デルタカイの関節部に蒼い炎が灯る。
生々しく冷たいプレッシャーを振りまいている。アレイスはすぐに異変に気づき、ユイに接近する。
「……」ユイは無言で操縦桿を握り、ザクIIIの腕をノールックで撃ち抜く。
その直後、バイオセンサーの力を通してザクIIIのパイロットの姿が見えた。「…貴方は……メル…メル・ティルフ?何故ザクなんかに…!」ユイが通信で叫ぶが、答えは無い。
「答えてよ!」叫ぶような呼びかけに呼応するように、プロトタイプ・フィンファンネルが動き出す。「…ファンネル?」メルは拡散ビーム砲に改造されたザクIIIの腰部ビームカノンを乱射し、牽制しながら距離を取っていく。
「……レーダーに反応あり!…MSN-001…デルタガンダムの反応…!?あの機体は実機なんて…残ってるはずないのに…」オペレーターが困惑している。「…ふむ、あの時を思い出すな…。次は戻ってきてくれよ…アレイス…ユイ…」マベリックが呟く。
「ちっ、新手…!?あいつも居ねえのに…」当のアレイスは謎のデルタガンダムにビーム・ライフルを撃ち抜かれ、背部のバズーカ
でデルタに牽制をしていた。しかしビームライフルを撃ち抜いたあとのデルタはアレイスに目もくれずザクIIIとデルタカイの間に割って入る。
「…メル、戻るぞ…」「しかし父上…ユイが居ます…彼女も一緒に…」デルタに乗った男にメルが反論する。「ダメだ。機体の損傷が大きい。お前に怪我をされては困るからな…」「…メルのお父さん…!コーエンおじさんなの!?」「…本当に、ユイか。いずれ会うとは思っていたがな…。これもオールドの計画通りか…くくっ、」ユイに対し、男はよく分からないことを言い、ザクIIIを掴んで距離を取り、スモークや閃光弾で周囲を撹乱し撤退した。
「…2人揃って…敵……じゃないの…」シールドに装備されたハイメガキャノンにエネルギーが収束していき、ビームが煙幕を貫く。既に2機は姿もなく、ビームは虚空に消えていった。
その直後、デルタカイのバイタルサインが消灯し、その直後に関節部の炎が消えていく。「…パイロット、気絶しました。救助をお願いします。」オペレーターがアレイスに通信で叫ぶ。「…予備機の整備とティナの出撃用意は?」「出来ています。」「了解。直ぐに回収して戻る。ティナ少尉、哨戒を頼むわ。」デルタカイを掴み、ワルキューレへと帰投する。入れ違いになるようにレドームなどを装備したZIIIがゆっくりと出撃し、ワルキューレを先導する。
「…何とか、なったがこのデータは…」マベリック艦長は訝しげにデルタカイから観測されたデータを見ている。「…まず行くべきは、あそこだな…。」彼は立ち上がり、目標へと進路を定めた。