元褪せ人のスローライフ(願望) 作:Crimson Wizard
ちなみに主人公は今のところ常識人ぶってますが、いずれ本性を表します。それがいつかはお楽しみに。
「これは……」
私は今、ロキ・ファミリアのホーム【黄昏の館】にいる。
私は既にロキ・ファミリアの面々と面識があるのでかなり簡単に入れてもらえる。
そして、昨日更新したステイタスをリヴェリアとフィンに見せている所だ。まあ、ロキとガレスもいるが。
「まあ、私の1レベルと貴公らの1レベルでは明らかに能力の上昇幅が違うがな。」
「……まさかゼウスやヘラのファミリアすら超えているのは、流石に予想外だよ。」
うちのファミリアとは反対に、このステイタスを見せた瞬間フィンやリヴェリアは黙り込んでしまった。
「可能性としてあるんは、
シルヴィアたんの世界のステイタスをこっち風に上手く反映出来んかったって可能性も無くはないな。」
神ロキはそう言うが、そうなると……
「だが、初めて恩恵を受けた際はこの様な表記では無かったのだろう?ならば何故、二回目の更新でこうなったと言うんだ?」
「リヴェリア、確かに気にはなるが今問題なのはそこじゃない。シルヴィアと、その所属するヘスティア・ファミリアの今後の扱いだ。」
問題はそこだ。フィンやリヴェリアを伴ってギルドへ報告をすれば流石にギルドも冗談だと一蹴する事は出来ない。
とはいえ、これを見せた所で問題は解決しない。私も、オラリオに来てからこの世界の話をある程度聞いた。
冒険者の最終目標は主に二つ。ダンジョンの最下層攻略と伝説の黒竜の討伐。
ギルドが私の実力に気付いた際、黒竜の討伐を依頼してくる可能性も無くはない。
「君の実力がギルドにバレたら、まず間違いなく黒竜の討伐に駆り出されるだろう。君程の実力者を遊ばせておく程この下界に余裕は無いんだ。」
「ダンジョンの最下層攻略はどうなんだ?」
まあ不可能では無いだろう。流石の私でも一度も死なずにというのは不可能かもしれないが幸か不幸かこの肉体は不死。
階層ごとに祝福を設置していけばいずれ最下層には間違いなく辿り着ける。
「それは黒竜を討伐出来てからじゃないかな。オラリオが世界の中心と呼ばれているのはダンジョンからしか入手出来ない高純度の魔石があるからだ。仮にダンジョンの最下層を攻略出来てしまった場合、今後モンスターが産まれなくなる可能性もある。そうなるとオラリオの経済は回らなくなってしまう。」
そうなると、都市としてのオラリオは終わりを迎えるという事か。
「……そうか。私は黒竜討伐に駆り出されるのか。」
……私は、ゆっくり暮らせればそれで良かったんだが。
「だが、それは準備に時間が掛かる。かつて最強と謳われた冒険者達でさえ為す術なく敗北したんだ。仮にギルドが君に黒竜討伐を依頼する場合、
間違いなくギルドから全面的なバックアップがあるだろう。装備からポーションの類まで、全てがギルド持ちでね。」
……たったそれだけの言葉で揺らいでしまう私は大丈夫なのだろうか。だが装備か。
武器の類は今所有している物で十分な気もするが、貰える物は貰わないとな。というか、欲しい。
「まあこれはあくまで僕の予想だけどね。それと君のパーティとしてか、サポートとしてかは分からないが、
オラリオの第一級冒険者にも声が掛かる筈さ。もしかしたら僕らのファミリアにもね。ただの予想だけど、まあ大きく外れてはいないんじゃないかな。」
「……なるほどな。まあ大方理解した。仮に依頼があった場合、私はそれを受けてもいいと思っている。」
私がそう言うと、リヴェリアが大きく反対する。
「なっ……かつての最強達ですら全く太刀打ち出来なかったんだぞ!?幾らお前とて、無事で済むかは分からない!」
「そうか……貴公らには話していなかったな。これを見ろ。」
先程見せていたステイタスはスキルの欄を隠していたが、その部分を隠していない用紙を渡す。
「……不死となる、か。確かにこれなら不可能ではないかもしれんな。」
「以前、私の出自について話した際、あの世界では不死だったと言ったが、恩恵を受けた時に再びスキルとして発現したのだ。」
そう言うと、先程まで黙っていた神ロキが口を開く。
「まあ仮にや、黒竜討伐になった時はフィン達も呼んでやってや。
ウチもほんまは子供達を危険に晒したくはないんやけど、冒険者になった時点でそんなんは今更や。
特に、黒竜討伐に成功した場合、間違いなくフィンの野望は叶うやろうしな。」
「ああ、まあ私に協力するか否かは本人達に任せるが……少し気が早いぞ。まだギルドにも報告していない。」
「それは、僕が行こう。最悪、信じて貰えなければステイタスを見せるしかない。」
まあそれは私も思っていたことだから別にいいが。
「ところで、シルヴィアたんと全く同じスキルがアイズたんにも発現しとったんやけど、何か心当たりあるか?」
話が一段落した所で神ロキから質問される。
「ああ。彼女とは互いに決して裏切らないという誓いを交わした。……まあそれだけでは無いんだが、それは本人に聞いてくれ。」
「ええよ、ウチは分かっとるからな。ただ、シルヴィアたんがドチビのファミリアってのだけ気に入らん。せや、ウチに改宗せんか?」
「悪いが、ヘスティアに頼み込んでファミリアに入れて貰ったのは私だ。ヘスティアから言われない限り、あのファミリアを抜ける事は出来ない。」
「ちっ!まあええわ。んじゃ、とりあえずギルドに報告してきたらどうや?かなり大事にはなりそうやけど。」
「そうだね。じゃあ、僕が着いていくよ。ホームはリヴェリアに任せるよ。」
「ああ。出来れば夜までには帰ってきてくれ。」
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「……という事なんだ、ここでは話せないから個室に入れてくれないか?それと今回の件はオラリオの今後に関わる。神ウラノスにも報告した方がいい。」
「畏まりました。では、個室に案内致します。……フィン様も着いてこられますか?」
「……そうだね。まあとりあえず着いていこうかな。」
そうして、個室へと案内された私。やはり思っていた通り用紙だけでは信じて貰えず、背中を見せる事になりフィンは一旦退室した。
「これは……私の一存では判断出来かねます。まずギルド長に報告してきますので少々お待ち下さい。」
と、ギルド職員が出て行くのと入れ違いにフィンが戻ってきた。
「どうだい?今日中に終わりそうかい?」
「どうだろうな。まずギルド長に報告と言っていたから、神ウラノスにも話がいくんじゃないか?」
そうして暫くフィンと談笑していると、ギルド職員が戻って来た。
「……はあっ。お待たせしました。これを。」
と、ギルド職員に手紙を手渡される。
「今回の件はギルド長でも判断出来ないとの事でしたので申し訳ないのですが、後日ギルドからヘスティア・ファミリアのホームに遣いを出します。」
次呼ばれた時に話は持ち越しという事で、この手紙はヘスティアへ宛てた物らしい。
「はは、やっぱり今日だけじゃ終わらないみたいだね。」
「悪いな、着いてきてもらったのに。」
「気にしないでくれ。君にはかなり世話になった。それと、アイズが君に会いたがっていたから、暇な時またうちのホームに来てくれ。」
と、フィンに言われて私は豊穣の女主人に帰ってきた訳だが……
よく考えると遣いが来るのはヘスティア・ファミリアのホームなので私はホームに居なくてはならない。
……また休暇を貰うとなると、ミア母さんに怒られるな、これは。
少し憂鬱な気分になりながら私は料理の仕込みを始めるのだった。
あせんちゅはどのファミリアに加入するか。
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