カズマが愛子を救出する少し前、王国にたどり着いたハジメが白眼を開眼し、愛子を探していると王国の外から魔人族が攻めてきていることに気がついた
それをカズマに言うとカズマはユエとシアとティオに元々頼んでいた役割とは違う物を頼んだ
その役割とは、魔人族の無力化する程度に戦ってほしいとのこと
それ以外の者の役割は以下の通り
カズマは愛子の救出、救出後はユエ達と合流
アクアはおかしくなった王宮の者達の状態異常の解呪
ハジメはそんなアクアの護衛
香織と雫は王宮内にいるクラスメイト達と合流後すぐに脱出させる
めぐみんとダクネスはリリアーナと共にホルアドで待機
そして光輝に与えた役目はというと
『畑山愛子を誘拐した銀髪の修道女の始末』
リリアーナからその修道女の事を聞いた光輝を含めた数人は、明らかに只者でないこと…
そしてその人物はエヒトの配下のである可能性があると考えた
なら自分達が動けば向こうとの衝突は免れないだろう
すると光輝が自分がやると言いだし、彼にその役目を与えた
王宮内へと入った光輝達はそれぞれ分かれて行動した
ユエ達は魔人族と交戦し、それぞれの得意分野で相手を抑え込んでいた
このときカズマから『最悪手足の骨を折って戦意を無くさせてほしい。後で治すから』と言われた
これには3人とも少し過激だとは思ったが、殺さない辺りまだマシだと思ったそうだ
襲撃に来た魔人族の中にはフリードもおり、フリード自身、魔王からの命令で攻めては来たものの、わずか3名に軍を抑えられ、更には殺すのではなく無力化をしてくるユエ達に疑問を抱いていた
フリード「……それは貴様らのリーダーとやらの指示だとでも言う気か?」
ユエ「ん…私達の役目はお前たちを倒すことではなく、取り押さえることだけ…殺しは目的じゃない」
そう言われたフリードは少し戸惑いつつも、攻撃の手をやめなかった
同時刻
王宮へ入った面々達はそれぞれの役目を果たす
アクアは洗脳を受けている国王を初めとした国の重鎮達…更に兵士達の解呪を果たした
そんなアクアの傍らでハジメは洗脳され敵意むき出しで襲いかかってきた兵士を気絶する程度にいたぶった
彼らが役目を果たしていたその頃
雫と香織は王宮にいるクラスメイト達と再会を果たす
彼らは戻ってきた2大女神を喜んでいた
特に勇輝はというと戻ってきたふたりにハジメ達から逃げたのだとか、やっぱり自分が言ったとおりだとか抜かしていたが、それを強く否定する香織と雫
そしてふたりはすぐに王宮からの脱出を言い渡す
そして王宮内での事を手短に話した
するとクラスメイト達の何名かも王宮内での空気の違いを勘づいていたようでふたりの言葉に同調し、すぐに逃げるよう周りにも言う
が
雫「!!……最悪…」
香織「嘘…」
そこへ現れたのはリリアーナが話していた件の銀髪の修道女だった
一見すれば無害の女性に見えるが事前にリリアーナから聞いていた彼女の行ったことと旅を通して様々な経験をしてきたふたりはすぐに、目の前の相手が自分たち以上の強さを持った相手だと気づいた
しかし、後ろにいる勇輝を含めた面々は現れた修道女がそんなに強そうだとも敵とも思っておらず、『この人も一緒に連れて逃げよう』などと言い出す始末
勇輝が代表して近づこうとした瞬間、勇輝の後ろから影が伸び、それが修道女の足元の影にくっつくと修道女の動きが止まる
幸利「馬鹿やろう天之河兄!!なに無警戒に近づいてんだ!!そいつお前どころかこの場の面々総出で挑んでも勝てないくらい強えぞ!!」
幸利自作の拘束術
『影縛り』、その効果は自身の影を伸ばし、自身の影に触れた他の影の持ち主の動きを拘束する
ウルの時は大量の魔物を一人で拘束することができたなど、高い拘束力を持つ……が
幸利「グッ!……やべぇ…拘束が…」
高い拘束力を持つ影縛りをモノともせず、動こうとする修道女
幸利「恵里!速く援護してくれ!!」
幸利は後ろにいる恵里に呼びかけた
恵里「わかってる!鈴、僕の身体預けるね…『心転身』!!」
中村恵里の天職は降霊術師
幸利も使う闇系魔法は精神や意識に作用する系統の魔法で、実戦などでは基本的に対象にバッドステータスを与える魔法と認識されている
降霊術は、その闇系魔法の中でも超高難度魔法で、死者の残留思念に作用する魔法であり、聖教教会の司祭の中にも幾人かの使い手がおり、死者の残留思念を汲み取り遺族等に伝えるという何とも聖職者らしい使用方法がなされているが、この魔法の本当の使い方は、遺体の残留思念を魔法で包み実体化の能力を与えて使役したり、遺体に憑依させて傀儡化するというものだ。つまり、生前の技能や実力を劣化してはいるが発揮できる死人、それを使役できるのである。また、生身の人間に憑依させることでその技術や能力をある程度トレースすることもできる
だがここで恵里は思った
この降霊術を極めれば、他人の精神に自分自身が憑依できるのではないか?
そう思い、恵里はカズマとの訓練の傍らで降霊術の修行も続けていた
結果恵里は自分だけのオリジナル技である『心転身』を身に付けた
これは自分の精神エネルギーを丸ごと放出し相手の精神に入り込み体を乗っ取る術で成功すれば相手の体を自分の体のように意のままに操ることができる。
しかしそれに伴うリスクも大きく万一外せば精神は自分の体にも戻れないまま数分間漂うことになり肉体は無防備となる
そして術を発動した恵里の身体はまるで眠りについたように倒れ、それを親友の谷口鈴が抱きとめた
恵里の術を受けた修道女はさっきまで幸利の術を受けても動こうとしていたが、恵里の術がキマると動きを完全に止めた
雫「と、止まった…」
幸利「へ、へへ、俺の『影縛り』で身体を拘束、恵里の『心転身』で精神を拘束……そんで後は浩介の死角からの急所への一撃が決まれば完璧なんだがなあ………おい、今のうちに他の奴らは逃げろ!多分これもそんなに長く持たねえからよ!!」
修道女の動きが止まったのを確認した幸利はすぐに他のクラスメイト達に逃げるように言う
だがここで待ったをかけるものがいた
勇輝「ま、待ってくれ!!なぜあの人を拘束する!それに逃げろって、なぜ逃げなきゃいけないんだ!!」
この空気を読まない勇者(笑)だった
雫「敵だからよ!!それに元々私達が来たのは貴方達を逃がす為であって戦闘は目的じゃないのよ!あとあの修道女は畑山先生を誘拐した誘拐犯で今城で起こっている妙な空気や神への強すぎる信仰心の風潮を作った元凶!!今畑山先生はカズマ君が救出に向かったわ!後は皆が逃げれば私達の役目は終わり!この人のことは光輝に任せて私達は逃げるのよ!!」
そう言い今度こそ逃げるように言おうとしたが
勇輝「なんでだ!抑えている今なら、勝てるじゃないか!!光輝が来るのを待たずに今ここで俺達が倒せるじゃないか!!」
香織「ゆ、勇輝君!待って!雫ちゃんがそれをしないのは私達が攻撃してもあまり効果がないからだと思うの、そうでしょ?」
雫「ええ、清水君の拘束を自力で解こうとする上、対峙したときに感じたあの強さ…光輝やハジメ君にカズマ君くらいしか対処できない強さよ!私達が攻撃したところで、効果がない!!」
勇輝「ッ!」
雫に言われた言葉に勇輝はショックを受けた
それはつまり、雫からも自分はハジメや光輝以下と思われ、しかもいても足手まといにしかならないと言われたように思えたからだ
地球に居た頃から劣っていると思っていたハジメと自身の弟である光輝に対し強いコンプレックスを抱いていた勇輝は感情のまま聖剣を抜くと叫ぶ
勇輝「南雲や光輝なんか必要ない!!俺が倒すんだー!!万翔羽ばたき 天へと至れ『天翔閃』!」
〝限界突破〟終の派生技能[+覇潰]を発動させ、基本ステータスを数倍にまで上げた状態で零距離攻撃を修道女にかました
攻撃が命中すると修道女は壁を突き破りながら吹っ飛んだ
幸利「ッ!何しやがる!!今ので拘束が解けちまったじゃねえか!!」
勇輝「はぁ…はぁ…で、でも…今の攻撃…俺の全力を乗せた一撃……これをくらって生きてる訳がない」
実際、今の攻撃は人類側からすれば一発逆転の威力を持った一撃
しかし
恵里「……はっ!な、何が起きたの!?」
そこへ恵里が目を覚まし辺りを見渡す
鈴「エ、エリリン!今天之河君があの修道女さんをふっ飛ばしちゃったの!!でも多分今ので倒せたと思うからこれでもう大丈『……違う』……え?」
恵里「あの人…人間じゃなかった…多分生きてるよ。すぐにここを離れないと!」
龍太郎「お、おい!何をそんなに慌ててる中村、大体人間じゃねえってどういうことだ!?」
恵里「……どんな生き物にだって…心の中…精神内には何かしらのものがある……それが感情だったり自我だったり…生き物としてあって当然のものがある……でもあの修道女の精神内は
空虚…空っぽだった……おまけにその空っぽだった精神は僕の心を徐々に蝕んでいた……もしあのまま居たら、僕の精神まで空になるところだった…」
???「そのとおりです」
そのセリフとともに壁が砕けて粒子状に破壊され、修道女が姿を現れす
もっとも、その姿は先程までの修道服ではなく、代わりに白を基調としたドレス甲冑の姿になっていた
ノースリーブの膝下まであるワンピースのドレスに、腕と足、そして頭に金属製の防具を身に付け、腰から両サイドに金属プレートを吊るし、まるでワルキューレのようだった
その背中から銀色に光り輝く一対の翼を広げていた
この世のものとは思えない美しさと魅力を放っていたがその瞳だけが氷の如き冷たさを放っていた。その冷たさは相手を嫌悪するが故のものではない。ただただ、ひたすらに無感情で機械的。人形のような瞳だった
両手に白い鍔なしの大剣が握られていた
銀色の魔力光を纏った二メートル近い大剣を、重さを感じさずに持っている
ノイント「ノイントと申します。我が主に作られし〝神の使徒〟であり…不要な自我に感情は持ちあわせておりません……そして主の盤上より不要な駒を排除します…」
ノイントから噴き出した銀色の魔力が周囲の空間を軋ませる。大瀑布の水圧を受けたかのような絶大なプレッシャーが香織達に襲いかかる
香織や雫と言った旅に同行する面々とカズマから訓練を受けていた幸利と恵里は必死に歯を食いしばって耐えようとするもの
一方、勇輝を含めたクラスメイト達はそのプレッシャーに押しつぶされかけていた
ノイント「貴方達はまだまだ駒として動いて欲しかったですが……それも難しそうなので……ここで退場してもらいます」
その言葉とともにノイントの翼から銀翼から殺意をたっぷり乗せた銀羽の魔弾が放たれ、それが雫達を襲った
本作の投稿が四十話を超えました。これから出す原作改変キャラクターの中で誰が好きですか?
-
友達と優しさを持つハジメ
-
闇を抱えた孤独の光輝
-
物凄く動いてまわってるカズマ
-
カズマを支える相棒兼正妻のアクア
-
影薄だけど友達思いの浩介
-
原作と違い闇を感じない恵里
-
原作と違い救済され闇を祓われた幸利
-
ティオに惚れられた心優しきウィル
-
光輝を孤独にさせない一途な雫