創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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遂に対面を果たすふたりの主人公(怪物達)とラスボス

バトルは次回からです。




第七十六話 因縁の邂逅

 

扉の先の空間に鳴り響いていた衝撃音や煙、そして空間を飲み込んでいた光が消え失せたその場には

 

エヒト「ふむ、我と顔を会わせる間もなく不意討ちとはな…」

 

ハジメ「チッ…やっぱ効いてねえか…」

 

光輝「仮にも神を自称する寄生虫…あれで死ぬのなら拍子抜けも良いところだ」

 

トータスの全ての人類を苦しめた邪神エヒトの姿があった

エヒトに対し不意討ちの攻撃を飛ばしたハジメと光輝

 

しかし、肝心のエヒトには全くダメージを負った様子もなければかすり傷一つなかった

 

エヒト「改めてようこそ。我が領域、その最奥へ……お前なら来ると思っていたぞ、アシュラよ」

 

光輝には聞き慣れ、ハジメには可憐で透き通るような、心地よい聴き慣れた最愛の声が耳に響く

 

だが、今は少し濁っているように感じる

声音に含まれる意思が性根から腐っているからだろう、と思い、ハジメは僅かに眉をひそめた

 

そのハジメの視線の先が不意にゆらりと揺らぐ。 舞台の幕が上がるように、揺らぐ空間が晴れた先には十メートル近い高さの雛壇

その天辺に備え付けられた玉座には妙齢の美女が座っていた

 

先ほどから目の前の存在がエヒトであるのはふたりは知っており、その姿がユエそのものであることも理解している

しかし、魔王城でユエの肉体をそっくりそのまま乗っ取っていたあのときとは違い、今のエヒト…もといユエの肉体は本来では不老であるがゆえに肉体が10代前半のままであったはずが、その姿に劇的な変化が成されていた

 

波打ち煌く金糸の髪、白く滑らかな剥き出しの肩、大きく開いた胸元から覗く豊かな双丘、スリットから伸びるスラリとした美しい脚線。全体的に細身なのに、妙に肉感的にも見える。足を組み、玉座に頬杖をついて薄らと笑みを浮かべる姿は、〝妖艶〟という言葉を体現しているかのようだ

 

並みの男なら、否、性別の区別なく全ての人間が、流し目の一つでも送られただけで理性を飛ばすか、あるいは信仰にも似た絶大な感情と共に平伏するに違いない。そう無条件に思わせるほど、圧倒的な美がそこにはあった

 

そう…少女の肉体から大人の女性の肉体への成長

それが今のユエの姿となっていた

 

だが、ハジメは無表情のまま、何故か成長した姿のユエを見つめるだけで特に感情を波立たせた様子は見られなかった

 

その傍らでは光輝も汚物でも見るかのような目を向けていた

 

それは、見た目の美しさに反して、その眼や口元に浮かぶ笑みに内面をあらわすかのような〝嫌らしさ〟〝醜さ〟を感じさせられたからだろう

 

それが分かっているのか、いないのか……ユエ改め、その体を乗っ取ったエヒトルジュエはニヤニヤと嗤いながら、再度、口を開いた

 

エヒト「どうかね? この肉体を掌握したついでに少々成長させてみたのだ。中々のものだと自負しているのだが? 神に相応しき美しさとは思わないか?」

 

ハジメ「ああ、最悪だな。中身が伴っていなければここまで醜くなるのか。そもそも男の癖に女の身体を得たら得たで美だのなんだの口走る。なんだ?自称神からナルシスト系オカマにジョブチェンジしたのか気持ち悪い」

 

光輝「こんなときに言うのも何だが、こんな形で夢が叶ったのは内心複雑だろうなあいつ」

 

ハジメ「は?夢だって?」

 

光輝「あまり口にはしてなかったが、あいつはシアに香織、ティオや雫に水神にダクネスの体型を羨ましがっていたからな。自分はガキみたいな体型だったのを気にして」

 

ハジメ「いやちょっとまて!なんでテメェが知ってんだ!」

 

光輝「聞いてもいねえのにユエの奴がべらべら口開いて愚痴や願望込みで話しやがったんだよ」

 

ハジメ「なに聞いてやがんだ天之河ァ!」

 

光輝「だから聞いてもいねえのに口開いたのは向こうだって言ってんだろうが。文句なら目の前のゴミクズから引きずり出したあとにでも言えばいいだろうが。正直俺も参ってんだ。テメェの男でもねえやつにそんな愚痴聞かされるのはよ」

 

エヒト「ふむ…」

 

エヒトをよそに口論するハジメと光輝にエヒトが身体から軽く魔力を放出してその場を収めた

 

軽くとは言ったが、十分この空間を覆い尽くすほどの魔力が放出されたのだった

 

ハジメに目を向けていたエヒトは光輝の方を向くと

 

エヒト「そして……アシュラがいるならばお前も当然いると思っていた……久しいな、インドラ…会いたかったぞ息子たちよ」

 

光輝「……俺は会いたくなかったんだがな」

 

ハジメ「てか息子って呼ぶんじゃねえよ気色悪ィ。そもそも息子ではなく器の間違いだろ。お前ユエの前は俺達の中の奴らを器にしようとして失敗したんだってな」

 

光輝「そして俺をインドラと呼ぶな。俺はインドラではない」

 

ハジメ「俺もアシュラじゃねえ。だがこのクソみたいな因縁にはケリをつけてえんだよ。だがその前にユエは返してもらう」

 

エヒト「くくっ…できるか?お前達に…そして感じているだろう?この身体からは…あの娘の魂が感じ取れないことを……」

 

エヒトは邪悪な笑みを浮かべながらユエの肉体に手を触れた

 

エヒト「手遅れだったのだよ…あの吸血鬼の魂はもう精神の深淵の底へと沈んだ…もう戻ってくることもない…そう…もう会うことはないのだよ!!クハハハハハ!!」

 

何がおかしいのか、ユエの姿をしたエヒトは笑ってみせた

 

ユエの姿で笑うその姿はもはや邪悪そのもの

見た目以外の面影など一切感じさせない

 

それが目の前の邪神からユエの存在を感じることがないと自覚させられる

 

だが

 

ハジメ「……」

 

光輝「……」

 

そんなエヒトをよそにふたりは全く動じることはなかった

 

ハジメ「言いたいことはそれだけか?ならさっさと始めるか」

 

エヒト「…なんだ?動揺しないのか?貴様の愛する女とはもう会えないのだぞ?少しは感情を荒ぶらせないのか?」

 

ハジメ「生憎だが…ゴミクズのお前の戯言に耳を貸すほどこちとら脳天気じゃねえんでな…そしてなによりユエは…俺の女はお前程度の神モドキに簡単に消されちまうほど弱くはねえんだよ。お前もそう思ってんだろ天之河?」

 

光輝「フン……他人の肉体に寄生しなければ地上に力を行使することのできない自称神という名の寄生虫の分際で、あのお節介な自称姉の吸血鬼を完全に消し去ったと思えているとは…何百年も無駄に生き続けた事でボケがまわったか。哀れだな…その不釣り合いな玉座を貴様の墓石代わりに建ててやろうか?」

 

エヒトの言葉を聞いてもなお、ふたりはユエの生存を信じており、逆に煽り返していた

 

この間、ハジメと光輝はずっと無表情で淡々とした語りが嫌味などではなく本心から語っているのだと雄弁に物語っており、エヒトもピクリと反応した

 

そして、誰が見ても仮面だと分かる笑顔を貼り付けたままスっと口を開いた

 

エヒト「エヒトルジュエの名において命ずる――〝口を閉じろ〟」

 

極自然に放たれたのは【神言】――問答無用で相手を従わせる神意の発現

 

かつて、ハジメをして死に物狂いで足掻かせたその〝反則〟をふたりへ向けられた

 

それを受けたハジメと光輝はというと

 

光輝「なんだ?逆に自称神はこの程度の煽り如きに心を乱すのか?」

 

ハジメ「所詮はただの自称神だな。器も度量も程度が知れる」

 

エヒト「……我が【神言】が僅かにも影響しない?」

 

ハジメ「ハッ!俺の前で何度それを使ったと思ってる。ちゃちな手品なんざ何度も効くかよ」

 

毛ほども効いた様子を見せなかった

 

エヒトへドンナーの銃口を真っ直ぐに向けて来るハジメに、エヒトの眼が細められる。だが、決して余裕を崩さないまま、頬杖をつく手とは反対の手を誘うように差し出した。 途端、ハジメの持つドンナー&シュラークや宝物庫Ⅱなど、アーティファクトの周囲の空間がぐにゃりと歪む。が、直ぐにパシッと何かに弾かれるような音と共に正常な状態へと戻ってしまった

 

エヒトが度々使ってみせた『神言』

 

その正体は魂魄魔法に連なる魔法である

 

魂に直接言葉を響かせて無意識レベルで意識を縛り、強力な暗示を掛ける

仕様の際に名を呟くのはそれを下す者が必要という常識からそうするのだ

 

そして魔王城でハジメ達のアーティファクトを破壊した魔法にも対策が成されていた

 

エヒト「……なるほど。対策はしてきたというわけか」

 

ハジメ「むしろ、していないと思う方がどうかしている」

 

エヒト「調子に乗っているな、アシュラ。【神言】や【天在】を防いだだけで、随分と不遜を見せる」

 

ハジメ「お前からどう見えるかなんてどうでもいい。それと一つ訂正しておくが、お前の神言を防いだのは俺達自身じゃねえ。正確に言うなら俺達の中に居る奴らが防いでみせたんだよクソ野郎」

 

そう、本来なら神言対策用のアーティファクトでも作ってくるべきだったがハジメは作ることはなかった

 

なぜならば彼らの中にいる者達が護ってくれたのだから

 

既に魂の融合度合いは9割を越え、今では己の中にいるインドラとアシュラの魂をも知覚できるようになった上、それぞれの肉体の持ち主にこれまで以上の干渉と影響を与えることができ、結果エヒトの神言からインドラとアシュラがハジメと光輝の魂を護ってみせたのだ

 

ハジメ「あの時の言葉、もう一度言ってやる」

 

ハジメは、チャキッとドンナーの照準をエヒト―否、エヒトルジュエの心臓に合わせながら、己の持つ紅色の魔力を放ちながら朗々と宣言した

 

ハジメ「――ユエは取り戻す。お前は殺す。それで終わりだ」

 

その傍らでは光輝が同じように紫の魔力を放ちながら黒金の刃をエヒトルジェに向け宣言した

 

光輝「喜べゴミクズ。今日が貴様の命日だ。貴様の支配という名のままごとは、今日で終いだ」

 

白の空間は音を吸収しない。むしろ、凛と言霊を響かせた。 魔力とともに言葉の弾丸と言葉の刃を放たれたエヒトルジュエは、その決意を踏み躙るのが楽しみだと表情を邪悪に歪めながら、組んでいた足を解き、頬杖を外して、おもむろに立ち上がった。そして、玉座を背に上段から睥睨しながら莫大なプレッシャーを放ち始める

 

白金の魔力が白い空間を塗り潰していく

 

エヒト「よかろう。この世界の最後の余興だ。少し、遊んでやろうではないか」

 

その言葉とともに両者の魔力が衝突し空間が大きく揺れるのだった

 

 

もう75話を超えたのでここからは攻略者パーティーメンバーの人気投票のアンケートを取ります。正直出番の少ない恵里がかなり人気なのが驚きでした。そして光輝と雫の人気具合が想像以上でしたww正直作者の中ではもう光輝がハジメを抜いて主人公なのではとすら思いかけてますwww

  • 誰よりも夢に突き進むリーダー カズマ
  • 友達と優しさを持つ主人公 ハジメ
  • 闇と孤独を抱えた主人公 光輝
  • ハジメを愛し光輝を想う優しき吸血鬼 ユエ
  • ハジメを愛するバグ兎 シア
  • ハジメを愛する突撃娘 香織
  • 光輝をただ一途に愛する剣姫 雫
  • ウィルを愛するドM竜人族 ティオ
  • カズマを支える最強の女神(嫁) アクア
  • カズマを支える最強の杖(嫁) めぐみん
  • カズマを支える最強の盾(嫁) ダクネス
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