創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第十話 亜人の娘

 

《ハジメが視点》

 

ユエ「ハジメ…大丈夫?」

 

ハジメ「大丈夫って何がだ?」

 

ユエ「だって……ハジメ……人を殺すのはこれが」

 

ハジメ「初めてだな……けどまあ……思ったほどなんとも思わないな…」

 

ユエ聞かれ、俺は返事を返す

そんな俺の周りには鎧を着た兵士の死体が転がっていた

 

オルクス大迷宮から脱出し、俺達は『ライセン大峡谷』にたどり着いた

 

その道中に魔物に襲われていた兎の亜人『シア・ハウリア』を助けたらなぜか自身の家族を助けるよう頼まれた

 

当然拒否したがしつこくしがみつかれたので俺はドンナーに装填したゴム弾を発射したりユエは魔法で吹き飛ばしたがそれでも食らいつくこいつに根負けし、とりあえず話だけを聞くことにした

 

なおその間天之河の馬鹿は例の如く興味なさげにしていたが

 

シア曰く、こいつら兎人族達は『ハルツィナ樹海』と呼ばれる場所で数百人規模の集落を作りひっそりと暮らしていた

兎人族は、聴覚や隠密行動に優れているものの、他の亜人族に比べればスペックは低いらしく、突出したものがないので亜人族の中でも格下と見られ軽んじられていた

 

温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族らしく、容姿に優れておりエルフのような美しさとは異なった、可愛らしさがあるので帝国などに捕まり奴隷にされたときは愛玩用として人気の商品となる

帝国とは『ヘルシャー帝国』のことでありこの国は、およそ三百年前の大規模な魔人族との戦争中にとある傭兵団が興した新興の国で、強力な傭兵や冒険者がわんさかと集まった軍事国家であり実力至上主義を掲げている

ぶっちゃけ今の人間族が納める国の中では総戦力は最大級だな

 

俺が地上に居たときに読んだ本によると

亜人族は被差別種族で彼らが差別されるのは魔力を持たなかったからであり、神代において、エヒトを始めとする神々は神代魔法にてこの世界を創ったと言い伝えられ、現在使用されている魔法は、その劣化版のようなものと認識されている

それ故、魔法は神からのギフトであるという価値観が強い

 

その為魔力を一切持たず魔法が使えない種族である亜人族は神から見放された悪しき種族と考えられている

 

聞いていて実に愚かしいと感じざるを得ない

 

んでシアはある日異常な力を持って生まれた女であり、本来亜人族には無いはずの直接魔力を操るという固有魔法を使えた

 

この世界では直接魔力を操れる存在として魔物がいるがそれと同様の力を持ってるのは異端以外のなんでもなく迫害の対象となる

だが、彼女が生まれたのは亜人族は家族の情が深い種族である兎人族だったこともあり、シアを見捨てるという選択肢がなかった

 

そして彼女の存在が他の亜人族にバレた結果

一族総出で逃げ出した

しかしそこへ運悪く帝国の兵士の一個中隊規模に遭遇

なんとか逃げ出すも次々と捕まり最後に残ったのはシア一人だった

 

それでもなお助けを求めて彷徨っていたところ魔物に襲われていたところ俺達と出会った

 

それを踏まえてなお俺達に助けを求めたが俺が拒否したところ以外な所から援護が

 

ユエ「……樹海の案内役として連れて行くついでってことならいいと思う…」

 

ユエに言われ、俺もやむなく聞くことにした

 

その後俺たちは無事シアの家族である一族と合流することができた

 

しかし、そこへシアの家族を捕らえていた帝国の兵士共と遭遇した

 

連中はシアを見ると下劣な笑みを浮かべこちらへ渡すよう要求してきた

 

当初シアから聞いていた数より少なかった為奴らの何人かを殺して脅して聞いた

 

そして奴らは言った

『人数を絞って帝国へ移送した』

 

 

『人数を絞った』……つまり売る価値のない老人や売れそうにない兎人族は殺したってことだ

 

こいつらの所業や言葉を聞き……俺の中でわずかに残っていた良心がこいつらに対し怒りが湧いたかと思った瞬間

 

帝国兵士「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

突如兵士の一人が黒炎に身を包まれ、それに続くように周囲の兵士まで燃え盛った

 

このとき、俺とユエはさっきから無言だった天之河が天照を発動し焼き尽くした事に気づいた

 

シア「ヒッ!あ、あの人目から血が…」

 

光輝「……」

 

やがて周りにいた残りの兵士は皆天之河が一人残らず天照でジワジワと焼き殺した

 

ユエ「光輝……どうして彼らをあんなふうに殺したの…?」

 

光輝「……俺は弱者が嫌いだ……力のない…それ故に誰かに頼るしかない、己でどうにかしようと足掻かない弱者がな……だがそれ以上に俺は弱者をなぶり、蔑むことで自身を強者だと勘違いする強者の皮を被った弱者が嫌いだ……それと俺は即死なんていう一瞬の苦しみで終わらせるつもりはない……」

 

ユエ「……そう」

 

ハジメ「……」

 

こいつとはそこそこの付き合いで分かったことがある

 

地球にいた頃から周りに不良のレッテルを貼られているが、こいつ自身が他者を虐めたりすることはなく、またそういう輩を嫌っているのは見ていてわかる

 

他人嫌いの癖に意外とああいう輩の存在を許さない程度には正義感を持ち合わせているようだが…あいつはそれを果たしてどう思っているのか俺は知らん

 

それと俺も初めて人を殺したが意外となんともなかったな

 

これが地上にいた頃ならもう少し怯えてたかもしれない

 

地下へ落ちて壊れたか

 

ただ天之河の場合…地上にいた頃から……いや、もしかすれば最初から壊れていたのかもしれない

 

光輝「……行くぞ」

 

ユエ「…うん…」

 

ハジメ「……ああ…」

 

そうして俺達はハルツィナ樹海に向けて進んだ

 

道中シアが俺達の生い立ちを聞いてきたので話した

 

……天之河は会話に入らなかったが

 

話を聞いたシアは自分の境遇以上にキツイ目にあった俺達に同情し涙を流した

 

そして自身もついていきたいと言ってきたが、俺は

 

ハジメ「俺達の目的は七大迷宮の攻略だ。おそらくは化物揃いでお前じゃ瞬殺される…だから同行を許すつもりは毛頭ない」

 

そう言い拒否した

 

やがて俺達一行はハルツィナ樹海と平原の境界に到着した

樹海の外から見る限り、ただの鬱蒼とした森にしか見えないのだが、一度中に入ると直ぐさま霧に覆われるらしい

 

だから地元民であるこいつら亜人たちでなきゃ迷うことになる

 

こいつらを連れてきたのは幸運だったかもしれない

 

そう思いつつ俺達が進もうとしたところ

 

周囲の霧から魔物が飛び出して一行に襲いかかる

 

それを

 

ユエ「『風刃』!」

 

ハジメ「『風爪』!」

 

光輝「『業火球』!」

 

俺達三人が対処した

 

その後も何度か襲撃を受けたがどうにか一人もかけることなく進むことができ、樹海に入って数時間が経つと

 

???「お前達……何故人間といる! 種族と族名を名乗れ!」

 

そう霧の中から声がした

その声の正体は虎模様の耳と尻尾を付けた、筋骨隆々の亜人だった

手には両刃の剣が抜身の状態で握り周囲に数十人の亜人が殺気を滾らせながら包囲網を敷いている

 

「あ、あの私達は……」

 

シアの父親であり族長であるカムが何とか誤魔化そうと額に冷汗を流しながら弁明を試みるが、その前に虎の亜人の視線がシアを捉え

 

虎の亜人「白い髪の兎人族…だと? 貴様ら……報告のあったハウリア族か……亜人族の面汚し共め! 長年、同胞を騙し続け、忌み子を匿うだけでなく、今度は人間族を招き入れるとは! 反逆罪だ! もはや弁明など聞く必要もない! 全員この場で処刑する! 総員かッ!?」

 

虎の亜人がこちらに攻撃を仕掛けようと周りに号令を掛けようとした瞬間

 

俺は殺気を放った

 

それとほぼ同時に天之河からも俺に負けず劣らずの殺気を放った

 

結果周囲は俺と天之河の殺気により支配され

攻撃をしようとした亜人共とシア達ハウリア族も地に付した

 

ユエはなんともなさそうにしていた

 

そして、俺達に攻撃を仕掛けようとした連中にただ一言漏らす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメ/光輝「「今死ぬか?」」

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