創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第二話 異世界戦争参戦

 

《ハジメ視点》

 

愛子「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

クラスメイトから愛ちゃんの愛称で親しまれている畑山先生がイシュタルに怒鳴り込む

 

なぜこんな状況になっているのかと言うと

 

このイシュタルという男は語る

 

曰く、このトータスには人間族、魔人族、亜人族の大きく分けた3種族が存在し、 人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きており、人間族と魔人族は何百年も戦争を続けている。

魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗して戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近になって魔人族側の力が増しておりこのまま行けば人間族は滅びの危機を迎える

 

そこで人間族が崇める神『エヒト』が人間族を救うために他世界からの勇者一行つまり僕達が召喚という名の誘拐をされたというわけ

 

つまり早い話が、『私達滅びそうだから他世界の者達よ、戦争に参加して我らをすくい給え』ってことだな

 

なんていうか、ラノベみたいなことが今現実と化しているのが伝わるなあ…

 

正直驚いているけど、今は冷静に今後のことを考えるか

ってよく見るとクラスメイトのうち何名かは今自分たちの置かれている状況について冷静に考えているな

 

その大体がこのクラスにいる僕の友人達だ

そして畑山先生の言葉へ繋がる

 

多分だけど畑山先生

ラノベの展開だとおそらく僕たちは

 

イシュタル「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

……だろうなあ…

 

愛子「そ、そんな……」

 

畑山先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた

 

「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」

 

「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」

 

「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」

 

「なんで、なんで、なんで……」 パニックになる生徒達

 

未だパニックが収まらない中、天之河兄が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。天之河は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた

 

勇輝 「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」

 

イシュタル 「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

 

勇輝「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

 

イシュタル 「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

 

勇輝「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!俺がみんなを守る!!」

 

その言葉により彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮し、絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている

 

龍太郎「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

 

ここで天之河兄の幼馴染であり親友である坂上龍太郎(さかがみりゅうたろう)がまるでどこぞのジャンプ主人公に賛同する相棒ポジみたいなことを言って隣に立った

 

勇輝「龍太郎…」

 

雫「そうね…今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」

 

勇輝「雫…」

 

香織「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

 

勇輝「香織…」

 

いつものメンバーが光輝に賛同する。後は当然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。畑山先生はオロオロと「ダメですよ~」と涙目で訴えているが勇輝の作った流れの前では無力だった。 結局、全員で戦争に参加することになってしまった。おそらく、クラスメイト達は本当の意味で戦争をするということがどういうことか理解してはいないだろうな

 

果たして本当の意味で理解してるものは何人いるか…

 

それと

 

ハジメ「……チッ、あいつも気づいているか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《カズマ視点》

 

カズマ「お、いたいたこんなところにいたか光輝」

 

光輝「……なんのようだ…」

 

カズマ「ちょっとお前と話がしたくてな。なに、そんなに時間はかけねえって」

 

異世界転移を果たしたその日の夜

 

クラスメイト達は皆各々用意された部屋で眠りついていたが、俺は寝ずに光輝に会いに行った

 

光輝「……で、話とは何だ?」

 

カズマ「んまあ、まず初めに…異世界転移した感想はどうだ?」

 

光輝「……どうもしねえな。ただ、他世界の人間に頼らなければならないほど。この世界の人間は弱者って事くらいだな……」

 

カズマ「やれやれ……相変わらずの弱者嫌いな性格だな…」

 

光輝「……それで、本題は何だ?」

 

カズマ「……ぶっちゃけ、どう思ったか?」

 

光輝「……信用ならないな……あのイシュタルとかいう爺もそうだがこの世界の人間共もな……あいつ…クラスメイト共が帰れない事にパニックを起こしていた時、まるで『エヒト様に選ばれておいてなぜ喜べないのか』とでも言いたそうな侮蔑な表情を浮かべてたな……あれは間違いなくエヒトの狂信者だ…それこそエヒトの為なら俺達を迷わず始末しようとするくらいにな……おまけにあいつ、あの場に居る者の中で誰が一番クラスメイト共に影響力があるかを見抜きやがった………」

 

カズマ「……その影響力を持っているのが…お前の兄貴だな」

 

光輝「あいつを兄なんて呼ぶな、……あいつは昔からカリスマだけはあったからな……それを付け込ませるためにわざわざこの世界の人間共がこの先迎えるであろう残酷な部分を強調させ、あいつが自分達のために戦うよう誘導させた……とんだ狸爺だな」

 

カズマ「……そこまで見抜いているとは流石だな…伊達に人嫌いやってるな」

 

光輝「……よく言う……俺が今言った全てを見抜いていた上で俺に聞いてきたな」

 

カズマ「まあね、この状況だ……こういうこと話せるのは今この状況をよく理解してるやつだけだ」

 

光輝「……そう言うお前こそ…あの時あの場で冷静に現状を把握している連中が誰か知ってるんじゃないか?」

 

カズマ「ああ、まずは俺とアクア……それとハジメと幸利と浩介に恵里……後お前と八重樫だな」

 

光輝「チッ、あいつも気づいてやがったな」

 

カズマ「ほんとなんでお前はハジメと仲悪いんだよ…」

 

光輝「あとの連中はこれから自分達がすることを全く理解できていない馬鹿どもだ……あいつの言葉に流されて己で決めきれなかった愚者達だ」

 

カズマ「なら…あの時あの場で戦争参戦に反対しなかった俺達は意見すらせずに流された愚者と見るか?」

 

光輝「そうだ……と言いたいところだが……お前たちがあそこで反対しなかったのはあの場で反対すればクラスからの非難は確実。おまけに俺達を戦争に戦争に勝つための道具としか見てないあの狸爺とその教会連中に目をつけかねられん。この世界に来たばかりでこの世界の常識も地理にも全く詳しくない、最悪の場合異端者として弾圧されかねない。だから敢えて何も言わなかった」

 

カズマ「正解!やっぱよく見てるなお前、あの独善野郎にお前の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだな………ちなみにお前としてはこの世界の事は」

 

光輝「どうでもいいな……この世界が滅ぼうと、人間が魔人族に滅ぼされようと。心底どうでもいい……他力本願な時点でこの世界の人間共は負けてるんだよ」

 

カズマ「……そう…か」

 

その言葉に思うところはあったが…あいつならそう言うだろうなとは思っていたから流すことにした

 

カズマ「じゃ、俺はもう寝るわ…またな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言い俺はその場を去ろうとしたが

 

光輝「……この世界に来た直後…他の奴らが慌ててる中、お前と水神は全くと言っていいほど落ち着いてやがった……いや、この世界に来る直前での教室でもお前と水神は落ち着いていた…俺や他も焦っていたというのに……お前ら……実はこうなることはわかっていたんじゃないのか?」

 

カズマ「……例えば俺がそれを分かっていたとして……あるいはそうなるように誘導したとして……お前は…どうするつもりだ?」

 

光輝「……どうもしないな……だが一つ言えることがあるとすれば……お前と水神は恐らく、この世界を救おうとしている……ただしそれは恐らく戦争で魔人族を倒すとは違うやり方でだ…………佐藤…水神

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前達は何者だ」

 

カズマ「……」

 

光輝「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光輝「フッ…まあいい…お前たちが何者かにせよ……俺にとっては心底どうでもいい」

 

そう言われ、俺は黙ってその場をあとにした

 

 

 

 

 

カズマ「まさか……ここまで勘のいいやつだったとはな…」

 

俺は光輝がいる方向に目を向けた

 

カズマ「しっかし何者かねぇ……俺に言わせれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つの身体にふたつの魂を宿す(・・・・・・・・・・・・・・)おまえたちの方こそ何者なんだ……光輝、ハジメ」

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