元褪せ人のスローライフ(願望) 作:Crimson Wizard
あれから私はこの世界の成り立ちや
ダンジョンや神々について、それに魔法や
話を聞く限り、ここは狭間の地と地続きではないどころか異なる世界である可能性があると結論付けた。
そして今……
「ここが僕の
実際に見て回った方が早いだろうとの理由で連れ回されている。何故か他人の店を自分の店の様に自慢する神ヘスティアは置いておくとしよう。
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あの後、私の今後の身の振り方についても話をした。
その時に……
「だからキミは!今後間違いなくロクデナシの神々に玩具にされる事になる。」
どうにもこの世界の神とは全知零能と呼ばれているらしく、天界と呼ばれる世界から降臨してくる際にその力を封印してくるらしい。
だが自身の司る権能についての知識は残るらしく、それを商業に活かして成り上がっている神々もいるとか。
神々は力の大半を天界に置いて来ているとはいえ、その力の一部はこの世界でも使う事が可能らしい。
それが
そして、この
その勢力の強さが神々が下界と呼ぶこの世界での地位に直接影響するらしい。
つまり天界では無名であった神であろうとこの世界では強者になり得るし、天界で猛威を振るっていた名だたる神々であろうと
弱小ファミリアから抜け出せない、といった事も有り得るという事だ。
だがこの世界の神々は自らに縛りを掛けている為、逆上して神の力等を行使すれば、
他の神々に嬉々として天界に強制送還される仕組みとなっているのだとか。
そしてヘスティアが言うには基本的にこの世界の神々とは総じてロクデナシが多いらしく、
私の様な他の世界から来た等という珍獣はまず狙われるのは間違いないとの事。
そして肝心の今後の身の振り方についてだが……
「忘れていたが、礼をしなくてはならないな。私は何をすればいい?」
私の本意ではなかったとはいえ、この二人……二柱か?は経済的に余裕が無かったらしく、私の為に使ったポーション等は本来商品であったのだと。
話の途中で乱入してきた
なので何か礼をと口にしたのだが……
「ボクはつい助けちゃっただけだしね。キミもお金なんて持ってないだろうし……」
「いや、礼など良い。お前が助かって良かった。」
などと二人して言うものだからナァーザ……だったか。その女の視線がどんどん厳しくなる一方だった。
結局は出世払いという事にされ、どうせだからヘスティアがバイトに向かうまでの間にオラリオを一緒に見て回ろうと連れ回されている、という訳だ。
そして今に至る。
金など無いのは分かっているのだが、武器を見るとつい欲しくなるのは悪い癖か……
「この……魔剣というのは何だ?」
「うん…?魔剣かい?あぁ!まだ説明してなかったね。それは……」
ヘスティアが得意げな顔をして続きを話そうとした瞬間、不満顔をした赤髪の男が割り込んできた。
「フン、魔剣ってのはなぁ。使い手を遺して逝っちまう武器としてはの欠陥品もいい所の消耗品なのさ。」
「見る限り、姉ちゃんもそれなりの戦士だろ?あんたはどう思うよ?」
「あ、キミはヘファイストスの所の!」
なんだ、ヘスティアの知り合いか。
「どうも、ヘスティア様。」
「えぇーっと、何だったっけ?ちょっと待ってね……今思い出すから。」
そう言ってあーでもないこーでもないとヘスティアが頭を抱えていると……
「こらヴェルフ!お客さんに変な事吹き込まないで頂戴。」
「ちっ、分かりましたよ……」
とまたしても赤髪で、片目に眼帯を着けている女が割り込んで来た。
「あ!ヘファイストス!」
「ちょっとヘスティア、今の時間を言ってみなさい。」
不満顔の男は何処かへと去り、ヘファイストスと呼ばれた女は不機嫌そうにそう言った。
「えぇっとね……あ!もうこんな時間だ!」
「今日はウチでバイトでしょ?何で店の前で呑気におしゃべりしてる訳?」
……そういえば今日はバイトだったのか。
「ごめんよ!実は色々あってヘファイストスのお店をこの子に案内してやってた所なんだ。」
ヘスティアがそういうとヘファイストスは不思議そうにこちらを見つめる。
「この子はね……えっと…………なんだっけ?」
「ちょっとアンタ、一緒に店を見て回ってた相手の名前も知らないってどうなのよ?」
……そういえば名乗る機会など無かったな。
「そ、それもそうだよね!キミ!名前を教えておくれよ!」
……なんと答えれば良いのだろうか。狭間の地で名を名乗る機会など無かったからな。
「あ、もしかしてボク聞いちゃマズい事聞いちゃった……?」
確か……
「……シルヴィアだ。」
「おお!シルヴィア君って言うんだね!」
神々には人の嘘を見抜く力が備わっていると聞いたが、この反応を見るにこれは嘘にはならないらしいな。
「ねぇ、アナタずっとこの武器を見てたけどこれが気に入ったの?」
と、神ヘファイストスが私の見ていた武器について質問をしてくる。だが生憎、武器を気に入ったという訳では無い。
「いや、かつて似た様な刀を使っていた事があったのでな。」
「使っていたって……これを?これは物干し竿といって、とんでもない技量を要求される武器なのよ?」
そうは言われても、使っていた事実に変わりはあるまい。何より私は、魔術等で遠距離から攻撃を仕掛けるよりは前に出て斬り結ぶ方が得意だ。
「……百聞は一見にしかず、と言う奴だ。」
私はそう言ってルーンに変えていた長牙を取り出す。
「ちょ、キミ!こんなところで……!」
神ヘスティアは焦っているようだが、これから一生この術を隠し通すのは不可能だ。
「…聞いた事のないスキルね。そしてそれが……。成程ね。これ、銘はなんて言うの?」
「長牙という」
「こらぁ!ボクを無視するなぁー!」
そう言ってヘスティアが騒ぐと神ヘファイストスは凄く嫌そうな顔をして言う。
「アンタね……。まあいいわ。とりあえずヘスティアは先に仕事を始めてて頂戴。」
「ぐぬぬ…!今は雇用主だから文句言えない……!」
と、ヘスティアは捨て台詞を吐くと諦めて仕事をしに行った。
神ヘファイストスはヘスティアが行ったのを確認するとこの武器を使える子供はもう長い事見ていないわと言い、
「それで……アナタが本当にそれを扱えるだけの戦士なら、特別に何か打ってあげてもいいわよ?勿論条件付きだけどね。」
武器か、正直悩ましくはあるが……。
「申し出は有難いのだが、武器は有り余る程持っている。打って貰えるのなら防具がいい。」
そう言うと、神ヘファイストスは驚いたような表情をする。
「まさかヘファイストスブランドの武器より防具を求めるなんて……アナタ変わってるわね。」
「そうか?身を守る装備は重要だろう。」
そういえば……ここに来るまでに冒険者と呼ばれる者たちを見て来たが、重装をしている者など居なかったな。
「まあいいわ。でも流石にタダで作るっていうのは立場的に許されないから、先程アナタの言っていた武器達を見せて頂戴。」
「そのくらいなら、別に構わない。」
こうして、私は実質タダで防具を作って貰える事となった。
あせんちゅはどのファミリアに加入するか。
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