才能がほしい…。
「みんな、揃ったわねぇ?それじゃあ…いただきます♪」
「「いただきます(!!)。」」
カナエ様の言葉の後に私達も続き、なほ、みほ、しほが、一斉に食べ始める。実に見事な食べっぷりだ。あ、米飛んだ。
「こらっ。そんなに焦らないの。料理は逃げないわよ。」
「「ご、ごめんなさい。」」
「もう…。」
実はこの光景は珍しい。普段から礼儀正しい三人はいつも綺麗に食事をとる。
そんな娘たちがこんなにもはしゃいでいる理由は…。
「まぁまぁ、アオイ。今日くらいは見逃してあげましょう?緋和ちゃんの退院祝いなんだから。」
そう。私の退院祝い。
蝶屋敷にお世話になって一ヶ月が過ぎて、今日めでたく退院許可が出たのだ。
カナエ様がまだ一月の付き合いでしかない私を“身内”として受け入れてくれたようで、アオイと協力して張り切ってご馳走を作ってくれた。
「そうですよ、アオイ。こんなに豪華ですもの。姉さんとアオイが作ったご馳走を前にしては、仕方ありませんよ。」
「……しのぶ様たちがそう言うなら…。」
しのぶさんに褒められて、アオイが困ったように笑う。カナエ様はその様子を微笑ましそうに眺めている。
「……。」
いいなぁ…この光景。ずっと見ていたい。
胡蝶姉妹と蝶屋敷が大好きな人ならわかってくれるはず。
だって、本当なら失っていただろうこの暖かな光景を守り切れたんだよ?眺めているだけで満足してしまうのも仕方ないと思う。
ああ…、転生出来てよかった。
どんなに大変な目にあっても、救うことが出来たのだから。
原作では壊されてしまった…優しいこの時間を、これからも守っていきたい。
「緋和、箸が止まっていますよ?貴女の退院祝いなのに、主役がぼーっとしていたら話になりません。」
「あ、ごめん。」
傍から見ると、蚊帳の外のようになっている私に気付いたしのぶさんが声を掛けてきた。
優しいなぁ…しのぶさんは。好きです。付き合ってください。好きです好きです好きです。ああ、好きが溢れて止まらない。もういっそのこと夜這いでもしてやろうかな。身体の関係から始まる恋もあるって聞いたことあるし。
「緋和?また良からぬことを考えていませんか?」
「いや、そんなことないよ。」
おっと、危ない。また妄想してる事がバレて引かれるところだった。
前に一度バレてしまい…しばらく距離を置かれた事がある。3日もしのぶさんに会えなくて、泣いて土下座して最後にはしのぶさんの足元にしがみついたら嫌な顔をされたけどなんとか許してもらえた。
あの失敗はもう二度と冒せない。気をつけないと。
気を取り直して、目の前の料理に目をやる。そこであることに気付く。和食が並ぶテーブルに、一つだけ種類の違う料理を見つけた。
黄色い卵に包まれたご飯料理。たまごは半熟に仕上がっており、柔らかく温かい。そしてとても綺麗にご飯を上から覆っていた。
あれ?…これ……。
スッ…と箸で一口食べてみる。半熟のたまごが柔らかく口の中で広がり、小さく噛み砕いたご飯とともに飲み込んだあとも…優しい味が残った。
オムライスだ…。
パクパクっと気持ち早めに箸が進む。本当に美味しい。好物だからでもあるけれど、それだけではなくて…。
綺麗な出来上がり。優しくて丁寧な味。食べるたびに心が暖かくなる気がする。
まぁとにかく…、それだけ今まで食べてきた料理の中でも一番美味しかったということだ。
ぱく。ぱく。ぱく。
「あっ、やっと気づいたの。それ」
年少組と同じくらい料理に夢中になっている私に、気付いたらしいアオイが話しかけてきた。
やっぱりアオイが作ってくれたのだろうか?
「…アオイが作ってくれたの?」
「いいえ。ちがうわ。」
「え?じゃあ誰が…。………まさか」
私がオムライス好きなのを知っているのはアオイとしのぶさんだけだ。
カナエ様のとは話す機会が少なくて、食の好みについて話したことはないので私がオムライス好きなのは知らないはず。
なら消去法で、一人しか心当たりが浮かばなかった。
どうしよう。さっきより胸が温かい…。
向き合うように座っていた彼女を見つめる。その頬はどこか赤みを帯びていて、視線は横へと逸らされていた。
少ししてその魅力的な声が恥ずかしそうに響く。
「お、オムライス。好きだったでしょう?退院祝いだし…作り方もそんなに難しくはなかったから…。」
普段のしのぶさんは、敬語が基準だ。でもそんな彼女も、私の前では素に戻ってくれる。最初は敬語で話そうとしていた彼女を全力で阻止したおかげである。
……まぁ、色々あったのだ。
「…な、なによ。なにか言いなさいよ。」
眉間にシワをつくって一向にこちらを見ようとしないしのぶさん。
ああもうああもうっ。なんなの可愛すぎ。いくら料理が得意だからって西洋の料理ははじめてだったでしょうに…。
よく見れば彼女の指先が少し荒れている。
火傷の痕だ。
「すごく、すごく美味しい!…ほんとうに…。特に半熟の具合がとても私好みだよ。きれいに焼くの、苦労したでしょ?ありがとうしのぶさん。本当に美味しい…。」
「……良かった…。」
どこか緊張していた表情が緩やかにほぐれた。心底安心したのか、ほっ…と息をついている。そんな彼女は本当に可愛いけれど、箸を持つ手を見るたびに胸が痛い…。
ごめんね。痛かったよね。
この時代に高性能なフライパンなんてもちろんない。
私がオムライスを食べたいがために作ったフライパンもどきならあるけれど、あれは未完成だ。
きっとしのぶさんはソレを使ったのだろう。
あのフライパンに安全性なんてまるでないし、よほど慣れていない限り火傷は避けられない。
……彼女が知らないはずないのに…。私のために。
「良かったわねしのぶ。すごく頑張ってたものね。失敗するたびに落ち込むしのぶを慰めるの大変だったわぁ。」
「なっ?!もうっ、姉さん!その話はしない約束でしょ!」
「あらぁ、別に恥ずかしい事じゃないでしょう?緋和はこんなに喜んでいるし、大成功じゃない。」
「べ、別に頑張ってなんてないわよ!簡単だったし!!余裕だった!」
「焦がしてたのに?」
「もうーっ、姉さんっっ!!!」
「ふふふ。」
胡蝶姉妹の二人が楽しそうに?会話をしている。しのぶさんの口調は見事に崩れていた。
なのに二人が会話する中、卵を焦がした話は出るのに怪我をした事は全く出ない。
カナエ様も意地悪な事をしているけど、なんだかんだ言ってしのぶさんの気持ちを考えて発言しているのだろう。
この場に怪我をした話は似合わない、と。しのぶさんもカナエ様もあまり心配してほしくないのだと思う。
二人がそう望むなら私もそれに従うまでだ。
気持ちを落ち着かせるために一度深く息を吸った。そしてゆっくりと吐いて呼吸を正常な状態に戻した後に周りを見渡す。
なほ、すみ、きよ。の3人は楽しそうに雑談している。
アオイはカナエ様としのぶさんのやり取りを呆れた顔で眺めながら食事をしていた。
「話さないでって約束したとき「もちろんよ♪」って返事してたじゃない!!なのになんで言うのよ!!」
「カナヲ〜、しのぶ姉さんはかわいいわねぇ〜。ふふ。」
「どうしてそうなるの?!話聞いてる??!」
のほほーんと穏やかなカナエ様とそんな姉にキャンキャンと吠える妹のしのぶさん。
そんな二人に挟まれて戸惑うカナヲちゃん。目が回りそうな顔をしていた。…でも少し嬉しそうなほわほわとした雰囲気をしている。
とても騒がしく、楽しいこの空間が私は大好きだ。
蝶屋敷ではありふれた、普通の光景。
必ず守ると心にひっそりと誓いをたてて、怒りに怒る彼女を見つめながら、置いていた箸にゆっくりと手を伸ばした。
下手くそですみません。
しのぶ様の性格が崩壊してるかも。
救済…、したいです!!でも無理ィッ(泣)上手く出来ないのです…。だからアンケート取ります。ちなみに全員救えのやつは投票数が10人以上だったらやりますわ(◡ ω ◡)
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無一郎達と、煉獄さんを救え
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煉獄父と獪岳を改心させてあげて
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煉獄と無一郎、…出来れば悲鳴嶼もっ!
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ぁ゛あ゛?(宇髄も)全員助けろやァッツ!