ここからいよいよエヒトルジュエとの戦いが佳境に入ります。そして光輝に異変が…
神域の空間内にて
カズマ「!!」
時間をかけたものの準備を終え
神域に足を踏み入れたカズマ一行だったが
アクア「カズマ!今のって」
カズマ「……あぁ…最悪の事態到来だ(こうなる事態を避けるために飛雷神付きのクナイを渡したんだが、壊れたのか。マーキングの反応が出ねえ…)。急ぐぞみんな!」
神域の最奥から伝わる異変に、焦りを見せつつもカズマ達
雫「あ…れ…?」
何も存在しない空間の中で、雫は目を覚ました
先程までエヒトルジュエと戦っていたはずなのにも関わらず、まわりには誰も存在せず、戦いの跡も残っていなかった
雫「…なんで…?…どういうこと…?……私…戦ってたんじゃ…」
戸惑いの中、先程までのことを思い出そうとした
雫「…え?」
が、自分の手についていた血を見て驚く
それだけでなく、胸には貫かれた跡が…
そして足元に垂れている大量の赤黒い血の跡
極めつけは血溜まりに浮かんだ姿を見て理解した
──ああ…そっか…
私 死んだんだ
血溜まりに浮かぶもの 杭に体中を貫かれ 血まみれとなって力尽きた八重樫雫を見て、自分の結末を知ったのだった
ピキッ
雫「……」
ピタッ ピタッ
少女に刺さった杭から垂れる赤い血
シア「あっ…ぁぁ…」
ティオ「そ…んな」
ユエ「嘘…」
ハジメ「クソが!」
香織「ヒッ…し…ずく…ちゃ……!」
身動きが一切取れない一同は
唯一エヒトルジュエに挑んだ仲間だった少女の最後に強いショックを受けていた
特に親友だった香織はその最後に涙を流しながら悲痛の声を上げる
呆気なかった
実に呆気なかった
血を流しながらもエヒトルジュエに果敢に挑み、どれだけ力の差を見せつけられようと絶望せず、最後の最後まで立ち向かった
だがそれでも、神を自称するこの男には勝てなかった
エヒト「フン…何が守ることができるだ…時間稼ぎにもならん。自ら自分の死を早めただけに過ぎん行為を進んで行うとは、所詮は下等種か…何がしたのかわからんな」
自身に刃を向け立ち向かって来た少女の亡骸を前に、エヒトルジュエは悪態をつく
エヒト「貴様の様な弱者に不意討ちとはいえ傷つけられたなどと、我が神生において恥でしかない……触れることすら無礼だと知れ」
そのエヒトルジュエの言葉に、雫が応えることはなかった
万象天引で引き寄せてからの杭刺し
たったそれだけで、これまで攻略者パーティとして戦ってきた少女は呆気なく散ったのだった
光輝「……」
エヒト「ん〜?」
そんなエヒトルジュエの目に惹かれたのは、戦っていた雫に逃げるよう諭したり避けるよう言っていたがその雫の最後を見たことで一切の声を荒らげなくなり、それまで動けないながらも身体から力を発していたが今ではそれも無くなり消沈した
破壊の力をその身に宿した少年の姿だった
エヒト「くくっ…やはりか…あの吸血姫の記憶通りだったな……貴様はあの小娘に対し、並々ならぬ執着心を抱いているのだったな…」
ピキッ
そんな光輝の姿を可笑しそうに笑うエヒトルジュエ
それまでどれだけ痛めつけようと折れることのなかった光輝の心を折ることの出来た事に、大きな喜びを抱いたのだ
だが、まだ心は壊れていない
絶望の末に人が壊れる瞬間 それこそエヒトルジュエが最も強く喜びと愉悦感を抱く時
エヒト「なぜあの様な小娘に執着するのかわからんが…実にくだらん。あぁ…そうだったな…そう言えば貴様にも居たな…インドラ?お前の器同様…貴様にも強い執着を抱いていた小娘が居たんだったな…?」
光輝「……」
エヒト「あの小娘……どうなったか…」
ハジメ「?(なんだ…?今…一瞬空間が揺れ動いた気が…)」
エヒトルジュエはこの時点で己の勝利を確信しており、こうなれば敢えて光輝を器候補として扱わずとことん心を壊し、そのうえで殺してしまおうと考えた
壊したあと 残ったハジメを器として利用しようと思い、壊れた瞬間の光輝を想像し笑みを浮かべた
既に壊れかけている光輝だけでなく、その心の奥にいるであろうインドラに語りかけるかのように言うのだった
どこまでも性根の腐った邪神
誰もがそう思った
エヒト「ああ、思い出した!!アレはたしか」
──はぁ はぁ はぁ
雫の最後をその目に焼き付けた瞬間
目の前が真っ暗になったかの様な感覚を味わった
それだけでなく
光輝の心に様々な感情が駆け巡った
これだけの感情が一度に心を埋め尽くす経験はこれまで一度たりともなかった
──あぁ 抑えきれねえ
──怒りが 憎しみが 殺意が 喪失が
限界に達していた
既に心は暗闇に沈みかけていた
そしてフラッシュバックする雫との数年の思い出
初めて出会った日
笑って自分の夢を語った時
いじめられ助け その末の兄弟喧嘩に涙を流す姿
どれだけ拒絶しようと駆け寄り関わろうとする姿
オルクス大迷宮で魔物に殺されかけたのを助けた時
幻術をかけられようとも諦めなかった姿
海底遺跡での戦いや互いの心の内を話した時
ハイリヒ王国にてノイントの攻撃から守った時
樹海での入れ替わり騒動や互いの好意が反転した時
全ての神代魔法を集め終えた末 酷いことを言ってしまった時
再開したあと 一度たりとも声をかけることはなく ただ時よりその後ろ姿を見ていた時
そして 笑顔を浮かべ光輝を守ろうと立ち向かった末に散った姿を
──もう いい
エヒトルジュエは告げた
───死んだんだったな? この娘同様
自ら滅びへと向かうその一言を
その瞬間
──もう
──ナニモカモホロボシテヤル
全てを滅ぼす概念が解き放たれた
ピキッ
エヒト「ん?」
そこで初めてエヒトルジュエは気が付く
神域の空間に異変が訪れている事を
エヒト「(なんだ?…神域が…揺れている?一体何にだ?いつからだ?)」
神域の主であるエヒトルジュエが把握できないほどの揺れが、異常が神域に響く
ピキッ ピキッ ピキッ ピキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキッッッ
それは徐々に強まり、ついには神域内のあちこちにヒビが入り出した
エヒト「な!?」
この異常事態に、エヒトルジュエは謎の焦燥感を抱く
シア「な、なにが起きているんですか……!」
ティオ「神域が…なにか…より大きな力の反動に耐えきれず、ヒビが入っているのじゃ…」
予期せぬ事態に動揺する攻略者パーティ一同
エヒト「なんなのだ…これは、……!?」
エヒトルジュエはそこで今起きている異常事態の元凶に心当たりがあったのか、その元凶に目を向けたが
エヒト「なっ!?何処だ!?」
先程までそこに存在していた元凶は消えており、あとに残っていたのは血の跡だけだった
ハジメ「!」
香織「皆!上見て!!」
ユエ/シア/ティオ「「「!?」」」
だが、その元凶の所在に最初に気づいたハジメ、続けて香織、ユエ、シア、ティオもその存在に気がつく
エヒト「!」
香織の声にエヒトルジュエもついその方向へ顔を向ける
そこには
光輝「……」
宙に浮く光輝の姿があった
身体に打ち込まれていたはずの杭はどこにもなくなっており、刺し傷すら塞がっていた
ユエ「こ、うき…?」
ティオ「なんじゃ?…様子が…」
エヒト「……これは…貴様が起こしたのか…インドラの器よ(この男……本当に先程まで我に瀕死に追い込まれ心を壊される寸前にまで疲弊していた男か?)」
違和感 自身が追い込んだはずの男に言いようのない違和感を抱くエヒトルジュエだったが
エヒト「否、この際それはどうでもよいか…貴様の運命はこの我、エヒト神が死罪を下したのだ(殺す この男は今ここで殺さねばなにか 取り返しのつかないなにかが来る!!)。大人しく消えされ!!」
そう言いながらエヒトルジュエは掌から極太の魔力砲を放つ
これまで一度たりともなかった放ったことのなかったソレは、触れるものすべて消し去る威力があるのは見たとれた
ハジメ「アイツ!まだあんな力隠してやがったのか!!」
香織「いけない!光輝君!」
まともにくらえば消失しかねないエネルギーの塊
それが光輝に放たれ焦る一同だったが
光輝「……」
それを避けもせず、防ぐこともせずに受けた
神域に今 強大な魔力の圧が空間を包みこんだ
我こそが神域の主であることを示すかのように
エヒト「はぁ…はぁ…我としたことが…少し焦ったか……まあよい……あやつは結局絶望し心が壊れることなく、器として完成することもなく消えさったか…やはり自我とは…心とは思い通りにはいかぬものよな…今後の教訓とさせてもらおう…さて…残ったほうは果たして我の器となってくれようか?」
光輝を消し去ったと確信し、次はハジメを追い込み転生眼を開眼させ器として完成させようと目論みハジメ達の方へ足を向けた
ゾクッ
エヒト「!?」
ハジメ/ユエ「「!?」」
シア/香織/ティオ「「「!?」」」
その瞬間 神域にいる者全ての心臓をナニかに掴まれたかのような感覚を覚えた
攻略者パーティ エヒトルジュエはこの様な感覚を過去1度たりとも味わったことはなかった
特に自身の力は絶対的なものだと過信していたエヒトルジュエは己が錯覚とはいえ心臓を掴まれた感覚を味わったことに言いようのない恐怖を覚えた
エヒト「まさか…!」
エヒトルジュエが放った魔力砲の跡には
強大な黒炎の渦が出来ており、それが魔力砲を防いでいた
ハジメ「アレは…」
ユエ「アマ…テラ…ス…?」
ティオ「あれだけの質量全てを燃やし尽くしたじゃと!?」
エヒトルジュエ「なっ!?」
黒炎の渦は周囲に存在する物を飲み込みながらも徐々にその勢いは弱まっていき
やがて 黒炎を操る者の姿を見せた
黒炎で出来た衣をその身にまとい
圧倒的なまでの存在感を神域内に刻み込み
それは この場には居ない神域内に入ったばかりのカズマ達だけでなく 地上にまで伝わる程の強大な力
神であるはずのエヒトルジュエが驚愕する圧を放つ存在
その者──光輝は佇んでいた
ただし、その容姿は先程までとは異なっていた
魔物肉を喰らいその毒素により痛みと共に抜け落ちた色素は白かったが、今彼の髪色は魔物肉を食べる前の色に戻っており、身体にあった全ての傷は消え失せていた
なによりの変化は彼の瞳にあった
彼の万華鏡写輪眼の模様がまるで六芒星にした時に使える左眼の瞳術『天照』と右眼の瞳術『加具土命』
左眼の万華鏡写輪眼の模様がまるで三枚刃の手裏剣の模様に変化させることで左眼の瞳術『月読』が使えた
使いたい瞳術を使おうとするたび、いちいち瞳の模様を切り替えなければならなかった
だが、今その彼の右眼の万華鏡写輪眼の模様は六芒星の中に三枚刃の手裏剣となっており、まるで二つが一つになったかのようだった
そして エヒトルジュエによって潰された左眼はというと、何事もなかったかのように再生しており、その瞳にも大きな変化がもたらされていた
その瞳はまるで水に物を落とした際に発生する波紋状の模様が浮かび、薄い紫色をしている
一見すればエヒトルジュエの輪廻眼の様なものだったが大きな違いが一点だけあった
それは、彼の瞳には写輪眼の巴模様も刻まれていた
片や他人から奪った眼
片や自ら開眼させてみせた眼
同じように見えても得た経緯は全くの別物
当然 奪った眼では本来の力を発揮できないとはいえエヒトルジュエの両眼の輪廻眼と転生眼は紛れもなく世界を揺るがしかねない力を持っていた
だがそれでも
雫と同様に死んだだと?
エヒトルジュエ如きでは太刀打ち出来ない圧倒的なまでの力が…眼がそこにはあった
香織「すご…い…」
シア「本当に…アレが…光輝さん…でしょうか…?」
ティオ「あぁ…まるで別物…いや、別格と言うべきじゃろう」
ユエ「でも…アレが…あの瞳が…」
なにせ 彼が…天之河光輝が開眼してみせたその瞳こそが 正真正銘 究極の眼
ハジメ「そうだ…あれが…全てを滅ぼし 全てを破壊する眼」
破壊の力 輪廻眼をもとに誕生した者 インドラ
そのインドラの魂をその身に宿し 己の魂と完全に一つとなった人間
光輝『 』
その命を奪ったのは貴様らだろう
今 世界を破壊する力は目覚めたのだった
もう75話を超えたのでここからは攻略者パーティーメンバーの人気投票のアンケートを取ります。正直出番の少ない恵里がかなり人気なのが驚きでした。そして光輝と雫の人気具合が想像以上でしたww正直作者の中ではもう光輝がハジメを抜いて主人公なのではとすら思いかけてますwww
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誰よりも夢に突き進むリーダー カズマ
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友達と優しさを持つ主人公 ハジメ
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闇と孤独を抱えた主人公 光輝
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ハジメを愛し光輝を想う優しき吸血鬼 ユエ
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ハジメを愛するバグ兎 シア
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ハジメを愛する突撃娘 香織
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光輝をただ一途に愛する剣姫 雫
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ウィルを愛するドM竜人族 ティオ
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カズマを支える最強の女神(嫁) アクア
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カズマを支える最強の杖(嫁) めぐみん
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カズマを支える最強の盾(嫁) ダクネス