元褪せ人のスローライフ(願望)   作:Crimson Wizard

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お久しぶりです。仕事があるのと、あと他作品と並行して投稿するので頻度はあまり高くないですが、
一応投稿は再開します。またよろしくお願いします。


第8話

 

私はclosedと書かれた看板を無視して扉をノックする。そうして数秒程待つとガチャリと音を立てて酒場の扉が開いた。

 

「……今はまだ準備中です。何か御用でしょうか?」

 

扉が開くと薄緑色の髪をしたエルフが顔を出してそう言った。

 

「ここで働かせて欲しいのだが……」

 

私がそういうと薄緑色の髪をしたエルフはハッとした顔をして再び口を開いた。

 

「……あなたがシルヴィアさんでしたか。話は伺っております。どうぞ此方へ。」

 

そう言ってこちらへ背を向けるとエルフは歩き出した。私はその背を追う。そうして歩いているとエルフが話し掛けてきた。

 

「リヴェリア様とはどのようなご関係で?」

 

……どのような関係か。ううむ、なんと言うべきか。一応私が師匠に当たるのか?

 

「……師弟関係だな。」

 

「なるほど。リヴェリア様に師事していらっしゃるのですね。」

 

「いや、リヴェリアが私に師事している。」

 

そういうとエルフは怪訝な顔をして黙り込んでしまった。そのまま歩いていると恐らく目的の部屋がある扉の前に辿り着いた。

 

「ここです。……先程は失礼しました。ここで働くのであればまた話す機会もあるでしょう。その時は是非話の続きを。」

 

そう言ってエルフが扉をノックする。すると足音が近付いてきて扉が開いた。すると恰幅のいい恐らくドワーフの血を引く女が出て来た。

 

「……ああ。あんたが例の娘だね。話は聞いたよ。あんまり理解出来なかったけどね。それで、接客は出来るかい?」

 

「……分からない。」

 

「じゃあ料理はどうだい?」

 

料理か……娯楽のない狭間の地において、私の唯一の趣味だった。薄らとだが、過去の料理も覚えている。

 

「得意な方だ。知らない料理も一度見せてもらうかレシピがあるのなら作れるとも。」

 

「ほう……じゃああんたには料理を担当してもらおうかね。」

 

……もう採用決定なのか?そもそもレシピがあれば作れるのは誰でも一緒だと思うが。

 

「待て、私が聞くのもおかしな話だがこれでいいのか?」

 

「なんだい。私の決定に文句があるってのかい?……心配しなさんな。あんたにどんな事情があっても私は気にしないさ。」

 

……何か勘違いされてる気がするが。

 

「それにね、ウチに居るのはレシピがあっても丸焦げにしちまう様な奴らばっかりなのさ。」

 

そういってドワーフ?の女は先程薄緑色の髪をしたエルフが去っていった方向を見つめる。

 

「ただし!ここでは私の事は母さんと呼ぶ事。ここで働くって事は私の娘になるって事だ。」

 

「……生憎私は200を超えているぞ。」

 

「関係ないさ。ガキだろうがババアだろうがこの店で働くなら皆私の娘だ。」

 

「……そうか、では是非よろしく頼む。」

 

「きっちり働いて貰うからね!それと、私はミアだ。ミア母さんと呼ぶ様に。」

 

「了解した。」

 

何とも人がいい事だ。恐らく皆に慕われているのだろう。リヴェリアから私の事情はある程度聞いているだろうが、

それにしたって赤の他人である私を受け入れる理由など無いというのに。

 

「じゃあ、とりあえず買い出しを頼まれてくれないかい?」

 

「……何が必要だ?」

 

私がそう聞くとミア母さんは衣嚢からメモを取り出して私へと渡した。

 

「ここに全部書いてある。ま、急がなくてもいいから忘れずに買ってくるんだよ。」

 

「了解だ、ミア母さん。」

 

私がそういうとミア母さんはニヤッと笑って私の背を叩いた。

 

「よし!じゃあ行ってきな!」

 

「ああ。行ってくる。」

 

私は買い物へと向かいながら思った。他の従業員への挨拶は後でいいのだろうかと。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

「……分からん。何処にどの店があるんだ。」

 

私は絶賛迷子中だ。どうやらミア母さんは私がこの辺の地理に詳しくない事を知らないようだ。

にしても、店の場所が分からず字も読めないおつかいとはこれまた随分難易度が高いな……

 

などと考えながら歩いていると、神ヘスティアが話し掛けてきた。

 

「あ!シルヴィア君じゃないか!」

 

……神ヘファイストスの所でバイトしてるんじゃ無かったのか?

 

「バイトはどうしたんだ?」

 

「少し早いけど休憩中だよ。今日はじゃが丸くんの屋台でバイトなんだ!」

 

掛け持ちしているのか。神だというのに勤勉な事だ。

 

「おひとつどうだい?少しだけならオマケしとくよ?」

 

「いや、今は遣いの途中で……店の場所がよく分からなくてな。」

 

「ん?仕事が見つかったのかい?良かったじゃないか!でも迷子かぁ。うぅ……実はもうすぐ休憩が終わっちゃうんだよね。」

 

「これと、これは何処で売ってるか分かるか?」

 

「これはねぇ……そこをまっすぐ進むと屋台がいっぱいあるんだ。その近くだから、そうだ!屋台の人に聞いてみたらどうだい?」

 

「そうだな……ではそうさせてもらおう。」

 

そういうと、ヘスティアは近くにある屋台の時計を見てハッとした。

 

「もう休憩が終わっちゃうよ!じゃあボクはバイトに戻るから、またね!シルヴィア君!」

 

「ああ。また会おう、神ヘスティア。」

 

そう言って神ヘスティアは元気に走って行ってしまった。

 

「屋台か……こっちか?」

 

神ヘスティアに言われた通りの道を真っ直ぐと進むと屋台が建ち並ぶ一帯へと出た。

 

「すまない、これは何処で売っているか知っているか?」

 

私は近くにあった屋台の店主へと質問すると、具体的な場所と行き方を教えてもらった。

そして……かなりの時間が掛かったが買い物を済ませて店へと戻ると今朝話をした薄緑色の髪をしたエルフが居た。

 

「あなたは……ミア母さんが言っていました。ここで働く事になったと。改めて、私はリュー・リオン。これからよろしくお願いします。」

 

「シルヴィアだ。よろしく頼む。」

 

「それは?」

 

「ミア母さんに買い出しを頼まれてな、道が分からなかったから遅くなった。」

 

「なるほど……シルヴィアさんは料理を担当するのだとミア母さんから伺っています。

ミア母さんはもう仕込みをしている様なので買ってきた食材を届けてあげてください。」

 

「了解した。」

 

そう言われて店の奥へと進むと、ミア母さんが出迎えてくれた。

 

「遅かったじゃないかい。……ん?店の場所を知らなかった?ああ、そういえばあんたはここの出身じゃ無かったね。

それにしても、場所も分からないでよく買い出しが出来たね。ウチの娘共は不器用なのばっかりだからおつかい一つ覚えさせるのにも苦労したのに。」

 

「酷いニャ!それはミャーが馬鹿だって言ってるニャ!?」

 

そこで漸く見知らぬ人物がミア母さんの横に立っているのに気付いた。

 

「事実を言っただけじゃないか、それよりあんたも挨拶しときな。」

 

「お前が新入りニャ!?今日からはミャーが先輩だからお前はミャーの言う事をきちんと聞くニャ!」

 

獣人…… キャットピープルだったか。なんというか、独特な喋り方をする種族の様だな。

 

と、獣人の女にミア母さんが拳骨を落とす。

 

「うにゃあああ!ミア母さん酷いニャ!何するニャー!」

 

「あんたはまともに挨拶も出来ないのかい?はぁ……こいつはアーニャ。名乗りもしないなら馬鹿猫で十分だよ。」

 

「そうか。よろしく頼む。馬鹿猫先輩。」

 

「ンニャアアア!」

 

と馬鹿なやり取りをしていると、隣の部屋からまた新たな人物が顔を出した。

 

「何をしているんですか?アーニャ。まだ昨日洗い残した皿が残ってるじゃないですか。きちんとやらないとまたミア母さんに怒られますよ?

……其方の方が新人さんですね?私はシル・フローヴァです。これからどうぞよろしくお願いします。」

 

ん?……まあ、神ヘスティアもバイトしている位だから、神が酒場の従業員でもおかしくはないのか?

 

「シルヴィアだ、よろしく頼む。」

 

「本来は常勤があと二人居るんだけどね、生意気にも仕事をサボって出掛けてるから、挨拶はまた別の日にしときな。」

 

「ミア母さん?二人はちゃんと許可を取って出掛けてるんですよ?」

 

「そんなのどっちも一緒だよ。この忙しい日にわざわざ出掛けるって言うんだから。」

 

と、そこまで言うとミア母さんは此方を向いて口を開いた。

 

「あんた、レシピがあれば料理は作れるって言ったね?とりあえず仕込みだけ教えるからこっちに来な。」

 

そうして、私は初日から結構な量の作業を与えられるのだった。

 




何が必要だ?でスカイリムが頭に浮かんだ。

あせんちゅはどのファミリアに加入するか。

  • ロキ・ファミリア
  • ヘスティア・ファミリア
  • ヘルメス・ファミリア
  • フレイヤ・ファミリア
  • ヘファイストス・ファミリア
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