創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第十九話 緑と青の再会

 

ハジメ「うぅ…、ううぅぅ…」

 

ユエ「おはようハジメ…昨日はちゃんと寝られた?」

 

ハジメ「いやな…昨日は色々ありすぎて脳がバグってハイになってたから一睡もできてねえ…」

 

ウルの町攻防戦を無事乗り越えた翌日

 

宿の外に出たハジメにユエが声を掛けた

 

ハジメは昨日のこともあり眠れなくて不機嫌そうな表情を浮かべていた

 

そこへ

 

ハジメ「まあ…なんだ、お前のおかげで色々助かったのは事実だし……俺もまだまだだってことを教えてくれたことには感謝しているけどな…カズマ」

 

カズマ「そいつはどういたしましてだ」

 

宿から出てきたカズマに語り掛けた

 

カズマ「それより、朝食ができたみたいだから呼びに来たが…お前食欲あるか?」

 

ハジメ「あ〜、いや、もっかいベッドで横になってくるわ」

 

カズマ「そっか…ならユエに膝枕でもさせて貰えよ…多分眠れると思うぞ」

 

ハジメ「なっ!なんでお前にそれが分かるんだよ!!」

 

カズマ「俺も眠れないときはアクアにそうしてもらってたからな」

 

ハジメ「……なあ?前から聞きたかったが…カズマとアクアって実は付き合ってないか?」

 

カズマ「さあ?……どうだろうな?ご想像におまかせするわ」

 

そうハジメのことをからかうような素振りを見せながら宿へ戻っていった

 

ハジメはそれにため息を吐きながら自分の部屋に戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ウル攻防戦後】

 

アクア「もう安心して……私達が来たから!!!」

 

光輝が幸利に介錯しようとしていた寸前

 

ここに居るはずのない人物

カズマとアクアが駆けつけてきた

 

ハジメ「!なんで…ふたりが…ここに…!」

 

愛子「佐藤君!水神さん!」

 

カズマ「お、愛子先生、それに愛ちゃん護衛隊のお前らも無事みたいだな……幸利以外」

 

園部「な…なんで佐藤達がここに居るのかはともかく、清水が死にそうなの!なんとかならない!?」

 

愛子「お願いです!!もしおふたりに清水君を助けられる方法があるのでしたら、助けてください!!」

 

シア「わ、私からもお願いします!この人、私と先生さんを庇って、こんな傷を…」

 

ハジメ「…無駄だ…こんだけの傷だ…それこそ神水レベルの回復力でもない限り幸利の傷はふさが」

 

アクア「『セイクリッド・ヒール』!」

 

ハジメの言葉を被せる形でアクアが幸利の胸の傷に回復魔法を掛けた

 

それはこの世界に存在する回復魔法とは一線を覆すもので、面倒な詠唱を一切せずそれでいてこの世界でも最高位の回復魔法を扱えるはずの白崎香織のそれをも凌駕するものだった

 

結果、幸利の胸の傷は完全に消え去り、さっきまで苦しそうにしていた幸利の表情は安らかなものへと変わっていった

 

アクア「ふう〜、これで幸利は大丈夫よ…でも一応念のため一日寝かせといたほうがいいわね」

 

光輝を除くハジメ一行と護衛隊面々「「「「「「「はあ!?」」」」」」」

 

これにはハジメ達も驚きのあまり思わず声を漏らし、光輝も口には出していないが表情は驚きに満ちていた

 

ハジメ「うそ…だろ…幸利の胸の傷を…こうもあっさりと……これは…神水と同等の回復力があるって事だぞ!!」

 

カズマ「ふふん♪アクアの回復魔法を侮ることなかれ。アクアの回復魔法は間違いなく世界最高クラスだ。それこそ瀕死の奴がたちどころに助かるレベルにな……それはそうと久しぶりだなハジメ、それに光輝。よく無事だったな…」

 

ハジメ「!」

 

カズマ「なんだその顔は?俺が髪色と眼帯と義手付けた厨二全快で闇落ちした金木研みたいな外見したからと言ってダチを見間違えるわけないだろ?」

 

ハジメ「誰が闇落ちした金木研だ!!」

 

幸利「な、なんかさっきも聞いたような…なあ…俺は…助かったんだよなあ…?」

 

カズマ「おうよ。ついさっきまで死にかけて危うくあの世へゴー!する寸前だったのをアクアが現世に引き戻してくれたんだよ」

 

幸利「そ、そうか…助かったよアクア…ありがとう」

 

アクア「お礼なら私だけじゃなくてカズマにも言いなさい…カズマが私を背負ってここまで来たから私の回復魔法で助けられたのよ」

 

ハジメ「は?いやちょっと待て!色々聞きたいことがあるがまず…お前らどうやってここまで来た」

 

アクア「えっと、カズマに背負ってもらってだけど?」

 

ハジメ「まずそこからおかしい…背負ってだと?……どこからだ?」

 

カズマ「ライセン大峡谷からだな…あそこは魔法が使えなくて面倒だったが一日もかけずに通れたな…道中ハウリア族に遭遇したが、お前らの行き先を聞いて地上へ上がったけどな」

 

ハジメ「……さっき幸利から聞いたんだが…俺と天之河が生きていたことを知っていたようだが…あれはどうやって」

 

カズマ「あれはアクアの技能によるものだ…お前らの魂がこの世界に残っていたから、きっと生きているって知って…それから2ヶ月色々やることやってアクアと一緒に先日オルクス大迷宮を降ってお前たちの捜索をしていた」

 

ハジメ「はあ!?お、お前達たったふたりであの迷宮を超えたっていうのか!?」

 

カズマ「まあな…道中の魔物がやたら強くて面倒だったがまあ問題なく一番下の階層までつくのに6日も掛かったけどな…お前らの事を探さなくちゃいけなかったからなおかかっちまったよ」

 

ハジメ「!あそこを6日…だと!?」

 

光輝「あの迷宮は俺達でさえ色々と手の焼いた所だ…それをわずか6日…」

 

ユエ「ん…あそこの魔物は地上とは比べ物にならないくらい強い…生半可な実力では到底勝てない」

 

カズマ「それからオスカーオルクスの隠れ家にも辿り着いたぞ……恐らくお前らも見たんだろうけどな……それからライセン大峡谷に辿り着いてそこからはアクア背負って走って駆け抜けて」

 

ハジメ「いやちょっと待てや!!お前今なんて言った…『走って』だと?」

 

カズマ「仕方ないだろ…お前らと違ってこっちはバイクがないから走るしかなかったんだからな…」

 

ハジメ「……なん何だお前は…」

 

カズマ「んで地上へ上がったあとお前らのバイクの通ったあとを辿ってここまで辿り着いたってわけ……いや〜めっちゃ疲れたからな?こんなに走ったのなんて一体いつ以来だか」

 

仁村「いや地球にいたときでもそんなに走る機会なんかあるか!」

 

相川「てか今のお前の話が本当かどうかも分からねえよ!」

 

玉井「仮に本当だとしたらお前が本当に人間なのか疑うわ!!」

 

カズマ「失敬だな…人間だよ。ちゃんとな…ただし、他の人間よりもちょびっとだけ強い人間だけどな」

 

園部「全然ちょびっとじゃない!!」

 

カズマ「まあそこはあれだ。お前らよりも俺のほうがステータスが高かったからできたってことで納得してくれ」

 

愛子「で、ですがふたりが生きていることに気づいていたのならなぜ」

 

カズマ「言わなかったのか?…そんなのは簡単だ…大迷宮に転落しておきながら食べ物のない環境で生き延びている時点でまともな状態じゃない。下手すれば教会から異端者認定される恐れがある……だから話せなかった…まあ俺の信用できる奴らには話しているけどな。そこの幸利もその一人だ」

 

愛子「……それじゃあ、私は佐藤君に取って信用できない人なんですね……」

 

カズマ「いやあんたの場合は隠し事とか苦手そうだから……それと黙っていた本当の理由はこの世界に来て浮かれていた奴らの精神の成長の為だ…自分達はこのいつ死ぬかわからない世界に来ている。だからその心持ちをしっかりさせる意味でも言わなかった。今日話していた奴が明日には死んでいるかもしれない、もしくは自分が死ぬかもしれない。そういうことを頭に入れつつ、この世界を生き延びるよう意識を固めさせたかった…まあ結果としては何名かはそれが出来ているみたいだけどな」

 

愛子「!」

 

アクア「ねえ、それより私達も移動しましょ。いつまでもここで話するのも何だし」

 

カズマ「……だな…続きは町で話すか」

 

その後カズマ達は町へ戻り、自分達がオルクス大迷宮で知った事を事細かく話をしたのだった

 

それには愛子を含めた護衛隊の面々も驚いていたが、幸利はそんなに驚かなかった

 

曰く『自分たちの了承もなしで誘拐同然に転移させた神が一度も姿見せない時点でろくな存在じゃない』と考えていたかららしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその夜

カズマは宿のベランダにいたハジメと光輝に話しかけた

 

カズマ「なあハジメ、そして光輝……お前らもこの世界の真実を知った身だ……真面目な話。お前らはそれぞれどうしたい?」

 

ハジメ「俺は元の世界に帰る。あんな狂った神から世界なんざ救うつもりはない」

 

光輝「俺はあの存在そのものが腹ただしい神を殺す…だが世界の為ではない」

 

カズマ「そうか……なあ、お前らの旅に俺とアクアも同行させてくれ」

 

ハジメ「駄目だ」

 

光輝「断る」

 

カズマ「……理由を聞かせてもらおうか?」

 

ハジメ「俺達の旅はただでさえ命がけのものだ。そして下手すれば国から異端者と認定されてもおかしくない事を今後するつもりだ。それにカズマとアクアを巻き込みたくない」

 

光輝「お前には地球に居た頃色々と世話になっているが……お前らは力不足だ…付いてくるな」

 

カズマ「……」

 

ふたりに面と向かってついてくることを拒否されたカズマだったが

 

カズマ「……ありがとよ……俺達の事を気にかけてくれてるんだろ?ハジメは知ってるが、光輝にまでそう言われるなんてな……」

 

カズマは笑みを浮かべながらふたりにそう言った

 

カズマ「しっかしそれにしても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たかが十数年生きた程度のガキが随分と俺を舐めているみたいだな?

 

ハジメ/光輝「「!?」」

 

その瞬間カズマから凄まじい殺気が流れ、それに思わず距離を取ったハジメと光輝

 

カズマ「……そこまで言うなら今から試してみるか?俺の実力をよ………ついでに俺もお前らの実力を把握しておきたいしさ……ああ、それとお前らふたりがかりで構わないからな?追い込んでくれたほうが俺も本気出しやすくなるしな」

 

そう冷めた目でふたりにそう言うカズマに、ふたりは過去一警戒心を強めたのだった

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