ゾンビゲー転生サバイバル百合モノ   作:バルロjp

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閑話とか2

「じゃあ今日はこの世界においてどんなものが有用で価値があるかというお話をしまーす」

「「はーい」」

 

作戦決行3日前。お仕事が割り振られていない私達は当然のように暇をしており、余りにも暇で暇過ぎたので、クーに授業を行う事にした。すると何故か暇してないはずのプトラちゃんも付いてきた。まいいけど。

 

プトラちゃん自分の部屋(見せてもらったけど個室だった。流石幹部だぜ)があるって言うのに、最近私達の部屋来て寝るんだよね。だから何かしようとすると即見つかって付いてくる。これが仲良しなのか監視なのか、迷うところです。

 

ワニ? 知らん。ま弓のパーツでも探しに行ったんでしょ。弦素材の『撓竹糸』はここじゃあ厳しいだろうけど、弓幹(木の部分)の『鋼蜜』ぐらいなら見つかるしここで加工できるし。

 

てことでワニを抜いた3人で集まり、場所はシャクの倉庫。

ただ話すだけというのもつまらないので、適当にクーと外で散歩しながらが授業しようと思ったんだけど、プトラちゃんという工業大学コミュニティを構成するにおいて、一番な重要人物を危ないところに連れていくのは許可が降りないので、やむなく大学内ということになった。代わりに、シャクの倉庫でやっていいという許可を頂いた。

まーそこまで散歩したいわけじゃなかったからいいけどね。後クーがちょっと元気ないって感じだし。無理に連れまわすよりかはね?

あでもクー()の散歩はしたかったか。クー小型犬サイズの犬耳と尻尾がほぼほぼ完成生えきってるんだよなぁ。クーが元気ないのこの散歩してないのが原因か?

 

葉っぱを載せ紙を巻き巻きして煙草を作ってるシャクを見ないふりして、久しぶりに来た倉庫をぐるっと見回す。

初めて来たときは表に並べられたブツしか見れなかったが、今回来たのはカウンターの奥。有用でないおもちゃや店頭に並べられないお得意様専用の物、高すぎて普通に並べるには適さないものなど、楽しいラインナップが並んでいる。

NZWではテンプレを網羅している部分があるので、当然交易専用のアイテムを存在する。買える値段じゃなかったとしても、キープぐらいはしておきたいね。

 

あ、言い忘れてましたが、ここの回、ギャグ回です。

 

「じゃ二人とも、ここにはいろんなものが撮り揃えられているけど……一人で生きていくなら、この場で何を選択するのが一番だと思う?」

「ご飯!」

 

私の問いかけにクーが即元気よく反応するが不正解。

 

「武器かな?」

「ん、正解」

 

プトラちゃんの回答に軽く頷きながら、私はラックに掛けられていたショットガンを手に取る。

『HSG-Mouse』。8発装填の小さく取り回しが良いのが特徴のSGだ。ランクは下から3つ目くらい。序中盤武器だね。

 

「食料なんて、延命だけを考えるなら正直なんとでもなる。病気になるのを厭わなければ泥水だって生肉だって食べられる。渇きは人の血で補えるし、飢えは人の肉でも代替えとなる」

 

クーの耳と尻尾がぴこんっとちょっと元気に反応し、プトラちゃんの表情が微妙そうに曇る。

 

「でも武器はそうはいかない。一定以上の物となると運も実力もいるようになる。そして物資はそういった武力が必要な場所にあるのが殆どだ」

 

NZWは、一定以上のものを手に入れるためには一定以上のものが必要となっていることが多い。

例えば銃が良く湧いている『工廠』では、火力が一定以下の遠距離を無効とする『シュレッダー』がいるし、武器防具アップグレードに必要な金属が手に入る『坑道』では一定以上の火力が必要な『リゾナンス』が、機械化用の電子部品は『P商店』の定期的にくる全域低ダメージに対処できなくてはいけないし、人体強化用の『博物館』ではそれなりのDPSが求められる。

まれによくある、クエストをクリアするにはAが必要だがAを手に入れるにはクエストをクリアしなければならない。が要求されるのだ。

 

まそれをひっくり返せるのが知識であり、プレイヤースキルであり、いつ裏切るかわからんパーティーを組むことなんだけどそれはそれとして。

 

「でも労働してお金をコツコツ集めれば、まぁこのぐらいだったら現実的に手に入るワケですよ」

 

手で弄ってたSGをキチンと構え、片目を瞑りレティクルに沿わせる。銃床を肩に合わせ指はトリガーに。店頭販売中のなんで当然弾丸は入ってないが、まーそこは雰囲気だ。

 

「と、お。重力銃じゃん。お金で買える上澄みの方だね」

「それは非売品だ。たまーにアネカリアには貸し出すけどな。つーか三日後にまた貸す」

「えー私にも貸してよー」

「俺じゃなくてアネカリアに交渉してくれ」

「ちぇー。……ま、こんな風に掘り出し物とかいーやつがあるから、集団に属す気がなくてもトレーダー付近に拠点建てるといーよ。わかった?」

 

「なんかこのほね、とっても好き……」

「あ、望遠鏡が値下げされてる! もうちょっと貯めたら届きそう」

 

「こいつら何も聞いてねぇ」

 

私が重力銃から視線を二人に戻すと、二人は各々興味を引いた物に忙しそうだった。

クーは『RA-マンモス』の骨で、プトラちゃんは相変わらずのデラックス望遠鏡だ。

 

「けけけ。お前の話は骨と望遠鏡に負けるようだな?」

「ちなみに一番効率いいのはトレーダーをぶっ殺して全て奪う事だからね」

「………………」

 

はい黙らしたので私の勝ち。……おい中指立てんな。セットアップ面倒くさいだけで言質取られた状態でも頑張れば殺せるんだからな。

 

「はぁ……ま、いいや。クー、その復元動物の骨は人体強化用だからクーが使うことないよ」

「え。食べれないの? これ」

「出汁取るぐらいにしか使えないんじゃないかなぁ」

 

「カルシアちゃん、これはー?」

「それは『W5CS』。中級加工金属。……一応聞いとくけど、出汁取れるかどうかを聞いたわけじゃないんだよね?」

 

「おねーちゃん、こっちのおいしそうなのは?」

「『下級異界生物の肉片』だね。まクーには必要になるし買っといてもいいけど……シャクこれいくら?」

「あー不気味なのも相まってウチの連中買わねぇしなぁ……10」

「買いで。後で部屋で食べな」

「それ食わすのかよ……」

 

「んー? シャクさんこの電子部品ってMODじゃないの? 何で共用スペースに置いとかないの?」

「それMODの中身が解析できてねぇんだよ。研究室の連中も今は忙しいし後回しにしてんだ」

「デザインからして脚部の消費系統だね。まぁ(今の世界レベルで沸くとするなら)出力最適化(スタミナ消費減)かな」

「へー。カルシアちゃんって物知りだねぇ」

「いやお前のその知識はどこからくるんだよ」

 

 

 

暇だ。余りにも暇すぎる。

 

私は所属としては戦闘班で、戦闘班は常日頃から周囲のお掃除や遠征、他グループとの抗争(この世界戦では今のところ不干渉寄りらしい)などのお仕事がある。しかしリーダーによってもうすぐ大規模制圧作戦を控えた私は仕事が割り振られる事が無く、プー太郎のままだった。

 

こうしている間にもアフリカでは一分に一秒の時間が過ぎオメガ君は復讐心の元レベリングをしているというのに……。時間がもったいないぜ。

 

別に、リーダーからは「外に出ないでくれ」とは言われていない。あれはむしろ「お前を校内にいさせていたら正直どんなトラブル起こすかわかないから外出しねーかな」という目をしていた。なんと失礼な。

 

もちろん私もじっとしているのは性に合わないし、物資を溜め込む拠点が決まった以上、冬ごもりハムスターよろしく、いつか使うかも……とゴミをため込めるのだ。例えゴミだらけのチェストであろうと、最大スタックがチェストいっぱいだと私は幸福を覚えます。いぇい。私はマ○クラで丸石捨てれないタイプ。

 

しかしここで遠出をする。実はそれもよろしくない。何故ならこうして自室で天井を見上げながら考えている最中にも、同室の反対側にある机ではプトラちゃんがプラスウォッチのホログラムを最大化し幹部のお仕事をしており、私が教室から出ようとするとどこに行くのかしつこく聞いてくるだろうからだ。

 

どうも昨日勝手に警察署(難易度そこそこ)まで行って資材調達をしてた事を怒っているらしい。ただでさえもうすぐとっても危ない作戦を決行するんだから、今はちょっとでもリスクあることするなーって。

私としては警察署ぐらいステルス縛りとかでも余裕なのだが、どうもプトラちゃんは心配性なきらいがある。ちなみにお目当ての防弾チョッキ(G3以上)は見つからなかった。

 

う~~~ん……。うまい事プトラちゃんを心配させずに、私のこの戦闘欲を満足させることはできないだろうか。マキシマムとかと模擬戦してもいいんだけど、今はPVMというかゾンビをぶっ殺したい気分なんだよなぁ……。

 

………………。

 

「あ」

「あ?」

 

ふと思いついた案に声が漏れ、プトラちゃんが反応する。

しかし私はそれを気にせず機嫌よく体を起こして靴を履く。

 

「どこか行くのー?」

 

体を傾けイスの前足を浮かせながらプトラちゃんがなんとなしに聞いてくる。これで「えんせー」とか言ったら30分ぐらいは目と目を合わせて説得タイム入ります。

 

ま勿論今回は納得させられる言い分がある。ちょっと考えれば簡単な事。小さい時から家でも学校でも皆言われている。すなわち。

 

「学校の防壁周囲の間引きでもしようかなってね」

 

先生の見える範囲にいてねって奴だ。

 

 

防壁なんて言っちゃあいるが、所詮元は学校という区切りを示すための柵やら塀だっただけだ。そこからセメント・屑鉄などで補強はされ、高さやかえしに鉄条網が設置されているが、ぶっちゃけるとボマーの自爆を一回喰らうともう怪しい。広大な面積を誇る学校を十全に守るには今のところ物資が足りないのだろう。

 

と、いうわけで防壁周辺は定期的な間引きが求められる。ノーマルゾンビがいくら壁ドンしようと壊れはしないが、その音に釣られて上位種が来たら目も当てられないからね。あと外壁周辺でゾンビの声がしてたら、子供達が怖がって支持率が下がる。

 

「ということでその仕事は私が引き受けよう!」

「はぁ……このくらいならそりゃ変わりますけど……」

 

困惑顔のコオ君(本来の見張り役)と「んーまぁこれくらいなら……」なリアクションをしているプトラちゃんを背に正門から外に出る。腕を伸ばしておいっちにーさんしー。おー釣れる距離にそれなりにいるねー。

 

ちなみにこの防壁周辺処理のお仕事、分類としては支持率上げ用の初級クエストなのだが、支持率なんて基本嗜好品納品で上げるのでマジで利用されないクエストだ。

その人気の無さがこの世界でも反映されているのか、割とあっさり変わってもらえた。

 

「~~~♪」

 

口笛を吹きながら装備の確認。と言っても現状用意してるのは拳銃とナイフだけだ。それとこの拳! 投げナイフぐらいはまた補充しておかないとね。

 

(ポイント)の溜まり具合からして全然更新できるんだけど、拘らなかったら更新できるけど私の好みって拳銃区分だから……『ws-03』の次の拳銃って中盤中期に入るぐらいそもそもの絶対数が少ないんだよね。や、そもそも終盤武器が種類多すぎるだけなんだけど。

 

まぁというわけで私の武器は未だに更新されていないワケです。ナイフぐらいは後で更新しとこうかな、倉庫(シャク)んとこにあったし。

 

「う”ぅぅぅううう……」

「おっと」

 

そんな事を考えていた間に既に釣れていたらしい。ぼぉっと遠くを見ていた視線を声の方向に戻すと3体のゾンビ。ワンコンボを入れるのにちょうどいい数だ。

 

それじゃ、肩慣らしから。

 

「近接格闘、モーション1」

 

まずはいつものから。ナイフを握らず突っ込んで、掴みかかろうとする腕の合間を縫い顔面に右ストレート。革手袋越しに嫌な感触が伝わってくる。

そのまま頭への衝撃でよろけていたゾンビの脚を払い、寝かせた後に踵落とし。ゾンビの顔は陥没した。

 

「2」

 

タイミングを見計らっての腹部への回し蹴り。相手がくの字から復帰できていない間に接近し、顎にエルボーを当てシメにアッパー、から、足をワンツーステップで後ろを向くように繋げ体を縮め手はナイフへ。抜刀の勢いを殺さないように回転しながら腕を伸ばし速度を維持し、残り一体の首を掻っ切る。

 

「連携モーション2ってね」

 

ぴっぴとナイフを振って血を捌ける。同じく汚れた革手袋は……しょうがないから諦めよう。そもそも返り血も掛かってるし、今はそれよりも次だ。

 

後ろを見ると今度は五体。昼間で躊躇うシーンでもないので突っ込む。

 

「わん、とぅーすりーふぉ、とぅ、とぅーすりーふぉー」

 

腕を取り眼光からナイフを突き刺し押し倒すいつもの奴。抜き取りの勢いを利用して次のゾンビの顎へ柄で攻撃、のけぞったところを心臓へぶっ刺し、逆手で抜いて頸動脈を掻っ切る。

 

ノってきた気分のままゾンビを蹴飛ばし、背後から襲ってきた奴を避けてから髪を引っ張り仰向けにこかせる。

 

「お触り禁止ってね」

 

で、左足を頭頂部に添え右足で喉元を全力で蹴って留め。下からは嫌な音と共にうめき声が止んだ。

 

残りは2体。首を掴んで噛まれないようにし、お腹に膝蹴りを入れる。するといい感じに頭が下がってくれたので、喉を掴むのを止めて代わりに顎下からナイフを突っ込んだ。

 

「っと?」

 

なんかナイフが抜けない。マジかよ、あんなにすっと入ったのに。抜くときだけキツいとかあるか? もー欲張りさんなんだから、次のゾンビも待ってるんだから早くナイフ返しなさい!

 

そう言い聞かせてもナイフは抜けず、しょうがないので拳銃でヘッショ2発してラスイチは終わらせた。

もーできれば拳銃は使いたくなかったのにー。

 

ぷくっと頬を膨らませながら、抜いた銃をくるっと手遊んでホルスターへ。なんだっけこういうくるくる回すパフォーマンスの奴。ライフルドリルだっけな。皆がやる時は安全装置掛けてやろうね。

 

それはそうとナイフナイフっと。……なんか本当に変な肉の噛み方されてるな? まちょっと強引にこう、すっと……。

 

パキン。

 

「………………おーけー。私には拳があるさ」

 

 

その後当たり散らすかのように暴れていたら、いつのまにかクーとワニが合流していた。クーはプトラちゃんの宿題(いつのまにか情操教育を受けていた)を終わらせたから、ワニは加工所に回していた弓が完成したからの合流だ。

ぶっちゃけ私の獲物が減るし過剰戦力なんだけど、オンゲとは古来よりワイワイ喋りながら雑魚狩りするものなので妥協した。

 

防壁パトロールはゆっくり歩いて一周15分くらい。正門付近に場所を移してお仕事をしているプトラちゃんに挨拶をしたらスコア更新だ。

 

「うーん。拳にも飽きてきたしワニ弓貸してくんない? 代わりにワニが拳で戦っていいよ」

「拳だなんて野蛮な。僕にはとても弓しかできない」

おめー(ワニ)も『近接格闘』持っとるやろ! がい!」

 

「おねーちゃんたちがもってるその、『きんせつかくとう』? ってクーももった方がいい? の?」

「んー? んにゃ、クーにはケミカリーあるからいらないよ。あれ内包してたはずだし」

 

「さっきせーもんの人が、「なんで弓つかってるんだ?」って言ってたけど、弓ってめずらしいの?」

「珍しい。序盤ならともかく、弓をメインウェポンにする人なんて僕の周り(ゲーム)でも百人に一人以下だった(20XX年6月統計調べ)」

「へー。それってやっぱりむずかしいから?」

「それもある」

「じゃあワニちゃんもシアねぇも外さないから、とっても上手なんだね!」

「ん……。僕はまぁかなり練習した。シアねぇは知らない。多分センスだけでやってる。普通に頭おかしい」

「聞こえてるんだが?」

 

「んにゅ(悲鳴)」

「薄々心配してたけどついに返り血がクーに」

「まそりゃこんな私以上の近接戦闘してたらね。あーこらクー血を舐めないの。一応見張り塔に人いるんだから。ほら拭くから眼つぶって」

「んにゅ(されるがまま)」

 

「ただいまープトラちゃん。これで10週目しゅうりょー」

「おかえり。……えっと、まだするの?」

「私は何かいいもの持ってるの見つけるまでは続けようかな。二人は休憩する?」

「元気!」

「余裕」

「だって」

「そっか。私はもーそろそろ晩御飯作りに行くけど、無理はしないでね!」

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