創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第五十九話 集いし神代魔法

 

瀕死だった勇輝の治療を終えた一行は先へ進んだ光輝を追いかける

 

なお勇輝は痛みに耐えきれず気を失いカズマに引きずられている

かなりぞんざいな扱いだがあれだけの事をしたのだからむしろ置いていかないだけありがたいと思いたい

 

それに周りは止めはしなかったが流石に香織と雫は引きつった表情を浮かべていた

 

その道中、ユエは己が受けた試練で過去の自分の記憶の断片を思い出したことを話した

 

今から三百年前

ユエが王位についた吸血鬼族の国は小国ではあったが、小さな鬼神の国と謳われたほどの強国だった

それは、吸血鬼族という種族の特殊性に理由がある。血という媒介を経て、身体を強化し、魔力を増幅させ、寿命すら延ばす。そんな力を持った種族は他にはいなかった。吸血行為自体に、畏怖の念を抱かれていたというのもある

そんな国の直系王族として生まれたのがユエだった

生まれついての魔法の天才だったユエは赤子の頃から将来を期待されていた

魔法でも知識でも与えれば与えた分だけ吸収していく天賦の才能。生憎、武に関する才能だけはなかったが、そんなもの不要と断じられるほどユエの存在は一線を画していた。 そして極めつけは、十二歳の時に発現した反則級の力。魔力の直接操作能力と魔法陣想像構成能力、そして固有魔法〝自動再生〟――書物に記される神代の登場人物達の如き凄まじい能力。 当時は今とは比べ物にならないほど多くの国で溢れており、戦争は激化の一途を辿っていたのだが、自国の即戦力として戦場に駆り出されたユエはその力を遺憾無く発揮し、文字通り鬼神となって敵を蹂躙した。 結果、ユエに対する名声と畏怖は膨れ上がり、弱冠、十七歳にして王位に就くことになる

十二歳で戦場の殺意と憎悪に塗れ、僅か五年後に国を支える支柱となった。普通の少女なら、余りの重圧に押し潰されて精神を病んでいただろう。だが、潰れてしまうには、ユエは強すぎたし聡明すぎた。

しかしある日、最も信頼していた叔父が部下達と共にユエを殺しに来た。ユエが王位に就いて二年ほど経った頃から、叔父と妙に距離が出来ていた

いや、正確に言うなら叔父がユエを避け始めていたのだ。それは、彼の部下も同じだった。 当時のユエは、ある意味、両親よりも接する時間の長かった叔父との唐突な距離感に随分戸惑った

自分が何か不快にさせるような失敗をしてしまったのだろうかと悩みながら、何度も話し合いの機会を設けようとした。 しかし、叔父との腹を割った話をする機会はとうとう実現せず、気が付けば二人の関係に溝が出来てから更に数年が経ってしまった。 しかも、いつしか民達のユエに対する畏敬の念は、化け物に対するような単純な恐怖に変わっていた。ユエに関する様々な悪い噂が絶えることなく流れたからだ。自国を守る為の戦場での活躍が、皮肉なことにその噂に拍車をかけた。 最も信頼していた者達は、既に皆ユエの傍から去っていった。代わりに、叔父が権力を増していき彼の周りに人々は集まるようになった。それはもう不自然なほどに。 ユエの両親――前国王夫妻やその側近達は、皆こぞって叔父の排斥を訴えた。謀反の疑いがあるとして。しかし、ユエは何を言われようとも叔父を疑ったりはしなかった。きっと何か理由があるのだろう、と。最後の最後まで信じていた。 そして、その最後の日が訪れてしまった。運命の日だ。 玉座にて他国の使者を迎えているおり、叔父が完全武装した部下と共になだれ込んで来た。そして、前国王夫妻派の側近達を問答無用に惨殺し、その凶刃を、殺意を、ユエにも向けたのだ

呆然としている間にユエは幾度も致死性の攻撃をその身に受けた。〝自動再生〟が、瞬時に傷の尽くを修復してしまうが、それでも混乱の極みにあった、否、現実を否定していたユエに反撃など出来ようはずもなく、気が付けば身動き出来ぬように封印され、あの奈落へと幽閉されている最中だった。 客観的に見れば、叔父が野心故に国王の座を狙いクーデターを起こしたようにしか見えない。実際、三百年の幽閉の中で、ユエも現実に屈するように叔父に裏切られたのだと思うようになった

 

しかし、己の虚像との戦いである矛盾に気づいた

自動再生は確かにどれだけ傷を負おうとも再生するが絶対ではない

それは魔力に依存するからだ。魔力が枯渇すれば再生は起こらない。魔力が枯渇するまで攻撃を続ければ殺しきることは可能なのだ。実際、あの時、ユエはショックの余り抵抗せず、最後の方では再生のしすぎで魔力は相当目減りしていた

 

ユエの叔父は内政者としても戦闘者としても他の者とは一線を覆すほどの男だった

そんなあの男がユエを殺し損ねるとは到底思えなかった

 

ではなぜ殺すのではなく封印だったのか……それはどれだけ考えてもわからなかった

 

しかし、過去の記憶を読み解いていくうちに…かつて封印される直前に断片的にだが叔父からの最後の言葉を受け取ったことを思い出した

(――、すまな――。これ以外に、方――。いつの日か、きっと、――に寄り添う者が現れる。その者なら、きっと――から守ってくれるはずだ。――、私に、こんな――。だが、忘れ――。――を、愛して――)

 

親としての愛情を与えてくれたのは叔父であり、両親は愛情というよりも敬愛に近く、よくよく思い返せばどこか【メルジーネ海底遺跡】の試練で見た神に魅了された国の人々と雰囲気が似通っている気がしていた

 

ユエの記憶する限り、当時の戦争も例に漏れず宗教が多大に絡んでいた。だが、自国に関しては不自然なくらい関わりが薄かったように思えた

即位してからも、宗教関係者との接触時には必ず叔父が同席していたし、そもそも接触そのものも止むを得ない事情でもない限り全て叔父が対応していた。 叔父は内政となれば誰よりも知識深く賢明で、戦闘となれば何体もの魔物を使役する強力な魔物使いだった。だが、今思えば、一吸血鬼としては常軌を逸していたように思う

 

即位して一年も経つ頃の叔父は、常に苦悩に眉根を寄せ、急速に老けていくようだった。その変化は、きっとごく親しい間柄の者にしかわからなかっただろう。当時のユエは、距離を置かれる不安や悲しみを感じると同時に、とても心配していたのだ。 叔父は野心の為に自分を裏切り、長い長い暗闇の牢獄へと閉じ込めた。そう信じていたユエだが、虚像の言葉に揺るがされ、蘇ってきた記憶の断片は少しずつ他の可能性をユエに示し始めた。 きっと、客観的に見た叔父のしたことと果てしない闇の牢獄が、ユエの記憶を一つに固定してしまったのだ。誰かを恨まなければ、希望を捨て絶望に浸りながら無気力に過ごさなければ、心が耐えられなかった。だから、一番、見た目通りの筋書きが真実であると信じ込んだ

 

これにはハジメも出会った頃から疑問に思っていたそうだった

 

そして一行は先を歩いていた光輝と合流できたが光輝はこちらとは目を合わせようとしなかった

 

それは勇輝がいるからか…それともさっきまでのやつで気まずくなったからか…或いは両方か

 

やがて一行は魔法陣を見つけ底へ飛び込む

 

飛び込んだ先は広い空間だった

幾本もの太い円柱形の氷柱に支えられた綺麗な四角形の空間で、やはり氷で出来ている。今までの氷壁のように鏡かと見紛うような反射率の高い氷ではなく、どこまでも透き通った純氷で出来ているかのような氷壁だ。 そして、何より目を引くのが地面だ

ここに来るまで、ついぞ見なかった水で溢れていたのである。どうやら、この空間はそれほど低温ではないらしい。大量の湧水が流れ込んでいるようで、広い湖面のあちこちに小さな噴水が出来ている。おそらく、どこかに流れ出ていく穴もあるのだろう。 そして、そんな湖面には氷で出来た飛び石状の床が浮いており、それが向かう先には、巨大な氷の神殿があった。ちょうど、ハジメ達が出てきた側の対面だ

そこまで四角形の湖面に浮く氷の足場が続いているのだ。 ハジメは、水が凍てつかないことから、試しにと防寒用アーティファクトを外してみた。すると、案の定、冷えた空間ではあるが、涼しいと感じるくらいで寒いというほどではなかった

 

ここが【氷雪洞窟】の最深部というのは間違いなさそうである。住処が極寒とか、いくら〝解放者〟でも勘弁だろう

 

神殿入口前まで来ると入口は両開きの大きな扉になっており、そこには雪の結晶を模した紋章が描かれていた

 

解放者〝ヴァンドゥル・シュネー〟の紋章だ

特に封印などがされている気配はなく、すんなりと開いた

 

ハジメ「見た目は神殿なのに、中身は住居だな」

 

ユエ「……ん。オスカーの隠れ家と似てる」

 

扉を開いた先には、教会のようなステンドグラスや祭壇など一切なく、代わりに氷で出来たシャンデリアが吊るされた邸宅のエントランスがあった。奥へ続く廊下と、両サイドから二階へと上がる階段がある。 ハジメは、羅針盤を使って魔法陣の場所を探った。それによると、一階の正面通路の奥のようだ。ハジメの先導に従って奥へと進む。途中、いくつか部屋があったので扉を開けてみると、普通に家具が置いてあった。

氷壁も、触ってみると氷なのにひんやりしているだけで冷たいという程ではない。ハジメの防寒用アーティファクトのように、何らかの防寒措置が施されているのだろう。 そうして、屋敷の中を感心しながら進んでいると、遂に重厚な扉に行きあたった

 

カズマ「……あれだな」

 

カズマはそう呟き、躊躇いなく扉を開ける

そこには、確かにお目当ての魔法陣があった。 早速、その魔法陣に入るメンバー。いつもの如く、脳内を精査されて、攻略が認められた者の頭に、直接、神代の魔法が刻まれる

 

最後のそれ――【変成魔法】を修得し、喜びをあらわそうとカズマ達が互いに顔を見合わせたその時

 

ハジメ「ぐぅ!? がぁああっ!!」

 

ユエ「……っ、うぅううううっ!!」

 

光輝「ッ!!」

 

苦悶に満ちた悲鳴が上がった

ギョッとしてその悲鳴の方に視線を向けたカズマ達。そこには、激しい頭痛を堪えるように頭を抱えながら膝をつくハジメとユエと光輝の姿があった

 

シア「ハジメさん!? ユエさん!?光輝さん!?」

 

カズマ「おい!?どうしたお前ら!!」

 

シアとカズマが驚愕の声を上げる

 

ティオ「落ち着かんか! 香織! アクア!呆けるでない!」

 

香織「え? あっ、うん、直ぐに診るから!」

 

アクア「ご、ごめんつい」

 

突然の出来事にオロオロするメンバーにティオの一喝が落ちた

治療のエキスパートであるアクアと香織も叱咤されたことで我を取り戻す

そして、急いで診察しようとした、その直後、

 

ハジメ「っぁ……」

 

ユエ「……んっ」

 

光輝「……ッ…」

 

脂汗を大量に浮かべたハジメとユエと光輝は正体不明の苦痛から解放されたのかガクッと体から力を抜き、そのまま倒れ込んだ

 

それを、シアと香織と雫が咄嗟に支える

様子を見てみれば、三人共気絶しているようだった

チートを通り越してバグレベルに至っている三人が気を失うほどの負荷……一体、何が起こったのかと静寂の戻った部屋に呆然とした空気が流れる

 

ティオ「取り敢えず、二人を休ませんとの……」

 

一同「「「「「「「………」」」」」」

 

こんな時、冷静で頼りになるティオ(変態)の言葉に、メンバーは困惑しきった様子で顔を見合わせるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シア「ハジメさん達…どうして倒れたんでしょう…」

 

気絶したハジメ達を別室に運んだカズマ達は居間らしき部屋に集まりしばらくの間ソファーにくつろいぎながら話し合っていた

 

カズマ「あの3人の共通点は全ての神代魔法を得ていることだ…つまりあの3人は概念魔法を使う条件を満たしたってことだ…ここにいる全員…既に神代魔法を得ていたのだから経験してるだろ?脳に直接魔法とその知識が刻まれたことが……多分あいつらは全ての神代魔法を得たことで俺たちとは別で脳に刻まれたより多くの知識によりオーバーヒートしたんだろうな……まあ今のは憶測だけどな」

 

めぐみん「ですが概ね間違えてないとは思いますよ」

 

アクア「頭に急に難しい言語とか知識を大量に入れようとしたらパンクしちゃうもんね!」

 

ハジメ「お、お前らここにいたのか」

 

そこへ気絶から目覚めたのかハジメとユエが合流してきた

それにシア達は驚きつつもふたりに抱きついて安堵を浮かべていた

 

そしてなぜ倒れたのかを聞くと概ねカズマの言っていた通りであった

 

3人が脳に刻まれたのは変成魔法だけでなく概念魔法についての知識も刻まれたのだ

しかしそれだけでなくこれまで得た神代魔法をより深く理解するための知識━━神髄である概念魔法を習得するための前提知識が頭に刻み込まれた

 

これまで得た神代魔法の基本的知識と真髄を並べて説明すると

『生成魔法』はオルクス大迷宮で入手できる神代魔法で

鉱物に魔法やスキルの効果を付与してアーティファクトを創り出せる魔法

この魔法の正しい定義は『無機的な物質に干渉する魔法』であり鉱物だけでなく水や食塩などにも魔法を付与できる

 

『重力魔法 』はライセン大迷宮で入手できる神代魔法で重力へ干渉し、浮遊や重力球を作ることができる

この魔法の正しい定義は『星のエネルギーに干渉する魔法』であり、地脈や岩盤及びマグマなどにも干渉し地震や噴火を意図的に起こすことも可能である

 

『空間魔法 』はグリューエン大火山で入手できる神代魔法で空間へ干渉し、遠隔地への移動などを行える。空間の切断などにより、回避不能な攻撃を行うことも可能

この魔法の正しい定義は『境界に干渉する魔法』であり、異界なども作り出すことができ、例えば現実と幻の境界に干渉することで幻に実体を与えたり逆に実体あるものを幻にすることができる

 

『再生魔法 』はメルジーネ海底遺跡で入手できる神代魔法で有機物・無機物問わず、あらゆるものの損壊を修復することが出来る。対象を逆再生させることで、相手の古傷を生傷に巻き戻すことも可能

この魔法の正しい定義は『時に干渉する魔法』であり、あらゆるものを復元したり過去や未来を垣間見ることもできる。シアの未来視はこの魔法が起源だと思われる

 

『魂魄魔法』は 神山で入手できる神代魔法で生物の魂魄や精神などに作用することが出来る。時間内であれば魂が劣化する前に死者を蘇生し、乱れた精神状態を整えることも可能。ミレディはこの魔法によって自身の魂をゴーレムに移し、実質不老不死の状態になった

この魔法の正しい定義は『生物の持つ非物質に干渉する魔法』であり、魂魄だけではなく生物が持つ魔力や熱などのエネルギーや思考や記憶、感情などにも干渉できる。理論上はこの魔法で人工知能の創作も可能である

 

『昇華魔法』はハルツィナ樹海で入手できる神代魔法で全ての力を昇華、最低でも一段進化させることが出来る。その進化は神代魔法も例外ではない。応用することで知覚能力や身体能力を瞬間的に上昇させることも可能

この魔法の正しい定義は『情報に干渉する魔法』であり、あらゆる既存の情報を閲覧し、魔力量に応じた対象に対する情報干渉ができる。ステータスプレートはこの魔法によって作られたアーティファクトと思われる

 

そして最後に

『変成魔法』はここ氷雪洞窟で入手できる神代魔法でありフリードが最初に取得したもので、既存の生物を魔物に創り変え、強化する魔法。強化段階が存在し、生物の魔物化、あるいは魔物の従魔化をスタートラインとするなら、身体能力や固有魔法の能力増大が第一段階。そこから理性と思考力を与え、術者とある程度の意思疎通が可能になるのが第二段階。第三段階が、その身体能力、固有魔法能力、意思能力の増大となる。後は、術者の熟練度に合わせて、魔物の強化限界も上がっていく。 そもそも魔石というのは、魔物化するほど魔力を溜め込んだ生物の体内で、余剰分が結晶化したもの。要は、自然魔力の結晶が神結晶で体内魔力の結晶が魔石

この魔法の正しい定義は『有機的な物質に干渉する魔法』であり、生物だけではなく植物や食料、人体に対しても行使できる。無機的な物質に干渉する生成魔法とは対をなす魔法と言える

ティオ達竜人族が使う竜化の起源がこの魔法であると考えられる

ちなみに、〝導越の羅針盤〟は、魂魄魔法により使用者の望むものを汲み取り、その対象を空間魔法によって空間的な隔たりや距離を無視して探査し、昇華魔法によって対象の情報を補足するというものらしい。いずれも、そのままの神代魔法では成し得ないことだ

 

雫「なるほどね。本当に、大きな、それでいて根本的な事柄に干渉できる魔法なのね。人が触れていい領域を超えているように思えるわ。……でも、そうすると、まだ帰還の為の概念魔法は生み出せそうにないってことかしら? 聞く限り、相当難易度が高いように感じるけれど……」

 

ハジメ「まぁ、確かに難しくはある。リューティリスが極限の意思なんてふわっとした説明をしていたが、実際、その通りなんだよな。魂魄魔法と昇華魔法で〝望み〟を概念レベルまで引き上げて、それに魔力を付与して無理矢理事象を現出させる……簡単にいうと、そういうことなんだが、普通は昇華魔法を使ったところで成功はしない。それどころか、概念魔法は、その時の意思を元にするので一度発現したからといって次回以降も安定して使えるというわけではない。通常は一回こっきりの魔法となるな」

 

ユエ「……ん。ハジメの生成魔法で羅針盤みたいに物へ付与しないと」

 

ハジメ「そうだな。ユエの魔法に対する制御能力と俺の錬成……息を合わせて世界を越える為の概念を付与したアーティファクトを作る。だが、召喚防止の為の概念も、となると……少し時間がかかりそうだ」

 

シア「出来なくはないんですね?」

 

ハジメ「当たり前だろう? 何が何でも成功させる。その為に足掻いて来たんだ。帰還のアーティファクトだけなら直ぐに取り掛かれるし、奴らからの干渉を防ぐ概念も必ず編み出してやる」

 

ハジメの瞳が、ゴゥ! と炎を宿したように見えた。過酷な環境を生き延びて、切望し続けた帰郷に手が掛かったのだ。こんな場所で躓いているわけにはいかないという強烈なまでの意思が瞳を煌めかせる

 

カズマ「ま、それはそうと……光輝と天之河兄はまだ気絶したまんまだよな?」

 

ハジメ「あ?……ああ、兄のほうは知らねえが天之河ならまだ寝ているな……」

 

カズマ「そっか……時にお前ら……皆それぞれ自分の中の負と向き合ったことで精神的成長を遂げたとは思うんだよな」

 

シア「は、はい」

 

ティオ「妾も自分の負と向き合えたことでこうしてここに立っていられておる」

 

そうシアとティオを皮切りにメンバー達も次々と反応していったが

 

アクア「あー……その…すっごく言いづらいですけど……その…私…自分の負に『貴女自分の負をとっくに受け入れて乗り越えてるから試練のしようがないわ!』って言われて特に何もしないまま突破しちゃった…」

 

アクアが気まずそうに自分が試練を突破したときの話をした

それにメンバー達は驚きを隠せないでいたのだが

 

めぐみん「ええ…アクアもですか?……実は私も」

 

ダクネス「私も同じく…」

 

カズマ「いやー良かった…俺だけ対して苦労せず試練突破したんじゃないかって少し不安になってたから安心したよ」

 

アクアの告白を皮切りにめぐみんとダクネス…そしてカズマもカミングアウトした

 

ハジメ「いや…マジでどうなってんだお前ら……」

 

香織「ハジメ君…よくよく考えたらあの人達転生者だから常識が当てはまらないよ…」

 

ハジメ「ああ…そうだった…」

 

カズマ「特にこの中で言えば……ハジメとユエ…そして雫が大きな成長を遂げたな」

 

ハジメ/ユエ/雫「「「!」」」

 

カズマ「そしてもっとも大きく成長したのは雫だな……お前らにも見せたかったぜ。こいつの殻を破る瞬間を……なんだっけ?『貴女のほうこそ、諦めるのを諦めなさい!』だったか」

 

雫「カ///カズマ君!?」

 

カズマ「特に光輝関連でも大きな変化をみせたな」

 

雫「カ///!?」

 

カズマのそのセリフにその場にいた全員が一斉に『!?』と驚きの表情を浮かべた

 

カズマ「まあこの話は後にするとして…早速アーティファクト……作ってくるか?」

 

ハジメ「ああ…やれるうちにやっておこうと思ってな」

 

シア「任せて下さい、ハジメさん。お手伝いが出来ない分、お二人の邪魔は誰にもさせません」

 

カズマ「俺も概念魔法が使えりゃあ手伝えたんだがな。ま、俺達のことは大丈夫だから…やって来な」

 

ハジメ「ああ。頼んだ、カズマ…シア」

 

ユエ「……ふたりがいれば安心」

 

堂々と胸を張り自信に満ちた声で宣言するシアといつもの調子でふたりの背中を押すハジメ。逞しく頼もしいその姿と言葉に、ハジメとユエも無類の信頼を寄せて微笑んだ。 そうして、再び、神代魔法の魔法陣がある部屋に行き、シア達の見送りを受けながら、二人は重厚な扉の奥へと消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シア「ところで雫さん……光輝さん関連の大きな変化について詳しく聞いてもいいですか?」

 

雫「エエ///!?」

 

カズマ「まあまあ…その話はハジメ達が戻ってきたあとじっくりと」

 

雫「……泣きたい///」





今回の話大体がウェブからの引用
神代魔法の説明はほぼウィキです申し訳ございません。

本作の投稿が四十話を超えました。これから出す原作改変キャラクターの中で誰が好きですか?

  • 友達と優しさを持つハジメ
  • 闇を抱えた孤独の光輝
  • 物凄く動いてまわってるカズマ
  • カズマを支える相棒兼正妻のアクア
  • 影薄だけど友達思いの浩介
  • 原作と違い闇を感じない恵里
  • 原作と違い救済され闇を祓われた幸利
  • ティオに惚れられた心優しきウィル
  • 光輝を孤独にさせない一途な雫
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