創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第三十一話 八重樫雫という女

 

雫「!」

 

光輝「お前は地球に居た頃から散々俺に近づき関わろうとしてきたな……俺が何処かへ行こうとするたび、お前は付いてきていた……香織も南雲に対しストーカーしてた時があったがその点に関して言えばお前はそれ以上だ」

 

カズマ「……」

 

光輝「香織のは南雲に対して好意があるからだとわかる……が、お前に関しては俺への好意ではない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺への抱く必要もない罪の意識がそうさせている」

 

雫「!」

 

光輝「お前…まだあのときの事を気にしているのか…」

 

雫「それは…」

 

光輝「言ったはずだ。……あれはお前のせいじゃない……だから…お前が余計な罪の意識を抱くな」

 

雫「光輝…」

 

光輝は雫にそう言い聞かせた

そうまでして光輝は雫を自分に近づけさせたがらなかった

 

そこへ

 

勇輝「光輝!!お前また雫に何をした!!」

 

空気の読めない勇者が割って入ってきた

 

この勇者、光輝の幻術を何時間も受け、やがて疲れて意識を失いさっきまで眠っていた

 

その後目覚めてから香織を探して探し回って居たところ、光輝に詰め寄る雫を見つけ駆けつけた

 

光輝「別に……こいつが付いてくると言ってきたから来るなと行っただけだ」

 

勇輝「!お前!!南雲だけじゃなくお前まで、俺の幼馴染を連れて行くつもりだったのか!!」

 

カズマ「いや何を聞いたらそう聞こえるんだ、脳みそ頭に詰まってんのかこの馬鹿は」

 

雫「ごめんなさい…勇輝は昔からアレだから…」

 

勇輝「お前は二度と雫に近づくなと昔に言ったはずだ!!」

 

光輝「だから俺はあいつに近づいて無いと言ったはずだ…それと俺が雫に近づかないのは貴様に従ってではない。俺の意思でそうしてるだけだ」

 

勇輝「言い訳なんか聞きたくない!お前が雫と一緒にいても、雫を不幸にさせるだけだ!昔、お前が雫を傷つけたようにな!!」

 

雫「!!」

 

カズマ「!」

 

光輝「……」

 

勇輝「お前と居ても雫は不幸になる!!香織だってそうだ!南雲なんかを好きになって一緒に居たとしても、彼女が不幸になる!!お前達ふたりは!!決して誰かを幸せになんか出来ない!!」

 

雫「!勇輝!!貴方!」

 

勇輝の言葉を受け、雫が詰め寄ってやめさせようしたが

 

カズマ「はい、八重樫そこまでな…」

 

カズマが雫を止め、代わりに勇輝に近づく

 

カズマ「所で天之河兄…お前に聞きたいことがある……今回…お前は魔人族を殺せなかった……そのせいで危うく全滅しかけた……今後…また魔人族をあと一歩まで追い詰めた時……お前はどうするつもりだ?」

 

勇輝「え?」

 

カズマの問いに勇輝は唖然とし答えられなかった

 

カズマ「!!」

 

勇輝「ぐぁ!!」

 

その瞬間、カズマは勇輝の顔面にパンチをかました

無論手加減して

 

カズマ「判断がおせぇ!!お前は判断が遅すぎるんだよ!!なんで判断が遅いのかわかるか!?お前に覚悟がないからだ!!今回お前が戦った魔人族はお前でも倒せるレベルの強さだった…にも関わらずお前は負けた上危うく八重樫が殺されるところだった……わかるか?お前の覚悟の無さが、八重樫を死なせる所だったんだ!!」

 

勇輝「!」

 

カズマ「光輝、お前と八重樫になにがあったか知らないが、はっきり言って俺は八重樫を連れて行くことに賛成だ…こんな駄目勇者の側に居させてもこいつの為にならねえしなにより…こいつと居るより俺達と居たほうが生存率高いからな…」

 

勇輝「な、なんだと!?」

 

カズマ「事実だろ?実力も覚悟も勇者としてもリーダーとしても不適合なお前が、誰を守れる……もっとわかりやすく言ってやろうか?俺やハジメに光輝以下のお前に守れる物は何一つない……それと、今回の事で、お前にいちパーティーを率いる資格がないことが証明された……今後は遠隔でだが俺が率いることにした」

 

勇輝「な!?い、いつそんな事を決めた!!」

 

カズマ「お前が眠っている間に他のクラスメイト達と話し合ってな……皆お前にリーダー任せるより俺に任せたほうがずっと良いと言われてな」

 

勇輝「ふ、ふざけるな!!俺は勇者だ!!俺が皆をまとめるリーダーなんだ!!勝手な事を言うな!!」

 

カズマ「勝手なのはお前の方だろ。戦う以外にも選択があったにも関わらず、誰にも相談せず自分勝手にあれこれ決めやがって…なにより…お前はリーダーとして最も守らなければならない事を守りきれていない」

 

雫「さ、佐藤君…その最も守らなければならないことって一体…」

 

カズマ「……『共にいる仲間を決して死なせず…危険な目に合わせないよう最新の注意をはらう』事だ……仲間を危険な目に合わせるようなリーダーに、一体誰がついていくって言うんだ」

 

勇輝「ぐっ!」

 

カズマの言葉に勇輝は苦味潰す様な表情を浮かばながら雫の方を見る

 

雫「勇輝…ごめんなさい……勝手だけど、私はこのパーティーを抜けて、彼らについていきたい……もう後悔はしたくないの」

 

勇輝「雫…駄目だ……君が何を言おうと、絶対に駄目だ!!彼らに…光輝についていけば…君は今度こそ不幸になる!!……大丈夫だよ!またあの時みたいに……俺が君を守」

 

その瞬間光輝から魔力が溢れ出し、須佐能乎の腕が飛び出し勇輝を掴む

 

勇輝「ぐぁぁぉぁ!!」

 

光輝「……俺が守る?……貴様がいつ雫を守った……守るどころか…余計傷つけた貴様がよくもそんなセリフ吐けたな……あの時……俺に言ったセリフをそっくりそのまま返してやろうか。『お前なんかヒーロー失格の唯の偽善者だ』」

 

そのセリフとともに光輝は勇輝に幻術にハメてそのまま気絶させた

 

雫「……」

 

光輝「………そいつの言葉に同調してるわけじゃないが……旅にはついてくるな…」

 

そう雫に向かって言いながら光輝はその場を去ろうとする

 

雫「…!」

 

そんな光輝を、雫は走って追いかけた

 

しかし…どれだけ追いかけようと光輝に追いつかず…その距離は離されていく…

 

『もう……俺を追うな』

 

雫の頭の中で、光輝の言葉が流れた

それに雫は表情を暗くし、足を止めた

 

雫「私は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間…誰かが背中を軽く押す

 

雫「!」

 

「……後悔…したくないんだろ?」

 

その言葉に、暗くなっていた表情が変化した

 

雫「!……ありがとう」

 

そう言うと雫は光輝を追いかけた

 

光輝「……しつこい……なぜそうまでして俺を追いかける…」

 

雫「……決まってるでしょ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方を…一人にしないためよ!!

 

光輝「……」

 

雫「あの日…勇輝と貴方が言い合ったあの日以来…貴方は誰かと関わる事を避け、ずっと一人でいた…勇輝は貴方を悪者みたいに言うけど…そんなことないわ!!貴方は…いじめられていた私をただ一人…助けようとしたわ…真面目に取り合わず、問題の先送りをしていた勇輝と違って…貴方は私の話をよく聞いて……助けようとしてくれた………勇輝は貴方をヒーロー失格の偽善者なんて言ってたけど…貴方は…あのときの私を本気で助けようとした貴方は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他の誰よりもヒーローだったわ!!

 

光輝「!!」

 

雫「そんな貴方が……だれとも関わらず…ただ一人、孤独の道を進もうとしている貴方を……放っておける訳がない!!放って置きたくない!!たとえ貴方がそれを望んでいたとしても……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が……貴方を絶対に孤独になんかさせない!!

 

その瞬間

 

雫の目に映る景色が変わった

 

気がつくと雫は地面にうずくまっており、その向かいでは、光輝が驚愕していた

 

光輝「!……俺の月読を…破った…だと!?」

 

そう…雫が追っていた光輝は実は既に光輝によってかけられていた月読だった

 

どれだけ走っても決して追いつけない……そう言う内容だった

 

しかし…雫は諦めなかった……その諦めなかった強い意志が、光輝の月読を破ったのだ

 

光輝「……雫」

 

カズマ「……」

 

雫「私は…諦めないわ……絶対に、絶対に…貴方の心に抱えた孤独を…取っ払うまで!!……貴方を追うのをやめない!!」

 

雫の表情…その目は強く、そしてまっすぐと光輝を見ていた

 

それは…自分が本気であること……自分はどこまでもついていくと

 

光輝「……」

 

雫「……」

 

互いに見つめ合うふたり

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光輝「…………俺にはついてくるな(・・・・・・・・・)…」

 

そう言いながら今度こそ立ち去る光輝

 

雫「……光輝」

 

カズマ「良かったじゃねえか八重樫!!」

 

雫「え?」

 

カズマ「あれ?気づいてなかったか?さっき光輝は『俺にはついてくるな』っていっただろ?……でも旅にはついてくるなとは言ってないぜ?」

 

雫「!!」

 

カズマ「要するにだ…『旅の同行は許すが俺についてくるのは駄目だ』ってことだな」

 

雫「そ、そう…なんだ…」

 

カズマ「でもいいじゃねえか!!大きな一歩だぜ八重樫……お前とあの兄弟の間に何があったかは知らねえけど……あいつのこと…頼むよ……俺も出来ることなら……あいつをあのまま一人にさせたくないからさ…」

 

雫「!……ええ……わかってるわ!」

 

カズマ「んじゃ、改めてよろしくな八重樫……いや、もう一緒に旅するなら雫…って呼ぶべきか…」

 

雫「なら…私もカズマ君って呼ぶわ……改めてよろしくね」

 

そう言うとふたりは互いに握手した

 

 

 

 

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