創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第八十一話 本当の戦い

 

ユエ「来てくれるって、信じてた」

 

ハジメ「ああ…遅くなって悪かった。今ここには居ないが、シアやカズマ達もお前を助けようと奮闘してる所だ」

 

ひとしきり抱きしめ合ったハジメとユエ

たった3日、されど3日一緒に居られなかったそれまでを取り戻すかのように強く密着していた

 

ユエはハジメのことを愛おしそうに触れる

そこで視界の隅でこちらに背を向けているもう一人の存在に気が付く

 

ユエ「!!……光輝!!」

 

そのもう一人──己が内心弟と呼んでいる光輝に気が付くとユエはハジメに再会した喜びとはまた違う喜びの表情を浮かべた

最後に顔を見たのはシュネー雪原での一方的なパーティ離脱をした時であり、喧嘩別れに近く、出ていったことに強い不安と悲しみを感じていたユエ

 

エヒトルジュエに取り込まれる寸前にハジメやシア達を、そしてその場には居ない光輝のことも想っていた為、その光輝と再会出来たことや自身を助けに来てくれたことに感動を覚えていた

 

ユエ「助けに…来てくれたんだ」

 

それに光輝は両眼を万華鏡写輪眼に変えユエをほんの数秒だけ見た

 

その数秒間、光輝はユエに月読をかけることでこれまでの出来事を伝えた

 

月読を解いた後光輝は

 

光輝「別に…ついでだ……この寄生虫を倒すにはお前を引きずり出す必要があったからだ。俺がお前を心の底から救いたがっていたと思っているなら勘違いするな」

 

冷たく言い放ちユエから顔をそらす

 

ユエ「…光輝」

 

ハジメ「天之河テメェ…再会してそうそう俺の女になに言ってやがる…ぶち殺すぞ」

 

ハジメが殺気立てながら詰め寄るが光輝はそれを無視する

 

光輝「あとにしろ。感動の再会もな。戦いは終わっていないというのに気を抜くな!まだ奴は生きている!このまま畳み掛けるぞ!」

 

光輝が目を向けた先には光の玉らしきものがあり、それにはある存在の魂を知覚できた

 

その魂こそがユエの肉体を乗っ取っていた張本人──エヒトルジュエそのものだというのはこの場にいる全員が知っている

 

黒金に天照の黒炎を纏わせる光輝がエヒトルジュエの魂に駆け出し、その魂を斬り裂こうとした

 

しかし

 

魂から眩い光とともに強い衝撃波が光輝達に飛び、それを腕でガードする

やがて衝撃波は止み光は人の形となり、その姿を見せた

 

その姿は若く、白い貫通衣を身に纏う両眼を瞑る青年だが、その身体から溢れる魔力量や質はその場の全員を軽く凌駕し、皆が動けないでいる

 

ハジメ「ハァッ!ようやく正体見せたかゴミクズが!」

 

ハジメは煽りながらも宝物庫から神水入りの瓶を取り出して飲み干す

エヒトルジュエとの決戦準備期間中、ハジメは白眼を駆使しオルクス大迷宮の地中を透視し鉱物や神水がないか探っていた

結果としては僅かだが見つけ出すことができ、それを他の攻略者パーティのメンバー達に渡した

 

結果手元にはユエと自分用に二本しか残っておらず、その最後の一本もユエに手渡し、体力と魔力を回復させた

 

エヒト「ほう…我から吸血姫を引きずり出したあとのことも考え用意していたか」

 

人の姿となったエヒトルジュエは先程まで必死に抵抗していたとは思えない余裕のこもった声をあげていた

本来の姿に戻って気を落ち着かせたのだろう

 

ハジメ「まあな、ユエをテメェから引きずり出した後こそが、本当の戦いなんでな。これで心置きなくテメェを始末できる。残念だったな、俺達が来る前に、或いは俺達を倒した後にでも十尾の人柱力になり無限月読を発動させようとしていただろうが、ユエから引き剥がされた以上、失敗したな」

 

そう勝ち誇るハジメ

倒すとは言ったが最悪カズマ達が来るまで時間稼ぎしつつ消耗させようと考えていた

全員でかかればどうにか勝てると踏んでのことだった

 

エヒト「心置きなく………失敗…か……クククッ…」

 

だが、そんなハジメをよそにエヒトルジュエは意味ありげに笑う

 

ハジメ「?…何が可笑しい」

 

そんなエヒトルジュエの姿に違和感を覚えたハジメはつい口にした

 

エヒト「いやはや、何もかもが間違っているお前のその言葉に、ついな…」

 

ハジメ「間違っている…だと?」

 

エヒト「ああ…お前達に訂正しておこう。第一に、お前は我がその吸血姫を器にし、十尾を取り込み人柱力となった後に無限月読を発動する…そう考えていたな?確かに、当初はインドラとアシュラのうちどちらかを器にした後、人柱力となり無限月読を発動しようとした…だがお前達がいなくなり長い年月が経ち、代わりに見つけた吸血姫を代替品として使い目的を果たそうとした。そうして吸血姫の肉体を手に入れ、後は人柱力となるだけ。そう思っていたが」

 

ここで光輝は何かに気付き反応する

 

光輝「!……俺達か」

 

エヒト「そう!そのとおりだ!まさか三百年前に失ったと思っていた本命の代替品を手に入れた直後にその更に前に失ったと思っていた本命であるアシュラを宿すイレギュラー、そしてインドラの魂を宿すイレギュラーがいたことに気が付いた。だからこそ我は手順を変えることにした」

 

エヒトルジュエはそう言うとハジメ達の前に仙鏡を発動しあるものを見せた

 

ハジメ/ユエ「「!?」」

 

光輝「!」

 

仙鏡に写っていた物に彼らは驚きを隠せずにいた

 

おそらくはこの神域のどこかだろう空間に〝ソレ〟はいた

 

実際に目の前に居るわけではないのに感じてしまう圧迫感。この世界に来て様々な生物を見てきたがソレはこれまでであったどの生物と比べてもデカくそれでいて見ているだけだが脳内で警報が鳴ってしまう圧倒的な存在感

 

〝巨大な身体に十本の尾と巨大な一つ眼を持つ怪物〟

 

ハジメ「アレが…」

 

光輝「…十尾か」

 

エヒト「続けようか。インドラとアシュラが死に、その代替品として吸血姫を器にし人柱力となろうとした。だがお前達がこの世界に存在していることを知り、我は欲した。より強い器となる者を(・・・・・・・・・・)!」

 

ハジメ「!まさか…お前」

 

エヒト「気づいたか。そう…お前達(インドラとアシュラ)を失い吸血姫(代替品)を本命にしようとしたが、より強い、かつての本命が今こうして目の前にいる。ならばより強い器を求めるのは当然だろう?結果その吸血姫は本命から予備へと降格した。ではなぜ我がその上で吸血姫を器にしたと思うか?(・・・・・・・・・・・・・)

 

ハジメ「……試したかったのか…俺達の…器になり得る俺達の力を」

 

エヒト「その通りだ。お前達はそこの吸血姫を取り戻すために、そして我を倒そうと躍起になり、全力で我に挑みに掛かることをふんで、吸血姫を人質としても利用するために連れ去ったのだ。結果お前達は我の望む力の一歩手前まで来ていることがわかった。まあ途中何度か殺しかけたが最悪死体でも肉体が残っていればどうにでもなる上、もう片方が生きていればそれはそれで…ともな。なによりその吸血姫は人質以外にもう一つの役目を果たしたのでな、我からすればもはや用済み」

 

光輝「用済み…だと?」

 

エヒト「ああ…無限月読を発動するには十尾の人柱力になる必要がある……そう思っているだろう?それは概ね間違いではない。そもそも十尾の人柱力になる必要があったのは、十尾の持つ膨大な魔力により我の輪廻眼の瞳力を高めることで月に我の力を転写し、依り代にした月を通し無限月読を発動させるためだったからだ。だがな…別に人柱力にならずとも発動自体は可能だ(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

ハジメ/光輝「「なっ!?」」

 

〝人柱力にならずとも無限月読の発動は可能〟

 

驚くふたりをよそにエヒトルジュエは話を続ける

 

エヒト「簡単なことだ。十尾の持つ膨大な魔力だけを吸収し発動する。とはいえそれで発動できるのは一回きり、おまけに人柱力時ならばともかく人柱力でない状態では発動までに時間を有する(・・・・・・・・・・・)。なにより、その間我は輪廻眼と転生眼が使えんのでな(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

ハジメ/光輝「「!!」」

 

その言葉とともにふたりは察した

それは先程の戦いで感じた違和感の答え合わせとなっていたのだから

 

光輝「まさか…貴様が輪廻眼と転生眼を使わなかったのは(使わなかったのではなく、使えなかったのか(・・・・・・・・))」

 

ハジメ「やたら時間稼ぎするかのような戦い方していたのは(本当に時間稼ぎをしていたからか(・・・・・・・・・・・・))」

 

ふたりの反応にエヒトルジュエはニヤリと笑って見せたかと思えば

 

エヒト「ああ…少し遅かったな(・・・・・・・)

 

エヒトルジュエは仙鏡に手を向けて振ってみせるとそこに写る光景が変わる

 

───!!

 

そこに写る光景に3人は先程の十尾以上に驚愕した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅く光る満月に浮かぶ怪しい紋様

そこから地上へ放たれる光

 

その光を浴びた全ての人種生物全てがその両眼に波紋のような薄紫の紋様が浮かんでおり、全てがその動きを停止していた

 

まるで光輝の幻術を掛けられた者のようになっていた

 

───無限月読の発動──

 

彼らの脳裏にその言葉は浮かんだ

 

ハジメ「…マジ、かよ」

 

ユエ「そんな…」

 

エヒト「正直、先程の魂分離の武器は少し焦ったぞ。ほんの少し、我から吸血姫を引き剥がすのが早ければ危うく無限月読の発動までの過程が中断され、無限月読は止められていたぞ」

 

光輝「チッ!しくじったか」

 

無限月読を止められなかったことを、そしてエヒトルジュエの策に気づけなかったことに顔を歪める光輝

 

エヒト「さて、もうそろそろ種明かしもここらで良いだろう。後は、お前達の肉体を頂くだけだ

 

エヒトルジュエはそう言いそれまで閉じていた両眼を開いてみせた

 

その瞬間先程以上の魔力の圧と衝撃がエヒトルジュエから発生する

 

そのエヒトルジュエの両眼には、これまで一度も見たことのない2種類の魔眼があった

 

 

右眼には紫色の波紋模様が浮かび

左眼には水色に二重十字の白い模様が浮かんでいた

 

全てを滅ぼし破壊する眼

 

全てを生み出し創造する眼

 

ハジメ「アレが…輪廻眼。そして」

 

光輝「…転生眼か」

 

エヒト「喜ぶがいい。そして恐れ慄くがよい。我にこの眼を開かせたのは、我が神となってからお前達が初めてだ。さあインドラ、アシュラよ。お前達を頂くぞ!!

 

その言葉とともにエヒトルジュエは襲いかかった

 

光輝「来るぞ!」

 

ハジメ「クソが!!」

 

ユエ「させない!!」

 

襲いかかる邪神に3人は己の持ち得る全てを掛けて衝突するのだった

もう75話を超えたのでここからは攻略者パーティーメンバーの人気投票のアンケートを取ります。正直出番の少ない恵里がかなり人気なのが驚きでした。そして光輝と雫の人気具合が想像以上でしたww正直作者の中ではもう光輝がハジメを抜いて主人公なのではとすら思いかけてますwww

  • 誰よりも夢に突き進むリーダー カズマ
  • 友達と優しさを持つ主人公 ハジメ
  • 闇と孤独を抱えた主人公 光輝
  • ハジメを愛し光輝を想う優しき吸血鬼 ユエ
  • ハジメを愛するバグ兎 シア
  • ハジメを愛する突撃娘 香織
  • 光輝をただ一途に愛する剣姫 雫
  • ウィルを愛するドM竜人族 ティオ
  • カズマを支える最強の女神(嫁) アクア
  • カズマを支える最強の杖(嫁) めぐみん
  • カズマを支える最強の盾(嫁) ダクネス
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