創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第八十八話 全てを破壊する眼

 

神域を包み込む黒い魔力の圧

それを肌で感じた一同は思わず唾を飲み込む

 

ティオ「な、なんという禍々しい魔力!!アレが…たった一人の人間が放つものじゃと!?」

 

シア「こ、これが…覚醒した光輝さん本来の力…凄い…」

 

全てを破壊する眼 輪廻眼を開眼して見せた光輝

このタイミングで覚醒するとは思っていなかった一同に緊張が走る

 

だが

 

エヒト「フ、フフッ…フハハハハハハハハハハ!!!」

 

唯一エヒトルジュエのみは高らかに笑っていた

 

エヒト「遂にだ!遂に完成したか!!この時をどれほど待ちわびたか、!とうとう我の器として覚醒したか!!」

 

輪廻眼の開眼 即ち光輝とインドラの魂が一つとなりエヒトルジュエが長年欲していた器が完成したことを意味する

 

エヒトルジュエの目は歓喜に満ちており、長年待ち望んだものが手に入る目前に来ていること そして、己が望む力と未来が手に入るビジョンを思い浮かんでいた

 

エヒトルジュエとしては覚醒できればラッキー程度に追い込んでいたこともあり、その喜びは予定していたもの以上だった

 

エヒト「やはり!貴様こそが、我が器に相応しい逸材!

さあ!今こそ貴様の肉体、我の物となれ!!」

 

そういうと周囲に魔法陣を展開させ、そこから金色の鎖をいくつも取り出しそれが光輝の身体を縛り付け、鎖を通して力を吸収しだした

 

光輝「……」

 

エヒト「まずは貴様を弱らせてからだ……フフフ、やはり思った通り。素晴らしい力だ!この肉体を手に入れれば我は完全無欠の存在となれる!真の神の頂きに立てる!!フハハハハハハハハハハ!!!」

 

光輝の動きを封じ込めたエヒトルジュエは喜びに満ちながら光輝から力を吸い取る

輪廻眼を開眼させたとはいえ、光輝はまだ開眼したばかり

よってまだ力を使いこなすことは出来ず、今のうちに叩き潰し弱らせたところで肉体を奪おうと企んだ

 

そのエヒトルジュエの考え自体は悪くは無かっただろう

 

事実、これが他の者ならば何もできず力を吸い取られあっさり弱らせられた所で肉体を奪われただろう

 

 

 

 

 

 

 

 

そう──他の者ならば

 

エヒト「ハハハハハハハ!!……は?」

 

高らかに笑っていたエヒトルジュエだったが、そこで違和感を覚えた

力を吸い取っているはずの自身が、吸われているかのような感覚を味わったのだ

いや、ようなではなく実際に力を吸収されていたのだ

それもエヒトルジュエが出した鎖経由でエヒトルジュエの吸収力に迫る勢いで吸収し、ついにはエヒトルジュエの吸収を上回る勢いで力を吸収したのだ

 

エヒト「なっ!?き、貴様!!」

 

慌ててエヒトルジュエは鎖を仕舞い距離を取った

 

エヒト「こ、この我の力を、奪おうとしたのか!?」

 

エヒトルジュエの想像に反し、光輝は輪廻眼の力をすぐに使ってみせた

 

光輝「  」

 

焦りを見せながら言うエヒトルジュエに光輝は応えた

 

何度 私達(・・)を前に力を使っている

 

光輝の言う通り、エヒトルジュエは既に輪廻眼の力…もとい己の手の内をさらし続けていた

結果どういう能力なのか、またどう使えばいいのかなど、とっくに学習し己のものにしていた

 

とはいえ、いくら見てきたとはいえ開眼したばかりで輪廻眼をすぐに扱えるのはひとえに開眼した光輝の資質によるものだった

カズマから天性の才と評される彼は学習能力や模倣する力も常人のソレを上回っていた

加え日頃から写輪眼を使ってきたことで洞察力を向上させてきた

 

この戦いの中、光輝は常時写輪眼を使ってきた

これは仮に輪廻眼を開眼できたとしてもその扱い方を理解できなければせっかく手に入れた力を宝の持ち腐れにさせてしまわないために、エヒトルジュエの攻撃を避けるためと同時にその能力を観察し続けていたのだ

 

光輝がエヒトルジュエに抗って見せるだけでなく上回って見せた

だがそれ以上にハジメ達は驚く

 

香織「…え…?……」

 

シア「い、今…なんて…」

 

ティオ「私達(・・)じゃと?」

 

ユエ「待って…じゃあ…今戦っているのは…」

 

ハジメ「……マジか……魂が一つになったんだから、こうなってもおかしくないとは思っていたが…よりにもよって…今出てくんのかよ…」

 

光輝の言動に違和感を覚えた面々だが、その違和感の正体に気がついているハジメ

 

そして

 

エヒト「…屍の分際で我に歯向かうか インドラ!!」

 

その違和感の正体を生みの親であるエヒトルジュエが叫ぶ

 

エヒト 貴様が憎い これで貴様を、貴様の作り出した全てを滅ぼすことができる

 

光輝…否、光輝の肉体を操るインドラは鋭い眼光と凄まじい殺気と共に魔力の圧をエヒトルジュエに向ける

 

自分に向けられたわけではないはずなのに震えるシア達

 

何がどうなっていると考えるハジメとユエ

 

ゾクッ

 

殺気を当てられたエヒトルジュエは、己の手の震えを見て動揺していた

 

エヒト「(なんだ…?これは…怯え…だと!?この我が…)」

 

長い時を生きてきた自身が この世界に絶対的な存在として君臨してきた自身が怯えている事実に

それもかつて己が生み出した創造物の魂に怯えていることにエヒトルジュエは激しい憤りを覚える

 

エヒト「図に乗るなインドラ!!貴様如きが!我が創造物如きが!創造神に歯向かうな!!」

 

エヒトルジュエはそれだけ言うと大量の魔法陣を周囲に展開させた

 

それもこれまでとは比べ物にならない程の

それこそ神域内の上空を占めるだけの

 

シア「!なんて量なんですか!?」

 

ティオ「今まで本気では無かったのじゃろう…」

 

香織「アレ、私達も不味くない!?」

 

ハジメ「チッ!」

 

そこから放たれた大量の魔法弾はインドラに向け集中砲火され、神域内は大きく揺れた

 

香織「きゃあああああ!!」

 

ユエ/シア/ティオ「わあああああああああ!!」

 

ハジメ「ぐッッッああああああああ!!」

 

大量の魔法弾が衝突した衝撃から生まれた余波により、杭を打ち込まれ身動き一つ取れなかったハジメ達は全員吹き飛ばされた

 

幸い余波による怪我はなく

幸運なことに今の余波でシアのそばに飛ばされたハジメはシアに片腕に突き刺されていた杭を引き抜かせ、後は自力で杭を全部抜く

 

続けて他の面々の杭を抜き傷を癒やす

 

ハジメ「ッッッ…やっとこの忌々しい杭から解放できた…」

 

杭を打たれていた箇所を擦りながらエヒトルジュエとインドラの方を向く

 

大量の魔法弾を放たれたことで生まれた煙がふたりを包みこんでいた

 

香織「あ、あんな攻撃…一度に受けたりしたら…」

 

香織は大量の攻撃を受けたであろうインドラ(光輝)の安否を気にする素振りを見せるが

 

ハジメ「……問題ねえよ…仮にもアイツは輪廻眼の開眼者…なら当然あの程度の攻撃」

 

その言葉とともに晴れた煙から姿を見せたインドラは

 

ハジメ「今のアイツには届きやしねえよ」

 

無傷で立っていた

 

エヒト「!」

 

シア「あ、アレって…」

 

ユエ「ん…魔力吸収…エヒトが放った魔力弾全てを吸収した…」

 

ティオ「アレを全部…じゃと!?」

 

ハジメ「アイツはエヒトがやってみせたことを、アイツ以上の質でやり遂げることができる…完全にエヒトの上位互換だな」

 

エヒト「ッッッ!!まだ!これで終わりだと思うな!!」

 

そう言いながらエヒトルジュエは空間魔法を発動しペイン達を 更にその他の使徒達を呼び寄せた

 

その数およそ数千

 

エヒト「ゆけ!!」

 

エヒトルジュエの命を受けた意思なき使徒達は一直線上に攻めてくる

 

インドラ「……」

 

そんな大量の使徒達を前にインドラは己が身にまとっている黒炎の火力や量を増長させた

 

勢いよく燃え広がる黒炎はやがてその姿を形作った

 

その姿は 黒炎で形成された肉体と大剣を持つ まるでケンタウロスのような巨人

その表情からは凄まじい程の憎しみに溢れ、向かってきた心無き神の使徒達の間に存在しないはずの感情 恐怖心が芽生えたのだった

 

香織「なんなの…あれ…」

 

シア「アレも須佐能乎なんですか!?」

 

ユエ「でも…あんな須佐能乎見たことない。それに今まで見てきた須佐能乎とは比べ物にならない圧迫感に憎しみが肌に刺さる…」

 

ハジメ「ああ…とんでもなく禍々しい……」

 

黒炎の巨人は、周囲の黒炎を収束させた黒炎で出来た大剣を強く握り締め、上空にいる使徒たちへ大きく振りかぶった

 

その瞬間

 

黒き閃光の如き斬撃は 使徒を 空間を 世界を斬った

 

巨人が剣を振るったあとには 真っ二つに切り裂かれた使徒達 神域の空間 このトータスという世界そのものが斬り裂かれたのだった

 

シア「た…たった…一振りで…」

 

ユエ「……『世界を断つ斬撃』……アレも輪廻眼の力…」

 

ハジメ「…あいつこそが……破壊の神だな」

 

エヒト「なっ…!?」

 

たった一振りの斬撃で使徒や空間 世界が斬られた様を目の当たりにしたエヒトルジュエの顔には 先程以上の恐怖と屈辱に染まっていた

 

恐怖心を屈辱なまでの怒りで誤魔化し、更に使徒を呼び出し攻め続ける

その必死なまでの姿には神としての威厳は全く感じられず、まるで物語などに登場する余裕ぶっこいていた悪役が追いつめられそれまでの余裕やプライドを捨てて見苦しく生き長らえようとする様だった

 

更に襲いかかって来る神の使徒の大軍

 

その大軍を前に武器を構えず突っ立っている巨人

中にいるインドラもまた巨人の中で使徒の大軍を見上げていた

 

そしておもむろに使徒に向け

 

インドラの名において命ずる 滅せよ

 

ただ一言呟く

 

その瞬間、攻めてきた神の使徒全てがまるで天照でも受けたかのように肉体が一瞬で燃えさかり僅か数秒で神域から灰一つ残さず消え去った

 

ハジメ達「「「「!?」」」」

 

エヒト「!?」

 

ハジメ「…ユエ…今のは」

 

ユエ「…神言…に似てるけど違う…神言は魂魄魔法の極地。言葉を聞いた相手の魂に干渉して行動を操ることができる…でもあれは…事象の干渉…破壊、滅ぼす、死という事象概念に干渉して現実にする……多分ベースは神言…それに輪廻眼の破壊を組み合わせて放った…輪廻眼版神言。名前をつけるとしたら…『破言』。しかもそれだけじゃない」

 

ハジメ「ああ…あいつが破言を使う直前に感じた魔力の高ぶり…起こりって言うのか?魔法使う直前とかだと必ず発生するやつなんだが…インドラが使う直前の起こりが…まるで……『概念魔法』使う際の起こりみてぇだった…いや、みたいじゃなく概念魔法だな」

 

ユエ「ん…間違いない…概念魔法を使ったことあるからわかる…」

 

光輝を除いて概念魔法を使えるハジメとユエはインドラが行った攻撃の正体に目星をつけていた

 

香織「し、喋っただけで…」

 

ティオ「……相手を滅ぼす……もはや人のなせる技ではない…妾達もこの世界の人々からすれば規格外かもしれぬが…あやつは…それすらも上回る規格外。アレが…輪廻眼を持つ者の力…」

 

香織「で、でもいつ、いつ概念魔法なんて生んだの!?」

 

ユエ「……考えられるのはあの時……エヒトに追い込まれて、雫をやられた時…雫を殺したことが引き金を引いて…」

 

ハジメ「目覚めてしまったってわけか……皮肉だ…まるで俺の時と一緒だ……」

 

自分が怒りで概念魔法を発現させた時のことを思い出し顔をしかめるハジメ

 

ユエ「……でも…不味い……」

 

それ以上に顔をしかめるユエ

 

シア「な、なにが不味いんですか。ユエさん」

 

ユエ「…戦いの余波で神域が崩壊するかもしれない…でもそれ以上に……インドラ…ううん…光輝が保たない。見て」

 

ユエが言う言葉の意味を理解すべくエヒトルジュエと戦っているインドラのほうを見ると

 

インドラ「ッッッ!ぐぅぁぁ!!」

 

輪廻眼のある方の眼を抑えながら苦しんでいた

 

それを逃さないエヒトルジュエの攻撃

だがそれでも巨人は壊れない

 

香織「苦しんでる…?なんで…?」

 

ユエ「……ハジメ……今光輝の魂はどうなっているの?」

 

ハジメ「…少し待ってろよ」

 

ハジメはそう言うと白眼と魂魄魔法を使いインドラが使っている光輝の肉体を見てみた

 

ハジメ「……沈んでんな……あいつの魂……魂の一体化自体は出来ているが…魂の半分が黒い水溜りみたいなのに沈んでる」

 

ユエ「……多分沈んでる方に光輝の意思がある…沈んでないほうがインドラ……本来は沈んでない状態…光輝とインドラふたりの意思がある時に使うはずの輪廻眼をインドラだけが使っている状態……結果魂と肉体に負荷が掛かっている……このままじゃ…どちらも保たない…」

 

シア「も、保たない…って具体的にはどうなりますか!?」

 

ユエ「………」

 

それに答え切れないユエだったが、その表情を見れば最悪の結果になることだけはわかる

 

香織「じゃあ…どうしたら」

 

ユエ「……眠っている光輝の意思を叩き起こせば…多分…」

 

ハジメ「チッ…まいったな……あの状態のアイツに魂魄魔法での干渉は効果薄そうだ……ってその前に武器や宝物庫見つけねえとな」

 

どうすべきか考えながらとにかく落としたはずの武器を白眼で探すハジメ

 

ハジメ「……は?」

 

白眼を開眼していたハジメの眼には…あるモノに気が付き思わず呆けた

 

なぜならば、ありえないものがそこにはあったのだから

 

ハジメはすぐにソレがある所に駆け寄り、ユエ達も後ろからついていく

やがてハジメが見つけたモノの存在に一同は気が付く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香織「!……し、雫ちゃん…」

 

シア「ここに……投げ出されてたんですね…」

 

そう…そこにあった…否、いた者は…彼らの今亡き仲間の遺体だった

 

先程の魔力弾衝突の余波で雫の遺体も投げ出され、身体に未だに杭が刺さっていた

 

ティオ「……せめて…これ以上傷つかないように巻き込まれない場所に連れていきたいのじゃ…」

 

死んでしまった大切な仲間の身を案じ移動させたがるティオ

 

それ以外の面々も涙を堪えながらどうにかしてやりたいと思っていると

 

ハジメ「……どうなってやがる……」

 

ただ一人ハジメだけは雫の遺体を見て驚いていた

 

香織「ど、どうかしたのハジメ君?」

 

この状況でただ一人驚くハジメになにがあるのかと疑問を浮かべる香織達

 

それに答えるかのようにハジメは大声で言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメ「なんで………心臓は動いてないはずなのに…死んで時間が立っているはずなのに……身体から魂が剥がれて無い!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

 

真っ白な何も無い空間にて

 

紫の結晶に映るある青年(・・・・)の一生を見て

 

雫「……」

 

少女は涙を流すのだった





概念魔法 『破言』

輪廻眼を開眼している時にのみ使うことのできる概念魔法

エヒトルジュエが使っていた神言をベースに光輝が輪廻眼を開眼する寸前に抱いた極限の意志(滅ぼす)が組み合わさったもの

その能力は破壊 滅び 死という事象に干渉し現実のものとする

発動するには輪廻眼の瞳力を大量に使う為連発は不可能

もう75話を超えたのでここからは攻略者パーティーメンバーの人気投票のアンケートを取ります。正直出番の少ない恵里がかなり人気なのが驚きでした。そして光輝と雫の人気具合が想像以上でしたww正直作者の中ではもう光輝がハジメを抜いて主人公なのではとすら思いかけてますwww

  • 誰よりも夢に突き進むリーダー カズマ
  • 友達と優しさを持つ主人公 ハジメ
  • 闇と孤独を抱えた主人公 光輝
  • ハジメを愛し光輝を想う優しき吸血鬼 ユエ
  • ハジメを愛するバグ兎 シア
  • ハジメを愛する突撃娘 香織
  • 光輝をただ一途に愛する剣姫 雫
  • ウィルを愛するドM竜人族 ティオ
  • カズマを支える最強の女神(嫁) アクア
  • カズマを支える最強の杖(嫁) めぐみん
  • カズマを支える最強の盾(嫁) ダクネス
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