ってた。」

 

 

「…なッ?!」

 

 

「ふふ、可愛い。真っ赤だよ。」

 

 

ほら、こんな恥ずかしい事もスラスラ言えてしまうくらい…貴女のことが愛おしくて仕方ない…。

 

 

やはり彼女の前だと、感情が溢れてしまう。

 

でも不思議と違和感とかはなくて、むしろよく馴染んだ。

 

 

真っ赤になって硬直してしまった彼女の頬に手を添えて、少しだけ顔を近づける。するとまた赤味が増して、まるで茹で上がったタコのようだった。

 

 

ーー可愛いなぁ…もう…。

 

 

 

「可愛いなぁ…もう。」

 

 

「…なに…言ってるのッ…てっ、ちかっ?!////」

 

 

あ、声に出てしまった。…仕方ない。あれもこれも全部しのぶさんのせいだ。この人が可愛過ぎるのがいけないんだ。

 

原作では見ることができなかった、本物(昔)の胡蝶しのぶ。好きになった彼女とは殆ど似ていないのに。

 

目の前で赤面して、困り果てる姿に胸がときめいて…。

 

 

 

「私も、しのぶさんと仲良くなりたい。」

 

 

「わっ、分かった。分かったから一旦離れ、っ?!」

 

 

 

もう少し動けば、お互いの唇が触れ合うくらい距離を縮める。

 

なぜ私に、こんなにも心を開いてくれているのかは…分からないけど、ちょうど良かった。

 

彼女を攻略するのに、少し手間が省けたのだ。

 

これ以上ないくらいに都合がいい。ふふ。

 

 

「これからよろしくね。しのぶさん。」

 

 

覚悟してね。しのぶさん。

 

絶対に、貴女を手に入れるから。

 

 

 

だから……。

 

 

この幸せが、胡蝶の夢ではありませんように。

 

 

 

ーー【胡蝶しのぶが恋に落ちるまで、もう少し。】

 

 




ふぅ……。

救済…、したいです!!でも無理ィッ(泣)上手く出来ないのです…。だからアンケート取ります。ちなみに全員救えのやつは投票数が10人以上だったらやりますわ(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)

  • 無一郎達と、煉獄さんを救え
  • 煉獄父と獪岳を改心させてあげて
  • 煉獄と無一郎、…出来れば悲鳴嶼もっ!
  • ぁ゛あ゛?(宇髄も)全員助けろやァッツ!
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