IS-irregular- 作:背筋悪太郎
織斑黒駒。
本来の物語──つまり、原作には存在しない、織斑一夏の双子の兄である。
彼は、天才である。
しかし、それにあぐらをかいている。
だから、実の姉──織斑千冬にも、ほぼ見捨てられている。
だが、そんなものはどうでもよかった。千冬は、はっきり言って仕舞えば脳筋だ。
自分自身は、知力・体力共に優れている。
だから、本当なら、この織斑の家をすぐにでも飛び出したかった。だが、年齢が足枷となる。
その度に、こう思ったのだ。
──あぁ、憎ったらしい!
──こんなカスが!
──なんで俺の家族なんだ!
──その上、誰も俺に声をかけやしねぇ!
──そのくせ、あのクズの周りには人が集まりやがる。
──俺は天才だぞ!
──なのに、なんでこっちを向かない!
と。
はっきり言っておこう。
彼は、典型的なクズだ。
自宅の金を勝手に使うわ、食材を全て燃やすわ、風呂の水も自分が一番に入って即刻抜くわ、一夏やその友達をいじめるわ、犯罪まがいのことをたくさんするわ、その罪を全て一夏に押しつけるわと、ろくなもんじゃない。
その上、傲慢である。
誰も寄り付くはずがない。
ある作品の、彼岸花の少女が疎まれていたのは、外的要因、つまり後天的なものだ。
しかし、彼は違う。彼は、内的要因、すなわち先天的な傲慢さによって、人が寄り付かなかったのである。
ところが、彼の場合、その原因を、全て他人に求めていた。
そんな人間は、誰も見ないし、寄り付かない。
そんな毎日が、続くはずだった。
まず、一夏が死んだ。普段召使いのようにこき使っていた(一応)弟が死んだことにより、自分で千冬の面倒を見なければならなくなってしまった。
無論、それがたまらなく不快だったのはいうまでもない。
そして、これが重要なのだが、ISを動かしてしまったのだ。
経緯を簡単に説明すると、まずらしく寝坊した黒駒は、「藍越学園」の入試会場に向かったつもりが、「IS学園」の入試会場に間違って入ってしまい、そこでISを動かした、というものである。
この時、黒駒はこう思った。
──俺は天才だ。
──だから、ISを動かせたんだ。
傲慢にも程がある。
天才だからISを動かせるなんて、そんな馬鹿げた話は無い。
いや、むしろ、それこそ、自らの仕込みでもある。
そういう意味では、天才だから動かせたというのも間違いではない。
どういうことか。
つまり、「束に頼んで、自分にISが起動できるようにした」のである。
織斑黒駒は、クズである。
しかし、天才でもある。
故に、自分のためなら如何なる奸計を敷くことだってできるのだ。
入試も簡単にパスし、いよいよ、IS学園での日々が始まる。
しかし、彼は予想もしていなかった。
まさか、見下し続けてきた、弟とすら思っていない弟に再会し、敗北を喫することになるとは、夢にも思っていなかったのである。
続く
いかがでしたか?
一応、この少年にアンチを行う予定ですが、説得力を持たせるのに苦労します。
感想を、よろしくお願いします。