創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第六十一話 決別

 

突如流れ出した幼き日の光輝の記憶

 

思えばあまり光輝の過去を知らない幼馴染組以外の面々は食い入るように映像を見た

 

そもそもなぜハジメだけでなく光輝の記憶まで流れたのか

それに対しカズマは『あのふたりのそばにずっと居たからその影響を直接受けてしまったんじゃないか?よくわからんけど(憶測)』と言った

 

そして流れた光輝の記憶を見たその場の多くの面々は知ることとなった

 

かつての光輝が今の勇輝と同様、強い正義感と人を救うヒーローになりたいという願望を持つ少年だったと

 

しかし、今亡き祖父の言葉を聞き、人の善性を疑うようになったと

 

これには勇輝はとても驚いていた

祖父がこれまで話していた弁護士として活躍した話…しかし当時幼かった自分達に気を使って暗い、汚い話をしてこなかったことを…

 

場面は代わり、光輝と勇輝に集まる同級生達やそんなふたりのカリスマや才能を褒める大人たちの姿が

 

しかし、彼らは決して光輝や勇輝個人を見ていなかった

見ていたのは才能や周りを従えるカリスマだった

 

その結果自分達がなにか間違えを犯しても誰も指摘しなかったりむしろ自分達の方が正しいとでもいうかのように振る舞っていた

 

――なんなんだこいつらは

 

勇輝はそれに気づかなかったが光輝はそれに気づき集まってくる者達の殆どが汚く醜く歪んで見えた

 

――人は皆本当は良いやつばかりじゃないの?

 

それを見続けていくうちに光輝の中で人の善性に対する考えがぐらつくようになった

 

そして

 

――なんだこれは こんなに醜くて歪んだのが本当に同じ人間なのか

 

自身の運命を決定づけた『雫のいじめ事件』が起き、雫を助けようとした結果雫が更に傷つけられ、この日光輝は人の醜さと愚かしさをその目に焼き付けることとなり

 

極めつけは、いじめた主犯たちの言葉に流され、光輝を厳しく弾圧した勇輝

 

――なんで 弟の言葉を信じないの

 

勇輝『お前なんかヒーロー失格の偽善者なんだよ!』

 

実の弟を信じない兄から言われた罵声

 

パリーン!!

 

それが光輝の中でなにかを壊した

 

その瞬間光輝の雰囲気が大きく変わった

 

光輝『……偽善者か……なら…お前はそのままでいろ…そして後悔しろ……その思い込みと独善的な考えは…何れお前を追い詰めることになる……言われなくとも道場はやめてやる……それと……今日限りで、俺とお前は兄弟でもなんでもない……』

 

こうして光輝は変わってしまった

 

信じていた人の善性が嘘だったこと

人なんて救う価値のない存在だと思い知らされ

それまで抱いていた正義感も夢も捨て去った

そんな変わってしまった光輝にそれまで集まっていた同級生や大人たち、挙句の果てには家族からも敬遠されるようになった

 

皆結局は光輝の事が好きでもなければ光輝自身を見てたわけじゃなかった

皆が見てたのは光輝の外側だけで人を嫌うようになった光輝を気にかける者などいなかった

 

――結局人なんて醜く醜悪で嘘を並べた愚かな存在だったな

 

――こんな奴らを救おうとしてたとはな

 

――どうせ他人なんて皆そうだ

 

――勝手に信じたのが馬鹿だった

 

――こんな想いするくらいなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――俺はもう 誰も信じない

 

こうして 光輝は人を嫌うようになったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユエ「……酷い」

 

シア「そんな…」

 

ティオ「これが…」

 

アクア「光輝が…人を嫌うようになった…理由」

 

光輝の過去を知り…カズマと香織と雫を除く面々が驚いた

 

あれだけ人と距離を置き、群れる事を嫌っていた光輝の人嫌いとなった原因を知ったのだから

 

その一方で

 

香織「光輝…君」

 

雫「光輝…」

 

幼馴染ふたりは改めてそれを見て、悲しげな表情を浮かべていた

 

雫にいたっては泣きそうだった

 

カズマ「……人ってさ…幼少期での過ごし方や環境がその後の人格を形成するらしいが……こんな事があれば……それを引きずって成長してしまうな」

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇輝「そ…ん……な…俺…が……俺の…せいで…雫は…光輝は…」

 

最も大きな衝撃を受けたのは勇輝本人だった

 

無理もない

気づかなかったとはいえ助けたつもりでいた雫は自分のせいで更に傷つけ、それに気づかず挙句の果てには、その雫を守った弟を心のない言葉で弾圧してしまい、光輝の心に大きな傷をつけてしまい、今の性格に変わってしまったのだから

それだけでなく、自分は誰も救ってなどいなかった

救った気になっていただけに過ぎなかったと

 

大きなショックを受けた勇輝は膝を地面に付け頭を抱えうわ言のように懺悔の言葉を漏らした

 

ハジメ「……!……お前…いつから起きていた」

 

ハジメ以外の全員「「「「!?」」」」

 

突如ハジメが話しだしたことで一同はそこで気付く

 

光輝「……」

 

いつの間にか起きていた光輝がこちらを見ていた

 

シア「こ、光輝…さん」

 

まわりはなにか言いたそうにしていたがうまく話せずにいる

 

光輝「……」

 

そんな彼らを光輝は無視して今度は勇輝を睨んだ

 

勇輝「こ…光輝…俺は…」

 

光輝「――れ」

 

勇輝「お前や…雫に…なんてことを」

 

光輝「――まれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇輝「お前がそんなふうになる原因を俺が作ってしま」

 

光輝「黙れって言ってるだろ!!

 

次の瞬間光輝は勇輝を壁に蹴り飛ばした

 

そして間髪入れずに勇輝の首を掴んだ

 

勇輝「がぁっ!」

 

雫「光輝!!」

 

そんな光輝を止めようとまわりが動こうとした時光輝は万華鏡写輪眼を開眼させまわりに威嚇した

 

光輝「……貴様がアレを見てどう思おうがそっちの勝手だ。今更謝罪の言葉なんざいらねえ。だがこれだけは言っておく。俺は、貴様がこれまでやってきた数々の仕打ちを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決して許すつもりはない!そして二度と俺の前に姿を見せるな!分かったかこの偽善者

 

そう言うと勇輝を放り捨て

 

光輝「……佐藤…こいつを王都に送還しろ…これ以上こいつを視界に入れるなら今度こそ殺す」

 

そう言ったのでカズマも止む無く勇輝を王都へ転送させた

 

光輝「……なんだ?言いたいことがあるなら言え」

 

すると光輝はそれまで黙ってみていた面々に顔を向けた

 

シア「こ、光輝さん…貴方は…人が嫌いだった(・・・)のですか?」

 

光輝「……だった(・・・)じゃねえ……今も嫌いだ……ついでに言っておいてやる……俺は地球の人間だけでなく、トータス全ての人種が嫌いだ」

 

カズマを除く全員「「「「!!」」」」

 

光輝「俺が地球の人間達を嫌う理由は……お前らが見たとおりだ……トータスに召喚されたあの日……俺は少し期待していた。ここの連中は地球の奴らよりかはマシなのかってな……が、蓋を開けてみれば、地球の連中と何も変わってない…いや、むしろもっと醜い…神なんていう目に見えない存在に縋り付き、信託が下ればそれが何であれ疑問を抱かず思考を放棄し従う人間族に魔人族。神に見放されたと言われ、迫害を受けてながらも決して抗わず弱者で居続けた亜人族。世界の真実を知っていながら何もせず傍観し続けている竜人族……佐藤が扇動してからでなきゃこれまで疑問も抱かずにいたような連中ばかり……佐藤は救うつもりでいるみたいだが俺はそんな気はない……むしろそんな奴ら滅べばいいとすら思っている。俺がここにいるのはただの利害の一致だ。エヒトを殺す。だがそれには全ての神代魔法を得る必要があった……そして全てが揃った今、潮時だ」

 

光輝はそう言うと部屋から出ていこうとした

 

ユエ「光輝…どこに…行くの?」

 

光輝「言ったはずだ…潮時だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今日限りでこのパーティーを抜ける」

 

カズマを除く全員「「「「!?」」」」

 

カズマ「(光輝……お前…)」

 

光輝の脱退宣言に一同は驚いた

 

ユエ「なんで…」

 

光輝「……俺が南雲やお前達と群れたのは神代魔法を手に入れやすくする為であって俺一人で手に入るなら一人でだって大迷宮巡りをしている。そうでなきゃお前らとこれまで行動をともにはしねえ」

 

そうこれまで共にした仲間達に冷たく吐き捨てる光輝にハジメがキレてかかる

 

ハジメ「てめぇ…俺たちを利用するだけ利用して、用が済んだらそれまでか!」

 

光輝「なにをキレている。俺は神代魔法を手に入れることと引き換えに力を貸してやった…お前達もそうだろ……これはずっと前から決めていたことだ」

 

そう言い今度こそ部屋から…いや、この大迷宮から出ていこうとした

 

雫「待って!」

 

出ていこうとする光輝を引き止めようと駆け寄る雫だったが

 

雫「!」

 

そんな雫に光輝は

 

黒金を向けた

 

光輝「言ったはずだ……俺にはついて来るな」

 

そう冷たい眼差しを雫へ向けて言う

 

光輝「ッ!」

 

その瞬間光輝に向かってハジメがドンナーの引き金を引き弾丸が放たれ、それを刀身で受け流す

 

光輝「南雲…」

 

ハジメ「テメェ!お前を散々気にかけてきた女に何刀を向けてんだ!!」

 

光輝「頼んでもいないことを勝手にしてるだけだ……この際だからはっきり言ってやろうか雫……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迷惑だ……お前もアイツ同様俺の前に顔を出すな

 

雫「あっ…」

 

その言葉は…光輝を誰よりも強く想う雫を傷つけるには十分だった

 

ハジメ「天之河ぁぁぁぁ!!」

 

その瞬間ハジメは螺旋丸を形成させながら光輝に突っ込んで行った

 

ハジメ自身、自分はろくな人間じゃないと思っている

だが、そんな自分を想い愛してくれる女達がいる

そのありがたさを理解していた

 

だからこそ、同じように光輝を想い愛しているであろう雫を傷つけた光輝が許せなかった

 

だが

 

光輝「遅い」

 

光輝も千鳥を発動させた腕をハジメの螺旋丸を形成させた腕にぶつけた

 

ふたりの技が衝突したことで部屋に大きな衝撃波ができた

 

 

ハジメ「ぐぁぁ!!」

 

技の競り合いに負けたのはハジメであった

 

ハジメはそのまま壁に叩きつけれ、血を吐く

 

光輝「フン…魔力が全くない状態で俺に勝てると思っていたのか?……お前達は精々…これまで通りその力を自分と自分の大切とやらの為に振るうんだな……」

 

そういうとハジメ達に背を向け今度こそ出て行こうとした

 

シア「あ、貴方には…居ないのですか…?……自分にとっての……大切が」

 

光輝「……ないな……俺はそこの南雲や佐藤…お前達とは違う……他人の為に力を振るうつもりはない」

 

そう最期にカズマ達を見て、消えて行ったのだった

 

めぐみん「……彼…なんだか冷たくなってましたね…」

 

ダクネス「ああ…意識を失っている間に…何か…あったのか……」

 

カズマ「……」

 

アクア「………」

 

ティオ「まさか…このような事になろうとは…」

 

香織「どうしてなの…光輝君…」

 

雫「光輝…」

 

ユエ「……光輝」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りが真っ白な空間な空間では……額に白い布を巻き、両耳の髪を束ねている青年が見上げていた

 

???「お前がここに来るのも……そう遠くない未来だな…ハジメ…………再会の時は近いですよ……兄さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本作の投稿が四十話を超えました。これから出す原作改変キャラクターの中で誰が好きですか?

  • 友達と優しさを持つハジメ
  • 闇を抱えた孤独の光輝
  • 物凄く動いてまわってるカズマ
  • カズマを支える相棒兼正妻のアクア
  • 影薄だけど友達思いの浩介
  • 原作と違い闇を感じない恵里
  • 原作と違い救済され闇を祓われた幸利
  • ティオに惚れられた心優しきウィル
  • 光輝を孤独にさせない一途な雫
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