創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第三十三話 集う伝説のパーティー

 

アンカジに来て、感じたことのある魔力を辿り、とうとう再会を果たしたカズマとアクア、めぐみんとダクネスの4人はその後、ランズィ達のいる部屋へと戻った

 

その道中、カズマはふたりにこの世界へ転生した後の事を聞いた

 

曰くダクネスは領主の娘として転生し、めぐみんはというと赤子の頃に親が流行り病により早死したあと孤児院に入れられ、丁度この孤児院を運営していたゼンゲン家に引き取られ養子になった

実はダクネスが偶然幼いめぐみんを見つけ出し、父に頼みゼンゲン家の養子にさせた

 

つまり、この世界に転生しためぐみんとダクネスの関係は義姉妹と言うことになる

 

部屋に戻った後、カズマはふたりの事を話した

そこで驚くべき事を知る

 

ランズィ「そうか…君たちふたりが娘たちの言っていた『待ち人』だったのか…」

 

なんとめぐみんとダクネスは、自分達の事情を全て家族に話していた

 

普通自分達が転生者であることやこの世界の神が実は争いを引き起こした黒幕であると話しても信じてもらえないだろう

 

だが、ランズィを初めとした家族の者や使用人一同はふたりの話を信じていた

 

ふたりがつまらない嘘をつくはずのないことや年の割りにかなり達観していたことに加え…幼少期からたいして鍛えていたわけでもないのにも関わらず物凄く強かったことなどが決め手となり、信用された

 

そしてゼンゲン家やその使用人達を含め、彼らは人間以外の種族に対し差別意識を持たないこの世界ではかなり希有な存在だった

 

なおこの話を聞いた香織と雫は物凄く驚いていたがふたりも色々納得できる部分があり信用された

 

ただこの時香織はカズマに対して『じゃあカズマ君はなろう系のハーレ厶主人公だったんだ!!』と言われ、『なんか似たような事をハジメに言われたんだが…』と少し苦笑していた

 

ランズィとその家族の治療を終えた一行は、次にアンカジ内の数多くの病人を治療(アクアがメインの治療、香織は補佐、カズマは持ち前の魔力を供給させた)して周り、その間ハジメ達はオアシスに調査しに行き、そこに潜んでいた汚染の元凶である魔物を始末した

 

この魔物は新種で見たことのないタイプだったと言うアンカジの調査員

 

それに対しハジメは恐らく魔人族が生み出した物だと断定

 

その後オアシスの浄化をアクアがやってのけ、無事アンカジは救われた

 

これには回復も浄化も何もかもが自身を遥かに上回っている事実に香織がまた落ち込み、雫が『向こうは世界一つを救った伝説のパーティーの女神様よ…初めから勝負にならないわ』と慰めていた

 

アンカジの人々や領主達に感謝され、その日は公国挙げての大宴会が繰り広げられた

 

その宴会では、かつて前世で冒険者ギルドでもよくやっていた宴会芸スキルを披露し公国中が大盛り上がりを見せた

 

アクアの宴会芸を見ためぐみんとダクネスは『本当に昔に戻った気分』だと懐かしむ様子を見せた

 

また料理を食べていたハジメにユエやシア、香織が食べさせようとして一悶着があった

 

そんな彼らを横目にカズマ達は前世や転生後の話を肴に4人は楽しんでいた

 

決して喧嘩せず、皆が楽しんでいる姿を見たハジメは心のなかで『あれこそ本当のハーレム系主人公のあるべき姿』とぼやいていた

 

そんな彼らを可笑しそうに見ていた雫だったが、そこで光輝の姿が見えないことに気が付き、料理を乗せた皿を片手に探し回った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくするとオアシスにかけられた橋で光輝が一人黄昏れていた

 

光輝「……なんのようだ」

 

雫「あ、その……」

 

少し言いづらそうにする雫だったが意を決して光輝に言う

 

雫「こ、光輝が居なかったから…どこに行ったのかなぁって…思って…」

 

光輝「………一人になりたかったからここに来ていただけだ……ああいう大勢で騒ぐ場は好きじゃないからな…」

 

雫「そ、そう…」

 

光輝「……」

 

雫「……」

 

しばらくの間…ふたりは無言でいた

静寂がふたりを包んだ

 

それから数分が経ち、光輝が話し掛けた

 

光輝「それで……お前はなぜ料理を持ってきている」

 

雫「あ、そうだったわ…これ…光輝あまり料理食べてないだろうなって思って持ってきたけど……その、良かったら…食べる?」

 

光輝「……」

 

光輝は無言で雫から皿とフォークを貰い、食べ始めた

 

光輝「……異世界の食事には…もう慣れたか?」

 

雫「!う、うん…異世界の料理も美味しいのは美味しいけど……やっぱり…お米が食べたいわ…そういえばウルの方に米があるんだったわよね……どうだった?」

 

光輝「別に……地球の物と大差はなかった……が、食べ比べれば違いがわかるだろうな……俺にはもう…地球とトータスの米の違いがわからんからな」

 

雫「そう…なんだ……」

 

光輝「……ただこのパーティーに居れば佐藤が地球の料理と似たようなものを作ってくれる」

 

雫「え?そうなの!?」

 

光輝「ああ…あいつの作る料理の味は悪くはない……お前も何か食べたい物があるなら奴に言えばいい…」

 

雫「うん!!」

 

そう返事すると雫は何を頼もうか考えていた

が、何かを思いついたのか光輝に顔を向け

 

雫「ねえ光輝…そういえば私…地球にいた時何度も貴方に弁当を作ったよね…?」

 

光輝「ああ、頼んでもないのにな…香織が南雲に頼まれたわけでもないのに弁当を作るレベルで面倒だった」

 

雫「うぅ……そ、それは悪い事したと思ってるわ…でも貴方いつも最後には食べてくれたじゃない…」

 

光輝「お前がしつこかったからな」

 

雫「と、とにかく……私思えば貴方が何を食べたいか聞いたことが無かったわ………それで…光輝は何が食べたかったの?」

 

光輝「聞いてどうする…」

 

雫「だ、だから…その……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし…私が光輝の……食べたい物作ったら……食べてくれる?……」

 

光輝「……」

 

雫「あ!で、でも!貴方が本気で食べたくないならいいの!!そ、それにカズマ君ほど上手にできないかも知れないから『不味くねえよ』…?」

 

自分の発言に少し戸惑いと焦りを見せた雫を光輝は止めた

 

光輝「お前が作る料理で不味いと思った事は一度としてない……作ったなら食ってやる」

 

そう言いながら光輝は宴会場へ向けて歩き出した

 

雫「あ、ど、どこ行くの?」

 

光輝「戻る……これ以上お前とふたりっきりになればらしくないこと言いそうだからな」

 

雫「!!」

 

宴会場へと歩き出す光輝の後ろ姿を少しの間見ていた雫だったがやがて笑顔を浮かべ、光輝の隣を歩き出した

 

光輝「……(何をらしくないこと言ってるんだ俺は…)」

 

雫「……(フフッ…光輝の態度が少し軟化したわ…)」

 

自分のやろうとすることや少しでも関わろうとする雫を拒絶しなかった事に、雫はなんとも言いようのない嬉しさが心の中を満たされていくのだった

 

 

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