元褪せ人のスローライフ(願望) 作:Crimson Wizard
「……つまらんな。」
後は
「おいシルヴィア、気を抜くな。確かにお前のステイタスでは相手にならんかもしれんが、強者の死因の大抵は油断だ。」
……フィンも、リヴェリアも私が不死である事は知らない。ヘスティアに口止めされているからな。
それに、狭間の地ではその辺の雑魚相手でも気を抜けば一瞬で切り刻まれていたが、
深層と呼ばれるこの階層でさえ私を殺せそうなモンスターは見当たらない。
まあ、流石にわざと攻撃を喰らい続ければ話は変わってくるが。
「さて、ここが遠征中の拠点になる。総員、早めに設営を終わらせるんだ。本格的な攻略は明日からだ。」
……
だがまあ水は補給出来るし、何よりこの階層は18階層と同じく
フィンがサポーター組に指示を出している中、私は思っていたよりダンジョンのモンスターが弱くて肩透かしを喰らった気分になりながら、
だが狭間の地程では無い事に若干の安堵を覚えながら設営の手伝いをしていた。
「……。」
……何故かさっきから視線を感じる。視線の主は……アイズか。
「……さっきからどうした?私の背中に何か着いているか?」
「……ううん。シルヴィア、ダンジョン潜るの初めて、でしょ?何でこの階層でも普通に戦えてるの?」
真っ直ぐと私の目を見ながら問うてくるアイズに、私は少し考える。
正直な話、恩恵が無ければ一度は死んでいただろう。それにフィン達が居なくとも。だが、横でリヴェリアが解説しながら実際に
敵を倒すのを見ていれば、流石に倒し方は分かる。……それだけじゃない。
私の身体能力は恩恵を受けてから明らかに向上している。
そして新たなスキル【
武器を持ちながら魔法や祈祷を使えるのは大きい。流石に触媒を持った時程補正が無い為火力は落ちるが。
戦技も戦いながら付け替える事が出来る為、私の手札は以前とは比にならない。
「前にも言ったが、私はこのモンスター共とは比較にならない化け物共を相手にしていたんだ。
その化け物共にも、神にも当然魔石など無いからな。相手が文字通り力尽きて倒れるまで戦い続ける必要があった。
それに恩恵を受けて私の能力は明らかに向上したしな。
だが、一番大きいのは貴公らの存在だ。モンスターの習性から倒し方まで教えて貰って、負ける筈が無いだろう。」
そう。私は以前であれば相手の動きを見切れる様になるまで死んで覚えていた。
だが、倒し方から魔石の位置まで懇切丁寧に教えて貰ってその上で負けるなど、逆に難しい。
それに、私は戦い方を元から知っている。戦闘スタイルもある程度決まっていて且つ、今更死など恐れていない。
まあ動きが読めない為に少し危うい場面も無くはないが、恩恵を受けた影響か多少の攻撃では致命傷にならない。
生命力や強靭なども明らかに上がっている。
「そう……。」
明らかに納得していない顔だが、これ以上の追及はやめてくれるらしい。
だがまあ……フィン達が居ない状況で階層主とでも戦ったら、流石に死ぬかもしれないな。
今回の遠征ではまだ階層主とは戦っていないが、流石にその辺の雑魚共とは比較にならないだろう。
「さて、じゃあ待機組の見張り以外は攻略に備えて身体をしっかり休めるんだ。」
そうして食事を取った後……ある程度の見張りをつけて床に就いたロキ・ファミリアだが、私は眠る気になれない。
皆を起こさない様にそっと天幕を出ると、そこには素振りをしているアイズが居た。
「……アイズ、フィンの話を聞いていなかったのか?明日に響くぞ。」
私がそう声を掛けると、ゆっくりと剣を振り終えて私を見るアイズ。……リヴェリアの言う通り、随分と力に飢えているらしい。
「どうして、……そんなに強くなれるの?」
「貴公……強さを求めるあまり視野が狭くなっていると言われた事は無いか?」
私はアイズの問いを遮ってそう口を開く。
「その貪欲さは良い。だが、焦りすぎだ。強さなど、元より一朝一夕で身に付くものでは無い。」
「……それは、出来ない。私はもっと強くならなきゃ、力が無いと、また全てを奪われるだけ。」
全てを奪われる……話を聞くに、家族か何かを喪ったのだろうな。
「……私はな、別に戦いが好きな理由では無い。単に戦わなくては生きていけなかったのだ。尋常の死などとうに捨てた。人では無いのだよ、私は。」
「人、じゃない?」
「逆に問おう。貴公、強さを求めるあまり、禁忌に手を染め、人である事を辞め、神をも殺し、同胞を手に掛ける事すら躊躇しない。それは人間か?
私の過去は聞いているだろう?私の世界にも居たさ、貴公の様にただひたすらに力を求め、人である事を捨て、自らを竜とした者。」
「竜……!」
「彼等の末路を知っているか?皆が血に狂い、自我を失い、人を捨ててまで果たしたかった目的を忘れ、遂には原型を留めぬ化け物となった。」
「……」
「私の知る限り、人である事を捨て、人の理を越える力を手にした者は皆例外なく何かに狂っていた。
まあ、その様な事をせずとも元より人の理を越える力を持っている
要するに、力を求めるあまり視野を狭めると貴公はいつしか人では無くなる。そうなれば、モンスターと同類だ。
いや、モンスターよりも尚タチが悪い。だが……貴公が人である事を辞め、人々に剣を向けられる覚悟があるのならば、私が力を与えてやろう。」
アイズの表情は見えない。だが、迷っている様に見える。初めてロキ・ファミリアのホームで会った時から、危うい目をしていた。
人である事を辞めるつもりは無さそうだが、手っ取り早く力を手に入れる手段を無視は出来ないのだろう。
「……貴公、私の英雄になってくれないか?」
「……え?、……は?」
「貴公は迷い子だ。導を失い、目指す場所すら見失いそうな危うい子供。……かつては私もその様な時期があった。」
「……シルヴィア、にも?」
「ああ。だが、私は恵まれていた。尽くすべき主を見つけた。彼女は私を伴侶と呼んでくれた。私を選んでくれた。私の寂しさを埋めてくれた。
……だが、もう居ない。彼女の律も、今頃はエルデンリングの砕かれた直後に戻っているだろう。
例え救いようの無い世界でも、気紛れに私を拾って孤独を埋めてくれたあの
……私と共に来い。私が貴公の導となろう。貴公は剣を振るうだけで良い。ただ、決して裏切らず私を思っていてくれ。
私も、貴公が私を裏切らぬ限り決して貴公を裏切らないと誓おう。……さあ、私の手を取れ。」
迷走中です……
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