創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第七十七話 邪神と怪物達①

 

燦然と輝きながらエヒトルジュエの背後に現れたのは三重の輪後光。その大きさは、浮き上がったエヒトルジュエを中心に一重目が半径二メートル程で、三重目は半径十メートル以上ある

 

その輪後光から、無数の煌めく光球がゆらりと生み出されていく。その数は、まさに星の数と表現すべきか。だが、その壮麗さに反して放たれるプレッシャーは尋常ではない。一つ一つが、容易く人を滅し、地形すら変えかねない威力を秘めているのが分かる。 巨大な輪後光を背負い、数多の星を侍らせ、白金の光を纏うエヒトルジュエの姿は、なるほど、その内面の醜さを知らなければ確かに〝神〟と称するに相応しい神々しさを放っていた

 

それに対するハジメと光輝は、

 

ハジメ「生憎テメェの遊びに付き合う気はねえ。本気でやらせてもらう!」

 

鮮麗な紅の光を噴き上げた。荒々しく螺旋を描く魔力の狂飆はハジメの黒いコートをはためかせ、その体を紅色で包んでいく。そのエヒトルジュエの威光を前にしても僅かにも怯んだ様子のない隻眼は、いつしかレッドスピネルの如く澄んだ紅色で輝いていた。 限界突破の終の派生〝覇潰〟だ

この瞬間、ハジメのスペックは一気に五倍に膨れ上がった。そこに、白眼を重ねることで超人離れした動体視力が加わった

 

更にハジメの周囲には投影構築による大量の武器が並び足元からは大樹の根が生えておりいつでも攻撃ができることを示している

 

そのハジメの隣では光輝も須佐能乎第3形態(山吹の姿)を顕現させその手には天照の黒炎を、そして周囲には黒炎の刃を出し同じく攻撃体制を整えていた

 

かたや絢爛豪華な白金の輪後光と数多の煌めく星

 

かたや生命と無数の無機物の弾、全てを焼き尽くす黒炎の刃

 

互いに睨み合いながらそれらが互いを呑み込まんと、空間を軋ませながらせめぎ合う。 エヒトルジュエが、指先まで計算され尽くしたような優雅さで片腕を突き出した

 

エヒト「さぁ、遊戯の始まりだ。まずは――踊りたまえ!」

 

直後、数多の光星がハジメと光輝に目掛けて殺到した。それどころか、背後の輪後光からおびただしい数の白金の光が、まるで幾何学模様でも描いているかのように飛び出してくる。ある種の芸術性すら感じさせる光の流星群。球体状のものもあれば、刃のように曲線を描くものや、ブーメランのように回転しながら迫ってくるものもある

 

光輝「余裕のつもりか?舐めるな」

 

対する光輝は黒炎の刃を飛ばし光弾と衝突させた

その横をハジメが生み出した数多くの武器達がエヒトめがけ飛び、それもエヒトルジュエの光弾で抑えられた

 

一見どこにでもあるような無機質の武器達だったが、ハジメが投影構築で作ったそれら全てが高品質高威力高速に飛ばされ、まるで某英雄王のようなオールレンジ攻撃を生み出すことができる

 

エヒト「ほう…『投影構築』に『天照』とは、限定的とはいえ創造と破壊の力を使えるとは」

 

ハジメ「(やっぱ投影構築は創造の力か…ぶっちゃけ最近全く使ってこなかったから忘れてたが)いつまで余裕でいるつもりだ?」

 

飛ばした投影構築の武器、剣がエヒトルジュエの顔めがけ突っ込んだがそれを顔をそらすだけで避けた

 

ハジメ「甘ぇよ」

 

しかし、その剣はまるで意思があるかのように後方からブーメランのように半周しそのままエヒトルジュエの背中へ飛んだ

 

光輝「これはオマケだ」

 

更に光輝がその剣に天照の黒炎を纏わせた

 

黒炎を纏った剣がエヒトルジュエに突き刺さろうとした

しかしそれを横から飛んできた光弾に防がれた

 

エヒトルジュエの意識が一瞬背に向かったそこを光輝が千鳥による高速移動で接近し突きを放つが

 

エヒト「この一瞬でここまで接近し我に直接手を使わせるか。やはり貴様は器として実に優れているなインドラ」

 

その光輝の高速突きを見切り腕を掴み止めた

 

光輝「ッ」

 

空いたもう片方の手に握る黒金をエヒトに振るうがそれもエヒトルジュエに刃を掴まれる

 

そのエヒトルジュエの手から血が流れ、それを見たエヒトは興味深そうに黒金を見る

 

エヒト「ふむ、我に血を流させる武器…これも中々良いではないか」

 

光輝「おい、その汚え手で俺の刀に触れるな」

 

エヒトルジュエに止められる光輝であったがすぐに須佐能乎を出しその拳をエヒトルジュエに振り下ろすがエヒトルジュエは瞬時に光輝を離し避けた

 

ハジメ「潰れろ」

 

その避けた瞬間をいつの間にかハジメが出した木人の巨大な拳を振り下ろされたがそれをエヒトルジュエが指一本から出た結界で防がれた

 

光輝「『天照』!」

 

だが結界を光輝の天照で焼き尽くされ、拳はエヒトルジュエを潰そうとする

 

しかしそれをエヒトルジュエは空間魔法を使いワープして避けた

 

エヒト「今のは実に悪くない連携だった。この我に空間魔法を使わせるとはな…ならばこれはどうだ?簡単に死んでくれるなよ?」

 

愉悦をあらわにした笑みを浮かべ、エヒトルジュエが優雅に腕をひと振りする。すると、背後の輪後光が燦然と輝きを強め、その直後、ズズズと人型の光が現れた。光そのもので構成された人のシルエットは、その手に二振りの光で出来た大剣を携えていることもあって使徒を彷彿とさせる

 

エヒト「能力は使徒と同程度だ。しかし、この後光が照らす攻勢の中、果たして自律行動で襲いかかる光の使徒まで、対応できるかな?」

 

そんなことを言っている間にも、光の使徒はおびただしい数が生み出されていく。既にエヒトルジュエを中心に、輪後光を背にして並ぶ光の使徒の数は軽く百を超えるだろう

 

普通ならその光景を絶望的と捉えるだろうが

 

ハジメは鼻で嗤いそして口にする

自軍召喚の言霊を

 

ハジメ「物量戦はテメェだけの領分じゃねえんだよ――来い、グリムリーパー!」

 

宝物庫Ⅱから紅い魔力が溢れ出る。強烈な閃光と共に膨れ上がった魔力は、まるで爆発四散するかのように飛び散り、一時的とはいえ白金に満ちる空間を紅で染め上げた。そうして、一拍後、閃光が収まった後には

 

エヒト「これは……ゴーレムの軍団、か?」

 

呟きを漏らしたエヒトルジュエの視線の先には、紅い光を纏う数多の魔物の群れがいた。ただし、その体は鋼鉄よりも頑丈そうな鉱石で構成され、鋭い牙の奥には銃口が、背や腹には開閉する扉とミサイルが、爪は触れるだけで全てを切り裂きそうな超振動を起こしているという、異様さで溢れていたが

 

――ハジメ専用一人軍隊 グリムリーパーズ

 

大狼型、大鷲型、蟷螂型、大亀型、大猿型とバリエーション豊かな、生体ゴーレムの軍団

その数は百を優に超え、しかも体内にはハイブリッド兵器を満載している。痛みを知らず、疲れも知らない、殺戮軍団

 

ハジメ「俺にだってこのくらいのことはできるんだぜ?それとな」

 

ハジメはそこで指二本立ててみせた

すると

 

ハジメの背中から人の形をした木が生えたかと思えばそれが複数体に別れ、完全にハジメから離れるとその姿を見せた

 

それは一人一人がハジメと瓜二つの分身体達だった

 

ハジメ「『多重木分身』…ってところか?カズマの影分身を参考に俺も編み出したが」

 

ハジメが編み出した分身体は皆ハジメの持つ創造の力から出る生命をカズマが見せた影分身に組み込むことで生み出すハジメ流分身の術

 

しかも一人一人がドンナーを片手にエヒトルジュエに銃口を向けていた

 

口元を釣り上げたエヒトルジュエと、絶対零度の目を細めたハジメは、同時に命を響かせた

 

エヒト「光の使徒よ、不格好な魔物もどきを駆逐せよ!」

 

ハジメ「死神共、木偶人形を喰い殺せ」

 

その瞬間、互いの配下達は飛び出し殺し合った

相手の使徒達は強力だったが、ハジメのグリムリーパー達は己の持つハイブリッド兵器を駆使し使徒達を次々と仕留めていく

当然、光の使徒にやられるグリムリーパーもいるにはいたが、致命を受ける度に周囲を巻き込んで自爆するので、最低でも必ず相打ちには持ち込んでいた

 

使徒達をグリムリーパー達が相手取っている間にハジメ本人を含めた分身体達はエヒトルジュエに向けドンナーの魔力弾を放つがそれを光弾のレーザーで次々と撃ち抜く

 

エヒト「我が魔法に、物量で拮抗するとは……とても人間とは思えんな。流石はアシュラの器……しかし、逆に言えば、我と拮抗する程度が関の山だったということでもあ――」

 

ハジメ「随分とおしゃべりだな、駄神」

 

揶揄するように言葉を放つエヒトルジュエを遮って、ハジメ本人が、ドンナー&シュラークを抜き撃ちする。銃声は二発分。空を切り裂く閃光の数は六条。 それが、凄まじい激突を見せる破壊の嵐の中を、まるで泳ぐように潜り抜けて、術者たるエヒトルジュエを狙い撃ちにする

 

放たれた弾丸の位置は、頭、心臓、四肢の六箇所。針の穴を通すような射撃でありながら、一発たりとてミリ単位のずれすらない。衝撃と弾幕が溢れる中で寸分の狂いもなく放たれた絶技だ

 

しかし

 

エヒト「まさかあの飛び交う光弾の中から精密に、それでいて自動再生があるとはいえ恋人の心臓を躊躇いなく狙うその性根……楽しませてくれる」

 

そんなことを言いながら唇の端を釣り上げるエヒトルジュエの掌や胸は、何のダメージも受けていないようだった。 その原因は直前にかざした掌の先、そこに発生している小さな渦巻く黒い球体

おそらく、重力魔法の〝絶禍〟だ

弾丸を呑み込み、そのまま超重力で圧壊させてしまったのだ

 

そんなハジメの放った絶技を容易く退いて見せたエヒト

 

だがハジメは少しも焦った様子を見せず弾丸を放ち続ける

 

エヒト「どうした?他に手はないのか?そろそろ飽きてきたところだ」

 

ハジメ「こちとら相手を楽しませる趣味はねえんだよ。それより良いのか?俺一人にかまけておいて?(・・・・・・・・・・・・)

 

エヒト「!」

 

そこでエヒトは改めて気づく

先ほどから自身を攻撃してこないもう一人の存在を

 

その瞬間頭上から紫の光の流星群が降り注ぎエヒトルジュエをのみこんだ

 

光輝「頭上の守りがガラ空きだったんでな。これを攻めないほど俺はお人好しではない」

 

その正体は光輝の須佐能乎第2形態から放たれた矢だった

しかも光輝の周りにはなんと須佐能乎が何十体も存在し一斉に矢を放ったのだ

 

光輝「『影分身の術』…創造を除いて、南雲にできて俺にできないことはないんだよ」

 

そう、この複数体の須佐能乎は上空で光輝が発動した影分身体達が出現させたものだった

カズマの影分身を何度も見ていたこともあり、光輝も同じように出来るようになっていたのだ

そんな光輝の放つ須佐能乎の矢は光輝の使う攻撃の中でも最速を誇り、ハジメやカズマすらも避けるのは容易ではない速度を出す

 

高威力高速の矢がまるで流星群のように降り注ぐ

さすがのエヒトルジュエも喰らえばただでは済まないだろう

 

分身体たちとともに矢を放ち続ける光輝

しかし、この時の光輝は内心とある違和感に疑問を感じていた

 

光輝「(なぜだ…なぜ先ほどから輪廻眼と転生眼を使わない(・・・・・・・・・・・・)?)」

 

戦闘開始からしばらく、互いに拮抗しあってはいるが、未だにエヒトルジュエは輪廻眼と転生眼の創造と破壊の力を使った形跡が無いのだ

 

光輝「(これまで使った力は恐らく眼の力抜きの奴自身の力……そして一度も開眼して見せてない……使えないのか?…)」

 

一方須佐能乎の矢を降り注がせている光輝に続きハジメとハジメの分身体達も様々な銃火器を取り出しエヒトルジュエに向け蜂の巣にする勢いで放ち続けるが

 

ハジメ「(何を企んでいる?奴は)」

 

ハジメもまた、エヒトルジュエに対し違和感を感じていた

 

ハジメ「(さっきからこいつ…何かを気にしながら戦っている素振りがあるな…それどころか…まるで戦いを長引かせようとしているようにも思える……俺達の消耗を狙っているのか?……いや、そういうふうには思えねえ。悔しいが奴がはなから本気でやれば今の拮抗状態をすぐにでも崩せる……だがそれをしようとすらしていない…)」

 

エヒトルジュエの全力は間違いなく、ふたりを圧倒し今の情勢をも覆すことができるはず

だがそれを変えようとせず楽しみながら戦っている

 

かたや創造と破壊の力を使おうとしないことに

かたや本気を出さず時間稼ぎでもしようとすることに

 

ハジメ/光輝「「(お前/貴様は何を考えている、エヒト)」」

 

ふたりの怪物は違和感を抱くのだった

 

光輝「そろそろ出てきたらどうだ?貴様が本気じゃないことに気づいてないとでも思ったか?」

 

ガァァァァァァンンンン!!

 

そういう光輝に反応したのか強大な魔力の圧を全方位放ち、飛んできた攻撃全てを弾いてみせ、攻撃の雨からエヒトルジュエが姿を出してみせた

 

致命傷とはいかないものの流石に多少のダメージを負っている姿が見える

 

そんな中でも攻防の手を全く緩めることなく、ハジメと光輝、グリムリーパー達の攻撃を捌きながら、エヒトルジュエは余裕の笑みを浮かべて話しかけた

 

エヒト「そう言えば、アルヴヘイトをどのようにして仕留めたのだ? あれも一応は、神性を持つ我が眷属だ。いくらお前と言えど、そう簡単に討たれるとは思えないのだがな」

 

大きく迂回しながら四方よりハジメを狙う回転光星を、独楽のように回りながらドンナーで迎撃しつつハジメは鼻で嗤いながら返答した

 

ハジメ「ハッ、あの俗物が神? 笑わせるなよ。無様に命乞いしながらあっさり死んだぞ。あれなら迷宮の魔物の方がまだ根性がある」

 

エヒト「ほぅ、あっさりとなぁ……アレは我の配下の中でも指折りだったのだがな…」

 

少し残念そうな仕草をしながら自身の掌を軽く握る素振りを見せるエヒトルジュエ

 

それに対し上空から須佐能乎を出しながらエヒトルジュエの頭上に落下する光輝

 

光輝「安心しろ。南雲が貴様の配下のゴミを始末したように、今度は俺が貴様を殺してやるよ!」

 

そう言いながら顕現させている光輝の須佐能乎の姿はまた別なものへと変わっていた

 

第1形態の餓者髑髏

第2形態の武将

第3形態の山吹

 

とこれまで多くの変化を見せた須佐能乎がここに来て新たな形態を見せた

それは第2形態の武将に下半身が生え、左腕には弓、右手には巨大な大太刀が握られていた

 

体感だけでもそれがこれまでの須佐能乎をも上回る力を秘めていることは明白だ

 

須佐能乎第4形態 顕現

 

光輝「うおおおおおおおお!!!」

 

光輝の須佐能乎が大刀を振り下ろす

 

エヒト「ッ!!」

 

それを巨大な結界で防いでみせたが、その瞬間、大刀と結界が衝突し空間を大きく揺らすほどの衝撃波が発生した

 

その光輝の須佐能乎の一撃に結界からはきしむような音が流れ出し

 

エヒト「ッ」

 

ここで僅かにエヒトルジュエに焦りが見えたが

 

エヒト「甘いわ!!」

 

結界を発生させた方の腕とは別の方の手から強大な光弾を発生させ弾いてみせた

 

もし今のが決まっていれば恐らくエヒトルジュエの中にいるユエごと仕留めることになっていただろうが

 

光輝「チッ、仕留め損なったか」

 

光輝はちっともそれを気にしている素振りを見せない

 

ハジメ「(あいつ、ユエいること忘れてねえよな?……流石にユエごと殺る…なんてことはねえよなぁ…)」←さっきまで急所に弾丸当てようとしていた人

もう75話を超えたのでここからは攻略者パーティーメンバーの人気投票のアンケートを取ります。正直出番の少ない恵里がかなり人気なのが驚きでした。そして光輝と雫の人気具合が想像以上でしたww正直作者の中ではもう光輝がハジメを抜いて主人公なのではとすら思いかけてますwww

  • 誰よりも夢に突き進むリーダー カズマ
  • 友達と優しさを持つ主人公 ハジメ
  • 闇と孤独を抱えた主人公 光輝
  • ハジメを愛し光輝を想う優しき吸血鬼 ユエ
  • ハジメを愛するバグ兎 シア
  • ハジメを愛する突撃娘 香織
  • 光輝をただ一途に愛する剣姫 雫
  • ウィルを愛するドM竜人族 ティオ
  • カズマを支える最強の女神(嫁) アクア
  • カズマを支える最強の杖(嫁) めぐみん
  • カズマを支える最強の盾(嫁) ダクネス
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