創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第六十二話 魔人国ガーランド

 

光輝の離脱から一夜が明け

 

ハジメ達は大迷宮から出ていこうとする

 

目指すは魔人族の国『ガーランド』

目的はエヒトの配下の神であり魔人族の王『アルヴ』を倒す為だ

 

しかし昨日の光輝離脱で、メンバーのほとんどがなんとも言えない気分になり、皆口を開く事なく眠りについた

 

思った以上に光輝が居なくなったことが心に来たようだった

 

雫「……」

 

ユエ「……」

 

特に雫とユエは他の面々よりも光輝離脱が心に来ていた為、他よりも元気がなかった

 

片やきつい言葉を吐かれ、片やこれまで長く共にしていたというのにどうにもできなかったことに

 

カズマ「(……いつかはこうなる気がしていたが…本当にそうなったか)」

 

カズマ「ほら、お前ら。しっかりしろ…これから魔人族の国に行くっていうのにそのテンションの下がりようは」

 

香織「ごめん…カズマ君……光輝君の離脱…結構来るものがあったから…」

 

ティオ「……無理もない……妾もじゃ…あやつはああは言ったのじゃが……妾達は利用したつもりなどない……」

 

シア「光輝さんが私達の事を仲間と思ってなくとも……私達にとっては仲間でした……人嫌いでしたけど…優しい人でした…」

 

めぐみん「……はい…私やダクネスは途中からの付き合いでしたが…口数が少なく、どこか距離を置いている節はありましたが…私は嫌いではありませんでした」

 

ダクネス「ああ……私もだ…」

 

ユエ「……うん…私も……」

 

アクア「地球に居たときから見てるけど…あれで根は真面目な良い子なのよね」

 

と、仲間達は自分達が抱いていた光輝への気持ちを吐き出した

 

カズマ「……ハッ…中々罪な男だな…光輝……こんだけお前を大切に思ってくれてる人がいんのに出ていきやがって………ま、心配せずとも…あいつは近いうちに戻ってくるさ」

 

香織「え?」

 

シア「ど、どうしてそれが…わかるのですか?」

 

カズマ「俺の人生経験…と、勘だな」

 

ユエ「勘…?」

 

カズマ「勘を馬鹿にしちゃあいけないな…いざとなれば知識よりも当てになる」

 

あっさりと言うカズマにアクアを始めとした嫁達とハジメを除く面々が少し啞然としたが…不思議とそう思える気がして暗くなっていた空気が少し明るくなったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「あらら…こちらから出向くつもりだったんだが…まさか……そちらさんから来てくれたか」

 

 

無事大迷宮の外に出ることができた一行を待ち受けていたのは

 

二回りは大きくなった白竜とその上に騎乗するフリード、灰竜を主とした数多の魔物達

 

そして、数百体はいるであろう、おびただしい数の、銀翼を生やした同じ顔の女〝真の神の使徒〟――ノイントが待ち構えていた

 

めぐみん「うわ…どこからこれだけ集まってきたんですか…」

 

ダクネス「しかも一人一人同じ顔をしている……」

 

カズマ「言ってみれば量産型みたいなもんだな……また会ったな……フリード」

 

フリード「……貴様もな…イレギュラー…」

 

ハジメ「……そいつらと来ているってことは…やっぱお前ら魔人族の所の神とエヒトはグルだったわけか」

 

フリード「……」

 

沈黙をしているがそれが肯定であることを意味していた

 

ティオ「……これ…不味いのじゃ…」

 

ユエ「……こんな所に…なんの要?……私達を始末しに来たのなら…相手になる」

 

シア「ユエさん!?この数ですよ!出方考えましょうよ!!」

 

一体一体が高い戦闘能力を持つ神の使徒

以前王都に襲来した神の使徒ノイントは雫達を苦しめたが、怒りを露わにした光輝により一方的に叩き潰され最期には骨も血も残らず焼き消された

 

それが今、フリードとフリード率いる魔物達と共に数百人超えで空中から見下ろしていた

 

対してこちらは最高戦力だった光輝が抜けたことで10人しか居ない

 

どう見ても圧倒的なまでの人数差

 

ハジメ「(……数は多いな数は)」

 

ダクネス「(……戦いになれば厄介だな)」

 

めぐみん「(……魔力効率と討伐数を考えると一発広範囲の爆裂魔法がいいですね)」

 

アクア「(……皆同じ表情で不気味ね…ここで襲って来たら)」

 

カズマ「(………面倒だな……襲って来れば)」

 

このパーティーでも光輝を除く最高戦力者である五人は相手と戦闘になった場合の事を考えていた

 

どう見ても不利なのはこちら側なのは明白だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ/ハジメ/アクア/めぐみん/ダクネス「「「「「(まあ……勝てないことはない(わ)(ですね))」」」」」

 

しかし、彼らの心には敗北の文字も無ければ頭の中で追い込まれたとも思っていなかった

 

フリード「!」

 

その瞬間、五人から殺気や闘気…体内に内包する膨大な魔力を表に出し威嚇する

 

それだけで神の使徒達や魔物の表情が一気に変わり、下手に近づけなくなった

 

フリード「逸るな。今は、貴様等と殺し合いに耽るつもりはない。地に這い蹲らせ、許しを乞わせたいのは山々だがな」

 

ハジメ「へぇ、じゃあ、何をしに来たんだ? 駄々を捏ねるしか能のない神に絶望でもして、自殺しに来たのかと思ったんだが?」

 

揶揄するような口調のハジメに、フリードの眉がピクリと反応する

 

フリード「……挑発には乗らん。これも全ては我が主が私にお与え下さった命めい。私はただ、それを遂行するのみだ」

 

ハジメ「そうかい。で? 忠犬フリードは、どんなご褒美命令を貰ったんだ?」

 

フリード 「……寛容なる我が主は、貴様等の厚顔無恥な言動にも目を瞑り、居城へと招いて下さっている。我等は、その迎えだ。あの御方に拝謁できるなど有り得ない幸運。感動に打ち震えるがいい」

 

それにカズマ達伝説のパーティーを除く面々が驚きを隠せなかったが、どう考えても罠だと思い、誘いに乗らずここで全員倒すとハジメが言うと

 

フリードの前に鏡のようなものが3つ発生して割り込んだ

訝しむハジメ達の前で、それは一瞬ノイズを走らせると、グニャリと歪んで何処かの風景を映し出した

 

空間魔法の一つ。〝仙鏡〟――遠く離れた場所の光景を空間に投影する魔法だ

 

仙鏡に映し出された光景は3つ

 

一同全員「「「「「!」」」」」

 

ハイリヒ王国 アンカジ公国 海上の町エリセン

 

皆彼らが訪れたことのある場所ばかりだ

 

だが、それに驚いたのではなかった

 

彼らが真に驚いたのは

 

ハジメ「チッ…やってくれやがったな…お前ら」

 

それぞれの映像には彼らの知人達が、この場の神の使徒達程ではないにしろ包囲されていたのだから

 

ハイリヒ王国ではリリアーナや愛子に生徒達(よく見ると抵抗したのか幸利や浩介、龍太郎や勇輝がボロボロにされていた)

 

アンカジ公国ではランズィを始めとした公国の人々が

 

そしてエリセンではレミアやミュウが人質にされていた

 

要するに『何もせずに付いて来い』

 

カズマ「……お前らの所の神…いよいよなりふり構ってられなくなったみたいだな」

 

香織「ど、どうしよう…ハジメ君…カズマ君…」

 

ハジメ「……行くしかねえか……まあ元々行くつもりだったけどな」

 

そう言い一同はフリード達の方へ歩こうとすると

 

フリード「待て」

 

そこでフリードに止められた

 

フリード「……そこの転生者(・・・)共は残れ。お前達は招待されてはおらん」

 

カズマ「……俺達が転生者なのを…奴も勘づいたか」

 

雫「嘘…カズマ君達もここで離脱なの…」

 

カズマ「……仕方ない…悪いがハジメ達は行っておいてくれ……こっちはどうにかする……なに、俺達こっち片付いたらそっちに行くからさ…」

 

ハジメ「……信じていいんだな?」

 

カズマ「おいおい…誰の心配してんだ?……俺達は最強の冒険者パーティーだぜ?」

 

カズマを筆頭にアクア達も皆こっちの心配は無用とでも言いたげな顔を見せた

 

ハジメ「……後で落ち合おう」

 

そう言いハジメ達はフリードが空間魔法で作ったゲートを潜り抜けていったのだった

 

それから約2分の沈黙がその場の空気を支配していたのち

カズマがそれを破る

 

カズマ「……さて…これで俺達だけになったが…多方お前らの所の神に俺達の足止めを言われたみたいだな」

 

フリード「…そうだ…貴様達はアルヴ様とその更に上にいるお方にとって厄介極まりない……よって足止めをしろと言われたわけだが……別にお前達を生かしておけとも言っていない」

 

そう言うとフリードからもこちらに対し殺意と闘気らしきものが向けられた

 

カズマ「……ま、予想は出来ていたが…こうなるか……」

 

そう言うとカズマは『宝物庫』(ブレスレット型)から二本の刀を取り出した

 

カズマ「お前ら……出し惜しみはなしで行くぞ……」

 

アクア「当然よ」

 

めぐみん「早くこの場をくぐり抜けて、他の場所へ増援に行きましょう!」

 

ダクネス「ああ…故郷を滅ぼさせないためにもな」

 

フリード「……では始めるか」

 

カズマ「ああ!これが…俺達の神への反逆だ!行くぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア!めぐみん!ダクネス!フリード(・・・)!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光輝「……何が起きている…」

 

ハジメ達がゲートをくぐり抜け、ガーランドに来た同時刻

光輝はガーランド国内に訪れていた

 

ハジメ達と別れた後大迷宮を抜け、そのままガーランドの国境までバイクを走らせた後

 

国内に侵入し、空き家になっていた家で一晩夜明かしをし、…写輪眼を使い国内でも最も高い魔力を感じさせる城へと向かっていた

 

服装は普段着の上に黒いコートにカズマから渡された黒い目隠し(再生魔法付き)

どう見ても怪しい人の格好だが光輝は人の少ない裏通りを進んでいた

ここを訪れた光輝の目的はただ一つ

それは、エヒトの配下である神アルヴを単独で倒すためであった

 

エヒトを倒す…つまり単独で倒そうと考えている

 

だが相手は曲がりにもこの世界に君臨する神

なんの策もなしに勝てると思うほど馬鹿ではない

 

その為の神代魔法と概念魔法の習得

 

だがこれだけで勝てると確信は持てなかった為、光輝は考えた

 

『エヒトの配下の神であるアルヴ……奴に通じるか試してやる』

 

エヒトよりも格下とはいえアルヴも神

そのアルヴと戦いエヒトとの戦いでも勝算があるかを確かめたかった

 

そうして城を目指していたが

 

光輝「……なんだ…この魔力は」

 

魔人族の城から膨大で不穏な魔力が流れたかと思うと城の一部が内側からの攻撃により倒壊した

 

光輝「……これは急いだほうがいいか…」

 

そう言い走ろうとしたが…

 

魔人族「そこまでだ!!」

 

まわりにはいつの間にか武器を持った魔人族達の兵士達が光輝を囲っていた

 

光輝「……悪いが…今急いでんだよ」

 

そう言いながら外した目隠しの下には、写輪眼を開眼させていたのだった

 

 

本作の投稿が四十話を超えました。これから出す原作改変キャラクターの中で誰が好きですか?

  • 友達と優しさを持つハジメ
  • 闇を抱えた孤独の光輝
  • 物凄く動いてまわってるカズマ
  • カズマを支える相棒兼正妻のアクア
  • 影薄だけど友達思いの浩介
  • 原作と違い闇を感じない恵里
  • 原作と違い救済され闇を祓われた幸利
  • ティオに惚れられた心優しきウィル
  • 光輝を孤独にさせない一途な雫
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