次回は3話の前にエントリーしたライダーの紹介を挟んでいこうと思います。
因みにハウドゥのマスクデザインはロポの白バージョンというイメージです。
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頭領ジャマトの片割れが振り下ろした斧がサンドの背中を大きく抉り、サンドはバックルが外れて変身が解除されてしまう。
「渡辺さん!」
柳斗はハウドゥ・ブーストフォームに変身して頭領ジャマトの片割れ(1)を殴り、応戦する。
「くそ…お前らあああ!!」
迫ってきた取り巻きに苦戦しながらもサンドを救出しようと戦うハウドゥ。
そこに頭領の位置を掴んだゴリとピッグ、ジェリー、イーグラップが現れて頭領2体と戦い始める。
「何してんの!早く由奈を連れて下がりなさい!」
ジェリーは落ちていたハンマーバックルを拾い、アームドハンマーを追加。
ジェリー達が時間を稼いでいる間にハウドゥは変身が解除された由奈と共に戦場を離れた。
ーーーーー
伶が隠れていた校舎裏で、変身を解いた柳斗は傷だらけの由奈を降ろす。
「由奈!由奈ぁ!!」
「…うるっさいなぁ…そんな叫ばなくても…聞こえてるって…」
伶の呼び掛けに返事をする由奈だったが、その体には赤いノイズが走り、ドライバーに装着されていたサンドのIDコアに無数の罅が入っていた。
「あーあ…ここでサヨナラか」
IDコアが罅割れていたことから、自分の末路を察して笑う由奈。
「何だよ…サヨナラってどういうことだよ!?」
「そのまんまの意味だよ…このゲームで負けて、私はここで退場って…」
抱き寄せる伶の手を握り返す由奈だが、その手もだんだん消滅していた。
「そんな………ごめん、僕がこれを渡していれば…」
柳斗は自分が持っていたブーストバックルを出すが、由奈は首を振る。
「…バカ…言わないで…そんな強そうなのまで渡してたら、あんたが死んでるわよ…」
「藤木も…叶えたい願いがあるんでしょ?」
由奈の言葉に顔を上げる柳斗。
「私は…伶の脚を治したかった…それって、私にとっては…命だって賭けていい…それくらいの、願い…だったから…」
体に走るノイズがより酷くなり、時間もそう長くは残されていないのだろう。
それでも、由奈は言葉を繋ぐ。
「あんたも大事な人のために戦うなら…その願い、絶対に叶えなさいよ…!」
由奈からの最後のメッセージに頷き、柳斗は戦場へと走っていく。
「ごめんね、伶…相談もせず」
二人だけになり、由奈は伶に話しかける。
「本当だよ…こんな無茶しなくても、俺はお前がいればよかったんだ…!」
手がほぼ消滅し、それでも消えないようにと伶は由奈を強く抱き締める。
「お前が誉めてくれたから、俺はサッカーを頑張れたんだ……お前が笑ってくれたから、怪我したってこうしてサッカーから逃げなかったんだ!」
「なのにどうしてだよ………どうしてお前が死ななきゃいけないんだよ!」
その言葉を聞き、由奈は残った左手で伶の波を拭う。
「でも…私はきっと、何度でもこの道を選んだ…伶が笑顔でいること…それが私の、理想のせ…か…」
そう言い残すと由奈の手は地面に落ち…
《MISSION FAILED》
ミッション失敗の無情な音声と共に渡辺由奈はこの世界から消滅した。
残り…12人
ーーーーー
2体の頭領ジャマトと戦うイーグラップ達。
そこに現れた柳斗は、由奈が遺したアローバックルを拾う。
「………やるしか、ないんだ」
命を懸けて戦った由奈のためにも…
そして、自身の願いのためにも負けられない。
「世界を変えるためには…戦うしかないだろ」
《SET》
自身に言い聞かせるとアローバックルをドライバーに装填し、柳斗は両手を獣のような形にしながら手前に突き出してクロス。
その状態から胸の前でクロスし、左手を顔の右側に添えて右手をまるで虚空を引っ掻くように左下に振り下ろし叫ぶ。
「変身っ!!」
《ARMED ARROW》
ハウドゥ・エントリーフォームに変身するとすぐさまアーマーとレイズアローが出現。
《Ready Fight》
『仮面ライダーハウドゥ・アームドアロー』に変身し、柳斗は戦場に舞い戻った!
「おおりゃああああ!」
頭領ジャマト(1)の背後に矢が撃ち込まれ、イーグラップはハウドゥに振り向く。
「あいつか…」
イーグラップはホルダーに差していたマグナムバックルを外すと、左スロットに装填。
《SET》
イーグラップはマグナムバックルのリボルバーを一発分回転させ、トリガーを引く。
すると銃声が鳴り、イーグラップの下半身に白い装甲が追加される。
《DUAL ON》
《MAGNUM!ARMED SHIELD》
上半身は変わらないものの、下半身にマグナムバックルの力を宿したアーマーを装着した形態『アームドシールド・マグナムフォーム』へと変身したイーグラップは頭領ジャマト(2)へと攻撃をする。
ーーーーー
「せやあああ!」
ジェリーのハンマーとピッグのチェーンアレイが頭領ジャマト(1)を襲い、さらにハウドゥの矢が飛ぶ。
しかし頭領ジャマトは3人を蹴散らし、ジェリーとピッグは吹き飛ばされる。
「まだだあ!!」
ハウドゥはブーストバックルを左スロットに装填し、ハンドルを回す。
《DUAL ON》
《BOOST!ARMED ARROW》
アームドアロー・ブーストフォームに変身したハウドゥは足のブースターで蹴りを加速させ頭領ジャマト(1)を蹴る。
「ハウドゥ!こいつらを倒せばミッション達成だ!」
イーグラップはデザイアドライバーの上部スイッチを押すと、ドライバーのロックが外れる。
ハウドゥも同じ動作を行い、ドライバーを180度回転させる。
《REVOLVE ON》
すると二人の体が宙に浮き、ベルトを軸に回転。
上半身と下半身の装甲が体ごと入れ換わりハウドゥは上半身がブースト、下半身がアローに。
イーグラップは上半身がマグナム、下半身がシールドに変化する。
「こんなギミックもあったのか…!」
驚くハウドゥだったが、頭領ジャマト(1)がハウドゥを襲撃し、咄嗟に応戦。
イーグラップはホルダーに収まっていた大型ハンドガン『マグナムシューター40X』を引き抜くと、マグナムシューターと腕の装甲に仕込まれた武器『アーマードガン』を使って頭領ジャマト(2)と戦闘を再会する。
「くらえ!」
ハウドゥが放つ矢はブーストバックルの影響か先程までよりも威力が増大しており、怯んだ隙を見てハウドゥは加速したパンチで頭領ジャマト(1)の斧を破壊。
「ふん」
イーグラップはレイズシールドをブーメランのように投げ、縦横無尽に動くシールドにマグナムシューターの弾丸を撃って跳弾させ、四方八方から弾丸を浴びせる。
「おい!見てないで加勢しろ!」
イーグラップは状況を見ていたピッグと合流してきたキャンメル、ハツカネに叫ぶ。
「お、おう!」
「わかりました!」
《ARROW STRIKE》
キャンメル・アームドアローはエネルギーを貯めた矢を頭領ジャマト(2)に放つ。
《PROPELLER STRIKE》
ハツカネ・アームドプロペラは武器のプロペラを高速回転させながら頭領ジャマト(2)を何度も斬りつけていく。
「フィニッシュ、貰った!」
イーグラップはシールドバックルを押すとすかさずマグナムバックルのリボルバーを回転させ、トリガーを引く。
《MAGNUM SHIELD VICTORY》
頭領ジャマト(2)の周囲に10枚のシールドが現れ、それらが一斉に頭領ジャマト(2)の体に突き刺さる。
ボロボロになったジャマトに対し、イーグラップはマグナムシューターを突き付け…
「俺の勝ちだ」
マシンガンのように降り注ぐ弾丸に、頭領ジャマト(2)はついに爆発した。
ーーーーー
「デアアアア!」
ゴリの振るうゾンビブレイカーとジェリーのレイズハンマーが頭領ジャマト(1)の体に傷をつけ、ハウドゥは肘から炎を噴き出しながらラッシュをくらわせる。
《TACTICAL BREAK》
《HAMMER STRIKE》
ゾンビブレイカーが高速回転し、頭領ジャマトの肉を削るとレイズハンマーがジャマトの膝を破壊。
「これで終わらせる!」
ハウドゥはアローバックルを操作すると、すかさずブーストバックルのハンドルを二度回した。
《BOOST TIME!》
待機音声が鳴り、もう一度ハンドルを捻る。
《BOOST ARROW GRAND VICTORY》
弓を引き絞るように右拳を引き、ハウドゥは一気に振り抜く。
「フウゥゥ…オオオラアアアアアアア!!!」
爆音と共に振り抜かれた炎の拳は頭領ジャマトの頭を砕き、2体の頭領ジャマトはついに消滅した。
ーーーーー
「皆さん、お疲れ様です!頭領ジャマトが2体とも倒されたので、ミッション終了となります!」
生き残った12人がグラウンドに集まると、ツムリが歩いてくる。
「そうか…終わったんだ…」
すると、ハウドゥのドライバーについていたブーストバックルが突然炎を上げて飛び出していった。
「え、ええ…?」
「メッセージに送っておりますが、ブーストバックルは強力な力を秘めており、1つのゲームにつき一度しか使えない仕様となっております」
ツムリの言葉に納得した柳斗だったが、視界には項垂れる伶の姿が映る。
「…ご安心ください。ジャマーエリアが解除されれば、人々の記憶からジャマトの脅威は消え、犠牲になった人々も蘇ります」
「そう…ですか。なら、芦川君もミズキさんも…」
ジャマトの脅威が消えて、彼らはいつも通りの日常に戻れるということだ。
「なら…由奈も、帰ってくるんだよな?」
伶の言葉に柳斗達は何も言わず、ライダー達はデザイア神殿に戻るのだった…
ーーーーー
一旦デザイアグランプリは終了となり、二回戦が始まるときに改めて連絡がくるという話になってライダー達は日常に戻る。
そんな中で柳斗は夕暮れの街中を歩き、とある場所を目指していた。
「あ…柳斗さん、学校帰りですか?」
バイト先の『喫茶リコリコ』に着いた柳斗に話しかけてきたのは青い和服を着て黒髪をツインテールにした少女、『井ノ上たきな』。
このリコリコの誇る二大看板娘の一人である。
「井ノ上さん…まあ、そうだね」
なるべくバレないように振る舞おうとしたが、僅かな声の震えを彼女は見逃さなかった。
「…もしかして、学校で何かありました?」
「………ああ。少し…な」
普段は見たことのないような柳斗の様子にたきなは不安を隠せなかった。
だが、柳斗は本当のこと…デザイアグランプリのことをたきな達部外者に話せば、その時点で脱落となる。
だからこそ、自分のなかに渦巻いている感情をたきなにぶつけるわけにはいかなかった。
「………わかりました。それと、店長から伝言です。今日は急な仕事があるので、バイトはお休みにして欲しいとのことです」
「そっか…わかった」
よく見るとお店の札も『close』になっており、お客さんもいないとわかる。
柳斗はそのまま帰ろうとするが…
「あー!!ちょいちょいちょいちょい!柳斗君ストーップ!」
すると、扉が勢いよく開き一人の少女が現れる。
「千束…?」
美しい金髪寄りの白髪、その左サイドにチャームポイントである赤いリボンを着けた、喫茶リコリコもう一人の看板娘『錦木千束』が顔を見せてきた。
「用事までもう少し時間あるし…コーヒー入れたから、飲んでいかない?」
ーーーーー
千束と自分しかいない喫茶リコリコでコーヒーとみたらし団子を受けとる柳斗。
「今日のコーヒー、私が入れてみたんだよ~!ねえねえ、感想聞かせて?」
「う、うん…」
千束が子犬のように近づいて話しかけてきて、笑顔になる柳斗。
コーヒーに口をつけ、柳斗は思わず口に出る。
「…美味しい」
「え!本当!?いやったあ!!」
嬉しさのあまり軽くジャンプする千束に、あの戦いで溢れた感情が流れていくような感覚を覚える。
そのまま団子に手を伸ばして食べる柳斗だったが…
『…ねえ、藤木って変わった趣味してんね』
「でもまだまだ、もっと美味しいコーヒーを………って、どうしたの柳斗君!?」
「え………?」
千束が慌てた声になり、柳斗が顔を上げると…
柳斗の目から涙が溢れていた。
「え?あれ……?な、何で………?」
無事に帰ってこれた安堵からだったのか、それとも友達を助けられなかった後悔からだったのか。
千束の前であるにも拘わらず、涙が溢れて止まらなかった。
「っ………何か、あったの?」
千束の問いに柳斗は答える。
「………ごめん。詳しくは言えない…何があっても話せないんだ…でも」
一度言葉を切る柳斗。
「助けられなくて…自分を優先して躊躇って…そんな俺がどうして生きてるんだろうって…」
コーヒーカップを置いてポツポツと語る。
「ごめん…キチンと言えなくて…」
「…ううん。それは、私も同じだから…無理に言わなくてもいいよ」
自分より普段は大きく、お店の中では頼りになる柳斗
だが、そんな彼の背中が今日は悲しいほど小さく見えてしまった。
「言えなくてもいい…だからさ」
千束は柳斗を抱き寄せ、その頭を優しく撫でる。
「先生もたきなもいない今なら…好きなだけ泣いてていいんだよ」
夕暮れのリコリコで、二人の影が1つに重なるのだった…
ーーーーー
リコリコの外で学生服に着替え終えたたきなが立っており、店のなかでの声を聞いていた。
(………千束)
たきなと千束だけでない。
『喫茶リコリコ』の従業員は柳斗以外に『裏の顔』があり、それは決して誰かに明かしていいものではなかった。
すると、リコリコにお客さんらしき人物が立ち寄る。
「すいません、今日はもう閉店で…」
「あ、そうなんだ」
たきなが呼び止めると、呼び止められた少年…天羽青華は足を止めた。
「まだ営業時間だと思ったんだけど………じゃあ、明日はやってる?」
「はい…明日は大丈夫です」
それが聞けて満足したのか、青華は踵を返す。
「じゃ、明日また来るよ。噂で聞いてたけど、コーヒーが美味しいんだってね」
そう言って帰っていく青華の後ろ姿に、たきなは何やら不穏なものを感じた。
「あの人…どこかで?」
DGPルール
ゲーム中ジャマトによって命を奪われれば、仮面ライダーは現実世界から退場となる。
十分にご注意ください
次回、愛情のハウンド!
「ねえ、うちで働かない!?」
千束と柳斗の出会いとは?
「こないだはありがとうね、お陰で元気でたよ」
「なあ、柳斗は千束のこと、どう思ってるんだ?」
何気ない日常のなか…
「…もうかよ」
それは崩れようとしていた…
第3話 開花Ⅲ ゲームの後で