エヒトは考えた
どうすれば器が手に入るか…それも神である自身を受け入れられるほどの強い器が欲しかった
地上で人々を争わせたのは楽しみであることと同時に、その戦乱の世で力を振るう強き者達の中に器になれるものがいないか探すためでもあった
しかし…転生眼によって生み出した使徒達や自身の力をわずかだが与え生み出した配下の魔人族の神『アルヴヘイト』を通して…魔人族…更には広い範囲で探させたが見つかることはなかった
だがある時エヒトは思いついた
器になれる者が居なければ作ればいい
そう考えたエヒトは何人もの生命体を生み出したが…ここである問題に直面した
生み出した者達は皆創造者であるエヒトに従うだけの思考しか持っておらず…力はあっても中身の器はまるで駄目だった
それについてエヒトこう結論付けた
肉体的な力だけでなく…精神面の成長…自我を持っていなければ器は育たない
そうしてエヒトは次に生み出す者にはそれまで生み出した者たちと違い、自我を残したうえで器の成長を見届けることにした
またこの時生み出す生命には、精神の成長だけでなく、これまで生み出した者達以上の力を持って欲しいと考えたエヒトは…ハゴロモとハムラから奪い、今では予備として所持していたもう一つの輪廻眼と転生眼を元に生み出した
そうしてふたつの生命が誕生し、エヒトは生まれたふたつの生命体に名を与えた
輪廻眼を元に誕生した生命体にはインドラ
転生眼を元に誕生した生命体にはアシュラ
自我を持って生まれたインドラとアシュラはそれまでエヒトが生み出した者達の誰よりも強い力と強い自我を持って生まれ、成長していった
インドラは写輪眼を…アシュラは白眼を持って生まれ…やがてそれぞれが輪廻眼、転生眼を開眼したその時こそ、器として完成する
同じ日に生まれ、同じ親(エヒト)を持つインドラとアシュラだったが……その性格には大きな違いがあった
兄インドラは自身達を器としか見ていないエヒトを、憎悪し憎んでいた…そして人を…人類に対し嫌悪感をつのらせていた
親であるエヒト…その配下のアルヴに騙され続けているとは言え、エヒトとアルヴが言えばそれを疑いもせず信じ、それがとても許しがたいことでも神の言葉だからと実行に移す姿……無意味に争い、互いを滅ぼそうとする人類を醜い存在として認識していた
弟アシュラはそんな人類を救済したいと願い、その時代にいた解放者たちとともに争いを、エヒトの野望を止めようとしていた
やがて考えの違いからインドラとアシュラは一騎打ちをして…その果てに互いに取り返しのつかない致命傷を負った
だが、エヒトを倒したいという想いはふたりとも一緒だった為…ふたりは魂の共闘をすることにした
それは…まだ輪廻眼と転生眼を開眼できないでいるが、力の一端だけは使うことができ…インドラが破壊の力で自身とアシュラの肉体と魂を破壊することで死後エヒトに肉体を再利用されないようにし、アシュラは創造の力で自身とインドラの魂の再生を果たした
しかし、魂はともかく…肉体の再生は不可能だった為…ふたりは長い長い年月を魂の修復に当てた
そして、いずれ魂が修復したその時、他者の肉体に入り込み…その者に力を与え、エヒトを倒そうと画策する……それが魂の共闘
魂の修復を終え…魂だけになったことでふたりはトータスではない別の世界に流れ着き……そこでそれぞれ産まれたばかりの子供の心に宿ったのだった
その世界こそが地球であり…インドラが入り込んだ赤子こそが天之河光輝、アシュラが入り込んだ赤子こそが南雲ハジメだった
光輝「……それが…俺と南雲の中にいる…インドラとアシュラだ……わかるか?……これはふたりが始めた戦い……俺と南雲はトータスに来る前からエヒトと戦う運命にあるってことだ…」
雫「…」
光輝「思えば……最初にトータスに召喚されたあの日……俺はエヒトの飾ってあった肖像画を見た……その瞬間……言いようのない憎悪と憎しみを感じた…恐らく俺の中のインドラの感情が流れちまったんだろうな…」
シア「あ、あの…その……光輝さんとハジメさんは…いずれその輪廻眼と転生眼を開眼するのですよね…その条件ってあったりしませんか?」
シアがそう疑問に思ったことを聞いてきたので、光輝は懐からあるものを取り出した
光輝「これを見ろ」
それは光輝のステータスプレートだった
光輝「このステータスプレート……俺と南雲だけ点滅した数値が刻まれているな?」
香織「あ、本当だ…」
光輝「最初は知らなかったが……今になってこれが何を示しているか理解できた……これは…俺達の中にいる奴との魂の融合指数を示している……今の俺の融合指数は94%……これが100%…つまり…俺とインドラの魂が完全に融合した時…俺はインドラの全てを引き継ぎ…輪廻眼を開眼できる」
香織「!そ、それじゃあ…逆にハジメ君も…」
雫「アシュラとの融合が完了したら…転生眼を開眼するのね…」
シア「あ…そういえば…エヒトに怒りを向けたハジメさんが植物や木を生やしたりしましたけど…あれって…」
光輝「転生眼の持つ創造の力の一端……ユエの事が引き金になって魂の融合が加速して…限定的だが使えるようになったわけだ」
カズマ「なるほどな……」
光輝「魂の融合は…時間とともに少しずつ進んでいくが……インドラとアシュラの魂を持つ者が激しい感情の高ぶりをすると…魂の融合が加速する……俺の万華鏡写輪眼…それと天照に須佐能乎も輪廻眼の持つ破壊の力の一端だ…………もし俺か南雲…どちらかが輪廻眼…転生眼を開眼させることができていれば…確実に勝てる……なぜならエヒトと違い俺達は自身で開眼させたのだから力を完全に使うことができる」
ティオ「な…なんじゃと…」
光輝「最も…後3日でどちらも開眼させることは難しい…ならそれとは別の方法で奴を倒すことを考えた方がいい」
カズマ「……そうか……なら急ぐか。ハジメがいつ目を覚ますかわからんが…目を覚ますまでの間にやるべきことはして置くべきだな。アーティファクトの制作に、戦えない人達の避難、他の国のトップ達とも話し合う必要がある…後戦う者達の選出もな……後怪我してるハジメのアーティファクト作りの補助もな……ああ…後この機会に残りの神代魔法を集めるか」
シア「あ、あの…それ3日でできる内容とは思えませんが」
カズマ「できないじゃない…やるしかないんだよ。やらなきゃユエが戻ってこれなくなるだけじゃない……この世界に生きる全ての命が……ヤツの養分になるだけだ………まあシアの言ってることは最もだ……本来なら3日で今言った全てをやるのは…不可能だな……俺じゃなければ」
そう言いカズマは指二本出してみせると
ティオ「なっ!?」
カズマの横にもう一人のカズマが出現した
カズマ「これは解放者たちが残した書記に記されていた未完成の魔法……だったんだが俺が解読して試行錯誤の末生み出すことができた…自分の魔力で実像を生み出す……そうだな…忍ぽく言えば『影分身の術』って言ったところかな?」
光輝「ッ…」←忍者が大好き
雫「?(今光輝が一瞬反応したような…)」
カズマ「でだ…この影分身の術……実体を持っているが魔力が当分割される上、分身体が消えると魔力もそのまま消費される。だが自分の意志で分身体を消した場合はそのまま本体の俺に還元されるって性質を持っている……これを使えば危険地帯への索敵にも使える…後単純に手数を増やせるメリットもある……まあ増やしすぎて魔力枯渇して死ぬ可能性もあるがな……そして」
カズマの周りから更に数十人以上の分身体が生まれた
カズマ「なんかさっきの影分身の術…あれが結構ネーミング的に合ってるように感じるから…こうして大量に分身体を作るのを『多重影分身の術』って呼ぶことにするか……こんだけ居れば同時並行に進められる!本体の俺はアクアとめぐみんとダクネスと一緒に大迷宮巡りしてくる。一応このガーランドにも二、三人残す。それ以外は補助だったり人集めだったり各地へ飛ぶ転送係でも何でもやるから…皆それぞれできることをやるようにな!俺達も神代魔法を集め次第、ハイリヒ王国に戻るつもりだ。じゃあお前ら、後で会おうな!」
それだけ言うとカズマはアクア達と一緒にテレポートで何処かへ飛んでいった恐らく残りの神代魔法集めのために近場に転移したのだろう
香織「え…ええっと…貴方はカズマ君の分身体で合ってるのよね?」
分身体カズマ「ああ…記憶も本体と同じだ…それじゃあシアと香織はハジメの補助を…一応分身体もつける……んで雫も分身体と一緒に王宮へ飛ぶぞ…クラスメイト達や先生にも話さなきゃいけないからな……んでティオは故郷に生き他の竜人族を集めてほしい…お前にも分身体をつける……それ以外の分身体も各地へ飛んでそれぞれの役割を果たしてくる」
ティオ「そ…それだけ動いて…お主は無事なのか?」
分身体カズマ「大丈夫だ…いざとなれば本体や俺達分身体も他者や大地や大気中に漂っている魔力を吸収するから」
雫「もう言ってることが寄生生物のそれじゃない!」
香織「というかやってることがエヒトのやろうとしてることと変わりない気が」
分身体カズマ「誰が寄生生物だ!一緒にすんな。エヒトと違って俺は命を吸い取るような真似はしねえよ」
そう言いながら分身体カズマは各地へ皆をテレポートさせるのだった
ハジメ「なっさけねえな…俺」
分身体カズマに連れられ、香織とシア…そして眠っていたハジメはオルクス大迷宮の解放者の隠れ家に訪れていた
分身体のカズマはそこにいるカトレアや他の亜人達に事情の説明とこれからの事を話に行き、目を覚ましたハジメはオスカーも使い、自身も滞在期間中にアーティファクト制作を行っていた作業部屋で壊されたアーティファクトを始めとしたアーティファクト制作をやっていた
作業中ぽつりとつぶやくハジメに香織達は疑問そうに目を向けてきた
ハジメ「……自分で言うのも何だが…俺にとってユエは全てだった……そのユエが居なくなった……いや…死んだわけじゃないのに……助けに行くことよりも…ユエを奪われた失望感で何もかも滅ぼそうとしてしまった……しかも…よりにもよって……あいつに俺の間違いを正されちまった……」
香織「…ハジメ君……」
ハジメ「地球に居た頃から……俺はあいつのことが気に食わなかった……なんでかは知らねえが……今にして思えば………俺とあいつが互いに気に食わなかったのは……あいつと俺の中にいるインドラとアシュラが反発……っていうよりも…あいつの生き方が気に入らなかったからだな…」
シア「生き方…ですか?」
ハジメ「俺は生きることを楽しいって思う反面…死ぬことを怖いと思っている……だがあいつは…生きてるっていうのにそれを楽しいと思ってねえし…死ぬことをこわいとも思ってない……あんな過去のせいで…あいつの中での生死の想いが乾いてしまったんだろうが……それでも気に入らねえ……今やっとわかった……地球にいた頃から…俺は……あいつには……あいつだけには負けたくない…負けたくなかったんだ……」
シア「ハジメさん…」
ハジメ「大丈夫だ……今度はそうはいかねえ……ユエを取り戻す……エヒトにも……そして天之河にも」
カズマ「よし!空間魔法ゲットだ!次はライセン大迷宮の重力魔法だ!」
グリューエン大火山まで来たカズマ達は道中のトラップや魔物をゴリ押しで突破し最速で神代魔法を手に入れた
めぐみん「そういえばあそこには解放者の一人…ミレディ・ライセンが居るとハジメが言ってました……かなりウザいらしいですが…」
ダクネス「なら彼女にも協力を仰ごう」
アクア「いいわね!解放者が味方に付けばもっと詳しいことが知れるかもしれないし」
カズマ「ああ……ハジメから聞いたがミレディもエヒトのこと相当憎んでいるらしいからな……まず確実に仲間になるな」
めぐみん「それでカズマ…概念魔法を手に入れたとして…その使い道は考えてありますか?」
カズマ「一応な……まあそれでもその概念魔法を奴にぶち当てられるかはわからんが…」
アクア「……でも大丈夫!……私達は最強…そうでしょ?」
ダクネス「ああ…私達がいて…負けるとは思えん」
カズマ「ああ…わかってるさ…当然もちろん…」
光輝「それで……俺には何をやらせるつもりだ?」
分身体カズマ「いや…お前は当日までここで俺と身体を動かす……恐らく現状お前はハジメよりも先に開眼する可能性がある……少しでも開眼できるよう魂の融合を早めたい……あわよくば奴との戦いの真っ最中にでも開眼できれば万々歳だ」
光輝「……南雲は今回のことで…恐らく自身の中にいるアシュラの魂と対面を話しているだろうな…」
分身体カズマ「だろうな……それで…真面目な話…お前の中ではこの戦い……俺達がエヒトに勝てる可能性は軽く見積もってどれくらいだと考えているか?」
光輝「……現状…俺は奴と直接やり合っていないから断定はできん…が……こちらの全戦力でぶつかれば9割以上……が………その大部分はヤツの配下の使徒や魔物がぶつかり合う為4割…………最高戦力だけで奴と戦ったとして3割にも見満たねえ………加え奴は不完全とはいえ輪廻眼と転生眼を使ってくる………総合的に考えて…良くて1割…最悪1割以下と考えてもいい」
分身体カズマ「……そうか…負けそうか?」
光輝「……いいや」
ハジメ/カズマ/光輝「「「勝つさ」」」
原作と違いアシュラは白眼が使える設定です。
原作ではインドラとアシュラは六道仙人の息子ですが、インドラは六道仙人の持つ眼(チャクラと精神エネルギー)を…アシュラには肉体(生命力と身体エネルギー)の力を受け継ぎました。
また本作ではインドラもアシュラも誕生経緯が違う為厳密にはインドラはハゴロモの子ではありませんしアシュラもハムラの子ではありません。
もう75話を超えたのでここからは攻略者パーティーメンバーの人気投票のアンケートを取ります。正直出番の少ない恵里がかなり人気なのが驚きでした。そして光輝と雫の人気具合が想像以上でしたww正直作者の中ではもう光輝がハジメを抜いて主人公なのではとすら思いかけてますwww
-
誰よりも夢に突き進むリーダー カズマ
-
友達と優しさを持つ主人公 ハジメ
-
闇と孤独を抱えた主人公 光輝
-
ハジメを愛し光輝を想う優しき吸血鬼 ユエ
-
ハジメを愛するバグ兎 シア
-
ハジメを愛する突撃娘 香織
-
光輝をただ一途に愛する剣姫 雫
-
ウィルを愛するドM竜人族 ティオ
-
カズマを支える最強の女神(嫁) アクア
-
カズマを支える最強の杖(嫁) めぐみん
-
カズマを支える最強の盾(嫁) ダクネス