IS-irregular-   作:背筋悪太郎

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お待たせしました、第4話です。
原作は第8巻しか持っていないのですが、今回の出来事って何巻ぐらいの内容なんだろうか・・・。
今回の内容について、アンケートを設けさせていただきました。ぜひ、ご回答ください。


第4話 クラス対抗戦+異常発生

「えー、本日はお日柄もよく───・・・・・・」

 そう言葉を紡ぐのは、生徒会長・更識楯無である。

 学年別クラス代表対抗戦は、その名の通り、学年ナンバーワンを決める戦いである。もし優勝すれば、そのクラスは、食堂のデザート半年フリーパスが進呈されることになっているため、いつにも増して気合が入るイベントでもある。

「・・・そんなわけで、クラス代表諸君ッ! 全力を出し切り、現時点で最高のバトルをッ! 行うがいいッ!」

『全力全開・青春爆発』

 叫びとともに開かれた扇子には、こんなことが書いてあった。

「以上で、話を終わります」

『静聴感謝』

 で、一度閉じて再び開かれた扇子には、こんなことが。どういう原理なのだろうか。全くもって不明であるが、おそらくは思考をナノマシンが感知し、文字を投影する、というものであろう。きっとそうだ。そうでなくば納得できない。・・・何? 某東京都立陣代高校に通う生徒会長会の扇子はどうなっているのか? ・・・それは、我々の管轄外である。

 ・・・そんなことはどうでもいいとして。

 前回も説明したかもしれないが、改めて代表戦のシステムを説明しておこう。

 ルールは総当たり。必ず、一人三戦することになるわけだ。

 第一試合は、苫小牧葦理馬VS更識簪。

 この二人については、簪が勝利した。

 大まかに試合経過を記すと、

①葦理馬が弓で攻撃を仕掛けるも(ISで弓!? と、観戦していたほぼ全員が驚愕した)、

②それを避けた簪が、ミサイルを大量に葦理馬にシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!

③超ッ! エキサイティンッ!

 ・・・である。「ワケワカンナイヨッ!」と思われる方もいるだろうが、そこは想像力で補ってほしい。

 作者が書きたいのは、あくまでも第二試合、西行寺妖夏VS鳳鈴音なのだから。

『ではでは第二回戦ッ! 対戦するのは、この二人だッ! まず一人目は、「万里の長城功夫パワー」ッ! 鳳鈴音ッ!』

 放送席のアナウンスを受け、鈴音がステージに上がる。

『そして、相対する二人目はッ! 「紅に染まる夏の夢」ッ! 西行寺妖夏ッ!』

 妖夏も、歓声を浴びながら、ステージに上がる。

「この時を待ってたわよ、妖夏ッ!」

「私だってッ! 鈴、その全力を、私に見せてッ!」

『さぁ盛り上がって参りましたッ! ステージでも、何やら因縁があるみたいですね。あ、読者の皆さん、申し遅れました。私、放送部の射命丸文と申します』

 文が、何か変なことを口走ったが、幸い、観客たちには聞こえなかったようだ。

『それでは、第五回・IS学園学年別クラス代表戦一年の部ッ! 実況・解説はこの放送部三年・射命丸文でお送りする第二回戦ッ! ISファイト・レディィィィィィィ・ゴォ─────ッッッッッッ!!!!!!』

 ちなみに、今回、教師陣は、自分のクラスの席で観戦している。また、放送部は、三年生が全ての試合のアナウンス、そして実況解説を行うことになっている。理由は、単純に知識の差である。余談だが、放送部は、新聞部も兼任している。

 話を戻して、戦闘開始の合図が降った二人は、数秒間、互いに一歩も、一ミリたりとも動かなかった。

 それは、西部劇の、荒野に立つ二人のガンマンの決闘のような緊張感である。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 何も発さず、静寂が広がる。

「ゲコ」

 学園の人工森林内で、カエルが鳴いた。

 それを知ってか知らずか、それを合図としたかのように、二人は行動を開始した。

「ハッ!」

 先制攻撃を仕掛けたのは、鈴だ。

 妖夏の首を狙った手刀の槍。真っ直ぐに突きつけられたそれはしかし。

「タァッ!」

『ッ! バ、バック転で攻守を両立───』

 妖夏のバック転により振り払われ、さらにその余波で蹴り飛ばされてしまった。

 だが、鈴も、伊達に代表候補生を名乗っているわけではない。すかさず体制を立て直し、

「飛び道具だってあるのよッ!」

 と叫んだ。同時に、妖夏に衝撃が走る。

『今のはッ! 噂に聞いていた、不可視の弾丸、その名も龍砲ッ! まさか、完成していたとでもいうのでしょうか、これは分が悪いか西行寺選手───ッ!』

 そう、龍砲である。その原理は、圧縮空気を打ち出すという、ぶっちゃけ非常に(少なくとも口で言うには)単純なものだ。

 しかし、単純であるがゆえに、そこまで辿り着くのは難しいのである。妖夏の場合、なおさら。

「どう? この不可視の攻撃、見破れるかしら?」

「見破れなくたってッ!」

 常識外に染まったからこそ、常識にたどり着けない。それが、弾幕ごっこの弊害である。

 しかし、そんなことはどうでもいいと言わんばかりに、

「スペルカード発動ッ! 予知『先手必打』ッ!」

「んなッ!?」

『おぉーっとッ! 西行寺選手、ここでやった───ッ! 攻撃の向きを瞬時に判断し、カウンターに成功しましたッ!』

 龍砲の合間を縫って、拳を叩き込む。

 そしてその時、空気に引き寄せられる感覚を、妖夏は得た。

───真逆、龍砲は・・・ッ!

 その瞬間、龍砲の正体にも気付いたのである。

 しかし。

 なんとか鈴の背後を取ったはいいものの、なんと、その瞬間、コンマ一秒のズレもなく、背中に目でもついているのか、こっちを見ずに、龍砲が発射された。

「えっちょっまっ」

 その意外性に、具体的には「座ったままで跳躍」レベルの意外性に耐えきれず、龍砲の一撃を喰らう。

「ふっふっふ、まさか後ろに撃てるなんて思ってなかったでしょ?」

「はは、そりゃね」

「ところがどっこい、ISにはハイパーセンサーがあるッ!」

「そうか、それなら、この不可視の、圧縮空気による衝撃砲の一撃を・・・。でも、明らかにセンサー頼りじゃなかった・・・」

 そう、この時の鈴は、目を閉じたままだったのである。

「企業秘密よ」

「勝って聞き出すまでッ!」

「いいわね、その代わり、もしアタシが勝ったら、アンタの二年間、洗いざらい全部喋ってもらうんだからッ!」

「箒も同伴?」

「モチのロン!」

『あぁ────────ッ!!! やばい、もうやばいですッ! かつて最速パパラッチと恐れられた私でさえ、もう目で追うことすらできませんッ! 目にも止まらぬハイスピード・バトルッ!』

 妖夏と鈴は、激しい攻防を繰り広げている。

 まるで、風のように。

 妖夏が殴れば鈴は蹴り、鈴が撃てば妖夏が斬る。

 五分ほど経ち、二人はいつしか、獰猛な笑みを浮かべていた。

 そう、こうして拳で語り合えることに嬉しさを感じて。

 しかし。

『・・・ッ! お二人ともッ! 今すぐ、退避をッ!』

 文が叫ぶが、時既に遅し。

 突然、アリーナのシールドが叩き割られたのである。

 そして、侵入した何者か。

 その正体は。

「・・・IS・・・?」

[krrrrrrrrrr・・・・・・]

 黒い、ISのようなものだった。

 それを見た、真耶の行動は早かった。

 専用端末を取り出し、謎の機体に向ける。

 すると、モニターには、《解析完了 UNKNOWN》と表示された。

「そんなッ!? 未確認のコアなんてッ!?」

「ダニィ!?」

「なんだと・・・。束、一体何を・・・」

 そして、気を取り直し、

「非ィ戦闘要員はとっとと避難じゃッ! 生徒を先に、大人が後じゃッ!」

「要人もいるんだぞ!?」

 そう叫ぶが。

「ダメですッ! 警戒レベルマックス、脱出不可能ッ!」

「なんじゃと!?  ふざけんな、誰の差金じゃあッ!」

「わかりませんよそんなことッ!」

 すると、水鏡は、生徒でごった返す非常扉へ、飛んで向かった。当然、生徒は驚愕する。

「先生!?」

「な、何を・・・?」

「こうするんじゃッ!」

 そういうと、水鏡は、右の手を扉に翳し、力を込めた。すると、

「溶けた」

「溶けた」

「溶けちゃった」

「これで通れるじゃろ」

「アッハイ」

 なんと、非常扉が溶けた。これは、「幻惑のセルバンテス」を参考に身につけた能力である。

 全ての非常扉を溶かし、生徒を逃し、さあ教員部隊を呼ぼうと言うところになって。

「ッ! 織斑、貴様何をしているッ! 避難指示が出ていただろうがッ!」

「俺が倒すんだッ!」

「何を余計な・・・ッ!」

 黒駒が、避難指示を無視し、白式を纏って乱入した。謎の機体xは現在、鈴と妖夏が相手をしている。

 ちなみに、雪片弐型は、束にもう一度作ってもらっている。故に、警戒レベルマックスのアリーナのシールドを突破し、侵入できたのだ。

 この時、xは、撃破寸前の段階まで行っている。

 では、その様子を回想してみよう。

 

***

 

回想

 

[rrrrr・・・・・・!!!]

 xは、二人に向けてミサイルを放った。

「あっぶなッ!」

「!」

 だが、間一髪でミサイルを回避する。

『二人ともッ! ここは私たちが引き受けますから、早く逃げてくださいッ!』

 真耶が拡声器で叫ぶが、

「「そんな、クラスメートを見捨てるような真似ができますかッ!」」

「それに、私たちは専用機持ち」

「ここで逃げては、その名折れ」

「「風上にすらおけやしないッ!」」

 そう叫び、xに相対した。

『ならば、教員部隊が到着するまで・・・いや、生徒が避難を完了するまで、時間を稼げるか?』

 千冬に訊かれ、

「「モチのロンッ!」」

 と返し、次の瞬間、向かっていった。

『せめて敬語を使え、二人とも・・・』

 千冬は、苦笑いした。

 この間、xは全く動きを見せなかった。

 それを見た妖夏は、「本質と少し先を見抜く程度の能力」によって、「xには自意識が無いのでは?」という可能性に思い至った。

 なぜならば、話している最中に攻撃して仕舞えば、事はすぐに終わらせることができるからである。

[krrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr────────────iiiiiiiii!!!!!!!!]

 二人が向かうと、xも反応した。受け身なのだ。妖夏は、確信した。こいつは、無人機であると。

 以前、束に聞かされたことがある。

──ISコアには、意思が宿っている

 と。

 そして、こうも言っていた。

──理論上は、無人機だって不可能じゃない。でも、それじゃ、束さんの理念に程遠いんだ

 と。

 今回思い出したのは、後者である。

 しかし、意味がわからない。

 何故、学園を襲わせるのか。

 動機が、わからないのだ。

 だが。

──今は、そんなことはどうでもいいッ!

 まずは、破壊するだけだ。

「鈴、あれはおそらく無人機」

「えッ!? でも、実用化には・・・。それに、根拠はなんなの?」

「不意打ってこなかった。それに、行動が受動的。自意識があるようには、思えなかったから」

「・・・なるほどね。つまり?」

「殺っちゃってOK☆」

「よっしゃあッ!」

 そういうと、鈴は、独特の構えをとる。

──あれ? この構えって・・・

「天・龍・脚ッ!」

 そして、xに蹴りを叩き込んだ。

──やっぱり美鈴さんのッ!

──でも、一体どこで・・・?

 xはたじろいだ。しかし、

[tttttttt・・・・・・]

 今度は、妖夏をターゲットに定めたようだ。

「向かってきた・・・ッ! だったら・・・。スペルカード発動ッ! 瀑布『拳戸蝶雷』ッ!」

 迎撃に、スペカを使う。この技は、まず拳を扉に見立て、相手の動きを強制的に止める。続いて、蝶のように舞い、雷のようにラッシュを食らわせる、というものである。

 天龍脚も、体術の一つ。二人とも、本質は肉体派なのだ。

 xは、かなりのSEを消費し、あと一撃で倒れる、という段階になった。

 そして、さあとどめを刺そうというところで、

「ッ! 織斑、貴様何をしているッ! 避難指示が出ていただろうがッ!」

「俺が倒すんだッ!」

「何を余計な・・・ッ!」

 黒駒が乱入した、というわけだ。

 

***

 

現在

 

「どけッ! こいつは俺が殺すッ!」

「あんた何言ってんのよ!? 一応アタシらも時間稼ぎという名目でここにいるのに、なんで!?」

「うるさいッ! 俺は天才なんだッ! こいつ如き、俺で十分なんだッ!」

「何馬鹿なこと言ってッ! 足手まといにしかならないんだから、邪魔しないでッ!」

 黒駒は突然キレた。

「黙れ出来損ないがッ! この凡人風情がッ! あんなマグレ、誇る方がどうかしてるッ!」

「うっさいわねッ! 聞けば、ISの稼働時間、100時間にも満たないらしいじゃない。その程度で出てくるなんて、おかしいにも程があるわよッ!」

 激昂したまま、黒駒はxに突撃していった。

「死ねカスッ!」

[kiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!]

 そして、

「零落白夜ッ!」

 雪片弐型を振り下ろすが、

[krrrrrrrrrrrrrrrrrr──────!!!]

「なっ」

 軽く避けられ、

「ぐべばっ」

 そのまま犬神家落ちした。だが、即、復活した。

『言わんこっちゃない・・・。・・・山田先生ッ! 教員部隊はッ!』

『ダメですッ! むしろ、積極的に逃げ惑う始末で・・・』

『なんじゃと腑抜けどもがッ! 織斑先生、ワシが出る』

 千冬は、大いに驚愕し、そして止めた。

『無茶だッ! ISを持たぬお前に、いくら満身創痍といえども、勝てるわけがないッ!』

『やる前から諦めよったら駄目じゃ。むしろ、ここででなけりゃ示しがつかんッ!』

 そう言って、水鏡もアリーナに降り立った。

「さぁて、と。西行寺、凰。よく持ち堪えてくれた。そろそろ限界じゃないんか、IS? じゃけえ、早う戻りんさい」

 確かに、二人のSEは、それぞれ3割を切っていた。弾薬も尽きかけ、息も絶え絶えである。

「でも、じゃあどうするんです? まさか、水鏡先生が戦う、とかじゃないですよね?」

「そのまさかじゃッ!」

 妖夏の疑問を一刀両断し、水鏡はxに向かう。

 だが。

「何勝手に話を進めてんだッ! 天才である俺を無視するなッ!」

 黒駒がそれを許さない。

 水鏡に、生身の人間に、雪片弐型を振り下ろした。

「・・・なんじゃワレ。避難指示を無視して粋がって戦場(イクサバ)に躍り出た、足手纏いの分際で何言いよるんじゃ」

 その視線に怖気付き、当たることはかなわなかったが。

 黒駒は腰を抜かし、気絶した。

[krrr? killrrrrrrrrrrrrrr!]

「かかってこいよ三下がッ! この大会をわやにしたツケ、確実に払わせちゃろうわッ!」

 そう叫び、手から衝撃波を放つ。

 それを、竜巻のように動かし、

「胡麻のように磨り潰される気分はどうじゃあッ!」

 その身体を捻れさせていく。

[ggggggggaaaaaaaaaaaaa!]

 苦しみ悶えるx。だが、そんなことで心を動かされる水鏡ではない。

 彼は、かつて、学生時代、ケンカに明け暮れていた。喧嘩を売ってきた相手が、命乞いをしたことがあった。それを聞き入れると、ナイフで不意撃って来た。それ以来、戦いに情けは無用と考えるようになったのである。

「さあ終いじゃッ!」

 止めに、天高くxを打ち上げ、そして目にも止まらぬ速さで地面に叩き落とす。

 こうして、xは機能を停止した。

『よし、やったか!?』

 ・・・かに思えた。

 千冬は、余計なことをしたものである。この手の作品において、「やったか」は、「やってない」つまり「生きている」ことのフラグなのだから。

 そして、フラグの通り、xは、身体中から火花を出しつつ、駆動を再開した。

「しぶといやつじゃのう。SEが残っとんか、こりゃあ?」

『そう見たいですね・・・。これは、西行寺さんに助けてもらうしか・・・』

「生徒を危険に晒すんは嫌なんじゃがのう・・・。背に腹は代えられんか」

 そういうと、水鏡は、大きく息を吸い込み、そして叫ぶ。

「西行寺ッ! 虫がいいようで済まんがのう、奴を止めるため、力ァ貸してくれッ!」

 と。

「待ってましたその言葉ッ!」

 アリーナの出入り口付近で待機していた妖夏は、その叫びを聞いた直後、アリーナに躍り出た。

「スマンの西行寺、奴を捻じ切ったと思ったんじゃが・・・」

「先生、ISって、その程度で倒れるような代物じゃないですよ。お腹を減らしてあげないと」

「腹を減らす・・・? あぁ、SEを削る言うことじゃの? ワシが生身でそのけったいな刃を震えりゃあいいんじゃがのう・・・」

「こればっかりは仕方ないですよ。後は、任せてください」

「スマンの。この借りは、どっかで必ず返すけえ」

 妖夏は、xに向き直る。

 そして。

「スペルカード発動ッ! 必殺『零落びゃk「させるかよぉッ!」えッ!?」

「なッ!?」

『そんな!?』

『貴様、何をしているッ! 織斑ァッ!』

 零落白夜で落とそうとしたが、すんでのところで黒駒に妨害されてしまった。スカーレット・ファントムは、発動しかけた零落白夜によって、大幅にSEを減らしてしまい、待機状態である、早苗とお揃いのカエルの髪留めに戻ってしまった。

「凡人如きが、つけ上がんなッ! あれを潰すのも、俺なんだッ! 天才である、この俺だッ!」

「何を馬鹿なことを言いよるんじゃッ! ISの起動時間を見りゃあ戦力差は一目瞭然じゃろうがワレッ! 代表決定戦の時もそうじゃ。ワシらが持ちかけた特訓もせず、遊んでばっかりで居ってからに。そがぁな奴を、何処の誰が信用する、えぇ? 何処にもおらんのじゃそがぁなお花畑はッ!」

「それがどうしたよッ! 俺は天才なんだ、あの時は運が悪かっただけだッ! 本当なら俺が代表になってたッ! それを西行寺がチート使ってッ!」

「何の代償もなく強い力を得て勝利する、と言うのがチートであれば、そりゃあおどれに当てはまることじゃろうがッ!」 

 そう言って、水鏡は、黒駒を取り押さえようとするが、

「生身で、しかも疲労困憊で勝てると思ってんじゃねえよ凡人がッ!」

「グブォアッ!?」

 弾かれてしまった。そう、現在の水鏡は、アリーナの非常扉を溶かし、衝撃波でxの装甲にダメージを与えるため、エネルギーを大量消費しているのだ。

「さあくらえッ! 零落白夜ッ!」

 結局、無人機を完全に沈黙させたのは、黒駒であった。

 

***

 

翌日・会議室

 

 ここにいるのは、「無人機襲撃事件」の当事者である水鏡、千冬、真耶、妖夏、鈴、黒駒の6名、そして学園長たる轡木十蔵である。

「では、織斑先生。事件の詳細をば」

「はい」

 そう言って、千冬は、この事件の一から十まで全てを話した。そこに、嘘偽りが介在する余地はない。 

 全てを聞き終えた十蔵は。

「・・・ふむ。結果オーライとは云え、命令違反は頂けない。織斑黒駒には、相応の処罰をせねばならないでありましょう」

 と、処罰を下すことにした。

 しかし、それに異を唱える者が一人。

「納得いかねぇ。なんで天才の、しかも事件を終わらせてやった俺が処罰されなけりゃならねぇんだよ」

 当の黒駒本人である。

「なんで、だと?」

 千冬がそれに反応する。

「なぜお前が処分されるのか、解らないとでも言うのか、織斑」

「解るわけねぇだろ。俺は、あの二人より先に、あの機体を潰せた。処罰する理由なんかねぇだろ」

「敬語使え敬語。横槍で悪いが、手前、命令違反したんだよ」

 水鏡が、口を挟んだ。そして、事実を淡々と伝えていく。

「それだけじゃないですか」

「だからこそ、だ。いいか、いくらアラスカ条約があろうと、ISは軍事兵器になりうる。・・・噂によれば、織斑先生、ドイツじゃ既に・・・」

「ああ。既に、ISを使う部隊が編成されている」

「とよ。もしかすりゃ、本校卒業生が軍に所属する可能性だってあるだろうよ。そんな時に、手前という命令違反を許しちまうと、他の連中が便乗しかねない。じゃけえ、処罰せねばならんのよ。言って仕舞えば、見せしめじゃ」

「・・・・・・は? なんで見せしめにされなけりゃならねぇんだよ。俺は、正しいことをしたん「そんなの結果論じゃないッ!」何だと?」

 鈴が、ついに爆発した。

「アンタ、聞いてりゃその主張、IS乗りどころか人としても風上に置けないわねッ! 先生も言ってたけど、命令違反を許すほどここは甘くはないのよッ! その上、千h・・・織斑先生に聞いたわ。アンタの白式、100時間も動いてないんでしょ? そんな奴が出てきたって、邪魔なだけッ! 何で出てきたのよ本当にッ!」

「実際に俺が倒したじゃねぇかッ!」

「あんなのハイエナでしょうがッ!」

「勝てば官軍だッ!」

「そんなのただの暴論じゃないッ! それに、その理屈、この学校全体のことを指すのよ?」

「それがどうし「いい加減にしなさいッ!」!?」

 ヒートアップする激論を止めたのは、温厚な見た目の轡木十蔵だった。その目は、普段の穏やかな、瀬戸内海のように穏やかな目ではなく、鋭い、仁義なきヤクザのように鋭い目だった。

「まず凰さん。あなたは、もう少し冷静になりなさい。言っていることは正論がほとんどですが、言い方がキツすぎる。そして、織斑君。君は、事の重大さを認識しなさい。本校は、どう言い繕おうと、軍事施設としか言いようがありません。それ以前に、学校は規律を重んじている。つまり、結果がどうあれ、その行いは許されざるもの、という事です」

 一呼吸置いて、重蔵は、

「それでも納得ができぬというのなら、儂をその手で殺してみせよ」

 と、某悪の要塞として復活した研究所のジジイの如き声で云った。背後には、悪鬼羅刹、不動明王が幻視されたほどである。

「・・・・・・ヒッ」

 黒駒は、息を詰まらせ、気絶した。

「それで、次は水鏡先生についてですね」

「あれ? 水鏡先生って、何かやらかしましたっけ?」

 十蔵の弁に、真耶はきょとんと首を傾げる。水鏡と十蔵以外(正確には、女尊男卑の思想を持たない教員のみ)、心当たりはなさそうな様子である。

「あー、そういうことですね、学園長」

「そう。非常扉を溶かすとは、君は本当に何者なのですかね?」

「ただのアニメ好きですよ」

 このような会話の後、黒駒と水鏡の処罰が言い渡された。

 その内容は、以下の通り。

 

織斑黒駒→反省文原稿用紙30枚、奉仕活動

水鏡京→弁償(非常扉。総額200万円)

 

 水鏡は、特例で土木工事のアルバイトを認めてもらい、わずか3週間で返済を終えたという。




うーん、電波。
流石に、駄文が過ぎました。
この作品を完結させた後に、リニューアルヴァージョンとして投稿し直すかもしれません。
設定も、かなりおかしなことになっているし、推敲すべきでした。
さて次回は、鈴の過去編です。
感想と評価を、よろしくお願いします。

第4話「クラス対抗戦+異常発生」は、どうでしたか?

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